自動車塗装の自分史とＳＬ蒸気機関車写真展〜田辺幸男のｈｐ
ＳＬ写真展 （ ＩＮＤＥＸ )〜アメリカ保存 ＆ 日本現役

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・奥の細道に沿った陸羽東線を訪ねて　�E
３６１．　 赤倉温泉から小国盆地へ ・羽前赤倉〜長沢

〈０００１：�ｂP６０３６２：７２４客レ、羽前赤倉駅発車か。〉
〈撮影メモ〉：昭和４３-７-２７-２８．撮影。
７２４レ、旅客列車。羽前赤倉発車か？。
背後に先の丸い高い山が見えるのだが、山の名前は判らない。

〈０００２：�ｂQ１０１５５：晩秋の花は何を栽培しているのだろうか？〉


〈撮影メモ〉：昭和４４-１１-２３．撮影。
手前は｢べにばな｣か、｢ダリア｣の花がさいているらしい畑が広がる。
その先に収穫の終わったいなだに、棒杭に稲束を巻き付けた｢杭掛け｣の稲の乾燥風景も見える。
当時の山形県内では江戸から明治に盛んだった｢べにばな｣の栽培の復興運動がひろげられていたし、いっぽうでは｢ダリア｣んの栽培も試みられていた時期だったので、小国盆地でも栽培を試みられておられたのであろうか。残念ながらモノクロームのため｢花の名前｣を推定するのに難渋しレいます。

〈０００３：�ｂP６０４３４：瀬見峡谷　�T・大堀−瀬見〉〜２８．撮影。


〈撮影メモ〉：昭和４３年７−２７
ｃ５８　１１７。真横で、高い煉瓦積の橋脚１本が見える。
川の水面も見える。手前足元は草だけ。貨車１両を引いた列車が土手にかかる。
橋桁の下から背後が見える。撮影場所は定かでありません。瀬見峡谷に流れ込む支流に架かる鉄橋ではなかろうか。


〈０００４:�ｂQ４０５３１：瀬見峡谷　�U、第２小国川鉄橋〉

〈０００５�ｂQ１０１６３：小国盆地の風物詩　�T　〉
〈撮影メモ〉：昭和44-11-23．撮影。
手前刈り取った棚だの田圃、左側に棒杭に稲束を巻きつけて乾燥しているものが立てに並んでいる。
この稲束の干し方は狭い棚田には最適のようだ。

〈０００６:�ｂQ０５２-６-１０１：小国盆地の風物詩　�U　〉

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〈紀行文〉
ここはシリーズの最後です。ここでは標高３２８ｍの奥羽山脈の分水界を西へ越えて小国川の潤す小国盆地を縦断して瀬見渓谷を抜けて標高　１００ｍの庄内盆地に至るまでの沿線の風物を訪ねた記録です。
先ず下り列車に乗ってみよう。サミットに位置する堺田駅を出ると、その西方は標高350m前後の台地が広がっていて、この右手は鬼首カルデラの外輪山である禿岳（かむろだけ、標高　1,261ｍ）西麓へ続いていた。ここを流れ下る琵琶の沢や高橋川の深い峡谷を高い鉄橋で渡過ぎると間もなく、西から山が迫って来て笹森トンネルを、そして糠塚山の麓の急斜面を巻いて抜けると近くの山がようやく遠ざかり
桑畑や田園風景が現れて来た。やがて羽前赤倉駅となるッ。この辺りから小国盆地の領域にはいったらしい。ここを出ると左に右いとカーブを切って絹出川を渡ると盆地の中心である向町の市街地に入り羽前向町駅（現　最上駅）となる。江戸時代は新庄藩領となる。
向町に問屋場が置かれ、
上方や松前から最上川舟運によって運ばれ、舟形街道の清水河港で陸揚げされた物資を中継し、堺田越を通って仙台藩へと輸送する重要な拠点となった。
町東部の笹森には、新庄藩の笹森口留番所が置かれ、物資の監視を行った。
この附近一帯は小国川流域に属する耕地にして
線路は田圃の間を国道に沿って西走してゆく。北側に連なる神室山地の南六を源とする豊かな流れを集めた白川をプレートガーター五連の鉄橋で、続いて、鵜杉川をプレートガーター８連で渡ってしばらくすると、再び山が迫って来る所となり、瀬見峡谷にはいったようだ。そして、小国川右岸の山すそを約　４９０ｍの瀬見トンネルで抜けると、瀬見駅となる。この近くには新庄の奥座敷と言われる瀬見温泉京の街並みが賑わっている。ここの北側には新庄市トの境界となっている亀割山（かめわりやま、標高　594m）と亀割峠があって、ここからの小国盆地の展望は素晴らしい。この亀割峠は、源義経の東下りの伝説の地であって、この峠を越える途中で、義経の奥方、北の方が急に産気づき、男の子を出産した。武蔵坊弁慶は、赤ん坊の産湯を探して小国川まで下り、長刀を突いた所お湯が噴出したという。これが瀬見温泉の由来であり、峠には「弁慶清水」があると云う。

