五月人形とは

五月人形は、日本の五節供のひとつ端午の節句に、子供のお守りとして、また、子供が強く健やかに育つよう願いを込めて飾るものです。

五月人形はいつ飾るか

初節句には、3月の半ばから終わりにかけて五月人形を飾るとよいでしょう。端午の節句直前の日に飾る一夜飾りは縁起が良くないといわれていますが、初節句はもちろん次以降の年でも、いつ飾らないといけないという決まりはありません。家族が揃う休みの日に、みんなで子供の成長ぶりを楽しみながらみんな揃って飾るのがいいのではないでしょうか?また、五月人形は、年中飾る場合と、4月はじめに飾る場合があります。この両者はどちらでもかまいません。年中飾る場合は、飾ったり、しまったりする楽しみがありません。しかしながら、五月人形は子供のお守りですので、飾らなくなってしまうよりかは、出しっぱなしで年中飾っているほうが望ましいです。

五月人形はいつしまうか

五月人形はいつ飾るかで書いたように、年中飾る場合はしまう必要がありません。季節の節目をはっきりさせるため、飾ったり収めたりする場合は、5月5日を過ぎた、やはり家族の揃う休日に、家族みんなで収めるのがよいでしょう。子供にハタキを持たせ、それを眺めながら、あれこれ子供に教えながら、話をしながらしまうのもいいものです。これも、いつしまわないといけないという決まりはありませんのでゆとりがあるときに、ゆっくりとわいわいしながらしまいましょう。

五月人形の種類

五月人形の種類として、平安時代以降の頭に被る兜を1/5~1/2サイズで模写した実際より小さい兜を中心に、屏風、弓太刀などで飾り立てる兜飾りと、鎧を中心に飾る鎧飾り、子供の武者姿を飾る子供大将飾りがあります。また、木目込み人形で作った五月人形もあります。

兜飾りは、その緻密な造りが特徴で、平安・鎌倉時代の兜の造りを精巧に模写した兜や、我が子を好きな名武将のようになって欲しいと、実際に残る名武将の兜を模写した名将兜があります。これらは形や色合いの好みで選んでもらってかまいませんし、その兜の由来や意味があるようであれば、それに感銘を受け決めるのもよいことだと思います。

鎧飾りとしては、兜と同じように平安・鎌倉時代の大鎧と呼ばれる形の鎧と、名将の具足を模写した名将鎧と、さらに、神社などに収めるために製作された形を再現した、奉納鎧があります。

本来、五月人形の兜や鎧は、本体を収納するための櫃が付属します。兜櫃、鎧櫃といったものがそれにあたります。しかし、最近の雛人形のように五月人形でも屏風や弓太刀などの付属をまとめて収納できる収納飾りも出てきており、話題となっております。(参照 - 五月人形情報満載

五月人形の飾り方

五月人形は、基本的に中心に兜か鎧、子供大将などを置き、両側に弓太刀を飾ります。弓太刀は向かって右側が太刀、向かって左側が弓です。かがり火があるようなら、弓太刀の手前におきます。

兜自体の飾り方は、極めて簡単です。眉差しに鍬形をつけ、竜があるようなら鍬形の真ん中の差し込み部分に取り付けます。鎧は、兜部分の組み立ては一緒で、胴体の上に載せるだけです。簡単です。子供大将は、鍬形を差し込むだけで、あとは全部ひっついています。

飾り台があれば、その上に本体を置き、後には屏風、両脇には弓太刀というのが、最近の飾りの主流です。

五月人形の選び方は?

大きさで選ぶことも大事ですが、男の子が好きになってくれそうなかっこいい、強そうな五月人形を選ぶことを最重要課題としたほうが、お母さんのための五月人形にならなくてすみます。男の子のための五月人形ですから、見向きもされないような、かわいらしい五月人形なら、お母さんひとりで何年も飾り続け、そのうちに飾らなくなることでしょう。

男の子に自分で飾らせることを前提に、気に入りそうな五月人形を選んであげましょう。(参照 -五月人形の選び方

五月人形の由来

武家に男の子が誕生すると、玄関前に幟や吹流しを立て、兜や人形を飾りお祝いしていました。それが小型化して、屋内に飾るようになったようです。また、男の子が産まれると、その子が初陣を飾るための鎧を新調したということで、それらが結びつき、現在の五月人形になっていったのです。

五月人形の材料

鎧や兜を構成する小札・しころという板は、主に鉄や、アルミ、真鍮、牛革などが使われます。日本の鎧は革鎧とも言われ、本来は、革が主体となって作られています。小札やしころを威す(連結する)のには糸が使われ、糸の種類は正絹や化繊です。なかには革を糸状に切断し、威しているものもあります。小桜威しと呼ばれるものは、桜の花びらの柄をつけた革を威しに使用しています。鍬形や飾り金具の材料は真鍮もしくはアルミです。一部、プラスティックを使用したものもあります。また、ケース入りなどの簡単な五月人形の小札・しころには段ボール紙を使用しているものも見られます。低価格・量産化を狙い、兜の鉢にプラスティックを形成したものも現在、数多く出回っています。武者人形は石膏を形成した顔をつけています。金襴を衣装に、上から鎧を着せ付けています。

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