ＳＬ写真展 （ ＩＮＤＥＸ )～アメリカ保存 ＆ 日本現役
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･奥の細道に沿った陸羽東線を訪ねて ⅴ
３６０． 大分水界のある堺田駅界隈（かいわい） ･中山平～赤倉
-大分水嶺と国境線が異なる不可解なる峠 ｢中山越え｣-
〈０００１：№２５０１２１：第４大谷川鉄橋〉
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最上流の大谷川の河原に下りて撮っています。右手の川岸の上には砂利道の国道４７号線が通っていますが写っておりません。
鉄橋は２連ですので左右共に橋ダイトなっております。
〈０００２：№１５１２２３：境田駅に地被く３７６３レ〉
〈撮影メモ〉：昭和４３-７-２７-２８．撮影。
〈０００３．№２５０１１３：峠を抜けると残雪が〉
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もう３月と云うのに峠の山形県側には雪が道脇に残っていた。
左の高い土手から撮っている。
〈０００４№２０５４-６-１０１：琵琶の沢鉄橋〉
〈〉写真メモ〈
堺だ駅を出て間もなく国道と並行するようになると右手に見える鉄橋である。背後に見える山々は鬼首カルデラの外輪山に連なるやまなみです。この深い琵琶の沢の奥には隠れた温泉があるので、砂利道が続いていた。
この川は流れ下って小国側に注いでいる。
〈０００５：№２０５６：高橋川鉄橋 〉
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共昭和４６年（１９７１年）ころには、早朝に新庄を出て小牛田まで通した1790列車が重連の仕業であった。
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〈紀行文〉
中山平駅から峠の堺田駅までは最初は深い谷間であって二度の大谷川を渡った先は高原風の開けた明るい谷間に変わった。そこを陸羽東線が高台の斜面を削って作った崖の中腹の鉄路を登っており、その下を国道47号線が並走しており、さらに一段下がって大谷川が流れ下って行くと云う形で１８．２‰の勾配を約 2.4ｋｍほどサミットへ向かって最後の区間を西進していた。
私の軽のスバル360は一段と高い崖の上を行く鉄路を仰ぎながら荒れた砂利道の国道を登りつづけていた。やがて宮城県と山形県との境界を示す標識がサミットでもない所で現れた。
このあたりでは細くなった大谷川、それに合流する関沢川、して砂利道の国道47号線の三者を跨いでいる鉄橋が眼前に見えてきた。
この第四大谷川橋梁は大谷川の最も上流に位置しており、スパン長さが１２ｍと６ｍのプレートガーター桁と云う長さも高さも違う橋桁が各一連が煉瓦積みの橋台と、石積みの橋脚に架かっていた。ここからサミット上にある堺田えきまでは未だ１㎞ほど登らねばならない。
このようにサミットでもない所が県境となっているのには人間臭さが感じられる。その昔から出羽仙台街道の中山越における新庄藩領よ伊達藩領の境目は明確な線引きが行われていなかったようで、後に紛争が絶えなかったが、幕府の裁定に持ち込まれて、正保２年(1645年)に｢出羽の堺田村の東方、関沢という小川を境界として分杭を立てる｣との約定を取り交わして和解したと記録にあるとのことだ。そして関川の端に「境分杭」が立てられ国境の目印となったというのであった。ここはすなわち、陸奥国（明治意向は陸前国）と出羽国（明治以降は羽前国）との境目なのてあったが、現在も行政区分である宮城県と山形県の県境として踏襲されていたのである。この最低を聞いて、幕末の戊辰戦争で（ぼしんせんそう）の時に新庄版画さ東北で最後まで幕府方として官軍に抵抗したことが思いだされて、当時から新庄藩は｢伊達藩｣へ抑えとして信頼されていたのであろうか。
そして、二万五千分の一地形図を見ると、第四大谷川橋梁の長いスパンの大田に川を渡部分は山形県側、短いスパンの架道橋の部分は宮城県側に存在しているようになっていた。それは架道橋の先にある関川に架かる道路橋が境界となっているからであろう。さらに急坂を登ってはいるものの、その距離は短く間もなくサミットに踊りでた。峠の先の展望は明るく開けてはいたが、左右に山並みが控えていた。右手（北川）には標高が１０００ｍ前後の鬼首カルデラの外輪山の険しい山容（主峰は禿岳：かむろだけ、標高 1,261ｍ）が連なっており、そこからの急斜面の山麓には斜面の水を集めて流れ下る琵琶の沢、大橋川などの流れが小国川に向かって深い谷を刻んでいた。
