著者 | タイトル | 出版 | コメント 対象の棋力 初級→10級まで 中級→9級〜1級 上級→有段 | 対象 | |
講座もの……囲碁理論・作戦 | |||||
高川秀格 | 基礎から学ぶ「勝てる囲碁の法則」 | 2004.4 | 囲碁の基本法則を平明流高川格九段がまとめたsmile_aceお薦め本 | 中級 | 済 |
橋本宇太郎 | 囲碁有段シリーズ・局勢判断と応手 | 1994.7 | 形勢判断の要領、実戦の応手、大局観をテストする | 上級 | 済 |
藤沢秀行 | 華麗秀行流次の一手 | 1994.8 | 布石と中盤への入り口の次の一手問題106題 | 上級 | 済 |
林 海峰 | 囲碁有段シリーズ・有段者雑学事典 | 1994.6 | プロの感覚、キカシ、小ゲイマの周辺、手割と棋理 | 上級 | 済 |
王銘エン | NHK囲碁シリーズ 石の働き「広い方から押し込む」 | 2002.11 | 碁を打つ時の構想力を養うの本 | 中級 | 済 |
王銘エン | 碁の心発見シリース6 「ソーンプレスパーク」 | 2004.3 | サッカーの知識を碁で応用する方法を笑いながら学びたい人の本 | 上級 | 可 |
王銘エン | これを伝えたい(1) ヨセ・絶対計算 | 2004.5 | 数学と碁の両方が好きな人へのお勧めの本 | 中級 | 済 |
王銘エン | これを伝えたい(2) 我間違える ゆえに我あり | 2005.2 | 碁の本を笑いながら読みたい人の本 | 上級 | 済 |
王銘エン | 囲碁ミステリーツアー | 2007.1 | 碁の雑学を楽しく学びたい人の本 | 上級 | 可 |
大竹英雄 | 碁盤を大きく使う定石の選択 | 1993.9 | 「部分より大局」を身につけ、正しい定石の選択をする力をつける | 上級 | 済 |
大竹英雄 | 攻めに強くなる12章 | 1997.2 | 「地を囲いにいっては碁は勝てない」、「攻めながら地を取る」という囲碁常識を説明している本 | 中上級 | 済 |
大竹英雄 | 三段の壁を破る定石選択の大局観 | 1997.4 | 部分の形や定石に囚われず、全局での基本定石活用をしていく中で大局観を養う | 上級 | 済 |
大竹英雄 | 囲碁必勝の戦略 攻めのテクニック | 2002.3 | 全局を見て、攻防の判断をして、ごく基本的な攻め方を実行する。「三段の壁を破る定石選択の大局観」の加筆改訂版 | 中級 | 済 |
石田芳夫 | 明解 初級囲碁読本 | 1994年 |
私が色々な本を読んで得た考え方が1冊の本に凝縮されていて、沢山の本を読まなくても碁理(棋理)を理解出来る素晴らしい本 棋力に応じて読める様にそれぞれ、初級、中級、上級用に分かれています 尊敬する石田九段の説明を、自分の言葉に代え、強調すべきを強調してHPにまとめました 点が線になり、線が面になって地が出来るというところの説明は、他の本で見たことがありません | 初級 | 済 |
石田芳夫 | 級位者のための 本筋の打ち方 | 1998年 | 中級 | 済 | |
石田芳夫 | 級位者のための 勝率アップの決め手 | 2000年 | 上級 | 済 | |
石田芳夫 | 全局で圧倒する大斜大作戦 | 1993.10 | 大斜の基本定石の実戦活用策についての説明 | 上級 | 可 |
石田芳夫 | 三段の壁を破るこの手、何目 | 1997.4 | 石田流1手の価値計算法の紹介 | 上級 | 可 |
石田芳夫 | 布石の絶対感覚 | 1998.6 | プロ棋士が長い間の修練と対局経験によって得た布石の絶対感覚を、石田九段の理論を理解し感覚にまで育てる。 | 上級 | 済 |
石田芳夫 | 五段になれる人なれない人 | 1999.5 | アマチュアの碁を題材にたアマの陥り易い迷路の問題を解くことで五段の壁を破る | 上級 | 済 |
加藤正夫 | 攻防の判断が勝敗を決める石の攻め方 | 1995.8 | 部分より全体を見た攻防判断(大局観のある石の攻め方、戦いの土俵作り)を次の一手問題形式で85問 | 上級 | 済 |
小林 覚 | 「常識否定の囲碁上達法 | 1999.1 | 定石を打つのでなく、自分で考えた碁を打つこのにスポットを置いた本 | 中上級 | 済 |
小林 覚 | 新木谷道場入門・攻めの法則 | 1997.1 | 石を取ることより、大石に辛い活きを強いて、地を儲けたり、模様をひろげたりという「取る以外の得」を求めての攻めを会得する | 中上級 | 済 |
小林 覚 | 「手割り」プロの形勢判断 | 2005.3 | 石の効率(手割り)による形勢判断を知りたい人の為の本 | 上級 | 済 |
小林 覚 | バランス感覚を磨く・大局観養成講座 | 2004.3 | 碁をもっと楽しむ為に、大局観を磨くあらゆる方法、コツを学ぶ | 上級 | 済 |
武宮正樹 | 大模様を構築する武宮流三連星序盤から中盤の戦い方 | 1987.5 | 三連星を打って大局観、攻める力を養う(応用編) | 上級 | 済 |
武宮正樹 | 戦闘力と大局観を養う武宮流三連星必勝法 | 1987.6 | 三連星を打って大局観、攻める力を養う(基本編) | 中上級 | 済 |
武宮正樹 | 中盤で大差をつける定石後の打ち方 | 1994.7 | 基本定石後の打ち方を知ることにより、定石の選択も理解する | 上級 | 済 |
武宮正樹 | 武宮の白番 | 1999.12 | 白番は、相手の動きを見て、不自然な手は打たず、相手の不自然な手はその歪みを拡大する。 | 中上級 | 済 |
武宮正樹 | 武宮流白番の勝ち方 | 2003.12 | 自然で自由な発想による構想で打つ | 中級 | 済 |
武宮正樹 | 武宮の形勢判断 | 2003.12 | 碁の本質は地を囲う努力ではなく、地を囲わない努力であることを知りたい人の本 | 中級 | 済 |
趙治勲 | 最強囲碁塾利かしの哲学 | 2003.5 | 利かしと利きの技法を学び、これまでと違った碁を打てるようになる | 中上級 | 済 |
趙治勲 | 趙治勲流地取り戦法 | 2005.4 | 「地のある石が強い」など、九段独特の感覚を知りたい人の本 | 上級 | 済 |
苑田勇一 | NHK囲碁シリーズ 苑田勇一流 基本戦略 | 2002.12 | 中盤の着手基準、石の方向などの指針を勉強したい人の為の本 | 中級 | 済 |
苑田勇一 | 打っていい場所・悪い場所 | 2004.6 | 将来を見据えた大事な着手は、地を稼ぐことでも、石を取ることでもない。目に見えない好手を打つために、打っていい場所と悪い場所を絞り込む方法を学ぶ。 | 中級 | 済 |
山下敬吾 | 戦いのベクトル | 2005.9 | 石の強さ、方向、幅などの戦いのベクトルを正しく理解して、その本質に従った戦い方を説明した本 | 中上級 | 済 |
三村智保 | 三村流厚みの法則 | 2004.8 | 厚い碁を打つ為に三村プロが何を考えて打っているか知りたい人の本 | 中上級 | 済 |
影山利郎 | アマの碁ここが悪い3打ち込み | 1994.3 | 勇気を持って打ち込み、打ち込みのハイテクノロジーを身につける | 上級 | 済 |
影山利郎 | アマの碁ここが悪い・布石の要点 | 1996.12 | 序盤の7つの着手判断基準について書いた本 | 中上級 | 済 |
額 謙 | 有段を目指す囲碁講座 | 1996.8 | 序盤から中盤における戦いで無意識のうちに打っている悪いクセを知って正しい発想法に到達する | 中級 | 済 |
菅野清規 | 生きている囲碁の格言 | 1978.8 | 碁の原理、技術上の原則などを一言で適切に表現してある格言45をテスト形式で説明 | 初中級 | 済 |
日本棋院編 | 星打ち名人になろう・勢力とスピードの魅力 | 1998.9 | 「碁は地を争うゲームであり、隅を囲うのが最も効率的」という考え方から陥る地取られ恐怖症に対し、中央志向の「夢とロマンの碁」の魅力を紹介 | 中上級 | 済 |
日本棋院編 | これで差がつく碁敵に勝つ秘策 | 1997.4 | 「どこに打ったらよいか分からない」という局面での考え方、大局観、石の方向といったことに主眼をおいた本 | 中上級 | 済 |
死活・手筋・ヨセ・定石 | |||||
坂田栄男 | 急所・この一手 | 1995.2 | 坂田九段の実戦譜を題材にした次の一手問題120題 | 上級 | 済 |
坂田栄男 | 差をつける有段死活 | 1996.4 | 多くの死活のパターンに触れる | 上級 | 済 |
藤沢秀行 | 藤沢秀行囲碁教室3囲碁基本手筋 | 1994.11 | 古今の有名な筋および、形を身につける | 中級 | 済 |
