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北の奔流は北国の爺様が実釣に基づいてお届けする岩手・秋田の河川釣り情報です。

爺つぁまの山歩き


23-10-14 八幡平三大展望地巡り
22-10-12  岩神山 
22-09-29  8合目から秋田駒ヶ岳(焼森コース横岳) 
21-10-04 兜明神岳 
21-09-27 八幡平の散策 
20-10-09 大松倉ゲートから三ツ石山 
19-10-02 八幡平を散策 
19-09-27 8合目から秋田駒ヶ岳(男岳) 
18-10-18 八幡平3大展望地茶臼岳
18-10-04 網張から裏岩手連峰黒倉山
18-10-03 八幡平・・・源太森、畚岳
17-09-29 犬倉分岐から三ツ石山
17-09-26 鞍掛山
16-10-07 8合目小屋から秋田駒ヶ岳
15-09-29 大松倉沢クルマ止めから三ツ石山

23-10-14 八幡平三大展望地巡り



  

日本100名山八幡平はアスピーテ(盾)型火山地形のために展望に恵まれる場所があまり多くはない。
その中にあって畚岳、茶臼岳、源太森は三大展望地と呼ばれて登山者に特に好まれるピークである。
遅い出発だけに時間的には少々厳しいが、爺様はその三つのピークを駆け足で回るつもりだ
異常気象が影響したか色付きの悪い紅葉も最終盤を迎えて、名残を惜しむ一般観光客も多い中、09:30、藤七温泉降り口に駐車スペースを見つけた爺様は裏岩手縦走路の西側に広がる北秋田鹿角地域の展望を楽しみながらスタート。
南に伸びる裏岩手連峰、若い時代に何度も往来した思い出を辿りながら、40分ほどで最初のピークであるトロイデ(釣鐘)型火山である畚(モッコ)岳山頂へ10:10。
岩手山に連なる裏岩手連峰、南に秋田駒連峰、雲が晴れていれば見えるはずの鳥海山の辺りから北に目を転ずれば焼岳毛氈峠越しの森吉山、八幡平本峰から茶臼岳の突起へと続く緩やかなうねり、爺様は昼飯を食いながら全方位の展望を脳裏に焼き付けた。




  

さて次はその茶臼岳の突起を目指すために黒谷地の駐車場へ移動。
黒谷地口11:00、緩い登りを1時間弱、ほぼコースタイム通りに歩き、茶臼岳1578m到着は12:00。
東側は旧八幡平スキー場の大黒森から安比スキー場の前森山に至る連山、南側は真正面に岩手山北側屏風尾根の大迫力、ここは八幡平山系の中では最も優れた素晴らしい展望であろう。
時刻は正午を回り、西に傾き始めた陽ざしが雲に隠れる時間帯が多くなり、風に冷たさを感じるようになった。
もうここまで来ることはないかも知れない爺様だが、休憩もそこそこにして急ぎ復路を辿った。

  

再びクルマで移動はレストハウス下の無料駐車場、13:30出発で八幡平核心部を巡る周回コースを反時計回りで三番目の展望地源太森を目指した。
秋の日は傾き吹く風の冷たさが感じられる中、既に草紅葉も終わった八幡沼湿原を眺めながら、観光客の少なくなった木道を辿り源太森1595mのピークを踏んだのは14:30。
雲間からこぼれる陽射しを浴び、しばし八幡平北側の景色を眺めて再び八幡沼周回の木道に下りる。
夕陽に輝く八幡沼、ガマ沼を眺め八幡平山頂1613mを経由して、メガネ沼、融雪期に人気のドラゴンアイが見られる鏡沼を横目に駐車場に降り、15:30本日の山行を終えた。
本日の歩行距離はおよそ17.6Km、近頃になく良く歩いた一日であった。





22-10-12 岩神山





  



