八重桜の一種「普賢象」 薄ピンクの八重桜 一斉に見頃を迎えた八重桜
 医王寺では、多くの桜の木を植樹しております。大まかに分けて、彼岸桜、ソメイヨ
シノ、八重桜の3種類に分類することができます。それぞれ開花時期が異なり、彼岸
桜は、3月の上旬から下旬頃、ソメイヨシノは4月の上旬から下旬頃、八重桜は4月
中旬から5月中旬という具合です。3月初めから5月中旬までそれぞれの桜が花を付け
ていくため、長く桜を楽しむことができます。
 昭和40年頃に植樹したソメイヨシノを初めに、桜の木を年々少しづつ増やしています
が、最近静岡県の緑化事業により、50本程度を新たに植樹しました。医王寺の境内で
根付き、いつしか皆さまの心を癒してくれる素晴らしい桜になってくれることでしょう。
 写真の桜は花弁が八重で、大輪の花を咲かせることが特徴です。自然の山桜(やまざくら)に対し
て、大島桜(おおしまざくら)を片親に園芸用に改良され、里に多く植えられたため、里桜(さとざくら)と言われます。
 左の写真の八重桜は「普賢象(ふげんぞう)」という名前があります。いかにも仏教的な名ですが、
命名は鎌倉時代までさかのぼります。当時、鎌倉の普賢堂の境内で発見された桜
だったため、最初は「普賢堂(ふげんどう)」と呼ばれました。やがて、花の中心部にある2枚の
緑色の葉(雌しべが葉化したもの)が普賢菩薩(ふげんぼさつ)の乗り物とされる白象(びゃくぞう)の牙を思わせる
ところから「普賢象(ふげんぞう)」と呼ばれるようになったそうです。
 薔薇(ばら)科である八重咲きの桜の中でも、花の豪華さから代表品種のひとつとされ
人気が高い桜です。

 医王寺では、境内の至る所に季節の花を植えています。それは、医王寺に訪れたすべての方の心を癒して差し上げたいという気持ちからです。医王寺に参拝に来て頂いた方が、境内の木々や草花をご覧頂いて、自然とのふれあいから大事な物を心で感じて頂ければ幸いです。私たちが自然から頂けるもの。それはそのまま仏さまからのメッセージでもあるのです。

 医王寺は幸いにして広大な寺領を有しています。これからも境内の整備・管理を精一杯行い、季節感あふれる寺院を目指します。

 秋のお彼岸を迎えた頃に、医王寺の境内を彩ってくれるのが、この萩の花です。ひとつひとつの花びらが寄り添い、星をちりばめたように、賑やかに咲きます。
 医王寺には、ピンク色の萩と、白い色の萩の花の2種類を植えています。
 今では、秋に咲く花として医王寺にも定着してまいりましたが、多くの株が境内のあちこちに植えられ、見応えのあるものになったのは、15年ほど前からになります。
 
 境内のあちこちで、細い枝を懸命に伸ばし、小さな花を咲かせる萩。ぜひ近くに寄って花ひとつひとつの様子をご覧になって下さい。

○ 萩(はぎ) 9/10〜9/25頃

一番に咲き始めた萼紫陽花(がくあじさい) 純白が美しい紫陽花(あじさい) 梅雨の晴れ間の紫陽花(あじさい)
 医王寺は、第32世住職が晋山した昭和51年頃、杉の木や松の木がほとんどでした。
そのため日の光が遮られ境内は薄暗く、うっそうとしていました。紫陽花は、そのよう
な様子の中、境内を美しく景観を良くするために、昭和52年から植樹が始められました。
 当時、境内のいたるところに挿し木で増やしたため、紫陽花の株は急増しました。
昭和60年頃から、平成5年ころまでが紫陽花の株数がもっとも多かった時だと思われ
ます。
 おかげさまで、医王寺は苔と紫陽花の寺として広く知っていただくようになり、梅雨
時期がもっとも美しい寺院と紹介されるようにもなりました。
 現在は紫陽花だけでなく、他の草花も境内に植樹し、1年を通じて花の絶えない寺院
を目指しているため、紫陽花の株数は以前より減少しています。しかし少ないとは言って
も、現在でも300株程度は残り、毎年元気な花を咲かせています。また、医王寺の土壌
に馴染んだ紫陽花たちは、それぞれ大変大きく成長していて、存在感がちがいます。
1株で花が30を超えるものがたくさんあります。
 医王寺の紫陽花は、普通の紫陽花が9割です。あとの1割は、萼紫陽花(がくあじさい)柏葉紫陽花(かしわばあじさい)
になります。また、植樹の時には白い花の紫陽花を数多く植えたのですが、様々な色
の紫陽花が存在します。つまり、紫陽花の花の色は、その土壌の成分によって変化し
ていくようです。