藤沢秀行 | 藤沢秀行囲碁教室5囲碁次の一手 | 1995.10 | 定石、手筋、死活、攻め合いの「この一手」 | 中上級 | 済 |
林海峰 | 強くなる手筋 | 1999.10 | 手筋問題100題 | 中級 | 済 |
大竹英雄 | 三段の壁を破る実戦詰碁100 | 1995.7 | 実戦に出現する基本の詰碁100で基本の筋、形を眼で覚える | 上級 | 済 |
大竹英雄 | 俗筋に反撃する定石はずれのとがめ方 | 1997.4 | 真の定石理解の為の基本定石はずれに挑戦 | 上級 | 済 |
石田芳夫 | 差をつける手筋発見法 | 1994.11 | 洗練された古典から採った手筋の基本形を研究する | 中上級 | 済 |
石田芳夫 | 死活の急所に強くなる五段突破の詰碁100 | 1995.4 | 死活の基本や急所を眼で覚える | 上級 | 済 |
石田芳夫 | 飛躍的に戦いの力がつく三段挑戦の詰碁100 | 1995.5 | 基本詰碁を多く解いて筋力をつける | 上級 | 済 |
石田芳夫 | 目で解くヨセのテクニック | 1997.4 | 楽しみながらヨセの勉強をしてもらおうとコンピュータ石田九段が書いた本 | 中級 | 済 |
石田芳夫 | これで万全・ハメ手対策 | 2001.4 | 初級者用の単純な型からアマ高段クラスの本格的な型までを見て、本筋の定石手順の意味を再確認する | 全級 | 済 |
加藤正夫 | 有段をめざすヨセの手筋 | 1999.11 | 実戦にしばしば出現するヨセの基本手筋をマスターして、勝率アップを実現する。 | 中級 | 済 |
小林 覚 | 星の定石徹底研究 | 1997.12 | 星打ちは全局的な着点であり、布石速度や攻撃性を特徴しているので、守りより攻め、部分の利得より全局のバランスに目を向けたものに変わった。ここに、平成にスピードアップした「星の定石大移動」を見る。 | 中上級 | 済 |
趙治勲 | 終盤の逆転力をつける ヨセの手筋 | 1995.7 | 土屋書店の有段者シリーズ、ヨセを問題形式で説明 | 上級 | 済 |
趙治勲 | 六段挑戦の実戦死活 | 2003.2 |
実戦に現れる基本死活のマスター目的の本 100問の内84問は基本の死活なので中級者でも十分取組み可能の問題を掲載 | 中上 | 済 |
依田紀基 | 棋苑囲碁ブックス4石を取る筋捨てる筋116 | 1997.4 | 実戦で出来る、石を取る基本手筋、石を捨てる筋を問題形式で構成 | 中級 | 済 |
依田紀基 | アマの俗筋三つの大罪 | 1997.4 | なぜ俗筋なのか、何ゆえ手筋なのかを知って戦術の基本力をパワーアップ | 中級 | 済 |
苑田勇一 | 苑田流 死活と手筋から考える布石 | 2005.4 | 実戦型死活、手筋問題の生成、解読、実戦応用を理解したい人の本 | 中級 | 済 |
安倍吉輝 | アマの知らない互先・星定石 | 2005.3 | アマとの稽古碁の中で使われる門外不出の秘手を紹介しようとした本。 | 上級 | 済 |
高木祥一 | 碁がたきを粉砕する・裏の裏定石必勝法 | 1992.4 | 著者自身が実戦で打った損のない定石外れを伝授する | 上級 | 可 |
イ・チャンホ | 世界の新手、新型1 | 1997.4 | 新手・新型を見ていく過程で示される手筋を見ていくことにより棋力向上を目指す | 上級 | 済 |
イ・チャンホ | 世界の新手、新型2 | 1997.4 | イ・チャンホはこんなことまで考え、こんなことまでヨムのかに感動する | 上級 | 済 |
イ・チャンホ | 世界の新手、新型3 | 1999.2 | 一般に常識といわれてきたことを覆す勇気に触れる | 上級 | 済 |
イ・チャンホ | ヨセ必勝
戦略 神算の世界 | 1999.12 | 緻密なイ・チャンホのヨセを鑑賞したい人の本 | 上級 | 済 |
新垣 武 | これだけできれば詰碁初段 | 1997.4 | 基本形をもとにした初段クラスの詰碁集182問 | 中上級 | 済 |
新垣 武 | 実戦に役立つ 死活反復トレーニング | 2003.12 | 実戦形の死活がどのような経過で出来るか、その死活を覚え、解く力をつけたい人の本 | 中級 | 済 |
小山靖男 | 囲碁常識の常識 本手と俗手 | 1997.10 | 何故本手の方が手筋として優れているか体得する | 中上級 | 済 |
石榑郁郎 | 六段挑戦の詰碁 | 2004.7 | 高段の力をこれからつけようとする人、或は高段の足固めをしようとする人の本 | 上級 | 済 |
渡辺昇吉 | 一人だけで楽しめる詰碁200題 | 1996.7 | 詰碁を研究する過程で、石の姿、筋、捨石、石の取り方、手順、ダメ、読みを学べます。これも2回以上やりました。 | 中上級 | 済 |
二口外義編 | 玄玄碁教入門 | 1996.8 | 詰碁の原典とも言うべき玄玄碁教の珍瓏(詰碁)からポピュラーなもの200問掲載 2回以上解きました | 中上級 | 済 |
碁楽編集部編 | 囲碁頭の体操 詰むや詰まざるや | 1996.12 | ポピュラーな形のもの200問掲載 「詰むや詰まざるや」なので詰まない問題も入ってます。詰むかどうか不明なのは、実戦と同じ。 読む実力をつけるために2回以上解きました | 中上級 | 済 |
日本棋院編集部 | 囲碁美しい感覚2 手筋を研究する | 1993.7 | 美しい感覚に裏打ちされた手筋を学ぶ | 中級 | 済 |
日本棋院編集部 | 囲碁美しい感覚3 手筋を鑑賞する | 1993.7 | 美しい手筋を鑑賞し、感覚を豊かにする | 上級 | 済 |
日本棋院編集部 | 神授の手筋 | 1998.7 | 石の能率と生命力を最大限に発揮し、盤上の一個の石に命を与え、しかも楽しい絵を描くような理想の「高度な手筋」を紹介する | 上級 | 済 |
誠文堂新光社囲碁編集部 | 三段突破の詰碁 | 1998.8 | 少ない時間で死活を読む集中力を養う | 上級 | 済 |
誠文堂新光社囲碁編集部 | 三段突破の攻合 | 1999.3 | 攻め合いに勝つ手筋のパターンを知り、ダメヅマリに強くなる | 上級 | 済 |
牛窪義高 | やさしいヨセの練習帳 もう苦手とは言わせない | 2013.6 | 13路での練習問題を解いて実力アップ | 中級 | 済 |
打碁集 | |||||
岩本 薫 | 日本囲碁大系1 算砂・道碩 | 1975.7 | 中上級 | 済 | |
趙 治勲 | 日本囲碁大系2 算悦・算知・道悦 | 1977.7 | 中上級 | 済 | |
呉 清源 | 日本囲碁大系3 道策 | 1991.7 | 手割論を創作し、実力13段と言われた道策の碁を呉清源九段の解説により知りたい人が読む本 | 中上級 | 済 |
呉 清源 | 日本囲碁大系3 道策 | 1975.6 | 上記と同じ本で、箱なし、表紙の色変色しています。(表紙以外は悪くない。) 絶版で中古の価格が定価の倍になっている本です。 | 中上級 | 済 |
大平修三 | 日本囲碁大系4 道的・名人因碩 | 1976.8 | 中上級 | 済 | |
坂田栄男 | 日本囲碁大系5 道知 | 1975.6 | 中上級 | 済 | |
加藤正夫 | 日本囲碁大系6 察元・烈元・因淑 | 1975.11 | 中上級 | 済 | |
大竹英雄 | 日本囲碁大系7 親仙徳・大仙知 | 1977.3 | 中上級 | 済 | |
武宮正樹 | 日本囲碁大系8 元丈 | 1976.4 | 中上級 | 済 | |
島村俊廣 | 日本囲碁大系9 智徳 | 1976.3 | 中上級 | 済 | |
藤沢秀行 | 日本囲碁大系10 丈和 | 1976.3 | スケールが大きく、深い読みに支えられた丈和の碁23局を厚い碁で定評の藤沢秀行九段がどう見たのか知りたい人が読む本 | 中上級 | 済 |
橋本宇太郎 | 日本囲碁大系11 幻庵因碩 | 1975.5 | 行方不明で、「古典名局選集 英傑幻庵因碩」と一緒に保管しているはずの本。後者は見つかったら行く先は決まっています。 | 中上級 | 済 |
梶原武雄 | 日本囲碁大系12 元美・俊哲・仙得 | 1992.3 | 中上級 | 済 | |
橋本昌二 | 日本囲碁大系13 松和・雄蔵 | 1975.8 | 中上級 | 済 | |
杉内雅男 | 日本囲碁大系14 秀和 | 1975.9 | 中上級 | 済 | |
石田芳夫 | 日本囲碁大系15 秀策 | 1976.7 | 中上級 | 済 | |