今年の北東北における山の紅葉は今一つ発色が良くないようだ。
急に思い立ってやってきた北上高地の一角岩神山も綺麗に紅葉しないまま葉を落とすものが見られる。
この日の登山口駐車場には爺様の外にクルマは1台だけと寂しい限りだ。
10:30登山道に入って間もなく、道のド真ん中にクマのものらしい糞を見つけ驚いた爺様。
クマ鈴を鳴らし道筋に据えられた幾つかの一斗缶を叩きつつ、ビクつきながら登る1時間半であった。
辿り着いた山頂1100mからの展望は爺様の期待に反して霞の彼方。
山頂の蛇紋岩露頭はもうじきやってくる雪を思わせる冷たい風が吹きつけていた。
急いで昼飯を食ってそそくさと下山、前回同様に旧スキー場コースを辿ることにした。
途中からは人の手が入らない鬱蒼と茂るススキの中の獣道を掻き分けよろめきながら歩いた。
何処からか聞こえてくる繁殖期を迎えたシカの鳴き声、思いのほか脚力の衰えを感じた爺様であった。




22-09-29 秋田駒ヶ岳


焼森から烏帽子岳へと続く縦走路方面を望むが押し寄せるガスに殆ど展望がない


横岳分岐から男岳鞍部に繋がる馬の背から駒池コース(通称ムーミン谷)が見え隠れする


阿弥陀池越しに霧に煙る女目岳を望むが全く見えない

  
 チングルマの紅葉                ミネカエデの紅葉

秋田駒ヶ岳8合目駐車場着06:00、もう満車状態かと思っていたが他県NOが数台のみ。
紅葉の見頃はもう少し先になると言われているだけに、登山客は状況待ちと言うことなのだろう。
暫く続いた愚図つく天気から快晴に変わるこの日を登山日和と見て出陣した爺様だったが、8合目では山腹を照らす陽射しがあっても山頂付近には雲が湧き、南西の風も強そうに見える。
06:45のスタート、登山口から少し歩くと左へ分岐、焼森を経由するシャクナゲコースに入る。
暫くは灌木や笹の中の急登が続きやがて小さい沢を渡って焼森の中腹を喘ぎながら高度を稼ぐ。
途中下山の方とすれ違うも、ご来光を期待して早朝に登ったのに雲が湧き見られなかったと言う。
激しい南西風と一面のガスの中、登山道はやがて火山砂礫地帯に変わり、烏帽子岳へ続く縦走路との分岐を過ぎると焼森のピークだ。
ここまで約1時間10分、コースタイムをオーバーしているが脚力の弱った爺様とすれば上出来だ。
ここから10分ほど歩いてカルデラ外輪山の一角横岳に着く。
この先の予定は外輪山を時計回りに進み、大焼砂を経由してカルデラ内に下り、駒池コース(通称ムーミン谷)を歩き男岳鞍部の急登を経て阿弥陀池に戻るつもりだった。
しかし無限に湧き上がる雲の流れにより展望は閉ざされ、強風で歩行もままならず、横岳山頂の灌木の風裏で待機を余儀なくされたのだった。
しからばここから反時計回りで男岳鞍部に至る難所と言われる馬の背を歩くのも、この強風の中では爺様には危険と思われ、結局横岳分岐から阿弥陀池に降りることにした。
阿弥陀池木道の上で暫く待機の後、諦め切れずに男岳鞍部まで登り返して谷を見下ろす爺様。
男岳と女目岳の谷間を這い上がってくる霧が鞍部を越えてカルデラ内に吹き下ろし、大量の雲が湧き上がるように北側へ流れていく様子を暫し眺めていた。
ここから男岳までは一部急登はあるものの僅か0.3Kmだが、丁度降りてきた方に伺うと山頂の展望は全く利かないと言うことで、本日の爺様の登頂は断念した。
10:30、天候は若干回復傾向を見せてはいるが爺様は下山を開始。
時折雲間から覗く田沢湖など西側の景色を写真に撮りながら、今年は何処か色づきの悪さを感じる紅葉の中をゆっくり降りたのであった。

