本文へスキップ

北の奔流は北国の爺様が実釣に基づいてお届けする岩手・秋田の河川釣り情報です。



爺様釣法アユ編 


意外に釣れる(こともある)爺様の枯葉釣法
<高齢者に優しいアユ釣りの提言>

アユ釣り現場における判断能力や運動能力の低下は加齢に伴って如何ともし難く、我ら高齢者はある日を境にそれまでは全く思いもよらなかった様々の不幸に見舞われたりします。
ちょっとした瀬の渡渉にも不安を感じて尻込みしてしまったり、流れの中で体勢を保つことがでずに落水したり、跨いだ石が越えられなくて派手な尻もちをついたりなど、恥ずかしい思いをするだけならまだしも、命の危険を感じる場面にさえ遭遇します。
実釣においては少しの風にもロッドの保持がままならず、イメージ通りの竿さばきができないなど、実釣における様々の場面で臨機応変の対応ができずに無駄な時間ばかりを費やして、結局のところ納得できる釣果を 得ることが難しくなってまいります。
近ごろでは野アユ自体の生態にも変化が生じているようでありまして、これまで本能むき出しの激しさを見せていた個体が少なくなって、流れに沈めさえすればガツンときた昔とは異なり、今更ながらアユ釣りの難しさを思い知らされます。
さらには地球温暖化による気象の激変、海や河川環境の変化、魚病の蔓延などによる野アユ絶対量の減少も身にしみて感じられ、我らのけなげな精進をよそに釣趣は年々下降線を辿っております。
体力では敵わぬまでも、これまでの長い釣り人生で身に着けてきた釣技を以てすれば、まだまだ若い者には負けるはずはないと意地を立てて臨んだ釣り現場では、そんな環境の変化に対応できずたちまち返り討ちに遭ってしまい、後は自信喪失へと繋がっていきます。
こうなるともう己の不甲斐なさを嘆くばかりで、やがては釣行意欲を失いアユ釣りの世界から遠ざかって、古き良き時代を語るだけの口先アユ師に成り下がるのは必至です。
しかし残り少ない我らの人生ですが、これまで最高の生き甲斐であったアユ釣りと言う究極の道楽を手放すことなど絶対にできないとするのがアユ師の思いのはずです。
と言うことで、以下は若い頃のように俊敏な動きが出来なくても、視力や反射神経が衰えていても、釣りへの意欲が萎んでしまわないうちに、我ら高齢者の五感に記憶された多くの実釣経験からくるデータと長い釣り人生で培ってきた第六感とを駆使しながら、なんとか人並みの釣果を維持したいと言う思いから辿り着いたのが、現在実践している目からウロコの釣法なのです。

先ずはこれまで実践してきたポイント選びと釣り方の見直しをしなければなりません。
10年前とは比較にならぬほど衰えが来ている自己の体力に照らして見ることから始めてみましょう。
立っているだけでも不安を感じてしまうような荒瀬や早瀬、腰を超えるような深場、押しの強い大河のトロ瀬、足場の悪い岩盤など、高齢者には危険がいっぱい潜むポイントからは潔く撤退をすることにしましょう。
と同時に強瀬の引き釣りなど体力勝負の釣法からも、一切手を引く決断をしましょう。
攻めるべきポイントは主に浅場、または安全な立ち位置からでもカバーできる範囲にとどめ、大アユ狙いは綺麗さっぱり諦めて、中型以下の数釣りへと方針転換を図りましょう。
高齢者のアユ釣りで最も大切なのは、己の体力に見合ったアイテムと釣法で武装し直すことでしょう。
ポイント選びのコツなどもひっくるめて、ここではこれを「枯れ葉釣法」と命名しますが、それは全く特別なものではなくて、半世紀に渡るアユ釣り人生の中で何気なく繰り出していた釣技の中から基本的な部分だけを抜き出し、それを徹底的に突き詰めることに尽きます。
即ち「枯れ葉釣法」は、自身の意識改革の中から生まれる高齢者に優しい釣法と言うことになります。
干支が6巡してもまだまだ諦めたくないアユ釣り人生、むしろこれまで以上に楽しみたいがための身体に優しい釣法ですから、大いに参考にして頂ければ嬉しい限りです。