林 海峰 | 日本囲碁大系16 秀甫 | 1976.1 | 中上級 | 済 | |
高川 格 | 日本囲碁大系17 秀栄 | 1976.11 | 中上級 | 済 | |
榊原章二 | 日本囲碁大系18 秀哉 | 1977.8 | 中上級 | 済 | |
呉清源 | 名局細解1、2、3、4、7 | 1981.7 | 呉清源九段が1局を約50ページで詳細な自戦解説(1冊に4局掲載)している本 (5冊) | 中上級 | 済 |
自戦解説 | 現代の名局 | 1970.3 | 当時の代表棋士5名の打ち碁集 1〜2巻 橋本宇太郎 3〜4巻 木谷 実 5〜6巻 呉 清源 7〜8巻 高川 格 9〜10巻 坂田栄男 | 中上級 | 済 |
自戦解説 | 現代花形棋士名局選 | 1975.12 | 当時の代表棋士5名の打ち碁集 1巻 石田芳夫 2巻 武宮正樹 3巻 大竹英雄 4巻 加藤正夫 5巻 林海峰 | 中上級 | 行先調査中 |
武宮正樹 | 武宮の三連星好局集 | 1994.5 | 武宮流の特色が出ている三連星の好局を26局掲載(1981年から1988年) | 中上級 | 済 |
武宮正樹 | 武宮の二連星好局集 | 1989.8 | 武宮流の特色が出ている三連星の好局を19局掲載(1981年から1989年) | 中上級 | 済 |
イ・チャンホ | 世界戦勝局集 | 2000.5 | イ・チャンホの16歳から23歳(1991年〜1998年)までの世界選手権決勝の勝局集 | 中上級 | 済 |
井山裕太 | 自選解説 | 2010.12 | 今回追加記入 | 上級 | 済 |
井山裕太 | 20歳の自戦記 | 2010.9 | 今回追加記入 | 上級 | 済 |
石井邦生 | わが天才棋士 井山裕太 | 2013.4 | エッセイと井山名人の碁への感想 | 上級 | 可 |
事典、辞典 だけは対象外にします | |||||
鈴木為次郎 | 囲碁大辞典 | 1965.11 | 定石辞典、星三々、小目、高目目外の3部作になっていて各B5版500ページの超大作 | 中上級 | |
林 海峰 | 基本布石事典(上)(下) | 1996.4 | 布石の凡その類型を整理し、代表的なタイプの碁に解説を加えた 上巻…星、天元、大高目、5の5 下巻…小目、目外、高目、三々 | 中上級 | |
藤沢秀行 | 基本手筋事典(上)(下) | 1995.7 | 手筋を目的別に分類した事典 上巻…戦いの手筋 下巻…布石、攻め合い、死活、ヨセの手筋 | 中上級 | |
趙 治勲 | 基本死活事典(上) | 2003.10 | 死活の形を基本形から応用形へまとめた | 中上級 | |
川本昇編集 | 新・早分かり 格言小事典 | 2002.8 | 424の格言を50音順に表示し説明している | 中上級 | |
川本昇編集 | 新・早分かり 用語小事典 | 2003.6 | 用語を50音順に表示、日本囲碁規約、同逐条解説、対局マナーを掲載 | 中上級 | |
川本昇編集 | 新・早分かり 死活小事典 | 1995.3 | 記憶すべき150の死活の基本形を掲載 | 中上級 | |
川本昇編集 | 新・早分かり 手筋小事典 | 1995.4 | 106の基本形と問題形式で応用形を示す構成になっています | 中上級 | |
川本昇編集 | 新・早分かり ハメ手小事典 | 1995.8 | 活用度の高い実戦型30をハマリコース、ハメ手破りとして解説。 30型以外に重要なハメ手28型を追加説明してあります。 | 中上級 | |
その他 | |||||
川端康成 | 名人 | 1977.9 | ノーベル文学賞作家川端康成氏がの第1世本因坊秀哉名人の引退碁で受けた感動を書いた小説 | 可 | |
呉清源 | 中の精神 | 2002.2 | 昭和の巨匠呉清源九段の随筆 | 済 | |
和田 博 | 囲碁と脳の働き | 2003.10 | 囲碁と脳の働きについて、脳の生理学という専門的な立場から説明した本 | 無 | |
武川 善太 | 「碁」でグングン育つ子供の脳と心 |
囲碁が最近の若い日本人に欠けている能力のアップに大きな貢献をするということ について、日本棋院院生としての経験、及び慶応ビジネススクールでの経営手法研 究から得たことについての著作の要約を記しています。 | 無 | ||
林 道義 | 囲碁心理の謎を解く |
碁を趣味として持っている人が碁を打つこと以外で知っておくのが良いと思われる ことが書いてあります。要約を読んで見て下さい。 | 無 | ||
石井妙子 | 囲碁の力 | 女性囲碁ライターによる囲碁常識を詰め込んだ本 | 無 | ||
田村竜騎兵 | 物語囲碁英傑伝 | 2005.6 | 超ベテラン囲碁観戦記者による歴史上の碁打ちを紹介する本 | 済 | |
田村竜騎兵 | 全ての囲碁ファンに捧げる本 | 2005.7 | 超ベテラン囲碁観戦記者がまとめた、15人のプロのお薦め上達法 | 済 | |
三浦康之 | 碁、このアジア的経営パラダイム | 1996.2 | 碁という新しいパラダイムに赴けば、各国は繁栄と平和の未来を築くために必要な手段を発見し、世界新秩序の構築とビジネス戦略の構築を可能にする。 | 済 | |
Milton N.Bradley | GO FOR KIDS | 2001. | 12歳以上の子供の為に、碁を初歩から説明した英語による本。碁の英語に関する知識を増やそうと思って購入。 | 初級 | 済 |
筋場理論 | 依田紀基 | む2014.11 | 今回追加本 | 済 | |
大斜?村正む。大ナダレ............................................................. | 結城 聡 | 2009.10 | 今回追加本 | 可 | |
囲碁の戦術1序盤編 | 洪敏和 | 2012.10 | 今回追加本 | 済 | |
美の有段詰碁 上 | 林 漢傑 | 2012.10 | 今回追加本 | 済 | |
美の有段詰碁 下 | 林 漢傑 | 2012.10 | 今回追加本 | 済 | |
ヨセ・絶対計算 | 王メイエン | 2004.5 | 今回追加本 | 済 | |
一目でわかる大ヨセ事典 | 淡路修三 | 2009.7 | 今回追加本 | 済 | |
ヨセの絶妙な手順 | 光永淳造 | 2012.8 | 今回追加本 | 済 | |
古典名局選集 玄妙道策 | 酒井 猛 | 1991.12 | 今回追加本 | 上級 | 済 |
流水集英 | 高木祥一 | 1996.4 | 今回追加本 | 上級 | 済 |
黎明秀甫 | 石田 章 | 1996.3 | 今回追加本 | 上級 | 済 |
剛腕丈和 | 高木祥一 | 1991.9 | 今回追加本 | 上級 | 済 |
堅塁秀和 | 福井正明 | 1995.12 | 今回追加本 | 上級 | 済 |
秀麗秀策 | 福井正明 | 2003.8 | 初版1992.2 今回追加本 | 上級 | 済 |
泰然知徳 | 依田紀基 | 2003.3 | 今回追加本 | 上級 | 済 |
英傑幻庵因碩 | 阿部吉輝 | 2003.3 | 今回追加本 | 上級 | 済 |
マンガ ヒカルの碁 全23冊セット | ジャンプコミックス・ほったゆみ | 2010.10 | 済 | ||
日本囲碁大系1 秀策 解説 石田芳夫 発行所 筑摩書房 1976年7月第1刷発行 まえがきの抜粋 秀策の布石の骨子は、局面を簡明化し、先着の効を確実に維持させるところにある。読者は実戦譜から、秀策流の本質をつかみ出せるはずである。 亡くなられた瀬越憲作先生は、「秀策は強力と読みの深さを奥深く蔵して、碁の複雑性を簡明にしている。」と評しておられるが、まさに至言だと思う。あらゆる変化を読みつくした上で、これで勝てると見れば無理をせず、一番わかりやすい手を打つ。棋理に明るく、大局観にすぐれていればこそ可能な業であり、よほどの自信がなければこうはいかない。まれに碁を悪くしたとき、巻き返す力感はすごい。読者は、なんの奇もてらわぬ秀策の着手の裏に、全てを洞察する克明な読みの裏付けがあるのを、見逃してはならぬと思う。機を見て自在に変化する柔軟さもまた、秀策の碁の特徴である。 現代は、まだまだ秀策を超えていない。秀策の棋譜を研究しての、これが私のいつわらぬ感慨であった。 |
smile_aceの感想
後日記載予定
