メダカが次々と死んでいく大量死の原因と対処法

めだかといっしょにメダカが次々と死んでいく大量死の原因と対処法

引越しして、増やして、ある日突然次々とメダカが死んでいく。そんな事態が発生した場合、どのように対処すればいいのでしょう?

メダカをよく観察する

最近、メダカの生活に変化はなかったかどうか、紙に書いてみましょう。特に大量死している場合は、事態は深刻です。

などなど、思い当たることをなんでもピックアップしていきましょう。

最近、水替えをした

水替えをして、すぐに大量死がはじまった場合、水質の変化によるショックが考えられます。用意した水と、今までの水が違いすぎた場合、メダカにとっては致命的となります。水換え時の水温変化は、30分で0.5℃以内を心がけましょう。温かい水と冷たい水を水槽の中で混ぜ合わせながら温度をあわせるようなことは、大変危険です。熱帯魚の飼育が長く、魚の体力をよく知っている場合、大技として水換え時に大胆な行動をしますが、ここまでなら大丈夫という経験に裏付けられていなければ、しないほうがいいです。

長い間、水換えをしていなかった場合の水換えショックは、主に、pH(酸性度)変化によるものです。飼育しているとメダカのうんこやおしっこが微生物に浄化されて硝酸にかわり、水に蓄積されていきます。魚の飼育では、多孔質ガラスやセラミックなどが硝酸を窒素に変える脱窒素作用があるとされていますが、通常の魚を飼っている水のなかでは脱窒作用を起こすバクテリアにとって栄養が足りません。高度な脱窒を起こすための魚用のろ過装置では、嫌気性とするために水流を極めて遅くし、また糖質の添加をしています。通常の個人の家で行うのには困難な設備です。水草を入れることでも、これは解決できません。水草の窒素の消費は、あてにできるほど多くはありません。水草を観賞するための水槽でもない限り、硝酸がたまっていくのです。そのため、水のなかに多くたまっていく硝酸が水を酸性に傾けていくのです。水道水の酸性度は、ほぼ中性。めだか飼育の水換えにも書いていますが酸性度があまりにも違うとショック状態を起こし、死に至ります。

また、水道水をそのまますぐに水換えに使った場合、水道水の中に殺菌剤として使用される次亜塩素酸の残留により死に至る場合もあります。次亜塩素酸は、塩素としてばい菌の消毒に使われますが、魚ではヘモグロビンに作用し、酸素運搬を阻害します。そのため、魚は口をパクパク水面に上げて、呼吸をしようとします。残留している次亜塩素酸が多い場合は、そのまま酸欠で死んでしまいます。次亜塩素酸は、ハイポなどのカルキ抜きにより中和させることができます。カルキ抜きは魚に無害とされていますが、入れすぎると体の粘膜に変調をきたすと思いますが確かではありません。経験です。また塩素の残留は、その目的どおり水槽をきれいにするバクテリアに対しても、ダメージを与えます。

すぐに大量死がはじまった場合は、この3点が考えられます。この場合、体力の少ない順に死んでいきます。対処法はありません。塩素の残留に対してのみ、速やかにカルキ抜きを行うことでこれ以上の死を免れることがありますが、気がついたときには手遅れだったケースも多いです。そういったことを起こさないためにも水換えの注意点を熟読してください。

次の日から、あるいは数日たって次々と死んでいくようになった場合、きれいに見える水換えしたばかりであっても、水の汚れが疑われます。水換えをして、メダカが死に至らないまでも、水をきれいにしてくれるバクテリアにとってすみにくい水になった可能性があるのです。目には見えない水の汚れのため、ほとんどの場合メダカが病気になっています。

今の季節は?

気温の上下が15℃以上ある場合、白点病が発生しやすいといわれています。また、気温の変化が少なくても、水が汚れている場合、メダカが弱って白点病になりやすいです。メダカの病気といえば、この白点病が代名詞といえるくらいで手を抜くとすぐに発生し、放っておくと数日で全滅します。白い点が口や頭やえらや、つまり体のどこかにあるので白点病といわれますが、メダカの場合、見分けのつくほど体のあちこちに白い点ができるまでに死んでしまいます。春や秋には要注意です。白点病の治療・対処法は、メダカの病気ページにあります。

