歯磨きをする時、血が出ませんか?
歯磨きの時に歯肉から出血する人はいませんか?
なぜ血が出るか考えたことはありますか?
別に歯肉に傷ができているわけではありません。
出血するのは、体の自己防衛作用の一種です。
大まかな仕組みは下記の通りです。
歯の周りに汚れが付くと、体がその汚れを撃退しようとします。
最初は汚れを唾液で押し流そうとしますが、唾液で流しきれない汚れが滞在し始めると、体はその部分の細菌と戦うために白血球、すなわち血液を集めようとします。
しかし、何もないところには血液を流すことができないので、体としては、一時的に歯肉を増殖させることになります。
その歯肉の中には毛細血管が多く作られることになり、当然血流量が増えます。
歯周病の症状が進んでいくと、通常ピンク色である歯肉の色が、だんだん赤くなっていくのはこのためです。
このような部分は、上手くブラッシングができていないため、体が代わりに治そうとしている、という状態とも言えます。
歯肉には皮膚組織がないので、粘膜がそのまま露出しています。
そのため、歯磨きをした時などに歯肉を触ってしまうと、簡単に毛細血管が破れてしまい、その結果出血してしまうということになります。
このような理由から、当然歯に付いている汚れ(歯石等)の付き具合によって、出血量は変化します。
汚れが多ければ多い場所ほど、体がその部分の細菌を退治しようとして、白血球を送り込むために、毛細血管が多く存在することになります。
だから出血量が多ければ多いほど、歯の周りの汚れが付いていたと言えるので、歯周病の症状が進んでいる証拠にもなります。
歯周病治療の際の歯石除去等をする時は、このように症状が進んでいる(汚れている)場所を特に念入りに処置することになります。
当然、歯周処置をする際には、数多く存在している毛細血管が破れてしまうことになるので、処置後に口の中が血だらけになってしまうことがあるのです。
同様に、歯みがき時に出血が出るということは、その部分が汚れている証拠でもあります。
そのような部分をしっかり磨くことができたり、しっかりとした歯周病治療を行うことができれば、血液の出番が減ることになるので、徐々に毛細血管の数が減っていきます。
その結果、歯肉の増殖も治まって歯肉が引き締まっていくことになり、治癒に向かっていくことになります。
ですから、出血が出る場所ほど、丁寧に磨くことが重要と言えます。