山下敬吾 戦いのベクトル 著者 山下敬吾 発行所 毎日コミュニケーションズ 2005年9月第1刷発行 まえがきの抜粋 「戦わずに勝つ」というのは理想ですが、本来形勢の悪い側は必ず戦いを仕掛けることになります。従って、理想だと言っている人でも、勝つ為に戦う必要がある場合には、戦いに足を踏み入れざるを得ません。 戦いに強くなるには戦いの本質を理解し、その本質に従って最善手を見つけることです。戦いの本質に従った正しい戦い方を本書では戦いのベクトルと表現しました。石の強さ、方向、幅などが戦いのベクトルの要素です。本書で取り上げた碁における正しいベクトルを感じ取れば、自らの碁に於いて、正しいベクトルを感じ取ることが出来る様になるはずです。 |
smile_aceの感想
ベクトル(vector)という言葉は、数学の時間で聞いた言葉で、改めて辞書で調べると、「方向を持つ力」という説明がありました。碁でいうところの「石の力」「石の方向」の両面の事を言っている訳です。だから、この本は、今までに碁に関しては聞いたことがなかったかも知れないベクトルという言葉を使ってはいますが、「石の力」「石の方向」ということについての本だと言えます。
そして、この本のどこに価値があるかというと、山下九段が自分の碁で「石の力」「石の方向」についてどの様に考えて打っているのかということを知ることが出来るというところです。
山下九段はこのことについて、説明しやすいのが理由だと思いますが、天元や五の五の布石を最初に取り上げています。今後は打たないだろうと明言しながら、天元や五の五のベクトルがどうなのかをまず説明しています。
日本囲碁大系10 丈和 著者 藤沢秀行 発行所 筑摩書房 1976年3月第1刷発行 まえがきの抜粋 丈和の中盤は、一見無理とも思える強引さを貫き通すのが特徴だ。目的を定置して後はあらゆる権謀術数を用い、知性に毒されることなく一点に集中する。そして、勝負の波の高まりを確認するや、ぴたりと門戸を閉じて終盤に備えるのだ。 「五十手、百手にして勝負を知るを修行の第一とす・・・。」とは後進に与えた訓戒の一部だが、これはまた丈和の人生訓でもあったろう。 丈和の碁は、古今を通じて有数の高位にある。スケールが大きく、深いヨミに支えられた戦闘力は、本書の解説に当たって最も驚嘆させられたところだ。 |
smile_aceの感想
2005年12月から2006年5月まで約半年かけて「囲碁古典名局選集 剛腕丈和」と並行して読みながら自分のページの「古典棋譜鑑賞室 丈和の32局」を作りました。単に読むだけでなく、それを参考に鑑賞棋譜を作るという経験は始めてで、深い読み方になったのは、大変意義が深かった。
特に、4局は両方で解説がしてあり、藤沢九段と木九段の解説の内容が異なっていたり、お二人の性格が出ていたりして面白く読みました。
また、囲碁史における丈和の位置づけとなど今まであまり興味のなかったことについても、興味を持ち、日本囲碁大系全18巻の中古本を見つけ、同じ様に鑑賞しようと思って購入しました。古い本なのでなかなか揃えるのは難しいのですが手に入ったのはラッキーでした。
このペースでいくと、70歳までかかりそうですが、ボケ防止に一役買ってもらえそうです。
囲碁古典名局選集 剛腕丈和 著者 高木祥一 発行所 日本棋院 1991年9月第1刷発行 まえがきの抜粋 一口に丈和の碁は力碁などと言われるが、これを狭い意味の力碁と取ると丈和を完全に誤解したことになるだろう。力碁といえば、力の碁に違いないのだが、最高峰までに達したほどの人の碁は多面的である。気宇壮大な構想力を発揮するかと思えば、細心の神経を払って細かい枝葉のことも忘れない。力強く鉄のごとき磐石を示すかと思えば、形にとらわれず柔軟な手法も繰り広げる。鋭い突っ込みと、明るい逃げ切りが同居し、碁盤を時に応じて、大きく使ったり、小さく使ったりする。 |
smile_aceの感想
丈和の碁を12局掲載している。日本囲碁大系10巻丈和(藤沢秀行九段著)は1976年、剛腕丈和は1991年だから、藤沢著より15年後に出版されたことになる。両著作に掲載の碁は、吐血の碁も含めてそのうち5局ある。木九段は当然藤沢九段の著書を読んでいると思われるが、木九段独自の判断も多く入っていて、藤沢九段との違いが分かり面白く読めました。
特に、smile_aceが藤沢九段の丈和を読んだ時の疑問点を剛腕丈和が肯定してくれる記事があったのは嬉しかった。ちなみにその碁は外山算節との寄進碁の黒39に対するものでした。
ヨセ必勝戦略 神算の世界 著者 イ・チャンホ 発行所 日本棋院 1999年12月第1刷発行 ISBN4-8182-0457-9 まえがきの抜粋 一局の碁は、一般的に、序盤、中盤の戦い、終盤の仕上げを経て終局となるのが大部分です。この中で、終盤の仕上げが正にヨセに該当します。盤上に夢を広げる布石段階や、華麗かつ激烈な中盤戦に比べるとつまらなく見え、煩わしい存在と考え易いようです。しかし、「ヨセの失敗で完勝の碁を負けた」という経験は全ての人にあるはずです。 この本を通じ、ヨセという分野に親しまれ、勝負強くなって頂ければこれ以上の喜びはありません。 |
smile_aceの読後の感想
イ・チャンホのヨセは日本のプロの中で定評があります。それで、初めてイ・チャンホの本を購入しました。さすがに、イ・チャンホの緻密な解説に感心しました。
内容は
第1章 最善のヨセの手順 テーマ図 20
第2章 ヨセの実戦進行分析 テーマ図 9
特に、第1章の構成は分かり易い説明で参考になりました。
その説明は
1.5〜6ケ所くらいのヨセを部分的に説明
2.全局的な見地からの最善の手順を示していく
という形式を取っていました。
ただし、第2章は1画面当たりの変化手順が多すぎて、分かりにくくなっています。でも、2/3は1章なので、全体的には良いと思います。
実戦に役立つ 死活反復トレーニング 著者 新垣 武 発行所 日本放送出版協会 2003年12月第4刷発行 ISBN4-14-016098-5 まえがきの抜粋 難しい詰碁より実戦形のものが読者の皆さんに役立つという認識で実戦で出来た形のものを掲載しています。詰碁を解く喜びが、実戦で勝つ喜びへとつながっていく事を皆さんに味わって頂きたいと思います。 |
smile_aceの読後の感想
私の囲碁上達法筋力強化のページに「定石後の死活、攻め合い、ヨセ」がありますが、本書はそのページとほぼ同じ趣旨で書かれた本だと思います。この本にある死活について、私のページで欠けているものを10問程度追加予定です。
碁神道策 著者 福井正明 発行所 日本棋院 2003年3月第1刷発行 ISBN4-8399-1561-X まえがきの抜粋 平成3年、日本棋院70周年記念出版「道策全集」全4巻は現在では入手しがたくなっています。道策に親しんで頂きたく、全集と同じ153局1冊にまとめました。本書は、「道策鑑賞読本」の趣旨で、最小限の注釈に留めました。 上村邦夫九段の言を紹介します。「道策の碁は難しいので、繰り返し並べてみることをお勧めします。そうすればやがて碁の真髄に触れ得たと感じることがあると思います。 |
smile_aceの感想
この本は値段が高いので、それなりに期待をして注文をしたのですが、期待外れでした。少なくとも、前書きくらいは読んで注文すべきでした。前書きの通り、最小限の注釈となっており、1局は2棋譜に分割されて掲載されています。 棋譜自体もホームページ上に公開 されていますので、この本の価値は残念ながら低いと感じます。
三村流「厚みの法則」 著者 三村智保九段 発行所 毎日コミュニケーションズ 2004年8月第1刷発行 ISBN4-8399-1561-X まえがきの抜粋 ファンの方から「あなたの碁は見てて面白い。思ったところに打ってくれる。」ということを良く聞きます。私の「攻め」を主体に考える碁は皆さんと似ていると思います。 この本は、私が普段碁を打つ時に考えていることを、なるべくそのまま表現しました。私と同じ棋風を目指す皆さんは、この本を読んで攻め方のコツを掴んで下さい。 |
smile_aceの読後の感想
smile_aceの碁は正に三村九段の「攻め」を主体に考える碁です。模様を張って入って来てもらう碁が好きです。
私の理想の勝ち方は
1.模様に入ってきてもらう
2.入ってきた石を攻めて、次の模様を作り、又模様に入って来てもらう
3.以下同様なことを繰り返し、終盤に入る
4.結局、相手は目2つの状態の地の為に小さい地で、自分の地は囲って出来た地ではないけど、相手の地を上回っている。
プロではこんな勝ち方は出来ないでしょうが、アマの碁には出来ます。アマの碁はこんな勝ち方が理想だと思います。
対象読者
アマ2級と5段の人が登場して、いろいろ意見を述べていますので、それくらいの棋力の人が読むのに丁度良いと思います。