○ 紫陽花(あじさい) 5/25〜7/10頃

白とピンクが混ざった皐月(さつき) 南国の花にも見える皐月(さつき) 緑の葉が見えないほど満開の皐月(さつき)
 医王寺に植樹されている皐月の大半は、枯山水の庭園の中にあります。枯山水の
庭園は江戸時代初期(1620頃)に造園されていますから、その当時から脈々と受け
継がれた命が実を結び、今年も花を付けていることになります。
 医王寺は長い歴史の中で、手が付けられないほど荒廃してしまった時代もあります
が、歴代住職の努力により、庭園はすっかり整備され、皆さまにご覧いただく価値の
あるものとなっています。
 枯山水の庭園は造園師と言われる、小堀遠州もしくは運敞僧正に敬意を払い新たに
木々を植樹することはありません。造園当時の様子を後世に残していくことが大事だと
考えます。そのため、皐月は剪定して形を整えるだけです。
 
 皐月は躑躅(つつじ)科に属し、正式には皐月躑躅(さつきつつじ)と言われます。つまり、躑躅の
一種なのです。皐月と躑躅の明確な違いは、開花時期が遅いことと、葉っぱが躑躅
よりも小さく堅いという点で区別することができます。また、花の色もピンクや赤系が
多いようです。

○ 皐月(さつき) 5/10〜6/10頃

○ 八重山吹(やえやまぶき) 4/15〜5/5頃

ピンク色の萩の花 木漏れ日を受ける萩の花 白色の萩の花

季節の草花

緑に白の花びらが映える著莪(しゃが) 薄い絹のような著莪(しゃが)の花びら 著莪(しゃが)の藪明かり
 医王寺では、著莪は比較的新しい花になります。平成5年頃、5株ほどの植樹から
始まりました。境内のなかで、もともと茶畑だった場所を選んだのですが、土壌が肥沃
なためわずかな期間に成長し、株数も爆発的に増えました。著莪の総面積は、
10,000uにおよぶと予測され、現在も増え続けています。
 著莪は文目(あやめ)科の植物で、日陰や湿度が高い場所を好むようですが、医王寺では
他で見ることが出来ないほど密集して生育しています。その様子は、「著莪の藪明かり」
ということわざを実感できるほどです。
 しかし、著莪の花ひとつひとつの寿命は短く、朝に花開き、夕方にはしぼんでしま
います。そのかわり、1株あたり30程度のつぼみがあるため、順番に花開き、
約1ヶ月間は著莪の可憐な姿を見ることが出来ます。
 「しゃが」の名は、檜扇(ひおうぎ)の 漢名の”射干”を音読みしてつけられたため、 「射干」
とも書きます。その他に「胡蝶花」とも呼ばれています。
 

○ 著莪(しゃが)、胡蝶花(こちょうか) 4/10〜5/10頃

真言宗智山派 鎌田山 医王寺
本文へジャンプ
New
真言宗 智山派
鎌田山 医王寺
お知らせ
医王寺の歴史
ご本尊 薬師如来
医王寺の境内
山門 本堂 大師堂他
枯山水の庭園
小堀遠州 運敞造園
医王寺と坊中学校
日本最古木造洋式
遠州四十九薬師
第四十六番札所
医王寺の宝物
重要指定文化財
季節の草花
墓地について
仏事の豆知識
交通 アクセス
環境への取組み
サイトマップ
リンク集
お問い合せ
八重山吹のアップ 黄色が映える八重山吹 満開の八重山吹
 医王寺境内の半日陰に植樹してあります。4月中旬に見頃を迎えます。他の木々が
新緑に包まれる頃、八重山吹の鮮やかな黄色は、境内の中でひときわ目立ちます。
 写真をよく見ていただくと、花びらが八重になっているものと、そうでない山吹も発見
出来るかと思います。おなじ山吹で薔薇(ばら)科に属しますが、品種が違います。
 ひとつひとつの花は小さいですが、一斉に咲き誇った様子は圧巻です。

真言宗智山派 鎌田山医王寺 トップページへ戻る

このホームページに係わる写真及び文章の著作権は医王寺に属します。

Copyright 2007 iouji Temple All rights reserved

○ 八重桜(やえざくら) 4/15〜5/5頃