帰途、岩手県側の車内から眺める山頂、覆っていた雲は殆ど消えて、午後には絶好の登山日和に変わったに違いない。








21-10-04 兜明神岳







うねるような山並みが続く北上高地の一画にあって、特異な岩峰を頂く兜明神岳。
標高僅かに1000m、小学校の遠足や林間学校などに利用される優しい山である。
駐車場から1時間も歩けば早池峰山同様の蛇紋岩の露頭が突き上げる山頂に達する。
山頂に向かう登山道は幾つかあるが、自分は最も歩行距離の短いコースを選んで09:00のスタート。
息切れしない程度の速度で歩き、コースタイムを少しオーバーして岩神山分岐。
先ずはここから約1時間歩いて眺望のいい岩神山に登るつもりだったが、通行止めの標識により、途中の馬っこ広場から戻ることになった。
後で聞いたところでは、本来の登山道はその左側にあって、岩神山へと続いていると言う。
分岐点まで戻った自分はそこから標高差50mの兜明神山頂を目指す。
やがて蛇紋岩の露頭の急登を経て強い風の吹きつける山頂に達し360度の眺望、東の重々する北上高地の最高峰早池峰山、南に栗駒焼石山群、西に和賀山塊から秋田駒連峰、北に奥羽山脈の雄岩手山、そして北上川源流を挟んで姫神山と目の前の岩神山を飽きもせず眺めた。
下山は旧スキー場コースをゆっくり歩いた。
途中で昼飯を食い、草原に咲くウメバチソウやエゾオヤマリンドウ、アキノキリンソウなどを愛でながら駐車場に戻ったのだった。






21-09-27 八幡平







秋晴れに誘われるように八幡平に向けて09:00の出発。
東北道を北上松尾ICで降りてアスピーテライン見返り峠駐車場を目指す。
紅葉シーズンだけに平日にも拘わらず山歩きを楽しむ人の多さに驚きながらも10:00スタート。
今回の目的はさらに年齢を重ねた自分の中の残存体力を知りたいとするものなのであった。
週2回ほどの平地の速足散歩とたいして違わない訳だが、どうせなら紅葉の始まった八幡平を愛でながらひたすら歩いてみたいと思ったからであった。
GPS山岳地図を携え木道あり石段ありのごく一般的なコースをやや2周した。
リンドウは枯れチングルマの綿毛も飛んでニッコウキスゲやコバイケイソウの枯れ茎ばかりが目立つ高層湿原、草紅葉は既に見頃を過ぎていた。
しかし風もなく鏡のような池塘に映るナナカマドとアオモリトドマツの景観、秋の陽射しに足元できらきら輝くイワカガミに心奪われながら歩行距離は8Km、途中で昼飯を食って4時間の散策であった。
やはり1年前に比べると体力の低下は著しく、家に帰って膝と腰にたっぷりの疲労を覚えたのであった。





20-10-09 三ツ石山



   

近頃めっきり体力の衰えを感じるオラ、リフトで登って裏岩手縦走路に入り大松倉山を越えるか、奥産道を大松倉ゲートまでクルマで入り、舗装道路を3Km歩き滝ノ上温泉からの登山道に合流するかを迷いながら07:30家を出る。
リフトを降りて一旦縦走路に入ってしまうと途中でへばった場合に後戻りは恥ずかしくて前へ進むしかないし、ここは標高差はあってもいつでも引き返すことのできる大松倉ゲートからのコースに決めた。
途中で食糧を買い込んで大松倉ゲート着は08:30。

身支度を整えてスタート08:45、ここからから県道工事がとん挫したいわくつきの舗装道路を歩くこと45分。
ようやく登山口、クマに注意の看板からは広葉樹林を数分進むと滝ノ上登山コースと合流する。
合流してすぐにこのコース最大の急登が待っている。
息も絶え絶えの15分の直登が終わり、やがて植生が変わりオオシラビソの平坦な混交林。
しかし平坦とは言えども酷く泥濘化した辛い道、木の根や腐りかけの木道に滑りながらの15分。
所要時間はほぼコースタイム通り、東側大松倉山と西側三ツ石山との鞍部に三ツ石山荘が見えて一安心。
ここで息を整えて三ツ石山最後の急登、歩き始めて間もなく森林限界。
コースタイム30分とある中をスタミナ切れのオラは45分を費やして11:00少し前、標高1466mの山頂に立つ。
高曇りでコントラストの乏しい景色、冷たい秋風を肌に感じながらの360度の展望。
足元に広がるナナカマドやミネカエデの灌木は紅葉の見頃を1週間ほど過ぎている。
しかしまだまだ充分過ぎる美しさを残す10月の裏岩手連峰の壮大な景観を、老い先短い爺様はしっかりとその目に焼き付けることはできた。
己の体力に照らして自信喪失気味ではあったが、標高差480mの山歩きをなんとかこなした今年の山行であった。

