自動車塗装の自分史とSL蒸気機関車写真展〜田辺幸男のhp
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・女川・万石浦紀行

0 91.   女川 界隈(かいわい) 石巻線/女川− 女川港

〈0001:鮮やかなオレンジ色を放つ“ほや”を品定めの最中〉
C11・石巻線女川港

〈0002:女川魚市場のマグロ水揚げ風景〉
女川魚市場の脇を通る貨物線で憩うS

〈0003:〉 
30-52:女川界隈 にしん天非干し 女川港

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〈紀行文〉 
 何度目の女川訪問だったろうか。珍しく中通りの国道4号線を徹夜でひたすら北上して仙台バイパスのドライブインで夜食にありついた。そして石巻の郊外で仮眠をむさぼった。爽やかな朝もやの流れる旧北上川を渡ってから左折して低い山並みの山裾をしばらく走ると陸前稲井の集落に入った。今朝は旧北上河橋梁を陸前稲井側から一番の下り貨物列車を撮ろうとポイント探しを始めた。下りの貨物列車を撮ってから、女川への近道であるらしい沢田に抜ける県道で山を越えて急いだのだったのだが、道に迷って手間取ってしまった。やっと昔からの万石浦側の女川の住宅地が広がっている峠を超えると女川港の町並みが見えて来た。早速女川駅に駆けつけると、構内にはC11の姿は見えなかった。
駅の左手先のごちゃごちゃした町並みの間のギリギリのスペースをかすめるように女川港貨物支線の線路は四つの踏切ーを通って続いていた。それを追ってしばらく右往左往していると、突如として漁港の岸壁通りの奥に当たる舗装もしていない広場に抜け出た。そこには魚市場の建物に張り付いて六軒の鮮魚の売店がひしめくように一列に並んでいた。その傍らには、入れ替えを終わったのであろうか、休憩中のC11 245号機をを見つけてほっとしたのだった。そこでためらわずにスナップしたのが、このショットである。
一番端の店前に並べられた鮮やかなオレンジ色を放った「ほや」を囲んで人々が品定めの最中であった。初めて見た「ほや」のオレンジ色の印象は強烈でなかなか頭から離れなかった。この女川港の四季のの風物詩は「、「ホヤ」の他に、「秋刀魚」(サンマ)の水揚げと、冬の「サンマの天日干し」、春の訪れを知らせる“小女子”(こうなご)漁と、「しらす」の天日干しで、空き地は白い絨毯(じゅうたん」となるそうだ。それに女川には昭和の初めに女川に鉄道が開通した頃から捕鯨の基地が設けられて、新鮮な鯨の刺身が出回っているのも忘れがたい。
この広場の先は漁港の岸壁2接した海岸大通りであって、女川港の中心とでも云えばよいのであろうか。この売店の並んだ一角の裏側は巨大な水産物卸市場の建物が岸壁に沿って設けられていて、早朝の活気のあふれる魚の水揚げ、勇ましい「セリの情景が終了してしまった魚市場はガランと静まり返っていた。その一角では広々としたコンクリートの床には、帰港した遠洋漁船が接岸して、次々と冷凍マグロの巨体が陸揚げされて、次第に床を埋めるように並べられ始めていた。その付近の岸壁では、釣りを楽しむ人達が大勢見られた。
 その後帰宅してからも、気になっていたのは あのオレンジ色の「ほや」の正体であッタ。驚いたことに動物図鑑に書いてあるとのことであった。それによると、
先ず@動物界、A脊椎動物門、B尾索動物亜門、Cほや(海鞘)綱に属する海生動物、だったのだ。
これからすれば、脊椎動物だから軟体動物などよりは人間に近い生き物でアルコとが判ったが、案の定(あんのじょう)、人間の発生や免疫などの研究に役だっているとか。
餌を含む海水の入水孔と出水孔を持ち、体は被嚢(ひのう)と呼ばれる皮で覆われている。幼生は「オタマジャクシ」のような形をして遊泳しているが、成体は海底の岩などに固着し、植物の一種とさえ誤認されるような外観を持つようになるが、成長過程で変態する動物なのであると云う。
天然ものもあるが、現在は養殖が盛んで4年ね15cmに成長すると云う。何と云っても、この牡鹿(おじか)半島が主な山地で北日本で食用として愛されていると云う。一種の金属臭のような独特の風味があり、好き嫌いがはっきり分かれると云われた。
そこで早速、この夜に石巻駅前の居酒屋で挑戦を試みたのだったが、私には一切れで充分に味を確かめられたので、箸は鯨肉の刺身に移ってしまった。この「ほや」はカラー写真の被写体には格好だが、その味覚には なじめないのであった。だが、女川を代表する水産物の一つでアることには違いなく、年産7500トンの水揚げがあるとのことだったし、物流技術の進歩により新鮮な「ほや」が全国各地の東北人へ直送できる時代となり販路も広がりつつあるとのことである。

撮影1972年

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・女川・万石浦紀行シリーズのリンク
103.C11〜旧北上川橋梁を行く・石巻線(石巻−陸前稲井)
090. 渡波(わたのは)の里山の四季・石巻線/陸前稲井-渡波
215.万石浦俯瞰(ふかん)・石巻線(沢田−浦宿)
114. 女川港俯瞰(ふかん)・石巻線(女川-女川港)