12月1日  12月8日  12月15日  12月22日  12月24日 

説教題:「よろこびのおとずれ」

聖 書:ルカによる福音書2章1〜14節

   イエス様のご降誕を心からおよろこび申し上げます。

皆様にとって、何回目のクリスマス礼拝を迎えていることになるでしょうか。

わたしは、丁度60回目のクリスマス礼拝を迎えています。

今から二千年以上も前のこと、現在のイスラエルの地方はローマ帝国により支配されていたことから、神様から選ばれたイスラエルの民はローマ帝国の政策に従わざるを得なかったのです。

2章1節に「全世界の人口調査をせよとの勅令が、皇帝アウグストから出た。」と記されており、人口調査とは紀元1世紀のローマ帝国の人口は5000万人から6000万人いたと推定されています。

皇帝アウグストは、ガイウス・オクタウィウス・トゥリヌスといい、ローマ法の整備や行政改革にも力を入れた人物でしたので、税収・兵士の徴募・食料供給などの管理の為に何処にどれ程の人が住んでいるかを調べるために勅令が出されたことがわかります。

日本においては、マイナンバーカードは2016年1月1日から始まりましたが、この制度は住民票の代りとなり、日本国民の個人情報を国が管理するためのものであり、7年が経過した2023年末時点で90%の普及率になっているとのデータが出ています。

マイナンバーカードを作るようにと国会を動かした人物は石川和男という日本の情報処理推進機構の元理事長だったように、特定の人により国全体に影響するような事案が取り入れられ、現在では保険証までマイナンバーカードに置き換えが進んでいるのです。

このように、この世に存在している人の管理をするために登録させるということは、大変な労力が必要なことなのです。

アウグストが出した勅令は、ローマ帝国に住んでいる全ての人が生まれ故郷に戻り、そこで登録することを命じていたので2章3節で「人々はみな登録をするために、それぞれ自分の町へ帰って行った。」と記されているのです。

イエス様のお父様は、ヨセフさんはナザレという町で大工をしていたのですが、登録をするためには生まれ故郷のベツレヘムというダビデの町に戻らなければならなかったのです。

ナザレからベツレヘム迄が約30`あるので、福生教会から28`の奥多摩駅程の道のりなので、福生教会から奥多摩駅まで歩くと普通の人で7時間程掛かりますが、お腹に赤ちゃんを抱えていた奥さんのマリヤさんにとってこの移動はもっともっと時間を要したことでしょう。

ベツレヘムに着きはしましたが、7節に「客間には彼らのいる余地がなかったからである。」と記されているのです。

客間とは宿屋の部屋のことであり、この時は人口調査のため故郷へ戻ってくる人々が詰めかけてきているので、泊まり客たちは一部屋に大勢の人が泊まっていたのです。

臨月になっているマリヤさんが泊まる部屋がなかったとありますが、客が多かったというだけではなく、レビ記12章2節「女がもし身ごもって男の子を産めば、七日のあいだ汚れる。」と記され5節に「女の子を産めば、二週間、月のさわりと同じように汚れる。その女はなお、血の清めに六十六日を経なければならない。」と記されており、それぞれの期間を過ぎた所で、祭司により清めてもらう必要があるのです。

ですから、お産を間近に控えていたマリヤさんを宿屋の主人は泊めてはあげたいが、泊めることができなかったという事情があるのです。

それで、宿屋の主人は家畜小屋であればお産も出来るし、赤ちゃんのためにもいいと思い、宿屋の裏にある家畜小屋に泊めることにしたのです。

家畜小屋とは、岩を掘った洞窟で、そこに昼間放牧していた羊は山羊を入れていたのです。

イメージ的にはあまり良くありませんが、家畜の体温により洞窟内は暖かく、家畜たちば干し草を食べる為に用意してある石で作った飼料層に干し草を敷いて綺麗な布を敷くと立派なベビーベッドになるのです。