 
  










19-10-02 八幡平

  

  





素晴らしい秋晴れ、台風18号最接近の前に紅葉真っ盛りの八幡平を歩いてみたいと思った。
残雪期に「ドラゴンアイ」と称される奇観が出現する鏡沼を過ぎメガネ沼を横目にしながら歩く。
登山口からゆっくり30分で標高1613mの八幡平最高地点に到達するも、アスピーテ火山の平坦地形とアオモリトドマツの樹海が眺望を妨げる。
よく整備された道をそのまま東へ進むと10分でガマ沼展望台、さらに進み八幡沼展望台まで来ると高層湿原核心部の素晴らしい景観が一気に眼前に広がる。
若い頃に積雪期のスキーツアーで何度かお世話になった避難小屋陵雲荘を右手に見やり、八幡沼湿原の草紅葉そよぐ木道に入った。
やがて木道は八幡平3大展望地の源太森分岐からキスゲ通りと呼ばれる池塘群の中へと進む。
初夏の頃ならニッコウキスゲの大群落、チングルマやイワカガミの絨毯、そして珍しいモウセンゴケにも目を奪われながら歩くコースだ。
しかし今は秋、ミネカエデやナナカマドの紅葉と常緑アオモリトドマツとのコントラスト、そしてそれを映す池塘の静かな佇まいが堪らない季節だ。
オラは広大な八幡沼のほぼ8割を回って南側の展望が開ける見返り峠に戻ってきた。
岩手山の左肩に北上高地を代表する姫神山と早池峰山群が遠く霞む。
孤高の頂、岩手山山頂から右へ黒々と連なる鬼ヶ城の岩稜、黒倉山、姥倉山、犬倉山、大松倉山と裏岩手連峰が続くが、三ツ石山は大深岳と源太ヶ岳の陰に入って見えない。
その先に遠く秋田駒ヶ岳、その向こうに和賀の山群が霞み、そして目の前には裏岩手連峰縦走路の起点でもある畚岳がそびえている。
靄が取れれば月山も鳥海山も望めるはずだが、如何に目を凝らしても今日は何も見えない。
眼下には畚岳山腹に湧く藤七温泉の湯けむり、裏岩手連峰の山間に湧く松川温泉に伸びる樹海ラインと直下に今朝通ってきたアスピーテラインがうねる。
オラは昼飯を食らいながら飽きもせずこの素晴らしい大展望を目に焼き付けたのだった。




19-09-27 秋田駒ヶ岳(男岳)


駒ヶ岳南部カルデラ内の複合火山小岳、左側岩稜は外輪山横岳。 
見えている木道は駒池コース(通称ムーミン谷)。



登山道9合目付近から秋田駒山群の最高峰女目岳を見上げる。

  

  


秋田駒縦走路北端の烏帽子岳(乳頭山)、その右肩に裏岩手連峰三ツ石山。
画像左端には八幡平山群の茶臼岳が見えている。


09:30、8合目避難小屋を出発してすぐに焼森コース分岐。
紅葉が始まったばかりの緩やかな灌木帯を歩くも、たちまち息が上がっては暫し立ち止まる繰り返し。
昨年に比べると体力の衰えはかなり進んでいることを実感した。
やがて小沢を越える個所で登山道を見失うハプニングもあったが無事コースに復帰して、焼森の広大な砂礫地帯から外輪山の一画横岳に至る。
初夏の頃ならコマクサが咲き乱れるはずの黒い砂礫の広がる光景、北側カルデラの息を呑むばかりの複合火山地形を飽きずに眺め、一旦阿弥陀池に降りて一休み。
今回は最高峰女目岳をパスして、若かりし頃は縦走路上の実質的頂上とみなしていた男岳へ向かう。
阿弥陀池の木道を歩き横岳鞍部から男岳へと登り返すが、疲れた足腰には意外に厳しいコースだ。
11:45男岳山頂、コースタイムを15分ほど上回ったが、今のオラにはこれが精一杯であった。
山頂からは360度の大展望、東に足元カルデラ内の女岳と小岳の複合火山群越しに北上高地の山並みと霊峰早池峰山の遠望、そして我が家の周辺志和三山も小さく見えている。
南には当初登る予定だったカルデラ南端横長根越しに和賀山塊の遠望。
西に目を転ずればこれもまた駒ヶ岳南部カルデラ外輪山の一画をなす金十郎長根の登山コースとその向こうには静かにたたずむ田沢湖。
北には秋田駒連峰最高峰の女目岳越しに奥羽山脈最高峰の岩手山、その左に裏岩手連峰越しにたおやかなうねりの八幡平、そして阿仁の秀峰森吉山などが見えている。
昼飯を食いながら、もう見ることができないかもしれぬこの景観をオラはしっかりと目に焼き付けた。
帰りは女目岳西側山腹を半周するいつもの一般的コース、思った以上に脚が上がらぬ疲労に耐えながら、ゆっくり1時間以上もかけて降りたのであった。




