歯は体の一部である
歯は口腔内領域の末端組織です。
要するに生体の一部なのです。
普段あなたの歯を治療している歯科医師は、歯をどのような物として考えているでしょうか?
歯科医師の中には、歯を生体として見ていない人が大勢います。
「歯は単なる物質でしかない」とでも考えないと、いとも簡単に歯を抜いたり、神経(歯髄)を取ったりすること(抜髄)はできないはずです。
歯髄の中には感覚器官も存在するため、一般的には神経と呼ばれています。
しかし、実際には読んで字の如く「歯の骨髄」であり、直ぐに取り外しができるような単なる部品ではありません。
歯の内部を殺菌したり、歯の内部に栄養を運んだりもしてくれる、歯にとっては非常に重要な器官なのです。
歯髄が存在していれば、再石灰化(歯の再生作用)や、歯髄反応などの生理現象が起こります。
生きている歯には、多少の回復作用があるのです。
もし自発痛が無いのなら処置を急ぐ必要はありません。
経過観察も立派な治療法なのです。医科の治療を思い浮かべてみれば、すぐ理解できると思います。