根尖性歯周炎の自浄作用と感染根管処置
根尖部に汚れがはみ出して(根尖病巣ができて)いて、その汚れの出口が封鎖されている(歯の上部が被せたままの状態になっている)と、体の自浄作用により、汚れを体外に出そうとする働きが起こります。
根尖部に繋がる歯槽骨の一部が、外側に向かって溶けはじめるのです。
その頃になると、汚れ自体は白血球などの作用もあり、膿などに変化していて、少しずつ圧迫痛が増えてくるはずです。
そして徐々に骨が溶け、外部に到達しそうになると、その出口付近の歯肉が少し腫れるようになってきて、真ん中あたりに穴が開き、膿などが溢れ出すこともあります。
そのような状態になると、それまでは逃げることができなかった圧が抜けることになり、圧迫痛が無くなるわけです。
しかし、当然汚れの原因は残っているため、根管治療(根管内の消毒)などで原因を除去するまでは、痕跡が残ることも多くあります。
そのような場所には血液が多く流れているため、触ってしまうと出血しやすくなりますが、汚れに対して血液が戦っているという証拠でもあるので、あまり気にする必要はありません。
根管治療を行うことにより、根管から汚れを除去する処置を、感染根管処置と言います。
根尖病巣を除去するためには、かなりの手間暇がかかるので、このような状態になってしまった場合、根気よく根管治療を続ける必要があります。
このような状態になってしまう全ての原因は、大元を辿ると、歯髄を除去してしまい根管内の自己防御機構を無くしてしまったから、だということは、言うまでもありません。