自動車塗装の自分史とSL蒸気機関車写真展〜田辺幸男のhp
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・「中央西線の風物詩を訪ねて」(木曽川に沿って)

162.  「早春の木曽駒ヶ岳遠望」  中央西線 倉本−上松


〈0001:早春の木曽駒ヶ岳遠望〉
木曽駒ヶ岳遠望 中央西線の下り
〈0003:bR10335:木曽駒ケ岳遠望 V〉




〈0002:厳冬の木曽駒ヶ岳遠望〉
滑川橋梁を行く (雪の木曽駒

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〈紀行文〉
 木曾谷の最南端にある三留野(みどの)のあたりの木曽川岸で群生している「ねこやなぎ」を見つけてから、そのつぼみがふくらむ季節になると、逆光に輝く無数のつぼみを前景に鉄橋を渡る汽車を写しに足しげく通っていた。早朝の逆光の中でのショットが済んでしまうと、翌朝の再挑戦までの時間を使って沿線に新しいアングルを求めて走り回っていたのだった。その中でのも難問だったのは中央アルプスの盟主である「白銀に輝く木曽駒ヶ岳の 遠望であった。中央西線の列車の車窓や国道19号線からの木曽駒ヶ岳の山々を眺めることのできる場所は前にそびえる前山のきれ目を見通せる宮ノ越から原のあたり、それに上松町の少し南、それに滑川橋梁周辺の3箇所くらいであった。しかし、、未だ満足のできる構図を得ることができないでいた。そこで思い切って木曽川右岸(西岸)の少し高い所から狙うことに決めて、上松市街に架けられた橋を渡って下流に向かって走り始めた。一般道路は直ぐに尽きて、林道を兼ねた農作業用の細道がしばらく続いたが、遂にゲートが現れて関係者以外の進行を拒んでいた。クルマを諦めて、更に45分ほど歩き続けてアングルを探し求めた。やっとたどりついた地点は、おそらく上松の街外れから寝覚めの床とのちょうど中間くらいに当たる木曽川西側の山すそとでも云うところであろうか。
この目の前の谷は木曾河の流でで、岩がゴロゴロしている川原であった。その対岸は木曽谷では珍しい広々とした河岸段丘が数段にわたって発達していて、それを横切って中央西線の下り貨物列車が黒煙を噴き上げて上松に向かって登って来た。確か(上松」の地名は、この広い河岸段丘の上に集落ができて宿場となったのだが、木曾谷沿いに生えていた松林よりも上に位置していることを意味して名付けられたとのことだったから、納得される地形ではあった。
ここからの眺めは手前に寝覚めの床に通じる岩のゴロゴロした木曽川の谷があり、その上野河岸段丘の上は今は緑濃い森林に覆われてしまっている風越山(かざこしやま、標高1,699mが続き、その先には木曾山脈の主峰である白銀に覆われた木曽駒ヶ岳(標高2,956m)と、直ぐ南の宝剣岳(標高2,931m)が鋭い姿を見せていた。
所でこの風越山は木曽駒ヶ岳の麓(ふもと)にあり、木曽八景のひとつである「風越山の青嵐」として数えられている。かつては「カヤト」と呼ばれた木曽地方の馬「木曽駒」の放牧地として、ふもとから頂上まで青々とした草に覆われた牧草地で、風が波のように駆け上って行く風景が見られたと云うのである。今は既に放牧が無くなって久しく、森林に覆われつつあり、山頂付近の「かヤト」の先には一転して「しだ」、「こけ」、それに巨木と若い木が生い茂る見事な森林の緑となっているとのことだ。
 その後、電化も迫った昭和48年の冬には集中して最後の冬の木曽路を撮りに走り回った。運良く冬晴れの木曽駒ヶ岳を撮ることが出来たので併せてご覧に入れた。

撮影:早春(1970年)、厳冬(昭和48年1月)
アップ:2009−08−12

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・「中央西線の風物詩を訪ねて」シリーズのリンク
330.プロローグ:桔梗が腹から木曽谷へ・塩尻〜日出塩
024. 梨の花咲く本山宿(中山道) (中央西線・洗馬−日出塩)
151. 習作:厳冬の鳥居峠へ向かうSLたち・中央西線/日出塩〜薮原 間
027.冬の贄川(にえがわ)鉄橋(JR東海・中央西線)
178. 冬の木曽平沢にてD51に会う (中央西線・平沢−奈良井)
405. 塩沢の谷尾鳥居峠へ登る・中央西線/薮原→奈良井
210. 「やまぶき」の花咲く木曽谷 (中央西線・藪原〜上松)
209. 「木曽の桟(かけはし)」を行く (中央本線・上松−木曽福島)
157. 木曽谷の石屋根のある風景 (中央西線・上松〜大桑)
092. 「ひのき(檜)」の木曽谷を登る・中央西線/上松〜野尻
009. 木曽川の春  「 ねこやなぎ 」・ 中央西線 /南木曾