装備・身の回り

<ロッド>
枯葉釣法に最も必要なのはロッドワーク、自在に竿を操作するには持ち重り感のない8m(自重200〜180g)がベターです。
泳がせ釣りが主体ですから、軽くて操作性さえ良ければ競技仕様の最高級ロッドである必要はないのですが、それは野アユを掛けるまでのことで、引き抜き時のロッドにそれなりのパワーを秘めたものでなければ手返しが悪く釣趣は著しく低下します。
したがってやはり実売価格で15〜17万円ぐらいの中級以上のロッドになってしまいます。
我らが主にターゲットとしたいのは20センチ前後の野アユ、このサイズと一日中楽しく遊べる性能のものを慎重に選んでください。  
なお通常はソリッドなど柔らかい穂先を使い、予備として持参するチューブラー穂先に替えて22〜23センチ程度までを引き抜ができるパワーを有するものなら万全でしょう。
ダイワ社SL(80J)、シマノ社小太刀(FW-80NY)などは使い易いかもしれません。

<タイツ>
身体の冷えを考慮して、先丸ドライタイツの通年着用を基本とします。
猛暑用として薄手のウエットタイツも準備出来れば万全です。

<ベスト>
透湿防水など高機能は必要なく、ファスナーへの噛み込みなどトラブル回避を図ったもので、入漁証や携帯など必携アイテムの収納が考慮されたもののうち最も廉価なもので良いと思われます。
エクセル社の数1000円程度の製品が機能的と思われます。

<タビ>
できるだけ着脱の容易なもので、競技用など高機能は必要としません。
主に浅場釣りが目的だけに先丸タイプでスパイクはあってもなくてもいいでしょう。

<レインウエア>
これだけは透湿防水性の高機能商品を選びましょう。
袖の脱着機能など、腕の上げ下げ時の袖口からの水の侵入対策が出来れば万全です。

<ウエア>
首筋が炙られない形状の襟付き長袖、またはアンダーシャツ+襟付き半袖。
ドライタイツの着脱を容易にする極めて滑りのいいアンダータイツは必需品です。

<サングラス>
高価なものは必要なく、遠近両用メガネに取り付ける跳ね上げ式の偏光グラスが重宝します。

<オトリ缶>
オトリ運搬用ですから大きいに越したことはないのですが、24リットルサイズでは水7分目で総重量が20Kgを超えるので、必ず体力に合った容量のものを選ぶことが必要です。

<曳舟>
時に大釣りになったりもしますから、7〜8リットルなどできるだけ容量の大きいものがいいでしょう。

<鮎ベルト>
曳舟が左右にスライドする構造のものが機能的。
ベルトに装備するのはポーチ(ダストボックス)とドリンクホルダー。

<鮎ダモ>
39センチ、流れ止めは必要装備です。
1mm目の高機能品か逆に3〜5mm目の安価品が鈎の刺さり込み対策になります。

<帽子・キャップ>
真夏の陽射しを遮るつばのできるだけ大きいもの。
強い陽射しから首筋を保護する機能もお薦め。

<小物類>
ラインカッターは必携、ピンオンリール、水温計、携帯、コンデジ、etc.。
アユ用手袋は鈎の刺さり込みなどトラブルの元になり易いので使用しない方がいいでしょう。




仕掛け作り

<仕掛け全長>
ロッド長が8mの場合で、天井イト4.5mと水中イト3.5mの組み合わせ。
仕掛け全長はハナカン位置で竿尻-10〜+5センチに来る長さが操作性はいいでしょう。
かつて標準とされた竿尻+30センチは、我ら高齢者の場合は操作性に難があります。
イカリ鈎を除く全てを装着して仕掛け巻に収納したものを常に3組程度は携行しましょう。

<天井イト>
ロッド長8mの場合で4.5mとする。
水中イトとのジョイントは撚り戻しなどは不要、長さの調整シロは15センチもあれば充分ですから出来る限りシンプルに作りましょう。
水中イトがフロロ0.15〜0.3の場合はPE0.3号、水中イトがPE0.06や複合0.05の場合はフロロ0.6〜0.8号を使用することにします。

<水中イト>
泳がせ釣りに多用するのはフロロライン、0.15〜0.3号を各サイズ揃えましょう。
泳がせ釣り主体の枯葉釣法では間違っても高比重のメタルラインを使用してはなりません。
野アユのサイズによって、或いはその日の野アユの着き場によって品種とサイズを使い分けます。
フロロとPEの場合は各サイズとも両端にチチワを作り、全長を3.5mとします。
複合の場合は上0.3m、下0.2mのツケ糸編み込みでチチワを作り全長3.5mとします。
毛糸目印を4個、色分けなどで号数が判別できるように予め装着し、ペラマック等に収納して各サイズ3組程度はベストに収納携行しましょう。
近年の筆者は後述するオトリのワープ送り込みでも安心して使用できるデュエルの高強度PEライン(アーマード)を多用しております。