その峠の西方は標高350m前後の台地が広がっていて、そこには｢こすかっ原｣と呼ばれる先人たちが開いた牧草地や畑が散在していて、かっては堺田集落の人々の生活の場を与えていたのであろう。その背後には奥羽山脈上にある翁山（標高 1059m）から分かれた尾根の山並みが尾花沢のある盆地とを隔てるように連なっていた。
私がもっとも信頼している峠データベースには｢中山越え｣として二か所が登録されていて、
その標高は347ｍと３５９ｍとなっていた。おそらく高い方が旧道であろう。事実、国道４７号沿いの旧街道の中山宿跡を示す標柱の先で、国道から右に分かれて軽井沢越えから後沢越えに掛かり高原風な稜線伝いを峠に向かってていたもので、国道より可なり高所を越えていたものよ思われる。また国境の関沢に掛る木橋も復元されていて街道の保存が行なわれていると云う。
この国道を峠へ登り切ってから少しさきに、堺田駅入り口の案内のある左折路をに立ち寄ってみた。
駅前には民家はなく、小さいちゅうしゃぎょうがあって、近くの分水路園の安泰板があった。駅の南側は防雪林が並び、ホームから勾配を登ってくる列車を眺めることが出来る。このサミットの位置る堺田駅を設ける際には、レベル(実際には小牛田方から新庄方に向けて1‰の上り勾配)を得るために原状地盤を切取って掘割りとして駅構内敷地を確保したと記録されていた。この駅の構内配線は、上下本線の2面2線の他に
下り本線外側に副本線と上り本線側に貨物積卸線を持っていた。あの川渡駅から峠へ登って来た貨車の列を側線に留置して、牽引して来た機関車は逆向きのまま単機 回想で川渡駅まで戻って行くことが出来るような廃線が整えられていた。駅の南側は防雪林が並び、ホームから勾配を登ってくる列車を眺めることが出来る。
この駅の位置は堺田の小さな集落から南へ数百mと離れていて人気が感じられなかった。ここは陸羽東線の最高地点であって、その標高は陸羽東線が全通した時に発表された｢陸羽東線建設概要｣によれば、海抜一千百六呎（３２７．２ｍ）となっている。
ところで、現在は堺田駅前には｢中山峠分水嶺公園｢｣が設けられている。その標高は ３７８ｍと案内板にあった。この水路は、水が太平洋か日本海か野どちらかに分かれる奥羽山脈上の大分水界であって、その現象を観察することのできる水路があると云う珍しい「水中分水界」であった。一般に分水界とは、地上に降った雨が異なる水系に流下る場合の境界を指す言葉であるが、その場所が山や尾根の頂にある場合は｢分水嶺｣と云われるが、流下って来る沢や架線が二つに分かれて異なる水系に流下るような形態は｢水中分水界｣として区別しているのであった。
ここへ流れて来る河は奥鬼首外輪山の鞍部にある県境の花立峠（県道62号）の辺りが源であろう。その流れの行き先は、右に分かれて関川→大谷川→荒雄川（江合川）→旧北上川となって石巻市で太平洋に注ぐ全長116kmの川筋となり、左への流れは芦ヶ沢川→明神川→最上小国川→最上川となって酒田市から日本海へ注ぐまでの全長102.6kmの川筋となるのである。
さて、堺田駅を出て左カーブシテ台ち状に広がる「こずかっ原」を１８．２‰で下り始めた。やがて国道と交差してから一段と高い位置を並んで西へ向かった。間もなく、谷奥に温泉が湧きだしていると云う深い谷を成している琵琶の沢をプレートガーター桁の鉄橋で渡、しばらくして再び左カーブして国道の左側に出て、次第に国道からはなれた鉄路は築堤の上を下って行く。またもや深い渓谷となった高橋川を長さ 91ｍ、4連のプレートガーター桁鉄橋で渡った。深い谷には雑木が繁茂して渓流の流れは隠れて見えなかった。やがて山が迫って来て笹森集落の背後を過ぎて笹森トンネルを抜けて糠塚山の麓のやますそを回って新田集落に入った
ここまで来ると近くの山がようやく遠ざかり桑畑や田園風景が現れて来た。やや西北に向い、富沢集落に入った。この東に羽前赤倉駅（当初は富沢駅、現 赤倉温泉駅）となる。この駅の手前の集落で国道から分かれた県道28号尾花沢最上線があって、この先には小国川沿いに古い湯治場の赤倉温泉が存在している。
