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北の奔流は北国の爺様が実釣に基づいてお届けする岩手・秋田の河川釣り情報です。



2024 解禁前情報


雫石川 24-06-27 (解禁日 7/5) 二度目の観察

6/11以来二度目の川見、その結果から当初の経過観察の一部を修正しなくてはならない。
この日は相変わらずの低水位だったが、全域の底石がピカピカに磨かれている訳ではないものの、前回の観察から2週間が経過して川全体に僅かながらも生気が戻っている感覚があった。
これはアユ放流事業が過去3年間に渡って、最悪の状況だったことからの脱出を意味するものだ。
竜川春木場橋からの観察では16〜18センチの小群が走り回る姿が幾つか確認できる。
送電線下でも流れの変化の中で野アユの激しいヒラ打ちやハネが見られ、充分とは言えぬまでも友釣りが成立するであろうことが確認できた。
河川全域を観察した訳ではなく、魚影が見られるのはもしかして部分的なものかもしれないし、取り敢えず今年の雫石川は場所選びが最も大切であろう。
このまま流量が少ないとすれば、解禁当初はなるべく太い流れの中の僅かな変化を見逃さず、中盤以降は浅場を広く丁寧に拾う釣りが有効かもしれない。
何れにしても今季初めて放流した宮城産種苗が良い結果をもたらしたと言える野ではないだろうか。
尚、昨年同様に阿仁川産を放流した支流葛根田川、石仏橋からも前回はなかった魚影が僅かながら確認できたが、橋直下の底石の曇り具合からすると、あまり期待はできないと見るべきであろう。



閉伊川 24-06-26 (解禁日 7/1)



「箱石エリア」

稚アユ放流の最上流箱石地区、16〜17センチの20匹ほどの群れが幾つも見えている。
かなりの低水位だが、この状態の流れで数を狙うにはポイント設定(川見)に時間をかけたい
ここから下流片巣地区までは変化に富んだポイントが連続するが、一部川通しに移動できない個所もあるので注意されたい。


「片巣エリア」

時として大釣りがあったりするエリアだが、目を凝らすと今年も数は結構見えている。
左岸際などトロ瀬からの絞り込みであったり、片巣橋シモの白波の下であったり、この渇水時期の狙い目とすれば多いエリアでもある。


「川井エリア」

川井新橋の上下、小国川合流のカミシモの流れ、ここは魚影の目視確認はしていないが、時として右岸に寄った流れの駆け上がりで大釣りになるポイントでもある。
昨年解禁日に自分はリリースした16センチ未満10尾を加えてやや50尾の釣果が得られた。


「支流小国川」



魚影は昨年並み、山あいの支流の水温のせいなのか、サイズは本流に比べるとやはり小さい。
荒瀬や深場の中に良型が潜んでいることを願いたい。
ここは山あいの支流だけに水温は低いが追いのいいのが特徴で、たちまち釣り荒れの状態になるだけに、早い者勝ちのエリアと言える。



米代川水系 24-06-20 (解禁日 7/1)



「鹿角エリア・久保田橋」

米代水系今年の川見も例年通り花輪の街裏久保田橋からのスタート。
果たして天然遡上はアユ釣り最上部たるこのエリアにも達しているのかに期待したが、川床の曇り具合からすると、まだここまでは来ていないらしい。
魚影確認はできないものの、遠目ではあるが何となく薄バミがありそうな気配は感じる。



「鹿角エリア・高屋橋」

久保田橋から5Kmほど下流高屋橋、橋シモは右岸に寄っていた主流が中央に変わり、なかなか魅力的なポイントに変化している。
底石には艶が出ており、魚影は見えないが遡上アユの存在は確信できる。
気になるのは渇水気味だけに悪藻が生えていることだが、これは一雨で流下してしまうはずだ。
橋カミは川幅一杯にチャラ瀬が広がって中盤以降の好ポイントであることは間違いないが、この日現在その浅場にはまだ野アユが着いていそうにない。
しかしその左岸に数10匹の魚群、紛れもない遡上アユであるが、縄張り行動にはまだ早い。
やはりこれら上流域は7/中旬以降が狙い目と見るのが正解かもしれない。