<目印>
視認性良く適度な締まりのものを4個、恥ずかしがらずに思い切って大きめに取り付けましょう。
オバセを入れた時の一番下が水面スレスレの位置で各10〜15センチ間隔とする。
オーナープロ目印の黄、黄緑、桃色などが快適な視認性と適度の締まりが得られます。
赤系は照度が落ちた曇天や逆光では意外に見失うケースも多いからあまりお勧めはしません。

<中ハリス>
ハナカン位置から8の字結びコブまでの長さを25〜30センチぐらいに揃え、ハナカンが移動できるノーマル仕掛けとします。
初期用としてフロロ0.6号、盛期用として0.8号にて自作しましょう。
専用仕掛け巻に収納して10組ほどを携行します。

<ハナカン>
ワンタッチ、6、6.5、の2サイズがあれば、野アユ16〜23センチには対応できます。

<逆さ鈎>
ハリス穴が大きく蛍光色など視認性の良いものか、鈎交換の楽なフック式にします。
大アユを狙わないとすれば2〜3号の2種類で終盤まで対応できるはずです。

<アユ鈎>
主に浅場の泳がせ釣りなので、細軸軽量の3本イカリ(筆者はダイワ社フックKを多用)の市販品をお勧めします。
大会参加でもなければ鈎の形状に神経質になることはなく、常に鈎先が鋭利である事に気を配るだけで宜しいでしょう。
ハリス長はオトリの尾鰭先端から鈎先まで1センチを基準とし、その日のポイントや野アユの活性度合により微調整するようにします。
6号〜7号の3サイズがあれば、特に大アユを狙わない限りは終盤までをカバーできるでしょう。

<背鈎>
通常は使用しませんが、養殖オトリからのスタート時や非常時用として、ワンタッチで脱着できるものを考案し携行しましょう。

<オモリ>
筆者は殆ど用いることはありませんが、泳がせ釣りの中にあっても、その効用によって助けられる場面は多々ありますから、0.8〜2号をベストに忍ばせておきましょう。



いざ出陣!

   

5月初旬、10センチ前後で遡上する北東北のアユは、僅かな期間で目覚ましい成長を遂げ、あっという間に成熟して9月中旬には産卵場へと落ち始めます。
したがって北東北の釣期は、7月から始まっていいところ2ヶ月半しかありません。
我らは日々目覚ましく変化するアユの生態に翻弄されながらも、これを追いかけるようにポイントを探しては釣法を工夫しつつ、アユの友釣りと呼ぶ究極の趣味を楽しんでいるのです。
しかし7月初旬、待ち焦がれた北東北の解禁直後はまだ肌寒い梅雨の真っただ中、熟達者とて難しい釣りを強いられることの多い時期です。
そこから10日も経つと次第に水も温みアユも一回り成長して縄張り行動はひときわ活発になります。
その頃から「枯葉釣法」をひっさげた我らの出番の多い時期となります。


<いつ何処へ行く?>

勿論サカナの居る川、評判のいい川、週末アユ師で大いに賑わった川。
毎日が日曜日の身ですから週末の混雑を避けて、原則釣行は主に週明けの月曜か火曜ということにしておきましょう。
週明けは釣り荒れが酷く、見た目の良い誰しもが気になるポイントは空き家状態になってます。
そこではアタリは遠く納得の釣果を得ることは難しい状況です。
しかし決して川全域が釣り切られた訳ではありません。
高水続きや酷い釣り荒れで暫く竿が入らなかったポイントが、時が経つとしっかり復活している例を、長い釣歴を誇るご同輩諸氏は何度も経験しておられることでしょう。
これを「リセット」と表現するご仁もおられます(もともと魚影の薄い川はいくら待ってい てもリセットされることはありませんが・・・)が、一旦空き家となったポイントが再び満たされると言うことは、戦々恐々の野アユたちは週明けの川の中の「何処か」で虎視眈々と復活の時を窺っているのです。
オラは長い経験で鍛えた第六感を働かせてその場所を探り当てることに血道をあげております。

