秀和のプロフィール
<秀和の碁に関する杉内雅男九段のコメント> 算砂を近世日本囲碁史の開祖とするならば、14世本因坊秀和はその完成者であり、近代碁の鼻祖であると言えます。二百数十年にわたる江戸時代の碁は算砂に始まり、秀和によって幕を閉じたわけで、この2人の棋士は囲碁史の結節点をかたちづくっているのです。 秀和の碁は一口に、しのぎを基調とするあましの碁と言われています。秀和といえば、すぐしぶいという形容が浮かぶほど、その棋風は特徴的です。これは主に白番の特色であり、秀策にも継承される黒番の堅実さをこれに付け加える人もいます。しかし、しのぎ、あまし、堅実さ、これらの奥には天性の聡明があります。秀和の碁は明るく、読みの上でも、形勢判断の上でも夾雑物がありません。 この様な基本的な特性に加えて、秀和の碁はさらに多彩です。あらゆる局面に応じて自在に変化する柔らかさは、秀和の碁を魅力的なものにしています。丈和、秀策等と並んで後世高く評価され、愛好されるゆえんもそこにあります。秀和こそはまさに巨匠の名にふさわしい豊饒の棋士であったといえましょう。
のち、村瀬秀甫は「方円新法」にこう記している。 「秀和師曾て門生に語りしことあり 曰 吾局に対しては敢えて汝曹より強きと謂うにあらず 唯毎局の石立を咸く変化して其布勢を定むる事一として同形の碁なし 是れ即汝曹に異なるのみと」 後世の人はしばしば碁の強弱と勝敗にのみとらわれる。そのため巨匠の真の姿が十分に評価されないのである。 <秀和の碁に関する福井正明九段のコメント> 嘉永の頃、安井家に雄蔵、松和、仙得などが集まり、話題が本因坊元丈、安井仙知(知得)、幻庵因碩、秀和など、名人の力を持ちながら名人になれなかった人たち(現在は囲碁4哲と呼ばれる)の芸に及び、その中で最強は秀和ということで意見が一致したと伝えられる。秀和は同時代の人々に、それだけ高い評価を受けていた。 <smile_aceのコメント> 2007年5月にsmile_aceは秀和の生誕地伊豆小下田の秀和顕彰碑を自転車ツアーで見学に行きました。 杉内雅雄九段の解説は綿密で、さすが「碁の神様」の異名の人という感じである。日本棋院のホームページに、大正9年生まれ、平成16年通算800勝達成とある。私の母より1歳年下で86歳ということだが、3年前現在でも対局があったということである。30年以上前だろうか、NHK杯囲碁トーナメントの解説をされた時に、テレビの画面で何度もお会いしている。まだまだお元気の様で嬉しい。 参考図書
年代順に表示、最右欄Aは日本囲碁大系14秀和のみに、ABは両書籍に、Bは堅塁秀和のみに掲載されている碁であることを示しました。対局日に当該鑑賞ページへのリンクを張っています。
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