そのベビーベッドで7節「初子を産み、布にくるんで、飼葉おけの中に寝かせた。」と、素晴らしい静かな環境でイエス様がお生まれになられたのです。

余談ですが、出エジプト記1章に15節に「またエジプトの王は、ヘブルの女のために取上げをする助産婦でひとりは名をシフラといい、他のひとりは名をプアという者にさとして」との記述があります。

この箇所は、エジプト人の助産婦がイスラエル人がお産する時に手伝うという意味ですが、原文では「エジプトの王は、ヘブライ人の助産婦たちに言った。一人の名はシフラ、そして二人目の名はプア」と記されおり、ユダヤ人社会において古から現在に至るまで助産婦はなくてはならない存在なのです。

マリヤさんの出産の模様は聖書には記されてはいませんが、ヨセフさんはベツレヘムの町の助産婦さんを探しマリヤさんの所へ連れてきたと考えるほうが自然なことなのです。

8節をみると、イエス様がお生まれになられた時期がわかりますが、「この地方で羊飼たちが夜、野宿しながら羊の群れの番をしていた。」と記されているのです。

現在イエス様がお生まれになられたのは、12月24日の夜としていますが、ベツレヘヌの12月の夜の気温は、-2°から-6°ほどなので、羊を放牧できる季節ではないのですね。

ユダヤ三大祭りに、9月もしくは10月に仮庵の祭りがありますが、この時期の気温は15〜25°と比較的過ごしやすい温度なので、羊飼いが夜放牧している羊の番をしている状況として当てはまるため、イエス様は仮庵の祭りの時にお生まれになられたと考えることが出来るのです。

申命記16章16節に全能の神様がイスラエル民族にたいして「あなたのうちの男子は皆あなたの神、主が選ばれる場所で、年に三度、すなわち種入れぬパンの祭と、七週の祭と、仮庵の祭に、主の前に出なければならない.」と絶対的な命令をしているのです。

「種入れぬパンの祭り」とは、イスラエル民族がエジプトから脱出したことを記念して 行なう「過越の祭」(ペサハ)のことで、七週の祭りとはシャブオットと言われるもので、過越の祭から数えて50日目であり、聖霊降臨日と言われるペンテコステのことです。

そして仮庵の祭りとは、スコットと言われ、ユダヤ暦テシュレイの月の15日から7日間神様に礼拝を捧げる時です。

それらのことを考えると、イエス様がお生まれになられたのが、仮庵の祭りの時、十字架に掛かられたのは過越の祭の時、七週の祭りの時に、イエス様の弟子たちに聖霊が降臨したことと、イエス様ご自身もその申命記16章16節に従っていると考える事ができるのです。

9節を見ると、羊の番をしていた羊飼いたちに「主の御使が現れ、主の栄光が彼らをめぐり照したので、彼らは非常に恐れた。」と記されているように、静かな牧草地で羊の番をしていた羊飼いたちに、突然「主の栄光が彼らをめぐり照らした(羊飼いたちの回りを照らした)」とあるのです。

ベツレヘムにおいて、仮庵の祭りの時だと仮定すると、夜空は満月であり月の明りの中羊の番をしていたことでしょうが、天から御使が近づいて来て、月の明りよりも凄い光(完全さの輝きの意味)に照らし出されたことに羊飼いたちはびっくりというよりも、非常に恐れたと記されているのです。

羊飼いたちが恐怖におののいているとき10節から12節で側に来た御使が「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生れになった。このかたこそ主なるキリストである。あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである」と告げたのです。

御使が羊飼いたちに語るとすぐに13節で「おびただしい天の軍勢が現れ、御使と一緒になって神をさんびして言った、」と、羊飼いたちの現れた御使と共に天から多くの御使たちが現れ、神様を褒め称えたのです。

讃美の内容は14節で「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」ということです。

主イエス・キリストがこの世にお生まれになられることは、全知全能の神様によって、栄光が現されることと、この世に生まれ、主イエス・キリストを信じた人々の心が常に平和であるようにと、人々にとってよろこびのおとずれが神様により計画されたことなのです。

ヘブライ語でシャロームという言葉がありますが、その意味は平安あれということであり、イエス様がお生まれになられたことは全世界にとって嬉しいニュースなのです。  

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