<ポイント探し>

前述のように週明けの人気のポイントは空いてはいますが、大勢が入れ代わり立ち代わり攻めた後だけに確実に場荒れとなっています。
そこは当然縄張りアユは疎らで、如何に時間をかけてみても多くは望めません。
そんな時に野アユが定位しているのは一部のエキスパートだけが攻略できる岩盤の深場であったり荒瀬のド芯だったりします。
しかしかなりの数がヘチや、足首ほどの超チャラ瀬にも着いています。
前日に大勢のアユ師が歩き回り漕ぎ荒らしたであろう見栄えの良いポイントのすぐ傍や、そのポイントを目指して漕ぎだすヘチや無限に広がる超浅場、そここそが我らにとっての宝の山です。
盛夏のころなら、減水で底石が露出した水溜りのようなスポットに群れたアユがモジリを見せ、上手く泳がせてそこへオトリを誘導できた時、激しい水飛沫とともに意外な良型が絡み合って宙に舞う快感をご同輩諸氏も一度は味わった経験があることでしょう。
時期や天候、時間帯にも左右されますが、野アユにとってそこが摂餌行動やその他生態上必要な場所であれば、意外なスポットにも平気で入っているものです。
チャラ瀬などにあって、漕ぎ回り歩き回り一旦群れを散らしてしまった後、数分も経たぬうちに何事もなかったかのように再び魚影が戻っている事実を我らは何度も見て来ています。
しつこいようですが、他人がガシャガシャと沖の流心へ漕ぎ渡った後の浅場こそが、我ら熟年アユ師にとって垂涎のフィールドとなるのであります。
筆者はそんな流れと静かに対峙し、縄張り本能が少々希薄にはなってますが、無数に泳ぎ回る野アユとの根比べを楽しむのであります。
釣り荒れのA級ポイントで四苦八苦する若者アユ師を横目に、一見つまらない場所で熟年アユ師が悠然と独り勝ちする場面を演出したいとするのが我が「枯葉釣法」の目指すところでもあります。


<枯葉釣法とは>

さて、急流などものともしなかったかつての頑健な体力を失った我らは、「動」の釣りから安全安心浅場専門の「静」の釣りへと方針転換を図る一大決心をしました。
そんな熟年アユ師や非力な女流アユ師にも優しく、しかも良く釣れる釣法、その中身は徹底した「泳がせ釣り」にほかなりません。
泳がせ釣りは全ての釣法の基本にあるもので、尾鰭を振って激しく侵入してくるアユに対しては果敢に攻撃に出る縄張りアユの習性を利用するものです。
自然界の侵入アユを仕掛けを背負ったオトリアユに演じさせる時、早瀬など水の走るポイントでは尾鰭を振らすことができても、流れの緩いまたはヘチなど全く流れのない場所では、ひと工夫しない限り難しいテクニックとなってしまうこともあります。
静止しているルアーには反応しないサカナと同じで、動かないオトリには野アユの反応は極めて低くなってしまうのです。

かつてある試みをしたことがあります。
遡上量の多い年の秋田県桧木内川桜並木の浅場、上流で竿を出す身内の引き釣りのオトリが定位する位置に、自分のオトリをカミ泳がせで遡らせた時、そこに居た野アユが反応したのは後者でした。
これを3回試しましたが、3対0でシモからのカミ泳がせの勝利でした。
浅場だけに引き釣りで定位させているオトリは尾鰭の動きが緩慢もしくは静止状態、シモから泳がせたオトリは尾鰭を激しく振って昇ってたと言う違いだけのこの実験、このことは浅場での友釣りが成立するのは、オトリの動きが如何に大切かを意味します。
したがって我らが狙いを定めた超浅場やヘチなどにおいては、その泳がせテクニックの上手下手が著しく釣果を左右することは明白です。
競技の釣りとは縁のない我らですから、ゆっくり時間をかけて楽しみながら、時として爆釣にもなり得る完璧な泳がせテクニックを求めて練習を重ねることにいたしましょう。


