写真は東京精行舎発行の「日本博覧図 静岡県の部」に掲載された銅版画です。静岡県の中で、368ヶ所の風景が収録されていたそうですが、その中のひとつとして、鎌田山医王寺があります。
静岡県下の明治時代の社寺、小学校、地域の名望家、農・工・商家を中心として、その周辺の風景である山河、田畑、市街のほか、通行人や馬車までも詳細に描かれています。
驚くべきことに、それぞれの銅版画が鳥瞰図になっており、航空写真と比べても、決して見劣りしないほど素晴らしい出来のものばかりです。約120年ほど前の明治時代の様子を知る上で、貴重な文化遺産と言えるでしょう。
日本博覧図に掲載されている鎌田山医王寺の境内は、現在の医王寺とはずいぶん変わってしまっていますが、堂塔伽藍のおおまかな配置は、現在と変わっていません。
もっとも大きな変化は、銅版画の中心にある、木造洋式三階建の「坊中学校」が焼失してしまっていること。中央奥側の境内部分に「墓地」が造成されていること。大きな瓦屋根の「薬師堂」が別のお堂に代わっていることです。
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