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更新日 2020-02-16 | 作成日 2020-02-16

専門家の書いた文章は読みづらい



 一般人向けの様々な雑誌などに、専門家が文章を掲載していることがあります。


 そこに書かれている内容を、どれだけの方が細かく理解できているのでしょう?


 最近は一般誌にも歯科について書かれた内容が載ることが多くなってきました。


 ところが、日本人のデンタルIQは思ったよりも上がっていません。


 私もたまに一般誌に載っている歯科関係の文章を読んでみることがあるのですが、なんと言っても文章を理解するのに、労力を要するのが問題です。


 簡単に言うと複雑な理論や専門用語を組み合わせて書いてあるので、読むこと自体が疲れるということです。


 専門家が読んでもそうなのですから、一般の方が読んでしっかり理解できているのかどうか、個人的には疑問を持っています。


 また一般人向けに書かれた本も出版されていますが、それらの多くも同様です。


 読んでいるうちに飽きてしまい、途中で読むのを止めてしまったり、読み飛ばしたりしてしまった方はいないでしょうか?


 なぜそのようなものが多く書かれるのでしょうか?


 歯科医師に限らず、専門家というものは物事を説明する時に、どうしても「自分は専門家である」ということをアピールしてしまいます。


 「自分はこんなことを知っているんだぞ」というような、専門的な内容を書いてしまう習性があるため、逆に一般人には理解しづらい文章になってしまいます。


 本人がどこまで考えているかはわかりませんが、知らず知らずのうちに「専門家が書いている」ということを主張してしまうため、つい難しい文章を混ぜてしまうのではないかと、私は推測しています。


 専門書に書くならばともかく、一般雑誌に載せる内容はもっと簡潔に書いた方がよいのではないでしょうか?


 しかし、簡単に書こうとするとどうしても、多少は事実と異なる内容が書かれてしまうことがよくあります。


 でも理解するのが難しい文章を書くよりも、ある程度のニュアンスが伝わる簡単な文章を書いたの方が良いのではないでしょうか?


 親が子供に対して説明する時は、絵本を見せたりしながら「虫歯さんが来ちゃうよ」とか、いろいろな例え話をして教えていると思います。


 それと似たようなものです。


 日本人のデンタルIQは、世界各国の方々と比較すると圧倒的に低く、大人であっても歯のことをよくわかっていない人ガ数多くいます。


 大人になってから歯についての知識を勉強しようとする人が少ないのです。
 子供の時に聞いた歯の知識しか知らない大人にレベルの高い説明をするのは、数字を知らない人に足し算を教えるようなものです。歯の構造を知らない人に、治療方法の話をしても理解できません。


 だから大人向けの雑誌だからといって専門的にはせず、最初は漫画で説明するとか、素人言葉で説明するとか、いろいろ工夫した方がいいのではないでしょうか?


 そうでもして底上げをしないと、日本人のデンタルIQはなかなか上がらないような気がします。


 専門家の一員である歯科医師や歯科衛生士自身も、説明の方法をもっと勉強すべきだと思います。