「比内エリア・大滝橋」

はたして天然遡上の群れは、扇田頭首工を越えて間もないこのエリアが最も濃いのかも知れない。
温泉橋から俯瞰する流れの中には夥しい数の塊が見えている。
遡上最盛期の低水位が災いしたのか、遡上速度が明らかに遅いようだ。
通常これらの魚群全てが解禁後もこの水域に留まる訳ではないと思われ、流量や気象など何らかの変化をきっかけにして、殆どの溯上アユは上流を目指す本能に目覚めるのであろう。
この群れがさらに約20Km進んで鹿角エリア久保田橋に至るにはあと10日ほどは必要かもしれない。
それにしても扇田頭首工に設置された新魚道と称するとんでもない構造物が、本来の役目を果たしていない状況の中にあって、古い階段魚道が未だ確実に機能していることに大いに感謝したいと思う。



「比内エリア・扇田橋」

天然遡上の群れは縦列で川のヘチを絶え間なく遡る光景が普通だが、今年に限っては雪シロ後の河川水位が低下しているのに起因するものか、川の芯の部分である澪筋の深い部分を通っているらしく、ヘチには黒光りするような形跡は殆ど見あたらない。
深い部分を通っているとすれば橋上からでは見つけることはなかなか難しい。
それでも幾つかの小さな群れが、この先の扇田頭首工を目指している姿が確認できる。
午後になればもっと見えてくるのかも知れないが、アユ釣り最上流部へ続く後続の群が途切れていないことの安心感を覚える光景ではあった。



米代水系阿仁川阿仁川 24-06-20 (8解禁日7/1)



「阿仁川・本城頭首工シモ」

今年の阿仁川もまた水量が少ない。
この時間帯、遡上魚の姿が殆ど見えない。
中央の階段式魚道に手持無沙汰気に待ち構えるアオサギを1羽佇んでいた。
堰堤下流200m付近の手ごろな瀬、シマを張る20センチほどの野アユが散見され、ここだけは直ぐにでも釣りになりそうだった。
阿仁川に関しては遡上の後続が米代本流二ツ井付近や、合流点付近でも確認されていることで、何かがきっかけとなって纏まった大きな遡上群となって、断続して上流を目指してくると言うことらしい。
そんなことで、この日はその上流にある根小屋頭首工でも期待の激しいハネは確認できなかった。






「阿仁川・白坂カミ」

遠目であるが瀬肩の浅場に大きな波紋が立つ。
野アユの気配はあちこちに感じられる。
昔の頃とは異なって、見掛け倒しとも言われるポイントだが、瀬肩から3分岐していた流れが2本になったり若干流れが変わって、今期はなんだか期待できそうな予感がある。



「阿仁川・浦田橋」

水位が下がっているせいか橋カミの瀬が優しい流れに変わっている。
橋カミを覗く限りあまり魚影はないが、瀬の上下にある大トロから時間帯により野アユが差し込んでくるポイントだけに、今期も期待は高い。



「阿仁川・八幡橋」

このシモ、下前田温泉下から上流小又大橋までの通称阿仁前田エリアは、キャンプサイトや温泉施設があることで、シーズン中釣り人の絶えない人気エリアである。
八幡橋から覗く流心にも右岸ヘチにも野アユは見えているが、その数は噂ほど多くはない。
おそらく下流部の二つの堰堤を越えてきた遡上魚は、大きな群に纏まってさらに上流を目指すきっかけを何処かで待っている状態なのであろう。






「阿仁川・大岱橋」

遡上して間もないものか中規模の群れが幾つも見えている。
きっかけがあればまだまだ上流を目指しそうな動きではあるが、中にはこのまま居着いてもおかしくないものもある。




雄物川水系桧木内川 24-06-20 (解禁日7/1)