夏になると、暑いです。そのため水温が上昇します。屋外では直射日光を浴びて水温がみるみる上昇しますので、よしずなどで日陰を作ってあげましょう。浮き草を入れてあげることも大事です。水草は、その葉っぱが直接の日陰を作ると同時に、水温が上昇してくると根から吸った水を葉っぱからどんどん蒸発させて、水温上昇を抑えます。最近の屋内では、もっと過酷です。窓を締め切った室内は40℃にもなる場合があります。水温もこれにあわせて上昇します。水温が35℃を越えるともうだめです。30℃を少し越えたあたりまでしかもちません。白点病治療のため、32℃まで水温をあげる場合もありますが、これは病気治療のための一時的なものです。全滅よりかはましだろうと水温を上げるものですので、普段32℃で飼っても問題ないというわけではありません。水温を下げる扇風機のようなものもありますし、エアコンをするという手もあります。また、風通しのよい涼しい場所があれば、そこに移動してあげましょう。

うんこは?

メダカの観察ページにも書いていますが、メダカが白い糸のようなうんこをしている場合、亜硝酸の蓄積による水質の悪化です。消化不良を起こし、下痢に近い状態になっています。また、すぐにおびえ、物影に隠れるようになります。食欲がなくなり、普段は元気に泳いでいても、底のほうでじっとしていたり、水草の陰に隠れたりすることが観察できるはずです。亜硝酸がたまりすぎるとメダカは死に至りますが、大量死のような状況は発生しません。メダカの体力低下により、病気にかかりやすくなるのです。また、亜硝酸がたまるということは、水質浄化に原因があり、飼育環境の見直しをしてあげる必要があります。そして体が弱って、すぐにつけいるのが、ここでも白点病です。メダカが弱ると白点病以外の病気にもかかりやすいので、白点病と決め付けてはいけませんが、病気にかかりやすい水質にしてしまったことには間違いありません。

通常は、えさを食べた後、黒っぽいうんこをします。何匹か飼っているなかに黒いうんこをするメダカもいれば白いうんこをするメダカもいるという状況を見かけたら、黄信号です。すぐにでも飼育環境改善のための行動に移りましょう。水換えも忘れずに。

体に変化はないか?

体の表面に異常はないか。尻尾やひれにおかしいことはないかよくよく観察しましょう。餌をあげて、すぐに喜んで食べるようなら、症状は軽いです。メダカが弱っていない証拠ですから。でも、病気であれば、すぐに進行し、手が付けられない状況になります。餌を食べるのは体力がある証拠です。メダカ自身が病気と闘って、体力が残っているうちに対処してあげないといけません。餌を見向きもしない場合、もう体力が残り少ないか、おなかを壊しているか、いずれにしてもメダカが弱っていることには変わりありません。死んだメダカは、多くの場合、他のメダカにつつかれ、おなかから食べられてしまいます。死んだメダカのおなかが食べられているのであれば、他のメダカのなかに食欲があるメダカがいるということもわかります。

部屋で飼っているのであれば、お部屋で何かしたか?

近くで殺虫剤を使用しませんでしたか?蚊取り線香は?これらは、いずれも生き物を殺すために使う薬剤です。メダカにとってもいいことはありません。近くではなるべく使用しないようにしましょう。バルサン使用時は、できれば安全なところに移動してあげましょう。うっかりバルサンをするときに、金魚を家の中に置き去りにしたこともありましたが、そのときは、何事もなかったように元気に見えました。が、すぐに水換えをして、あくる日も水換えをして、なるべくはやく水の状態をよくしてあげることをしました。

次々と死んでいくきっかけのメダカはいつごろか?

毎日のように死んでいくメダカと、1週間くらい間があるのとでは、状況が違います。毎日死んでいくのは、メダカにとって極端に悪い状況にあり、早くしないと全滅してしまうため、一刻を争います。時間を置いて死んでいってしまう状況では、いろいろな要因が絡んでいる場合が多いため、飼育環境改善を行う必要があります。

見た目の水はきれいかどうか?

水が白くにごっている場合は、メダカの排泄するたんぱく質でにごっているケースが考えられます。ということは、アンモニアが水の中に充満していることでしょう。続いて、アンモニアを分解するバクテリアが増え、アンモニアが分解され亜硝酸となります。おそらく亜硝酸も非常に高い濃度で検出されるはずです。早急に水換えと、水のろ過の補強、飼育する水容量の大幅な増量(つまり、より大きな水槽に換える)、水槽を増やし、分けてあげるなどの対処が必要です。しかし、極端な場合を除いて、これが直接の大量死の原因とはなりにくいです。水の悪化による、メダカの体力低下、そして病気による大量死が考えられます。