この小国川は中山越えや、みみずく山、田代峠などを源流としているが、下って北に連なる禿岳などの山並みの西麓を源とする琵琶の沢、高橋川などの水を合わせて渓谷を作って西へながれくだっているのであるが、陸羽東線との間には糠塚山などの丘陵に隔てられていた。やがて小国盆地の領域に入ると小国河が現れ、陸羽東線、国道４７号線が接近するようになる。
さて、この｢｣出る羽仙台街道 中山越え｢｣が｢歴史的古道｣として国の史跡に平成2年（1990年）に登録された。その指定区間は、宮城県大崎市鳴子の尿前番所から山形県最上郡最上町の笹森番所までの4.2㎞である。ここには芭蕉の｢奥の細道｣に関係する旧跡が残さ多く残されている。この街道は仙台城下と酒田湊とを結ぶ役割の他い、出羽三山への参詣路や庄内地域に向かう道筋にも利用されていた。
最後に、街道名や峠の名前が時代によって、通過している場所によって｢呼び名｣がことなっているためいささか混乱していると思われるので整理を試みておいた。
私が、このシリースで使っている『中山越え』は歴史の路史跡として国が指定した｢出羽仙台街道 中山越え｣を積極的に引用しているからである。この峠名は「中山越え」（なかやまごえ）とか「堺田越（え）」（さかいだごえ）、あるいは「中山峠」、「堺田峠」と書かれて入たりして多彩である。先ず、その地域を区分する国名が明治元年（1869年）に、出羽国は羽前国と羽後国に分割され、同時に陸奥国は陸奥くに、陸中国、陸前国に３分割されている。その後に羽前国は山形県に、羽後国は秋田県、陸前国は宮城県へと変遷しています。次に街道名の変遷については、時代によって、その地域によって呼び名がまちまちで統一されていないのが実情です。
最初に出羽街道では、各方面から出羽国へ向かう街道に出羽街道の名を冠した街道は数多くみられますが、ここでは大崎平野での｢出羽街道｣について考えています。
江戸から仙台を経て松前に通じる奥州街道の｢古川宿｣から分岐して岩出山、鳴子の荒雄川対眼を通って鬼首峠を越えて出羽国へ達する道筋で平安時代から開かれていた古道です。明治以降は｢羽後街道｣となり、名刺１８年に行われた国道指定の際には、宮城仮定県道第２号羽後街道となり、経路が｢吉岡宿～鬼首峠）となり、現在は国道１０８号線となっている。
一方の｢出羽仙台街道｣は江戸時代に陸奥国の最大都市である仙台藩・仙台城下町と日本海沿岸水運の北前舟や西廻海運の起点である庄内藩の港町酒田湊とを結んだ街道のうち、奥羽両国を隔てる奥羽山脈を越える区間、すなわち奥州街道のより仙台寄りの｢吉岡宿｣から分かれて、先の出羽街道へ岩出山で合流し、鳴子の対岸で再び分かれて、荒雄川を渡船で対眼の｢尿前の関｣を経て｢中山越｣の峠から出羽国へ入り、奥州街道の福島から分かれて山形、秋田、青森へ通じている羽州街道の｢船形宿｣までの脇街道である。明治以降は｢北羽前街道｣となり、おなじく宮城仮定県道第１７号北鵜然街道となり、経路が古川宿-岩出山－堺田）となっており、現在は国道４７号線となっている。この｢出羽仙台街道｣のなは歴史街道としての国の史跡指定に残っている。
次に出羽仙台街道が奥羽山脈を越える峠の名前であるが、現在は国の史跡指定を受けた時の名称として使われている｢出羽仙台街道 中山越｣が一般化している。国土地理院の地形図では国道４７号に併記して北鵜然街道の名が見エルが峠なは見当たらない。また角川日本地名大辞典には「中山越」はなく、「堺田越」での掲載である。
結局のところ、中山は峠の宮城県側の地名、堺田は峠近くの山形県側にある地名であって、そのどちらかを取っている訳である。
参考文献：
・｢中山越、堺田越（宮城県・山形県）＜峠と旅＞｣
http://www.geocities.jp/wellon2/tohge/tohge_6n/nakayamagoe/nakayamagoe.htm
◆｢･奥の細道に沿った陸羽東線を訪ねて Ⅰ～ⅵ｣のリンク
３５６． プロローグ/川渡駅にて・小牛田（おごた）～新庄
３５７． 大崎平野を江合川（荒雄川）に沿ってさかのぼる・小牛田～鳴子
３５８．鳴子峡谷をさかのぼって中山平へ・鳴子－中山平
３５９．中山平から大谷河をさかのぼる・中山平－堺田
３６０．大分水界のある堺田駅界隈（かいわい）･中山平～羽前赤倉
-大分水嶺と国境線が異なる不可解なる峠 ｢中山越え｣-
３６１． 赤倉温泉から小国盆地へ・羽前赤倉～長沢