自動車塗装の自分史とSL蒸気機関車写真展〜田辺幸男のhp
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SL写真展 ( INJEX )
にある送付先へドウゾ。)
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・フィラデルフィア鉄道紀行(ペンシルバニア州)
132.
フィラデルフィア 三十番街駅のロビーとPRR戦争記念碑
〈0002:三〇番街通り駅の待合室ホール〉
〈0005:フィラデルフィア パブリック アート提供の写真から〉
上の写真の原典:
《Philadelphia Public Art: Pennsylvania Railroad World War II Memorial》
〈http://www.philart.net/art.php?id=278〉
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〈紀行文〉
デラウエア河畔の保存鉄道を訪ねる途
デラウェア河畔の保存鉄道を訪ねる途中に、寸暇を惜しみつつ駆け足で 三十番街駅に立ち寄ったので、待合室とプラットホームを一瞥しただけの通りすがりの観察にいささか気が引ける思いでこの文を書いている。
その 外周を回ってからだったからであろうか、一転して内装のデザインは極めて機能的な作りで、気品にあふれるユニークなスタイルであり、センスの良さが記憶に残った。
あの太い円柱の間を通して、五階建てほどの高さのある大寺院風のガラス窓からの明りと、高さ95フィートの天井からつり下げられた美しい芸術的装飾の施された大シャンデリヤが放つ赤黄いろい白熱燈の輝きが照らしている間口 240フィート、奥行き 135 ふぃーとの広々としたメイン待合室がある。そこには豪華なテネシー産の大理石の床と、飴色のニス仕上げの出札カウンターやベンチの頑丈そうな木製の調度、それにくすんだ真鍮製の金物が調和していたのに見とれていた。やがて往時の忙しさを幾らかは しのばせるに足りると思われるほど大きな列車到着ののアナウンスが高い天井に鳴り響き渡るのであった。
今でも、深南部メキシコ湾癌を目指す「ニューヨーク発ニューオルリンズ行 特急」の『クレッセント(三ヶ月)号』も生き残っているようであった。
この建物が完成した時、この建物のPRRの記念的な性格を損なうことなく、気品の良く機能的なレイアウトは利用する人々により高い効率とコミュニケーションの取りやすさを提供するように設計されていると評されたと云う。
それに、私には理由は良く判らないのだが、非常時の対応として、寺院・死後処理・3000平方フートの病院などのスペース、それに小型飛行機の発着可能な屋上スペースが準備されていたと云われているが、あの世界第二次大戦中には大いに役だったと伝えられているとの説明には疑問が残った。
さて、何と云っても最大の特徴は掘り割り地形を利用した地下に設けられた線路とプラットホームの上に駅舎が建てられて居ることであり、北のBostonからNew York を経て、南のFloridaへ、東のAtlantic Cityから西のchicagoへと四方向との同時に発着する長距離列車の取り扱いが容易に出来るようになっていた。
この駅が作られてから20年過ぎた1952年になって、PRRでは世界第U次大戦で欧州や太平洋戦線へ出征したペンシルバニア鉄道人 54,000人の中で、遂に帰還しなかった 1,309人の男女の栄誉を讃えるための顕彰碑 “the Pennsylvania Railroad War Memorial (1950)”をコンコースに祭ったのだった。
この駅にやって来たAmtrakへの旅人が最初の入り口を進んで、直ぐ見つけて見上げるのは星条旗に守られた高さが39フィートもあるブロンズ立像なのである。こては、大天使 ミカエルが 戦って命を落とした兵士の体を抱きかかえて天国へ運ぼうと情報に向かって飛び立とうとして、あの偉大な翼を羽ばたかせている瞬間を表していた。そして石造りの台座の四方面は名誉ある戦死を遂げた兵士の名を刻んだプレートが取り付けられていた。この作品はアメリカの著名な彫刻家 Walker Hancockさん(1989没)の手で制作された傑作であると云う。
この写真は私の撮ったものではない。それは、私の腕では、この作品の美術性を余すところ無くの表現することには いささか自信が持てなかったから、当地の公共美術館の専門家による写真が提供されていたので転載したことを白状しておこう。
撮影:1981年
発表:「レイル」誌・1985年冬の号
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・フィラデルフィア鉄道紀行(ペンシルバニア州)リンク
125. Reading 鉄道 “Rocket” (フランクリン科学博物館)
126. Baldwin aD 60000. (フランクリン科学博物館)
134.
フィラデルフィア 三十番街駅を訪ねて