次々と死んでいく大量死の原因と対処法

メダカは比較的、悪水質に強いといわれています。悪い水質になるまでには時間がかかるため、次々と死に至ることはありません。つまり、メダカが次々と死んでいく病気による大量死か、水換えによる水質の変化からくる大量死かのどちらかです。水換えの水質変化による大量死は、もう打つ手はありません。メダカの体力の範囲内であれば、生き残りますし、限界を過ぎれば、死んでしまいます。死んだメダカは、水質を極端に汚します。体に残っている体液や汚物が流れ出すためです。仲間に食べられないことも含めて、早めに取り除いてあげましょう。

病気であると結論に至った場合、どんな病気かすぐにわかればそれぞれ専用の治療薬がありますので、薬で治すことも可能です。ペットショップや熱帯魚屋さんにいって、治療薬の相談をしましょう。適切な薬のアドバイスがもらえます。

どんな病気かわからない、もしくは、なぜ死んでいくのか原因がわからないという、飼いはじめて間もない飼育者も多いと思います。病気が疑われるくらいしかわからないときには、まず、試してみてください。今日は餌をあげましたか?あげていないのであれば、治療に入るまえに餌をあげましょう。もうあげたのであれば、そのまま治療に入りましょう。根本的な治療とするため、ろ過装置や砂の間にいるバクテリアも含めてすべてやり直しです。普段から、このようにしないといけない状況にしないように心がけてください。することは、メダカの病気で書いてあることと一緒です。まず、ろ過装置があれば、取り除きましょう。水草や鑑賞物も取り除きます。予備の水槽があれば、用意し、なければバケツなどの容器でもいいです。水換え用の水はいつも用意できていますか?なければ、カルキ抜きをした水を用意してください。水道水や井戸水であれば、時間を置いて水温をあわせてあげることも必要です。メダカ飼育の水換えを参照し、適切な水をさらに別の容器で用意しましょう。用意ができたら、まず、現在メダカを飼っている水を用意した容器の半分くらい入れます。水をかき回さないよう上澄みをとってあげることが大事です。白点病だった場合、白点病の寄生虫の卵が水の底に沢山あるからです。そして、メダカを飼っている容器の水をかなり減らします。続いてメダカの移動です。料理で使うお玉が便利です。そっと下から掬い上げるようにすると簡単にお玉で捕まえることができます。このときもなるべく水をかき回さないよう気をつけてください。お玉を先ほど水を移した容器へこぼさないように移動させ、そっと漬けていきます。この作業を繰り返し、すべてのメダカを移したら、移した容器に水換え用の水を入れましょう。今まで飼育していた水が水換え用の新しい水で、半分に薄められた状態になりました。さて、ここで塩を用意しましょう。塩浴です。0.5%の食塩水で塩浴してもらいます。メダカの病気にあるように、塩浴に使う塩は余計なものがはいっていない塩を使ってください。塩浴することで、ほとんどの病気にある程度、通用します。はじめて塩浴するときには、こんなにいれてもいいのか躊躇するほどの山盛りの塩の量です。バケツなら、どこかに容量が書いてありますし、水槽なら縦横高さを測って計算してください。1立方センチが1ccとして計算しましょう。

体力が残っていれば、数十分~数時間で回復してきます。病気の症状が重い時には、数日かかります。白点病などは金魚を観察するとよくわかるのですが、適切な濃度で塩浴させ始めたらすぐに体についている白い点が取れ始めます。30分もすれば、白い点が少なくなっていることがわかることでしょう。今日一日はそのまま、そっとしてあげることと同時に次の日に備えて用意をしておきましょう。手順を詳しく載せていますのでメダカの病気のページ通りに対処してください。

これら一連の作業をすることで、きれいな水の中で体力を回復させると同時に淡水では生育できない寄生虫や病原菌を退治します。大量死のほとんどの場合、これで生き残ったメダカを元気にさせることが可能です。寒い時期には塩浴だけでは効果が薄く、ある程度の水温を保つ必要があります。この作業を行っても大量死が続く場合は経験したことはありませんので試す価値はあると思います。

直ったと思っても1週間は続けてましょう。元気になって1週間がすぎたら、同じ要領で、水槽に入れてあげましょう。元の水槽や砂はよく洗って乾燥、日光消毒しておくことを忘れず、ろ過器は病原菌の住処となっているはずですのでフィルターは新しいものと取替え、使っていたフィルターは見た目きれいでも捨てましょう。水草は、洗面桶などに入れ、水道水をカルキ抜きしないままの水を使い、ジャブジャブ洗って、毎日きれいな水道水に取り替えて上げましょう。日のあたるところに置いておくと日光消毒もかねることができます。

おしまい。