基礎から学ぶ「勝てる囲碁の法則」 著者 高川秀格九段 発行所 日本棋院 2004年4月第2刷発行 ISBN4-8182-0535-4 まえがきの抜粋 碁は石の能率の争いです。つまり、石の能率を最高に発揮できる人が強い人といえます。石の能率は布石からヨセまで、いつ、どこでもついて回る問題なのでおろそかにできません。能率がいい(効率がいい)布石のポイントは確実に存在しますし、部分でいえば愚形にならない石の運びを再確認すればいいのです。この基本則は知っていると知らないとでは勝負に直結しますし、級位者の方がいつまでたっても上達しない理由はこのあたりに潜んでいます。 有段者の方でも棋理を無視した打ち方をしますが、「二立三析」の真意はどこにあるのか、大場には順序がある、模様の囲い方と消し方には一定の法則がある、など体系的に学ぶことで上達の筋道が見えてくるはずです。 本書は昭和47年(1972年)に発行されて好評を得た「囲碁学入門」を改訂したものです。 |
smile_aceの推薦
smile_aceが推薦してもたいしたことないと思いますが、石田芳夫九段の「初級囲碁講座」等の3部作の本と並んでお薦めしたい本です。
smile_aceが囲碁を学んだのは40年以上前なのですが、当時は碁の本の種類は大変少なくて、棋理について書いてある本はほとんどありませんでした。その中でも、高川九段の本は、平明流というニックネームのごとく、大変わかり易く読んだ記憶があります。
そして、それは1972年の「囲碁学入門」、2003年第1刷発行の本書に引き継がれたものと思います。
そういう意味で、本書は棋理についてのバイブルにあたると考えています。懐かしくて、思わず購入してしまいました。
「囲碁の力 著者 石井 妙子 発行 株式会社 洋泉社」 より 第3章 囲碁を考える チェスから囲碁へ 抜粋 囲碁人口が増えるきっかけとなった出来事といて、1997年、IBMが開発したコンピュータ・ソフト「ディープ・ブルー」が、チェスの世界チャンピオン・カスパロフ氏を負かした事件を挙げる人が多い。コンピュータが人間を負かすという事実を目のあたりにして、多くのチェスファンが失望し、囲碁に鞍替えをしたというのだ。その理由は、「チェスと異なり、囲碁は幅が広く、また石の動きに制約が少ない爲、考えられる着手が無数なので、計算能力でなく、「感覚」や「感性」が大切。よってコンピュータが人間に及ばない。世界一、コンピュータに凌駕されにくいゲームだから」、という。 勿論チェスと囲碁、魅力はそれそ゜れと思うが、外国の囲碁ファンに聞くと、一様に「囲碁の方が奥深さを感じる」、「単に頭脳ゲームというだけでなく、どこか絵を描くような要素を感じる」といった返答が帰ってくることが多い。 尚、現在(2002年)囲碁人口は、北米で約21万人、ヨーロッパ諸国で約30万人、オセアニア約4千人、アフリカ約千人と報告されている。 コンピュータと対戦する 1997年5月、IBM社が開発した高性能コンピュータ「ディープ・ブルー」がチェスの世界チャンピオンを倒し、さらに同年の8月にはオセロの世界チャンピオンがNEC北米研究所の開発したパソコンソフトに敗れた。コンピュータの開発がこのまま進めば、チェスよりも駒の動きが複雑と言われている日本将棋も2010年頃には、トップ棋士を脅かすほどのソフトが誕生するのではないかと予測されている。コンピュータの前に名人が頭を垂れる。なんだか、考えただけで、ちょっとゾットしないでもない。 囲碁もその例に漏れず、いつかはそんな日がやってくるのか、と思いきや、これがなかなかそうでもないらしい。なんでも、他分野に比べると、強いコンピュータ・ソフトがどうにもうまくプログラミング出来ないでいるのだそうだ。1995年より年に一度、囲碁コンピュータ・ソフトの世界選手権が行われているが、そこで優勝したソフトでも級位程度の棋力。プロや、まして世界一強い人間が頭を捻ってコンピュータと対戦する日は、囲碁の場合、当分先になるだろう。 あらゆる盤上ゲームの中で、囲碁に限ってコンピュータのプログラミングがうまくいかないのは、盤が広く、将棋やチェスのような制約が石の動きになく、自由度が高いせいだと言われている。「感覚の一手」と俗に言うように、「これが正解」という答えのない場面も多い。そんな時ものを言うのは、「この辺が良さそう」という一種の勘だ。これはなかなか数値化できるものではないらしい。 |
著者の紹介 毎日新聞囲碁観戦記者。2002年にはNHKの囲碁講座の聞き手もされました。
パソコンに弱い人の文章(叱られるかな? 例えばディープブルーをコンピュータと言ったりコンピュータ・ソフトと言ったり、「勘」の捉え方などで感じる。或は、よく分かっていて、読者に理解しやすいようにということなのか。)なので、ちょっと読みにくいところもありますが、面白い内容なので掲載してみました。
勘の部分を数値化出来にくいと表現しているが、「人間の勘」というものは、説明はしにくいけれど、やはりある論理構造を持っているものだから、当然システム化は出来るはずです。多分、碁の強い人が、アルゴリズムを考える能力を身につければ、実現するのではないかと思っています。
第3章 囲碁を考える 「投げる」という美学 碁は「とてもこの碁は勝てそうにない」と途中で悟った場合、自ら「負けました」と宣言して試合を終えることが出来る。それを「投了」という。相手に投了されて勝つことを「中押し勝ち」という。 日本の棋士の場合(アマも?)は、どのタイミングで投げるかをとても気にする。挽回できない碁をずるずるとひきずって負けることを嫌い、「投げ時」を見極めて投げる。その投げっぷりはまた、碁打ちに対する一つの評価になる。負けざまの美学、というものだ。 だが、こういった感覚は中国や韓国の棋士にはあまりない。一般に、彼らはなかなか投げない。最後の最後まで勝負を捨てない。逆に、あまり早く投了したりしては、勝負を捨てたといって、非難の対象になる。中国では囲碁を完全に頭脳スポーツ、勝負事、として捉えている。 一方、日本はどこまでも囲碁を芸道として捉える傾向が強い。そして韓国はちょうどその中間くらい、か。日本の芸道主義的な考え方は、ともすれば勝負への甘さとなって現れかねない。日本の伝統が国際棋戦で日本の成績に祟っている部分は確かにあるだろう。 伝統と国際化の挟間で、今、日本の囲碁界は揺れている。 |
少しだけだけど、考えさせられました。ネット碁を見ていて、投了の時期だと思うのに、だらだらと打っていると、「投了した方がいいですよ」って言いたくなります。でも、その国の歴史、人間性などによって多少のニュアンスが違うのですね。著者の主張としては、勝てる可能性が百分の1の時だけでなく、千分の1になっても投げないのが、勝負への拘りだと言っているのでしょう。
但し、自分として主張したいのは、もし負けていたら、勝てる可能性のあるうち方をすることは必要だと思います。勝てる可能性のある打ち方とは、「僅かな可能性に掛けた勝負手」を打つこと。そのままヨセになれば負けると分かっているのに、勝負手も打たずに、ヨセに入り、結局負けることは時間の浪費そのものだと思います。勝てる可能性のある打ち方が無く(確率0)なれば、そこで投了すべきです。
NHK囲碁シリーズ 石の働き「広い方から押し込む」 著者 王 銘エン九段 発行所 日本放送出版協会 2002年11月発行 ISBN4-14-016113-2 まえがきの抜粋 碁を正しく打つためには、わかっていることはあまりにも少ないのです。例えれば、一面に広がる荒野にかすかな獣道が見えるようなものでしょう。そこから、「正しい道」を見つけるのは、なかなか辛い作業でもあります。 もう少し違う碁の捉え方があってもよいのではないか。「一面に広がる荒野」よりも、アフリカに広がる大草原を想像してみましょう。そして、一局の碁はそこで行われるサファリ・カーレースというふうに考えてみませんか。その方がずっと楽しそうでわくわくしてきます。そこで頼れるものは、自分のハンドル捌きとエンジンの調子です。 私は碁において、ハンドルに当たるものは「広さ」(方向を決めるもの)、そしてエンジンに当たるものは「押し込む」(相手の石に圧力をかける)ことだと思っています。ハンドルとエンジンをうまく連係させれば、レースを制することが出来る様に、碁は「広い方から押し込む」ことによって勝ちにつながる。そういう碁の捉え方があってもよいのではないでしょうか。 大草原のレースでは、ところどころ前の車の轍が残っていますが、その上を走った方が速いかどうかもわかりません。大事なことはゴールを見据えて、自分の考えたコースにハンドルを切り、エンジンを噴かしていくことではないでしょうか。 そして、碁も定石や定説よりも、「広い方から押し込む」という基準を守って打ち進むのが一番大事なことだと、私は考えています。何よりも、自分の思った通りの碁を打つ。そこには「楽しさ」があるのではないでしょうか。中略 「広い方から押し込む」これは私の碁で常に求めている目標であり、たった一つの原則といってもよいでしょう。試してみられる方には、碁を「より楽しく」、「より易しく」打てるようになることを、お約束します。 ・・・・以下略 |
