カブトムシは、日本の森の昆虫王者として、子供達、特に男の子から好かれ、親しまれています。夏の風物詩ともいえ、ペットとしてもめだか同様に人気があります。子供に人気のペットつながりとして調べてみました。
日本のカブトムシは数種類いますが、一般に日本でカブトムシといえば動物界/節足動物門/昆虫綱/甲虫目/カブトムシ亜目/コガネムシ上科/コガネムシ科/カブトムシ亜科/真性カブトムシ族/カブトムシ属に分類されるカブトムシです。その特徴は、成虫が頭部に一本の角が生え、先端で二股からまた二股にわかれる角を持っている。また、胸部にも角があり、頭部の角と合わせて挟み込むことにより、敵を攻撃したり、頭部の角で投げ飛ばしたりします。体は硬く、色は黒に近いこげ茶から赤色に近い茶色まであります。夜行性で、夕方から朝にかけて餌を摂取したり、交尾したりします。羽があり、飛ぶこともできます。
カブトムシのたまごから成虫が死ぬまでの期間はおよそ1年です。夏から秋にかけて産まれた3mmほどの小さなたまごは、およそ2週間で孵り、幼虫となります。幼虫は、落ち葉やきのこが腐食させた木を好んで食べ、春まですくすくと大きくなります。それからさなぎとなり、初夏には成虫へ変わります。このように一生のうちで、大きく形を変える昆虫を完全変態(かんぜんへんたい)といいます。成虫になると、オスとメスが交尾し、落ち葉の積み重なった土の中へたまごを産みます。ノコギリクワガタやヒラタクワガタのほうが少し前に成虫になり、遅れてカブトムシが出てくるのですが、カブトムシが成虫になって出てくると、餌場の取り合いでほぼカブトムシに軍配が上がります。
外骨格と呼ばれる表皮は硬く、キチンという多糖類からできるクチクラと呼ばれる物質でできています。人間のような骨はなく、硬い外皮を中の筋肉が支えるつくりをしています。また、呼吸は気門と呼ばれる穴から直接空気を取り込み体の各部へ酸素を供給しています。人間のように肺がなく、酸素の供給効率も悪いのが特徴です。強いアルカリ性によって、食べ物を消化し、おなかの中の微生物がさらに消化を助けます。生活環境によるストレスにより、アルカリ性が強くなったり、弱くなったりし、消化の能率が下がると幼虫は大きくなれません。幼虫は、成長により大きくなりますが、蛹以降、成虫のときもいったん体が完成すれば、どんなに餌を食べてもそれ以上、大きくなることはありません。
たまごから孵った幼虫は、腐った落ち葉やきのこが腐らせた木を好んで食べます。形は、いわゆるイモ虫で、赤みを帯びた頭部を持ち、頑丈なあごがあります。体は白くやわらかいです。短い足があり、移動の際に補助的に使います。白いカールに頭がついたら、まさしくカブトムシの幼虫のようです(笑。食欲は旺盛で、落ち葉や腐食樹をどんどん食べ、大きな糞を沢山出します。この糞は、植物由来の肥料として、畑や植木に大変良いとされています。ただし、家庭で使う場合、コバエやダニが発生しやすいので注意が必要です。旺盛な食欲のおかげで、体は、見る見る大きくなり、そのために脱皮をします。もっと大きくなるために体を作り変えるのです。脱皮は2回行われ、産まれたばかりの幼虫を、初令または1令幼虫、1回脱皮した後は、2令幼虫、2回脱皮した後は、3令幼虫と呼びます。脱皮・もしくは蛹化が近づいた幼虫は体が茶色くなります。
カブトムシの成虫の食性は、主に樹木の樹液で、飼育下では専用のゼリーやスイカ、メロン、りんごなど等分を主に摂取することで栄養とします。スイカのような水分の高い食べ物は、カブトムシのおなかを壊し、寿命を縮めるといわれたこともありましたが、実際にはカブトムシの成虫の寿命は1~2ヶ月で、寿命が縮まるほど長く生きないため、さほど関係はないされています。幼虫は、落ち葉の腐った腐葉土を主に食べ、きのこの腐食させた木は特に好物としています。飼育下では、きのこによる朽木を粉にしたマットを与え、その中に潜って過ごしますが、朽木マットを口の中へ次々と放り込んでは大きな糞を大量に出します。朽木のマットに木の葉を腐らせた腐葉土を混ぜて使用することもありますが、ホームセンターなどで市販されている腐葉土は殺虫剤などが入っているため注意する必要があります。また腐葉土でも針葉樹の落ち葉を発酵したタイプの腐葉土は、防虫剤の作用があるヒノキチオールという成分が入っているものもあり、幼虫が食べると死んでしまいますので、広葉樹の落ち葉のみを使用した落ち葉を使用する必要があります。JTが生産するくぬぎ100%の無添加腐葉土が最も適していましたが、現在では、生産中止になり入手できません。また、朽木マットをさらに発酵させた発酵マットと呼ばれるマットもあり、栄養価が高いため、より大きくなります。発酵マットは自分で朽木マットから作ることもできます。現在では、より大きくなるを合言葉に様々に工夫されたとされるマットが販売されていますが、その多くが、理論の乏しい添加物を入れたマットで、微生物の発酵し損ねた糖質を栄養とさせる、いうなれば砂糖漬けのでぶカブトムシに育てるマットです。カブトムシ幼虫の食性や、消化の仕組みを理解した上で作られたマットは、実際にはごくわずかです。結果だけを前面に押し出しているマットのほとんどは、メタボに近い富栄養状態のカブトムシを作り出しています。
(引用・参照 - カブトムシ大型化研究室)