18-10-18 茶臼岳


登山道から見上げる茶臼岳山頂。右肩に微かに茶臼山荘が見えている。


茶臼岳山頂                     山頂から眺める岩手山


旧スキー場(大黒森)越しに安比スキー場(前森山)      八幡平畚岳の懐に藤七温泉の湯けむり


春遅くまで雪渓が残りスリリングなトラバースを強いられる山頂直下

あまりの天気のよさに我慢しきれず急ぎ山登りの支度。
前回の八幡平3大展望地巡りで残してしまった茶臼岳に登るには絶好の日和だ。
遅い出発だけに東北道に乗り、松尾ICで降りてアスピーテラインへと向かうことにした。
既に八幡平山頂付近は紅葉が終わっているが、ドライブ日和と言うこともあってクルマの流れは多い。
ようやく駐車スペースを見つけて登山道に分け入ったのは正午丁度であった。
木材で土留めをした階段の急登から始まって、モミ山の小さなピークを過ぎると束の間の木道歩き。
正面に特徴的な茶臼岳ピークを仰ぎながら、春遅くまで雪渓に埋まる雪崩地形を急登し稜線を目指す。
振り返れば岩手山北側の圧倒的景観、眼下には旧松尾鉱山の廃墟群と大量の蒸気を吹き上げる地熱発電工事現場、さらにその向こうにはEHATOVの郷の穏やかな佇まいが広がっている。
登山道に入って45分、そろそろ小休止が欲しくなった頃、眼の前に唐突に茶臼山荘が現れる。
そこからアオモリトドマツの林間を5分ほど歩けばもう山頂である。
八幡平3大展望地の中では最も優れた展望と感動を与えてくれる茶臼岳。
南側正面に構えるは奥羽山系の雄岩手山、それは遮るもののない迫力の景観である。
西岩手火山カルデラの外輪山たる屏風尾根の険しい岩峰群、その西端に大きく口を開けた大地獄谷、白く噴気をたなびかせる黒倉山、そこから西へ裏岩手の山々が波打つように連なっている。
なだらかな稜線の向こうに霞む秋田駒ヶ岳を望みながら、大きく北側に弧を描くように八幡平へと続く裏岩手連峰の稜線を目で追う。
典型的アスピーテ火山たる八幡平の眠たくなるような穏やかなうねりの中に、突如突出するトロイデ火山畚岳、そしてその一角から湧出する藤七温泉元湯の湯けむりに活火山を意識させられる。
長い裾を伸ばす東岩手山から東に目を転ずると、北上高地の最高峰早池峰山が霞んで見える。
兜明神や姫神山など北上高地のピークを目で追いつつ七時雨山、安比スキー場を擁する前森山から旧八幡平スキー場のあった大黒森、そして蝦夷森を経由してここ茶臼岳に至るのである。
オラは秋晴れの下で飽きずに50年ぶりのその景観を眺め、しかと脳裏に刻み込んだのであった。
さて、次回は来年6月に早池峰山を訪れてみたいものだが、果たして・・・。