<意外に簡単なカミ泳がせ>

足元から放ったオトリを立て竿のまま直上流に向けて泳がせます。
カミに向かってどんどん泳ぐようならそのまま遡らせてみます。
途中で静止しそうになったら、オトリの重さを感じてしまわない程度に竿先をほんの僅かスイングさせてみるか、目印やラインを水中に沈めてオバセ量を加減しながら、再び泳ぎだすきっかけにします。
超浅場の泳がせであってもオトリが元気にいい泳ぎをし、長過ぎないハリスと仕掛け全体が軽く仕上げてある限り、根掛かりは滅多に発生しないものです。
ロッドの仰角が45度程度で上限(オトリは立ち位置から11〜12mカミでツッパリ感)を感じたら、優しく引き戻して再び最初から泳がせてみます。
ここまではいわゆるオトリ任せの泳がせの域を出ない訳ですが、自分の立ち位置のカミに無限に広がる浅場を隅々まで攻めるためには、さらにひと工夫が必要になります。
オトリの泳ぐ方向を竿操作で制御するのは困難なことですが、気持ちだけでも今度は沖に向かって斜め方向に遡らせることを試みてみます。
変化のない単なる浅場に見えていても、じっくり観察してみるとそのエリアには小さな波立ち、大小の石、露出した底石、僅かな流れの変化など、いかにも野アユが着いていそうなスポットが幾つも存在していることに気づきます。
斜め方向に送り出した(つもりの)オトリに、それらのスポットを効率よく辿らせるには、天邪鬼とも言えるアユの習性を逆手にとった巧みな竿操作が必要になります。
水中イトを目印ごとどっぷり沈めたり、竿先でリズムを刻んでみたり、鼻先にテンションを加えてみたり、押したり引いたり、ラインに受ける風を利用してみたり、スピードをコントロールしたり、あるいは位置を左右にずらした背鈎を打ってみたりもしますが、くれぐれもオトリを引き回したり、大きなダメージを与えるような力技であってはいけません。
これは一朝一夕にできるものではありませんが、ここでは8mと言う軽量短竿が生きて、意外に短時間でなんとなくコツのようなものを掴むことができるようになります。
短竿に替えただけで9m竿では難しかった技が簡単にできて、このところ腕が落ちてしまったと嘆いていたアユ釣りが、以前よりも確実に上手くなっているような錯覚にも囚われます。
平日の浅場ですから、周りに気兼ねせずじっくり泳がせて自信を着けましょう。
その間にも殆どサラ場だったそのエリアからは、多くの野アユが反応してくるはずです。
ここまでくると、この釣りには引き釣りでは味わえなかった「立ち位置を動かぬままでかなりの広範囲を攻め切れる」と言う、誠に嬉しいメリットがあることに気づかれるはずです。
この釣りの最大のキモは、「オトリの泳ぎを決して休ませない」と言うことに尽きます。
竿操作を乗馬における手綱さばきに見立てた時、それを繊細にかつ神経質に行っている感覚です。
ただしその時の釣り人は、8mのロッドと8mの仕掛け、即ち16m先で泳ぐオトリと周辺に居るはずの野アユの様子が、目印の動きやロッドを握る手を通して、常にイメージ出来ていることが大切です。
熟達者のこの釣りを見ていると、車の運転よろしく竿先がリズムを刻んで上下左右に小刻みに振れ、釣り人主導でオトリを行かせたい方向にハンドルを切り、千変万化の流れを辿っていることが解ります。
熟達者のように無駄を省きオトリが野アユの着き易いスポットだけを辿るように、方向もスピードもほぼ自在に制御することができた時、それを「管理泳がせ」と呼び、「枯葉釣法」が目指す泳がせ釣りの究極にあるものです。
勿論実釣では、あらゆるシチュエーションを考慮する必要があります。
カミ泳がせが困難で、オトリの送り出しを敢えてシモ手方向にせざるを得ない場面も多く存在します。
こんな場合でも決してオトリの鼻面を引きすぎてはならず、ラインや目印を使っての優しく自然な引きを心掛けなければなりません。
かなり流速のある場所であっても、オモリや背鈎の力を借りながら、オトリの泳力に任せる張らず緩めず竿先曲げずの感覚を維持します。
この状態でも野アユへのアピール度は高く、これを「引き泳がせ釣り」と呼ぶアユ釣りの定石です。
この状態を保ちつつオトリを引き上げ自分の正面付近に来たある瞬間、本来のカミ泳がせに切り替えるべきサインが見えてきます。
ロッドを寝かせ加減の引き泳がせの体勢から本来のカミ泳がせの立て竿に切り替えた途端、オトリ本来の泳力による快調な泳ぎに変わりますので、そのタイミングを見つけることが大切です。


