良く出来たマニュアルというのは考え方を系統的に知るのに非常に便利なものです。マニュアルがないと、色々な事柄を自分なりに理解し、自分の頭で組み立てていかねばならないから、時間が沢山必要になります。
死活を解くマニュアルがあったらいいと思ったことはありませんか? 図書館で囲碁の本を見ていたら、それに近いと思われる本がありました。そこで、その本を参考に、自分の考えも付け加えながら死活を解くマニュアル(に近いもの)を作ってみました。
死活を解く場合、上級者は多くの場合感覚によっている場合が多いですが、解き方を系統的に示すことが出来れば、初心者、初級者が死活を解く大きなヒントになり、死活の力をより速く付けることが出来ると思います。そして、キーワード化がされていれば、記憶がしやすいはずです。
つまり、上級者が無意識に行っている思考方法を、キーワードにより、自分のものに出来るように作ったつもりです。
参考図書 碁スーパーブックス「キーワードで解く初歩の死活」
著者 小坂 秀二さん
発行 日 本 棋 院
囲碁入段シリーズ「詰碁を解くカギ」
解説 橋本宇太郎九段
発行 山 海 堂
<死活の三大原則> まず、実戦では、生きる方法が色々あることを認識すべきです。生きるとは、眼を持って生きるものだと考えていると、効率の良い打ち方は出来ません。なぜならば、眼を持つということは、その手自体「地を作る手」としては小さいからです。 格言「 目作りより中央志向」参照 A.自石との連絡(相手の石の切断)をする。 置碁などで、黒は中央に向かえ、と良く言われるのはこのことを言ってます。 中央で自石ががっちり手を握れば、眼を作ろうと思わなくても自然に出来ているし、 相手の石は眼を作ることを余儀なくされます。 B.相手の石を取って生きる。 自石との連絡が出来ない(切断された)場合は、自石の眼を作ることを考える前に、 相手の石の死活を考えて、攻め合いにしたりして、相手の石を取ることを考えます。 C.AもBも不可能な時に限り2眼を作る。 置碁の下手は、最初から「2眼を作って生きる方法」を考えることが多い。 これは一番損な活き方であることを認識し、ABを優先して考えます。 |
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<活きの基本要素> リンクが張ってある言葉が死活のキーワード 1.広さ 生きる為にはまず、 広げる ことを考える。 殺すためにはまず、狭める ことを考える。 基本は「広さ」を優先して読む。 「広さ」を優先して読んでも手が見つからなかった場合⇒2以下の観点で読む。 以下の21のキーワードの内、 無印は「キーワードで解く初歩の死活」から引用し、 ※印は上記に無くて、「詰碁を解くカギ」に掲載されたものなので、初級の人は 場合によっては、※印のものは読み飛ばしてもよいと思います。 2.形の急所 広さを確保した上で、眼形の急所に打つ。 @ 目の形 A 欠け目 B 左右同型 ※ C 三目の真ん中 D 形の急所 E コスミ ※ F ツケ ※ G オキ ※ H サガリキリ ※ I ハネ一本 ※ J 隅の急所 2の1 K 隅の急所 2の2 L 中手 M 隅のマガリ4目 3.石を取る @ 攻め合い A オイオトシ B ウッテガエシ C オシツブシ D ダメヅマリ 4.石を取らせる @ ホウリコミ ※ A 2目にして捨てる B 石の下 |
<練習問題 初級>
死活問題30問 をキーワードを探りながら、解いてみて下さい。
<練習問題 中級>
死活問題155問 をキーワードを参考に、解いてみて下さい。
***** これらの問題が難しすぎるという人へのメッセージ *****
「死活問題をやると読みの力がつく」とよく言われます。
もう少し、「読みの力」という意味を分析すると、
1.石の形の急所を見つける力
2.急所が実際に有効かどうかを実証するためのイメージ確認力
もう少し具体的に言うと、盤上に石を置かなくても、盤上の変化をイメージする力
の2つに分けられます。
そこで、これらの問題が難しすぎるという人への、この2つの力の養成ですが、死活問題の解き方を
回答を先に見て、記憶し、問題図に戻って、盤上に石を置くことなく、回答を頭の中でイメージする |
「キーワードで解く初歩の死活」の中に死活に関する格言が掲載されていました。
全て、私のHPで取り上げていますので、参考になれば開いて下さい。
死はハネにあり
2の1に手あり
ダメのツマリが身のつまり
眼欠きの筋は急所なり
六死八生
左右同型中央に手あり
敵の急所は我が急所
以上ですが、上記以外で死活関連の格言には下記があります。
死活はまず広さ次に急所
ハネもフトコロのうち
大石死せず
隅のマガリ四目は死