18-10-04 黒倉山


黒倉山から西岩手カルデラと南側外輪山鬼ヶ城本峰


八幡平方面へと続く裏岩手連峰の名峰三ツ石山        犬倉山から俯瞰する網張元湯


姥倉山分岐の噴気地帯                 姥倉山分岐から望む黒倉山


黒倉山山頂で談笑するパーティ                黒倉山頂から西岩手カルデラを俯瞰する

現在の岩手山は幾つかの火山が複合的に集まって形成されている。
その中にあって黒倉山は西岩手火山カルデラの外輪山の一画にあたる。
かつて暇さえあれば山歩きに狂っていた若きころには重い荷を背負い何度も往来した。
登山者だけの特権である黒倉山からの素晴らしい展望は、東側正面の岩手山山頂を中心にすると、北側に屏風尾根、南側は鬼ヶ城尾根と両者ともに急峻な岸壁、そして八幡平方面への縦走路に続く西側は、足元から激しく切れ落ちて大地獄谷に至る高度感満載の絶景である。
それは通常見慣れた優しい南部富士としての岩手山からは大きくかけ離れた圧倒的景観なのだ。
この時期、黒々としたアオモリトドマツとダケカンバの黄葉との対比。
黒々とした大絶壁に懸かる紅葉の華やかさたるやまさに目を見張るものがある。
しかし時季を失した訳でもないのに、今年の紅葉は台風の影響なのか思いのほか寂しいものであった。

近年この地域は火山現象が活発化して入山規制が敷かれたが、現在は旧来通りの登山が楽しめる。
紅葉シーズンに運行される網張スキーリフトを利用すると、犬倉分岐から2時間ほどで到達できる。
しかし登山道は掘れ込んだ溝になって歩き難い箇所も多く、重い荷を背負っていてもすいすい歩けた昔とは違って、もうじき後期高齢者入りする我が身にはかなり応えた。
先ずは縦走路を外れて眼下に網張温泉元湯を眺める犬倉山に登るが、ここで早くも体力を消耗。
それでも再び合流した縦走路では賑やかな女性パーティの後に着けて、コースタイム通りに歩くことはできた。
姥倉山への辛い急登に耐えると間もなく稜線上の硫化裸地姥倉山分岐、ここで松川温泉コースと合流してここから先はあちこちから噴気の上がる地熱地帯歩きに変わる。
身近に活火山を感じつつそこから30分ほどで、激しく音を立てて噴気を吹き上げる黒倉山山頂に立つ。
12:00丁度、西岩手カルデラの眺望を心行くまで楽しみ休憩をとった。

13:00下山開始。
下りは思いのほか辛く、かつて経験のないほど腰が痛み膝が笑う。
それでも展望リフトには乗らずに、下山コースを下りることを選択。
しかし勾配が緩いのに、弱った脚力では上手く下りられず、とうとう途中でギブアップ。
第2リフト1区間だけは止むを得ずその恩恵にあずかることにした訳で・・・。
そして温泉に浸かり至福のひと時を過ごして帰宅。
2日連荘での山歩き、明朝は身体中見事な筋肉痛が襲うことだろう。



18-10-03 八幡平


八幡沼展望地から稜雲荘


見返り峠から岩手山                  八幡平山頂から源太森


八幡平湿原の草紅葉                  見返り峠から畚岳越しに秋田駒ヶ岳

クルマに山道具と温泉セットを積みこんだところへ、女房も連れて行けと言う。
八幡平3大展望地(茶臼、源太森、畚岳)を一人速足で踏破するつもりが、思いがけず足手まといができてしまったために予定を変更。
しかも出発が遅く、見返り峠着は11時半になってしまった。
取り敢えず女房を伴い山頂経由で草紅葉を愛でながら源太森、ゆっくり歩いて13時半クルマに戻る。
昼食後は女房をレストハウスに置き去りにして一人畚岳へ登った。
しかしそのあと茶臼岳も決めたかったが、時間が足りないので日を改めることに。
何よりももう若いころとは違って足腰が悲鳴を上げている訳で。
帰途焼き走りの湯で疲れを癒し帰宅17時。
明朝筋肉痛がおきてなければ、裏岩手黒倉山へ行こうかとも・・・。



