自動車塗装の自分史とSL蒸気機関車写真展〜田辺幸男のhp
SL写真展 ( INDEX )〜アメリカ & 日本現役

|  HOME  | SL写真展 ( INJEX )  | 田辺のリンク集 |
(メールは上の  SL写真展 ( INJEX )  にある送付先へドウゾ。)

…………………………………………………………………………………………………

・「南九州の日豊本線に沿って」番外編

 032. 南日向の大堂津にて ・日南線/大堂津付近


〈0001:〉
日南海岸 大堂津に

〈0002:30-94:大根干しを前景の日南海岸〉
波の静かな大堂津海

…………………………………………………………………………………………………
〈紀行文〉 
 南国宮崎市から南の海岸一帯の南日向を日南海岸と名付けて、夏空を彷彿させるイメージを創造して、青島を新婚旅行のメッカにそだてあげたのだと聞いた事がある。確かに、南二日向を云い表すにふさわしいすばらしい命名であろう。
恒例にしていた早暁の高鍋鉄橋を撮影してから、延岡機関区と、大分県境の宗太郎超えを偵察して一日を過ごし、夕刻には青島付近で休憩をとっていた。そして待望の日南線の撮影名所大堂津へ夜半に出掛けた。
日南線と云えば、何がなんでも大堂津の鉄橋を一度フイルムに収めて、所蔵しておかねば済まないとの意識は常々持ってはいたのだったが、この日南の地は私にとって一つのトラウマであった。
それは、私がクルマ造りの企業の一介の技術担当であったこともあって、当時、日本で最も砂利鋪装の道の延長が大きい所が日南であったようで、塩化カルシュウムを主成分とした「埃止め剤(ほこりとめざい)」を路面に散布する地域としても全国に名を知られていた。御存知のように降雨の多い地域でもあることから、濡れれば路面はたちまち泥海と化してしまうし、日照りとなれば乾いて堅くなって埃止めの役割を果たすのであった。しかし、その塩分を多量含んだ泥水が車体の隙間に入り込んで、鉄板を急速に錆びさせると云う問題が多発して苦情が多かった。それで屡々現状の道路を走行してみたり、日南市の修理工場に泊まり込んで、来店するクルマノ点検に立ち会うなどの調査をする仕事が大変きつかったことが強烈に記憶に残っていたのであろうか、日南への足がどうも向かずに過ごして来ていたのだった。
今度こそは、大堂津を取ってから日豊本線の霧島神宮付近を撮影して鹿児島空港から帰る算段をしていたのであった。
この広い風景を漫然と撮ったのでは月並みになってしまうので、前景をあれこれと求めて探し回っていたのだった。やっと狭い段々畑の隅に、自家用であろうか、収穫した数十本の冬大根の干し場を見つけたのであった。狭い段々畑なので、至近距離に前掲があり、無限大の距離にSLがあると云うこうせいになり、最近に手に入れたばかりの望遠ズームをつけた35ミリ一眼レフを三脚に取り付けて苦労の末に撮ったのがこのショットである。確かに宮嵜県の鹿児島県に境を接する高原地帯は漬物用の干大根の日本一の生産地で知られ、竹筒に入れて打っている特産の「つぼ漬け」の地方であるから、風物詩そのものだったのであろうか。幸いにも、このスライドは山陽新幹線の博多開業を記念に催されたSL大写真展で佳作に取りあげられたのも、その点にあったのかも知れない。
ほの文を書くにあたって、この撮影した状況の記憶が蘇らないので困惑していたのだったが、次のような情報をインターネット上で見つけたのだった。それは、「日南海岸散歩、大堂津駅」に述べられている二カ所の「日南線の鉄道写真名所」の描写であった。
『大堂津駅から南へ、日南線の線路は大堂津の町に寄り添うように海岸を走り、細田川を渡って南郷町に入る。南郷町へ入ってからは日南線は海岸を離れて内陸部を抜けて山間を辿るから、事窓から「日南海岸」の景色が楽しめるのも、
細田川の鉄橋までだ。この細田川を渡る日南線の風景を川の上流側から見ると、虚空蔵島の緑を背景に鉄橋の上の車両が浮かび、なかなか美しい。鉄道趣味や鉄道写真趣味のの人たちに取っては有名な撮影スポットであるらしい。
また、大堂津駅から北へ、油津方面へと向かうと、
日南線は猪嵜鼻の根元をトンネルで抜けて、山王の浜の傍らを走る。ここでも小さな川を渡るのだが、その風景を国道側から見ると、特に、「七ツ、八重」などの島影が見えて美しい。この風景もまた鉄道趣味の人たちにはよく知られており、撮影スポットのようだ。』
〈http://www.nazora.com/iris/railway/eki-odotsu.html〉
 このお陰で私の撮った写真は細川鉄橋であるようなきがするのである。この大堂津付近は昭和11年頃に志布志線として、内陸の都城から海岸の港町の志布志や油津に出るルートとして建設されたのだったが、1968年には、南宮崎から延伸して来た日南せんの一部として組み入れられて、南宮崎〜志布志の約90キロの比較的長距離の日南線となったのである。そして、この油津から大堂津、南郷までは日南海岸に沿って線路は走り、日南線内の最大のハイライト地点なのだと云う。

撮影:1968年
発表:山陽新幹線博多開通記念 SL大写真展
(朝日新聞社主催、博多にて:佳作入選作品

…………………………………………………………………………………………………
・「南九州の日豊本線に沿って」シリーズのリンク
158. 「宗太郎越え・第1鐙川橋梁」 (日豊本線・市棚→宗太郎)
019.夜明けの日向路(JR九州・日豊本線)
159. 日豊海岸の日向灘沿いを行く (日豊本線・美々津〜日向市の間)
150.SL最後の牙城「大淀川橋梁を行く」・日豊本線/宮崎−南宮崎
・「青井岳越え」シリーズ・日豊本線/宮崎−都城 間
029. 夕暮れのいわし雲とC57・日豊本線/日向沓掛−田野
262. 田野駅のC5552発車・日豊本線/田野付近
261. 青井岳駅界隈(かいわい)・日豊本線/石門(信)〜山之口 間
302. 門デフの貴婦人 C57154の発車・日豊本線/日向沓掛付近