smile_aceの読後の感想
いろいろな本や、対局経験で得た私の中盤の構想、石の方向に対する指針とこの本の内容と比較してみながら読みましたが、考え方を自分のものにするのに随分判り易い表現がたくさんありました。smile_aceお薦めの本です。
王銘エンこれを伝えたい(1) ヨセ・絶対計算 著者 王 銘エン九段 発行所 株式会社 毎日コミュニケーションズ 2004年5月発行 ISBN4-8399-1508-3 まえがきの抜粋 本書の第一の目的は「地の数え方」です。従来、ヨセに関する本というと「手段」をテーマにしたものが一般的でしたが、本書はそれらとは一線を画して「数え方」についてのお話が主となります。一手だけの価値を考える「絶対計算」なのです。 そして、その「数え方」が理解出来れば、それは形勢判断の根本となり得ます。 ですから、後半部分では「なぜ形勢判断をするのか?」といったテーマにも触れますが・・・・以下略 |
smile_aceの読後の感想
出入計算を基本の形勢判断とこの本の絶対計算による形勢判断は、殆ど同じだと思いました。ただし、出入計算を基本とした形勢判断についての解説書はあまり、お目にかかっていません。棋譜の解説などでの説明から推定している程度でした。この本により合理的な形勢判断というものが明確に判りました。
下記はこの本の内容を自分のページで紹介した時にメイエンさんから頂いた投稿メールです。私の紹介内容が少しずれていたのに対するコメントで、現在は訂正したので、ずれは減っていると思います。
TIME : 2004/08/29(Sun) 16:04
NAME : メイエン
EMAIL: <ou_meien@プロバイダーは消しておきました.co.jp>
TITLE: ご苦労様
メイエンです。絶対計算にこんなに熱心に取り組んでいるのを見て、思わずお礼のメールというところです。
一つだけ、補足することがあります。冒頭に引用して頂いた >なぜ地を数えるのかの問いに対する答えは明確です。 それは、「お互いに、正しい着手の選択が100%ではないから」ということです。最善が対局者に判らないからです。 最善が分かっていれば、その手を打てば良いので、形勢判断は不要になります。というより、両方が分かっていれば、負ける方が投了することになります。
以上はまさに重要なところですが。そういう意味で、
「碁が最後どうなる」のと「今どう数えるべき」かというのは 「まったく別な問題」 です。いままでのヨセの研究は「最後どうなる」に焦点を当ててきたために。「いまどう数える」を論じたのが本書です。
そういう意味で、「最後こうなったので、その時点こうする方が正しい」(或いは正しくない)という風には考えないべきだと思います。
つまり、目算する時点で、基本的には「正しくヨセる」ことをあきらめている、ということが言えるのです。
簡単ですが、お邪魔しました。
王銘エンこれを伝えたい(2) 我間違える ゆえに我あり 著者 王 銘エン九段 脚本 高見 亮子 発行所 株式会社 毎日コミュニケーションズ 2005年2月発行 ISBN4-8399-1613-6 まえがきの抜粋 あまりよく間違えるので、これではアマと変わらないではないかと言われる。しかし、私は断じてアマとは違う。アマは間違えてもタダの間違いだが、プロが間違えれば、人が犬を噛めばと同じでニュースになるのだ。そんなに間違いばかりしていたらニュースにならないと言うなら、こうして間違いを集めて本にしようとしていることがニュースになる。転んでもメシの種にするくらいの根性がなければ、プロはつとまらない。 |
脚本者の紹介 読売新聞囲碁観戦記者なので囲碁欄で馴染みの名前です。劇作家、演出家とのこと。
smile_aceの読後の感想
プロの間違いの話なので、碁の本としてはレベルが高い。じっくり読んだら、大きなプラスになるだろう。
笑いということに関しては、この本以前の王銘エン九段の「ソーンプレスパーク」でたくさん笑ったので、ちょっと、笑いは少なかったかなと思います。ただ、「ソーンプレスパーク」を読んでない人は、きっと笑えると思います。
また、「王銘エンこれを伝えたい」というサブタイトルとしては、「ヨセ・絶対計算」に続いたものとしては、「ソーンプレスパーク」の方がぴったりだと思いました。
王銘エンの囲碁ミステリーツアー 著者 王 銘エン九段 脚本 高見 亮子 発行所 株式会社 毎日コミュニケーションズ 2007年1月発行 ISBN978-4-8399-2276-4 はしがきの抜粋 この世は謎で満ちている。なぜ駅前のラーメン屋が急にまずくなったのか、なぜ明らかに私の方がいい男なのに、あいつの方がモテているのか。なぜ、私の本は百万部売れないのか。 碁盤にも数知れない謎が潜んでいる。なぜころころ定石がかわるのか。なぜ攻め合いはいつも運が悪く一手負けなのか。なぜ張栩が私以外の時に限って、簡単なヨセを間違えるか。 これだけ謎が溢れかえっていたら、謎の方は寂しがって、だれかに振り向いてほしいに違いない。謎を追いかけている内に謎そのものと友達になったりして、謎が解けなくとも、謎を解こうとすること自体に意味があるのだ。 |
smile_aceの読後の感想
「耳赤の一手の真実---幻庵の逆襲」が特に面白かった。それは、たまたま自分のホームページで古典棋譜鑑賞というページがあって、秀策の碁を鑑賞していたので参考にしようとしたこともあるが、古典棋譜の中で一番有名な碁について、面白おかしく書いてあったのが目を引いたのでした。
耳赤の碁の対局相手の幻庵が、「負けた原因は黒127手目の耳赤の手を誘発した白126ではなく、落手と思われる黒227が白を誤まらせたのであり、秀策の勝負手黒227が、この碁を有名にしたのであって、黒127の耳赤の手が決して、勝着ではない。」として、150年間そのことを理解してほしいと幽霊になって出てきたのを、メイ探偵が聞いてあげたという話です。
また、「読みと感覚の関連」や「中国ルールと日本ルールのルーツ」についても楽しく書かれていました。
碁の心発見シリーズ(6) ゾーンプレスパーク 著者 王 銘エン九段 発行所 日本棋院 2003年6月第1刷発行 ISBN4-8182-0536-2 まえがきはありませんので最後のページの会話を掲載しておきます。本の雰囲気がよく出ています。 <先生> やーい、これでやっと終わりだ。そういえば新入り、古い歌けっこう知っていたね。この前歌い損ねたから、これからみなでカラオケだ。 <ゾーンブレス取材担当> 私は仕事がありますので、失礼させて頂きます。 <新入り> 僕はこの前先生をおぶって腰を痛めたので、その診療に行きます。 <先生> ゾーンはセンターポジション、歌はコミュニケーション、コレは業務命令だ。 ちょっと君たち、人の話聞いているのか。本当に行っちゃうの! まんじゅうあげるから待って!待って!待ってくれーーー! |
smile_aceの読後の感想
大いに楽しみました。ゾーンプレスについてレストランで何回も取材した結果を本にするという設定を、読者にそのまま示すというところが新鮮さ、楽しさ、笑いを増幅している様に思います。
ここでは、そこで出てくる「囲碁用語」を紹介します。それで十分、この本の内容の大部分を説明しています。
ソーンプレス、センターポジション、ナンバーワンゾーン、ナンバーワンメリット、プレス連鎖、オーバーラップポイント
尚、出演者は
Q ゾーンプレス取材担当記者 (女性)
S 新入り記者 (男性)
A 先生 (王九段と思われる)
NHK囲碁シリーズ 苑田勇一流 基本戦略 著者 苑田勇一九段 発行所 日本放送協会 2002年12月第7刷発行 ISBN4-14-016103-5 まえがきの抜粋 私は皆さんに碁をもっと好きになっていただき、もっと楽しんでもらいたいと思っております。 碁の考え方が身につくと、自分で工夫する面白さがわかってくるでしょう。 わたしの言うことは、今までみなさんが理解していたことや信じていたことと違うかも知れません。それは戦術が違うだけで、碁の基本的な考え方は同じです。この本は、あなたがさらに碁が好きになるお役にたつでしょう。 |
smile_aceの読後の感想
著者はNHK杯囲碁トーナメントで時々解説をされますが、その時の解説はなかなか楽しいものです。ご自分で作った格言を実戦の説明にうまく使います。