17-09-29 三ツ石山


山名の由来となった大岩群


悪天候にて岩手山方面の展望効かず


暴風雨の山頂                    小松倉を経て大松倉山への登り

10:00、裏岩手縦走路犬倉分岐から大松倉経由の三ツ石山に向かう。
朝の素晴らしい晴天は何処へやら、ガスが立ち込め期待の眺望は全く望めない。
やがて冷たい雨が降り出し、昨日の雨で膿んだ登山道をさらに悪化させた。
しかもこの時刻に三ツ石方面に向かうのはオラ一人だけと言う心細い状況。
悪路に脚をとられ難儀しながらも11:40三ツ石山荘着、それでもコースタイムより20分早い。
天候はさらに悪化、山頂から降りてきたご同輩に荒れ模様なので行かない方がいいよとの助言を戴く。
風雨が激しく油断してると飛ばされるほど凄かったらしい。
それでもこんな日の三ツ石も見ておきたいと、冷たい雨降りしきる中をオラは12:00山頂に向かう。
30分で山頂に辿り着くも、周辺に広がっているはずの真っ盛りの紅葉も、岩手山方面の素晴らしい景観も、ガスに巻かれ眺望は殆ど利かない。
山頂に留まったのは僅かに5分、強風と顔を打つ雨粒の痛みに耐えながらオラは山荘に駆け下った。
雨と汗に濡れた下着を替え、装備を整え直して時計を見ればもう13:15。
14:30までに送迎バスが待つ奥産道ゲートまで降りなければならない。
オラは悪路の急坂滝ノ上登山コースを大急ぎで駆け下る。
20分で奥産道に出るも、ここからの舗装道路3Kmが辛いのだが35分で走破。
14:10、余裕を以てバスに到着、・・・まだまだやれそうな73歳7ヶ月、さて次回は・・・。




17-09-26 鞍掛山


山頂から圧巻の岩手山を仰ぐ


林間を行く登山道                   木漏れ日が心を癒す

鞍掛山は相の沢牧野の一角にある標高890mの里山である。
登山道は頂上に至るまで全く展望の利かない広葉樹林の中。
以前は1時間もかからずに登ったはずが、体力の落ちた今は所要時間1時間10分。
しかし山頂に立った途端、目の前に突然岩手山南側の大パノラマが広がるのである。
稜線から徐々に降りてきている美しい紅葉と西岩手外輪山鬼ヶ城尾根の切り立つ岩稜に突き上げる荒涼としたガレ沢との対比。
9合目不動平に至る南側正面直登の御神坂登山道も微かに見えている。
73歳7ヶ月には一寸きつい山登りではあったが、この目を見張る圧巻は充分過ぎる褒美なのである。
皆が下山した12時から登り始めただけに、もう登山者の姿のない山頂。
オラは1人遅い昼飯を食い女房に到着のメールを打った。
暫し大自然の中に身を置く幸せに浸りながら、若くして逝った昔の山仲間を想うのであった。
次回は紅葉真っ盛りの三ツ石山か・・・。




16-10-07 秋田駒ヶ岳


麓から仰ぐ駒ヶ岳、左は女目岳(主峰)右は男岳


初冠雪の岩手山を望む登山道              縦走路、彼方に烏帽子岳

この日、岩手山は昨年より1週間遅れの初冠雪であった。
冷たい風はあるものの素晴らしい秋晴れ。
鞍掛山に登り迫力ある大展望を楽しむつもりで08:30家を出る。
しかしクルマの走行前方に美しい紅葉に染まっている秋田駒ヶ岳横長根山腹が目に入るや、オラは躊躇なく県境のトンネルを抜けた。
秋田駒8合目の日窒鉱山跡まで続くつづら折れの道、本日マイカー規制はなく分岐から20分で到着。
10:15、途中で調達した飯や防寒着などをザックに詰め込み、満車状態の8合目駐車場を後にする。
息切れしない程度の歩行速度を維持、殆ど休まずに11:30女目岳山頂に立った。
ほぼコースタイム通りであろう。
若かりし頃は何10回となく歩いた秋田駒だったが、女目岳は初体験であった。
遠くの山々は霞んでいたが、360度の展望をしっかり楽しみ冷たい風に追われるように直ちに下山。
下山路は荒廃して殆ど人が通らないが懐かしさを覚え阿弥陀池から女目岳の北側を回る旧道を選択。
数分降りた先の木道に縄張りを主張するかのような山オヤジの真新しい糞。
慌てて引き返した小心者のオラは、入山者の多い新道を降りたのであった。
往復3時間の山歩き、去年の三ツ石山とほぼ同じ所要時間だが一段と低下した体力が哀しい。
登りは楽でも膝に応える降りはことのほか辛い。
下山後は田沢湖高原温泉で疲れを癒し、16:00の帰館とは相成った次第。
さて、来年もまだ何処かへ出かける気力体力が残っているのだろうか。




