- 古びた写本
五紀暦
『五紀暦』序文と5篇の章より成る古書のようだ。
序文
本書は、第六星暦233年筆者シャーレアンの占星術師リューフォンにより
各都市で独自に用いられていた暦を統一する意図の下に著された。
時を紡ぐ『日』、日を紡ぐ『月』、
月を紡ぐ『年』、人々の紡ぐ年の周期『人暦』、
神々の司る悠久の歴史『神暦』の五章より成る……
日
「日」4つの時をひと刻とし、氷、水、風、雷、火、土の刻を経て、
1つの「日」と成す。すなわち、日は24の時より成る……
月
「月」風、雷、火、土、氷、水の6つの属日。
これに、星と霊の2極日を加えて8日。
6つの属日と2つの極日を4周し、1つの「月」と成す。
すなわち、月は32の日より成る……
年
「年」星と霊、2つの極性を廻る月を、交互に6属巡りて、
1つの「年」と成す。すなわち、年は12の月より成る……
星1月、霊1月(旧暦1、2月)は、
氷が統べ、すべてを凍らせて次の命脈を保たん。
星2月、霊2月(旧暦3、4月)は、
水が統べ、氷を溶かして命の水脈を流さん。
星3月、霊3月(旧暦5、6月)は、
風が統べ、雲を飛ばして恩恵をもたらさん。
星4月、霊4月(旧暦7、8月)は、
雷が統べ、天を開きて試練をもたらさん。
星5月、霊5月(旧暦9、10月)は、
火が統べ、草木を緋色に染めあげん。
星6月、霊6月(旧暦11、12月)は、
土が統べ、すべてを大地へと還さん……
人暦
「人暦」神々に賜りし12の年、航年、浪年、工年、破年、審年、商年、
豊年、時年、戦年、慈年、識年、運年を経て、1つの「周期」と成す。
すなわち、人暦の周期は12の年より成る……
神暦
「神暦」悠久の時は神々が統べる。人の発展する「星暦」の時代と
衰亡する「霊災」の時代は、神々の御業により交互に訪れる。
いかなる強大な国家も偉大な名君も、
この輪廻から逃れることは適わなかった。
現代は、第六霊災たる大洪水の時代を経た後、すなわち第六星暦である。
この時代が、いかなる時代であったかは、後世の史家に委ねられよう。
また、終わりを告げる第七霊災がいつ訪れるかは、神々のみぞ知るだろう。
ただ確かなことは、この第六星暦は我々の手に委ねられており、
我々次第で、栄光の時代にも屈辱の時代にも、成し得るということである。
六属創世記
『六属創世記』創世にまつわる伝承を集めた本のようだ。
廻りくる六つの生誕
「廻りくる六つの生誕」雷は落ちて火を生み 火は燃えて土を生み
土は遮りて氷を生み 氷は溶けて水を生み
水は昇りて風を生み 風は曇りて雷を生んだ……
果てしなき三つの凱旋
「果てしなき三つの凱旋」土は雷を吸い尽くし
水は土を流し尽くし
雷は水を走り尽くした……
終わりなき三つの敗北
「終わりなき三つの敗北」火は風に消され
氷は火に溶かされ
風は氷に防がれた……
揺るぎなき二つの支配
「揺るぎなき二つの支配」雷も 火も 土も 氷も 水も 風も
すべては霊の上にあり すべては星の下にある
近いか 遠いか ただそれだけ……