王銘エン九段の著書「我間違える ゆえに我あり」(上記)でも引用されている「美人は追わず」や「生きている石の近くは小さい」「攻めることは逃がすこと」「囲うと地は減る」「囲わせると地は増える」など参考になる考え方を詰め込んでいます。
この内容はNHKの囲碁の時間の講座(多分2000年放映)で説明された内容です。
苑田流 死活と手筋から考える布石 著者 苑田勇一九段 発行所 株式会社 毎日コミュニケーションズ 2005年4月第1刷発行 ISBN4-8399-1699-3 まえがきの抜粋 苑田流格言とは違う側面から布石を考え、もっと楽しんでもらおうというのが本書です。 定石が出来た後に詰碁が問題になります。この詰碁をしっかりマスターすることで布石をどう考え、運営していけばよいのかが分かってきます。 また、手筋や攻め合いにも明るくなるよう、隅で出来る形の成り立ちを詳しく見ていきます。 「死活」「攻め合い」という逆の発想から布石を考えてみる新しい試みを楽しんで下さい。 付記.私の囲碁上達法筋力強化のページに「定石後の死活、攻め合い、ヨセ」がありますが、本書はそのページとほぼ似た趣旨で書かれた本だと思います。 |
smile_aceの読後の感想
1年くらい前から、smile_aceの囲碁上達法の中に定石後の死活、攻め合い、ヨセという内容のページを作りました。自分の構想の40%くらいの完成度なのですが、本書はこのページの内容を充実させる情報がたくさん詰まっています。 言い方を変えると、私のページの内容と近い発想で書かれた本だということが出来ると思います。
六段挑戦の実戦死活 著者 趙治勲 発行所 棋苑図書 2003年2月第5刷発行 ISBN4-37365-145-X まえがきの抜粋 生き死には碁の原点です。死活に強い人こそ碁に強い人です。 とはいえ、死活の特効薬はありません。詰碁や手筋に挑戦して、少しずつ力をつけるほかはないのです。その際、難解な詰碁に挑むのは有効な勉強法ではありません。実戦に現れやすい基本死活に挑むのが一番の勉強法です。 たゆまず挑戦していけば、死活の急所や手順がだんだん身についてきます。読みの力もおのずと養われてきます。 |
smile_aceの読後の感想
1年くらい前から、smile_aceの囲碁上達法の中に定石後の死活、攻め合い、ヨセという内容のページを作りました。そこには偶然(必然かも知れません)本書にある問題がかなり含まれていました。そのため、この本の問題を解くにあたり、随分易しく感じました。
また、この本の死活問題で漏れているものがありましたので、私のHPに追加しました。
尚、この本では書いてませんが、趙治勲さん自身が実践した「死活手筋速習法」について下記します。
<死活手筋速習法>
問題を見て、すぐに答えを見て覚える。これが死活の手筋速習法です。答えを自分で見つける喜びは無いにしても、形から急所がわかれば、実戦で、似た形があれば、まずその筋から読むことが出来ます。沢山の手筋を短い時間に覚える方法です。
尚、smile_aceはこの方法に加え、下記を併用することをお薦めします。
<読みの力の養成>
上記で答えを見て、なるほどと思ったら、今度は、問題を見て、その形を答えにある様に、変化図を頭に描く様にすることが、読みの養成に繋がります。もし、回答に失敗図があれば、失敗図も、問題図をみて頭に描くのです。
読みとは、盤上にない石を頭の中で置き、その形を具体的に見える様にすることですから、答えを最初に見ても、そういう訓練をすれば、読みの力の養成になります。
六段挑戦の詰碁 著者 石榑郁郎 発行所 棋苑図書 2004年7月第5刷発行 ISBN4-87365-129-8 まえがきの抜粋 ある囲碁誌が30人のプロにいくつかの項目を質問、集計したことがあります。項目の一つ「アマの有力上達法は?」で一番多かったのは「詰碁を解く」、次に「プロの打ち碁鑑賞」でした。 詰碁で戦いの力を養い、打ち碁で石の形、感覚、大局観を養成しなさいといったところでしょう。 碁の実力は全局の判断と部分の戦闘力によって決まります。詰碁挑戦は生き死にの急所や手筋、ヨミを養う一番本格的な勉強法です。詰碁の挑戦を重ねていくうちに必然的に戦う筋力がつき、実戦に臨んでパワフルに戦えるようになるのです。 |
smile_aceの読後の感想
趙治勲さんの「六段挑戦の実戦死活」に続いてこの死活の本を読みました。
「六段挑戦の実戦死活」に比較するとやや実戦での出現頻度が低い死活だという印象があり、その分見慣れてない筋があって少し難しいと感じましたが、降参して回答を見ることになったのは105問中10問くらいでした。なので、死活の力が多少ついたかなと感じている次第です。
尚、どっちか一方を読むということであれば、文句なしに、趙治勲さんの方をお薦めしたいと思います。
趙治勲流地取り戦法 著者 趙治勲 発行所 毎日コミュニケーションズ 2005年4月第1刷発行 ISBN4-8399-1700-0 まえがきの抜粋 「地を取ることは薄くない、地を取ることは厚い」とはどういうことか、詳しく解説することにしました。 「地を取れば薄くなる」という固定観念を打破することが出来れば囲碁観が変わるはずです。 |
smile_aceの読後の感想
あまり斬新さを感じることが出来ませんでした。
単純な例で説明するとしたら、星打ちに対して、星の石の根拠を奪うような三々打ち込みがあると思いますが、そういう手が厳しいと言っている訳です。でも、いつもいつも三々打ち込みが厳しい訳ではありません。逆に、「 歓迎!三々入り」というsmile_aceオリジナル格言にある様に悪いタイミング、入り方はある訳です。
上級者に取っては当然のことですが、初中級者に取っては新しい考え方かも知れません。そんな点を勉強したい人にはお薦めの本です。
「手割り」プロの形勢判断 著者 小林覚 発行所 毎日コミュニケーションズ 2005年3月第1刷発行 ISBN4-8399-1702-7 まえがきの抜粋 「一局の碁を打ち終えるまでに、最低3回は目算しろ」と言われます。でも、いつも数字で解決できる訳ではなく、厚みと実利の分かれなど不確定要素があります。この不確定要素の部分については「手割りによる形勢判断」が可能です。石の効率を判断する手法で、同じ大きさの地を作るのにかかった手数の比較等をすることで判定します。 |
smile_aceの読後の感想
手割りについてはある程度の予備知識を持っていましたが、1冊の本の内容が全て手割りについてということで、購入し、読んでみました。
手割りとは
1.判断したい部分について、余分な石を白黒同じ数だけ取り除いてシンプルな形で判断する。
2.取り除いた石を考えられる適切な手順で復元し、その際の悪手の有無を形勢判断基準にする。
ということなのですが、自分の頭の整理がある程度進んだかと思います。
初級者用の説明=攻め取りにする意義
なお、取る側から、攻め取りになるか、ならないかの差の大きさについて、 手割を使って説明 してあったのが印象に残ってます。
武宮の形勢判断…地を囲わない努力 著者 武宮正樹 発行所 毎日コミュニケーションズ 2003年12月第1刷発行 ISBN4-8399-1283-1 まえがきの抜粋 僕は僕が気持ちの良いという碁を打っています。すると自然と「武宮流」の碁になっていきます。どういう考えで「武宮自然流」になるか。「大局観」や「感覚」はなかなか言い難い。しかし、頭の中に描いてるものをできるだけ言葉にしてみなさんにわかり易く話してみました。僕の実戦譜をなぞって、どういう考えで打ったかを流れの中で感じてもらえれば十分です。 いかに最初は地がなくても、形が良ければ勝てるのかを見てもらいたく、一局を流れにそって解説しています。 本書を読み終わった頃には、たぶん、皆さんが日ごろ考えていることがまるっきり覆されていることになるでしょう。本書でさらに碁が楽しくなれば、幸いです。 |
smile_aceの読後の感想
「小林覚の大局観養成講座」という本があります。これを買おうとした時に同じ「プロの大局観シリーズ」にこの「武宮の形勢判断」がありました。以前、この本の存在を聞いていたこともあって、一緒に購入しました。
ところが、この本は形勢判断の本ではありませんでした。大局観の養成というタイトルとしては良い本だが、形勢判断の本ではないということです。
だから、この本を読もうとする人はここをよく理解しておく必要があります。私はこの本のタイトルから考える内容と異なる内容だったのでがっかりしました。「地を数えない形勢判断の仕方」を学びたいと思ったためです。でもそれは読み取れませんでした。やはり、そんな便利なものは無いのでしょう。著者みずから、テレビの解説で、気持ちよく打てても、地を数えてみたら負けていたということがあるという話も聞いたことがあります。