15-09-29 三ツ石山


山頂から雪雲に巻かれた岩手山遠望


三ツ石山山頂                    眼下に広がる紅葉

崩れる予報はなかったはずだが、尾根筋はガスに巻かれている。
季節風のハシリとでも言うような強い北西風に乗って雨粒がパラパラと吹き飛んでくる。
裏岩手連峰を南北に横断する奥産道が自然破壊に繋がるとして工事中断になってから久しい。
その舗装道路はほぼ尾根筋にまで達する完成度のはずだが、現在登山者はそのかなり手前に設けられた大松倉沢クルマ止めゲートからスタートすることになる。
梢を渡る風の轟音、折からの雨と共にパラパラ降ってくるブナの実。
オラはその森の生き物にとって大事な食料を踏まぬよう45分のアプローチを辿る。
やっと辿りつく登山口には「クマに注意」の立て看板。
雨の登山道はかなりの悪路で、登頂断念で途中から戻って来たと言うご夫婦とすれ違う。
10分ほどブナ林の中を行くと、滝ノ上温泉から登ってくる登山道と合流。
一瞬展望が開けて風当たりは強いが、葛根田地熱発電所の立ち昇る蒸気を遠望しつつの急登。
ダケカンバとアオモリトドマツの混交林の中の厳しい直登、火山性の岩ゴロゴロの急傾斜はでただでさえ歩き難いのに、強まる雨に泥濘化した地面には再三足をとられる。
オラの弱った体力で果たして頂上まで行けるのか。
雨がどんどん強まってきたことだし、ここで戻るべきかと思案しながらも、足だけは思いのほか軽快に動いてくれて、コースタイムを上回る1時間20分で三ツ石避難小屋に着いた。
70を過ぎた爺つぁまの山登り、意外にも脚力はまだ衰えてはいなかったらしい。
しかし問題は下りな訳で・・・。

強風を伴って強さを増す雨、避難小屋には登山者が10名ほどが晴れ間待ち。
ガスの流れは速く、時折ちらりと青空も覗くが窓から眺める東側の大松倉山の頂は殆ど見えない。
空を見上げて往くか戻るか悩んだ45分。
一瞬大きく広がった青空、オラは急かされるように小屋を飛び出した。
三ツ石の登りに掛かって10分ほどで森林限界である。
相変わらずの泥と水溜りとゴロ石に苦しめられながら、喘ぎ登ること30分。
立ち込めたガスが強風に吹き飛ばされると、山頂を形成する大岩群が日差しを浴びて輝いた。
11:45、オラはクルマ止めからの標高差500mを登り切り、25年ぶりに三ツ石山頂に立った。
次々に登山者が登ってきた。
ここまで飲まず食わずのオラ、岩陰で風を避けながら飯を食った。

既に盛りを過ぎているかもしれない紅葉の尾根筋、その向こうに山頂部が雪雲に覆われた秀峰岩手山。
若かりし頃の山仲間の顔を想い浮かべながら、暫し瞑想にふけるオラ。
天候は回復基調、西側小畚岳から大深岳を経て八幡平に伸びる雲上の散歩道、その奥にさらに重々する秋田駒ヶ岳など奥羽の山並みも見え隠れする。
小休止の後、オラはそのまま一気に奥産道まで下りた。
膝が笑い泥や草に滑り何度も尻餅をつき、簡易な雨具はあってもズボンの裾は泥だらけ。
クルマ止めゲートの何と遠いことかを恨んだりしながら、味気ない舗装路を疲れた足取りでヨタヨタと歩く。

着替えを持ってこなかったオラは、泥汚れのままでは温泉入浴も遠慮せざるを得なくそのまま帰宅。
かくして爺つぁまの山登りはなんとか無事に目標達成。
熱い風呂に浸かってくつろいだ後、今度は何処に登ろうかなんて早くも次を考え始めた訳で・・・。
その前に最低限の山の装備揃えなくちゃ・・・。






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  • 1944年宮城県生・岩手県盛岡市在住・古き良き時代の電気設備技術者。
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