桧木内川鵜ノ崎橋、橋カミ右岸の柳が伐採され明るくなり、河原も手を加えて魅力的流れが発生した。
まだ川相が安定していないが、これから先チャラ瀬好きには堪らないポイントになりそうだ。
魚影は昨年並みと言ったところ、その下流古城橋でも橋カミの石組みの上を走る15〜17センチが多数確認できるが、低水位で水温上昇のためか、青ノロの発生が少々気になる。




北上川 24-06-13 (解禁日7/1)



 

広くゆったり流れる深トロが広いチャラ瀬となり、一気に絞り込まれた急流となって南大橋へと落ちていく。
トロ尻にあるその広いチャラ瀬は、野アユの存在を知るにはいい観察ポイントである。
水位が下がり浅場の底石がかなり露出したそのピチャピチャ流れの中で、幾つもの小アユ(推定15センチ前後か)の群れがモジリを見せていた。
露出した底石には不明瞭ながら結構大きなハミ跡もしっかり確認できた。
さらに橋シモ右岸に移動すると、黒光りする陸バミも確認できるが、これらは大河北上川を宮城県石巻から遡上してきた天然モノである可能性もある。




中津川 24-06-13 (解禁日7/7)



盛岡市中心部を西に流れて北上川に注ぐ中津川、今年度やや300Kgの稚アユが放流されており、解禁日以降は遊漁規則さえ順守すれば誰でも遊漁が出来る市民の川である。
放流地点の最上流であろう下米内の落合橋から覗いてみる浅瀬には、15センチ前後に育った群れアユが多数確認できる。
浅岸の堰堤シモに放流されたアユも、魚道を越えてかなりの数が遡ったと思われ、上流部にある米内発電所までの区間は、意外な好釣果に恵まれるかもしれない。



簗川 24-06-13 (解禁日7/1)



 

この日、上流部で工事があったらしく薄茶色の濁りが入っている。
しかし放流の最上流部と推測される仁右衛門橋、15〜6センチに育ったアユが多数見受けられた。
その下流戸中橋からも岩盤底を走る元気アユを多数確認できた。
目視で確認できるものは群れアユの域を出ていないが、シマを張るのはもう時間の問題であろう。




雫石川 24-06-11 (解禁日7/5) 




旧大会本部前左岸、流れが途切れそうな浅場に20尾ほどの群れアユを見つけた。

過去3シーズン連続で放流稚アユ全滅と言う他に類を見ない惨状に見舞われた雫石川、さすがに雫石川漁協も何らかの対策を施して臨んだであろう4年目である。
6月初旬に2度目の稚魚放流が済んで解禁日までもう1ヶ月を切っている雫石川、本日爺様が覗いてみた結果は、一口に言って「なんだかなあ・・・」の状況。

春木場橋から直下を覗いても、旧大会本部左岸石組の間を流れる分流を漕いで見ても、僅かながら魚影が見えていることは、解禁日数日前には野アユの目視確認が全く不可能だった昨年度までとは少し違う。
しかしその見えている魚影は他河川のそれとは比べようもなく著しく寂しいものだった。
ハミ跡は不明瞭で底石はどんより曇り、アユの季節特有の川全体にたなびく爽やかな香りもない。
今年の解禁日には絶えて久しい釣り人の笑顔が見られるのか、かつて利き鮎日本一を獲得した雫石川の栄光は復活するのか・・・、なんだか今年も期待は裏切られそうな気がしてならないのだが。
アユ釣りは一部の熟達者だけのものではなく、高額の遊漁料を徴収している限りは一般アユ師にとっても、普通に楽しめるものでなければならないのだ。




稗貫川 24-06-07 (解禁日7/5) 





この日、魚影の目視はできなかったが、水中にカメラを入れると明瞭なハミ跡が多数確認できた。
放流数は近年では最も多く約1000Kg、産地の異なる複数の種苗を入れていることから、初期から終盤までのオールシーズンを楽しむことが出来る期待の川であろう。







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  • 1944年宮城県生・岩手県盛岡市在住・古き良き時代の電気設備技術者。
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