この本のタイトルから形勢判断という文字を取るべきだと思いました。サブタイトルの「地を囲わない努力」がぴったりの本です。
参考になる言葉の紹介
大きく広げてもただ守るだけの手は効率が悪い着手。
地を囲うのは悪い手になりやすい。
眼形を脅かされると小さいところに打たなければならないので効率の悪い手を打つことになる。
真面目な人は、技術的なことを勉強して苦しんでいる様に見えることがあります。気楽にバランスを取って打ってほしいと思います。
物語 囲碁英傑伝 著者 田村竜騎兵 発行所 毎日コミュニケーションズ 2005年6月第1刷発行 ISBN4-8399-1821-X 文庫本サイズ まえがきの抜粋 おもしろく読みながら、いつしか碁の歴史を知ってもらい、歴史に足音を残した碁打ち衆の何人かでも、読者が身近にかんじて欲しい。 |
smile_aceの読後の感想
田村竜騎兵さん、何歳におなりなのだろう。自分が囲碁を始めて40年余、当時からテレビの囲碁番組などでお眼にかかっている。自分の記憶に残る田村さんの顔は45歳から50歳というところ。その顔を思い浮かべながら、楽しく読みました。
最近では、囲碁きっずで打っている*雷鳥*さんが道策が好きだと聞いたこともあり、以前より、こんな世界により興味を持つようになってます。
全ての囲碁ファンに捧げる本 編者 田村竜騎兵 発行所 毎日コミュニケーションズ 2005年7月第1刷発行 ISBN4-8399-1856-2 文庫本サイズ まえがきの抜粋 一流の棋士に上達のヒントを与えてもらうということで編者が15人の棋士から取材が出来、上達の効果満点、ユニークな本が書けた。 本書が、碁に対するあなたの目を開かせることを疑わない。そして、実力がぐんと向上することを信じている。 |
smile_aceの読後の感想
15名の中に山部俊郎さんがいて、この本がいつ出来たのか疑問に思った。巻末のコメントに、昭和52年に刊行された「碁きちにささげる本」を若干修正して再版したとのこと。私にとって全員が懐かしい人達でした。
15名の棋士が語ったことを編者がバランスよくまとめています。従って
1.この本に記載の内容だけでも碁の理解が進み
2.この本を離れても上達するにはどうしたらよいのかが分かるようになっています。
そういう意味で、お薦めの本です。
名人 著者 川端康成 発行所 新潮社 1962年9月発行 1977年9月第20冊 文庫本 書き出し 第21世本因坊秀哉名人は、昭和15年1月18日朝、熱海のうろこや旅館で死んだ。数え年67であった。 |
smile_aceの読後の感想
40時間という途方もない持ち時間で第21世本因坊秀哉名人と木谷実九段が半年がかりで打った「名人引退碁」を題材にした、ノーベル文学賞作家川端康成氏の小説ということで、以前から読んでみたいと思っていました。そして、ある学生さんが、学校の読書感想文の対象の本を捜しているということで、紹介してあげたことがきっかけで読むことが出来ました。
古典棋譜鑑賞ということに興味を持っていますが、対局者の第21世本因坊秀哉名人の碁は古典棋譜と呼ぶ碁の対局者としては、最後の棋士で、鑑賞しようとしている碁になっていましたから、この小説を読む前に、「日本囲碁大系秀哉」、「現代の名局 木谷実」により棋譜の鑑賞をしました。
古典棋譜の鑑賞をする上で、その碁の背景が興味のあることであることから、私は以前から、そういう内容を含めて、テレビドラマや映画に対局の状況をあらわしたら面白いと思っていましたが、小説という形式のものがここにあった訳で、興味深く読むことが出来ました。
勝負の分岐点が、ずるいと名人が感じた黒121の手が原因で出た、白130の失着にあるというところは特に興味を引きました。上記の図書を参考に棋譜の解説を詳細に記している 検討ファィル(sgf形式) を作成したので、興味があればご覧下さい。
また、この小説「名人」は囲碁ファンなら是非読んで欲しい本だと思いました。私はネットで1円で購入しました。まだ沢山あるようです。
ご参考
鑑賞棋譜ファィルの碁盤表示ソフト(PocketGoban)について
私がよく利用するネットでの古書購入サイト
囲碁と脳の働き 著者 和田 博 発行所 文化社 2003年10月発行 はじめに(抜粋) 本書は、戦後まもなく大阪大学で学び、脳の生理学を中心にひたすら研究の道を歩んでこられた和田氏が、脳の生理学を研究する専門家の立場に立ち、「脳を活性化」し、「感性を育てる」という点に着目し、技術論を越えた広い角度から囲碁を取り上げ、人の世にいささかなりとも潤いをもたらそうとしたものである。 |
smile_aceの読後の感想
囲碁と脳の働きについて、専門的な立場から説明してありました。
脳の基本構造と働きが囲碁においてどのように働くのかという点で特に興味を持ったのは、プロとアマにおいて、囲碁を考える場合の脳の働きの差でした。つまり、プロは局面を判断するのに過去の知識を参考にする、つまり左脳を使うのに対し、アマはそういう蓄積がないので、自分で判断をしようと右脳を駆使しようとするということです。ならば、アマが碁を打ち、或は考えることは、脳の訓練に大きな収穫をもたらすということになります。
囲碁に限らず、感性を磨くことは、脳の活性化に効果大で、自分の趣味として写真を加えたのは大正解だという認識も新たにしました。以前より続けているテニスや自転車ツアーなどのスポーツも感性を磨くのに効果がある様です。これで、自分は、きっとボケから少しは遠い距離を保てるのではないかと思えるようになりました。
また、上記は心理学の話でよく出てくる絵ですが、
1. 2人の顔に見える。
2. カップに見える。
という2つの見え方を、人間は同時にすることは出来なくて、これを切り替えるのに時間がかかるのですが、このことが「取ろう取ろうは取られのもと」という原因になっているとか、面白い話がいろいろ書いてありました。
尚、この本で一つだけ理解できないことがありました。それはプロに対する3子必勝法です。白が1手目を小目に打ったら黒2手目でカタツキをするのが必勝法ということなのですが、部分的に悪手だし、それで全局的に打つ前と比較して黒が良いはずはないと思うのですが、苑田九段に悪いと指摘されているにも拘わらず、あえて、必勝法だと主張しているのが、可笑しいと思いました。部分的に悪くても、黒打ちやすいという主張なのでしょうが・・・。
やさしいヨセの練習帳 もう苦手とは言わせない! 著者 牛窪 義高 発行所 潟}イナビ 2013年6月発行 はじめに(抜粋) 名探偵候補のあなたが、ヨセの推理小説に取り組むことになって、きっと、ヨセはこんなにおもしろいものであったか」という実感を抱くようになるでしょう。面白くなりさえすれば、あなたは、ほまれ高きヨセ巧者への、大いなるきっかけを掴んだことになります。 |
smile_aceの読後の感想
私は、数学の様にはっきり答えの出ることが好きです。囲碁もその仲間に入りますが、囲碁の中でも、特にヨセははっきりしています。定石については以前にダメだと言われていた手が見直されたりします。私には考えられないことです。 そこへいくと、ヨセは数字ではっきり結論が出るので200年前の結論も変わりません。そういう意味で、勉強しがいがあり、身につきやすいといえるでしょう。
また、対局ソフトは最近強くなりましたが、中盤の力の割に、ヨセが弱いような気がします。そんなことも、私が自分のヨセを見直そうとする理由です。
この本は
第1部 ヨセの総論 1.出入り計算の方法 2.ヨセの種類と順序
第2部 実地演習 13路盤での演習問題と正解手順
という構成になっています。特に13路盤の演習問題を解くのが楽しいので、記録に残そうと思いました。ポケットゴバンという棋譜編集ソフトを使って、私の考えた手順と本にある正解手順を示します。
演習問題は24問で下記の通りです。私が解いた問題にはリンクを張って、編集ファィル(sgfファィル形式)をダウンロード出来る様にしました。
尚、実戦では時間の関係で実施出来ないですが、第11問から各部分のヨセの大きさを計算した上で回答を出してみました。
尚、私の環境(Windows7+IE8)だと、下記を直接開く指示をするとエラーになりますので、いったんパソコンに保存した後、保存したsgfファィルをポケットゴバンで見るという方法を取りました。
同様の症状が現れたら、試してみて下さい。また、ポケットゴバンの説明はここを参照してください。
実地演習問題
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