骨吸収について
歯槽骨の骨吸収については、いくつか理由があります。
歯槽骨の骨吸収とは、簡単に言うと、歯の周りの骨が溶けていく現象のことです。
骨が溶けていくからと言って、イコール病気、と決め付けてしまうのは早計です。
まずは原因を探りましょう。
歯槽骨が骨吸収を起こすのには、当然理由があります。
有名なのは歯周病。
歯の周りに汚れが溜まってしまい、重い歯周病になると、結果として骨が拒否反応を起こし、溶けていってしまいます。
次に、矯正治療時の骨吸収。
様々なテクニックを使って歯を動かすのですから、逆に骨がガチガチの状態のままでは、歯の位置は移動しません。
適度な圧力を加えることにより、骨吸収を誘発するのです。
したがって、圧力が無くなれば、周りの部分の骨は再生を始めます。
しかし、過度な圧力をかけてしまうと、骨吸収ではなく、逆に歯根吸収が起こってしまうこともあります。
もう一つは、かみ合わせがキツイ時や、歯ぎしりがキツイ時などに、骨吸収が見られることがあります。
矯正治療時に圧力をかける時に状況が似ていますが、この場合は自分でかむ度に圧力をかけてしまっているので、延々と圧力はかかったままです。
あまり放置しすぎると、歯に動揺が見られたり、痛みが出てきたりする場合もあります。
早急にかみ合わせ等のチェックをしたほうがいいかもしれません。
最初のケースと、二番目と三番目のケースでは、同じ骨吸収に見えても、多少の違いがあります。
歯周病のケースでの骨吸収は、細菌感染によるものなので、骨が溶けると同時に、歯肉と歯根を繋ぐ繊維質の細胞が無くなってしまいます。
しかし、細菌感染が原因でないケースでは、この細胞がそのまま現存していることも多いので、骨が再生する条件が整っている場合が多くあります。
歯周病が原因の時は骨が完全には復活しないのに、矯正治療時などには骨が復活するというのは、このような理由です。
歯に動揺を伴う、似たような症状であっても、深層では症状が異なるケースも比較的多いのです。