<ワープ送り込み>

釣り現場ではオトリが狙いのスポットになかなか入らず無理に引きすぎたり、根掛かりなどでついつい大きなダメージを与えてしまうことがあります。
そんな時、元気度の落ちたオトリにオモリや背鈎を使うことがありますが、これらの補助具は基本的にはオトリの元気度が落ちる前に使うことが正解だと自分は考えます。
渇水期など手前の露出した底石ゴロゴロの向こう側へオトリを送り込みたい時、或いは狙うべき箇所が流心を越えた対岸の遠いスポットなどである時、オトリ自身の泳力が充分であれば問題はないのですが、そんな弱りかけだと時間ばかりがかかり、なかなか本来の泳がせ釣りまで移行できません。
ここで登場するのがワープ送り込み、かの瀬田名人がそれとなく当たり前のように繰り出すアレです。
見ていると難しそうな技ですが、落ち着いてやってみると最初はスマートさには欠けるでしょうが意外に短時間で習得できるかと思います。
しかも長い時間空気を吸わせたり無茶引きする訳ではなく、180度ワープの空中移送はほんの一瞬で狙うスポットを直撃できる技ですからオトリへのダメージは極めて少なくてすむ方法なのです。
何よりも浅場では着水と同時に野アユのアタックを受ける場合も多く、大きな感動が得られます。
誰も居なくなった夕暮れの川で、しっかり練習しておきましょう。
1時間も練習すればもう実釣の現場で使えるようになるでしょう。
ただし水中イトがフロロの細糸では親だけドンブリもあり得ますのでご注意を。


 


<枯葉釣法が積極的に狙うべきポイント>
  • 混雑河川ではヘチ寄りの超浅場。
  • 超渇水時の全ての河川全域。
  • 底石が露出する盛夏の減水時、ほぼ止水となっている部分も好ポイントになり得る。
  • 増水復帰後の分流。
  • 天然遡上豊富の河川下流部など。
  • 多くの群れアユが見えているが追いが悪いとされる河川。


<枯葉釣法の欠陥>
  • トーナメントなど与えられた千変万化のエリアで釣果を競う釣りには適さないかも知れない。
  • 竿を煽るほどの強風時など微細な竿操作が困難な場合には、立て竿泳がせは難しい。


<枯葉釣法での留意事項>
  • 1ヶ所に留まらずオトリに追従し、野アユの着き場を求めて積極的に広範囲を探りましょう。
  • 浅トロ・チャラにおける澱みない泳がせは、水キレのいいメタル系水中イトでは難しい。
  • 枯葉釣法は、原則立ち位置よりもシモで勝負はしない。
  • 最初の1尾獲り(オトリ替え)に全力を注ぐべし。
  • 枯葉釣法に止めや待ちの釣りはない。
  • 目視、目印の動きと手感でオトリが野アユの群れに同化した感覚を掴むこと。
  • 時に目印に派手なアタリが出ないこともあって、違和感を感じたらそっと訊いてみる。
  • オトリは原則掛かりアユ1匹ごとに交換する。
  • 煽って外れた根掛かりも、ケラレでも9割の逆鈎外れがあるので必ず引き戻し点検をする。
  • オトリが小型だったり弱い時、浅チャラなどで流れに負けてヨレるのは逆鈎外れも疑う。
  • カガミなどのサイトフィッシングでは、向こう側からも見られていることを忘れずに。





北の奔流TOP

河川コンディション

ヤマメ釣り

  2021
  2020
  2019
  2018
  2017

アユ釣り
  
  2021-9
  2021-8
  2021-7
  鮎小屋情報
  解禁前・遡上情報

  2020-9 
  2020-8
  2020-7
  鮎小屋情報
  解禁前・遡上情報
 
  
2019-9 
  2019-8 
  2019-7
  鮎小屋情報
  解禁前・遡上情報

  2018-9
  2018-8
  2018-7

  2017-9
  2017-8
  2017-7

ヘラブナ釣り


ワカサギ釣り

  2020-2021
  2019-2020
  2018-2019
  2017-2018
  2016-2017

コラム
  
  魚道の話
  爺様釣法ヤマメ釣り編
  爺様釣法アユ釣り編
  爺様の山歩き

リンク集

管理者 プロフィール   
  • 1944年宮城県生・岩手県盛岡市在住・古き良き時代の電気設備技術者。
  • 趣味:釣り・山歩き ・自然観察・山野草