この先の線路は益々小国川に接近するようになり、山のすそを通じ中沢トンネルを経て左折して

最上町と舟形街との境界の近くで
小国川を全長　241ｍ、１２連の第２小国川鉄橋で斜めに横断し
県道を横ぎりて南方に向い
再び全長約６０mトラス桁１連の第１小国川鉄橋で横断し舟形町の長沢に入り
長沢駅となる。その先では内山の小トンネルを抜けると大きく左にカーブを描いて
奥羽本線と並走して新庄駅へ向かっている。
この小国盆地の東側は奥羽山脈の中で最も低い鞍部である｢中山越え｣であったから、小国盆へは夏季の独特な季節風｢やませ｣が吹き込みやすく、これは冷気を含んているので、稲作には厳しい条件であった反面、この「やませ」による風が奥羽山系の雄大な山谷を背景とした大草原の草地を速く乾燥させることから、馬の育成には適地となっていた。それ故に昔から｢小国駒｣の産地として名が知られ、新庄藩により奨励され、定期的に馬市が催されたと云う土地柄であって、明治時代には陸軍の軍馬の育成所が設けられていたと云う。
今の農業の主役は稲作で、秋ともなれば、刈り取った稲束の｢杭掛け｣による自然乾燥を行う風景が盆地を取り巻いている狭い沢田や棚田のあちこちで見られるのが風物詩となっている。
さて、最後に小国川の素性を述べておこう。小国側は延長39kmほどと短いが、この間の標高差は２００ｍを軽く越えている急流であった。その本流は奥羽山脈の大噴水界である田代峠を源に、北に流れ、中山峠を源流とする明神川と最上町富沢を合わせると西に転ずる。この先で小国盆地が開け、最上町中心部となる。そのまま白川や鵜杉野川などの大支流を右岸から合流させて、再び山が迫り、舟形町中心部まで瀬見渓谷が続く。舟形町舟形で国道13号（羽州街道）を横切り、舟形町冨田で最上川に合流している。この川はダムがない天然河川であり、松原アユと呼ばれる天然鮎が釣れる川として全国的に知られている。最近小国盆地の成員が、約１５０万年前の大火山の噴火によって生じたカルデラであることが発見されたとのことである。

◆｢･奥の細道に沿った陸羽東線を訪ねて　　�T〜�E｣のリンク
３５６．　プロローグ/川渡駅にて・小牛田（おごた）〜新庄
３５７．　大崎平野を江合川（荒雄川）に沿ってさかのぼる・小牛田〜鳴子
３５８．鳴子峡谷をさかのぼって中山平へ・鳴子−中山平
３５９．中山平から大谷河をさかのぼる・中山平−堺田
３６０．大分水界のある堺田駅界隈（かいわい）･中山平〜羽前赤倉
-大分水嶺と国境線が異なる不可解なる峠　｢中山越え｣-
３６１．　赤倉温泉から小国盆地へ・羽前赤倉〜長沢