小田原建築探偵   
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別府湯煙旅情〜幻のビルマ館 万博遺跡 蟻地獄15


こちら側は割れてしまっているが竜の目
が少しだけ残っている。

近くで見ると見上げる位大きい。付近の
家は竜より後に建てられたと思われる。


建てる時、竜の事は気にならなかったの
だろうか?


竜の近くで道路の掃除をしていた、おじいさん
との会話。相当、昔からこの地に居そうに見
えた、おじいさん。きっと竜がやって来た時の
事など覚えていらっしゃるだろう。


「すいません。お尋ねしたい事があるのですが...」

「あぁ、良いですよ。何ですか?」

「あそこにある、竜の事なんですが...」

「あ?」

「あそこにある、竜の事でお訊きしたいのですが」

「竜?竜って何の事だ?」

(竜は、おじいさんが掃除していた場所の直ぐ
裏にある。)

「ほら、あそこに草が絡まっているけれど竜が
二頭あるじゃないですか」


「ああ、あれは大阪万博の時のものをこっちに
持ってきたみたいだ。」なんて答えを予測して
いた。訊きたいのは、その詳細だった。

何故、竜が此処に居て、どんな風に存在して
きたのか?


「竜って何の事だ?」と返されては...困る。

まさか...。

こんなシーンに幾度か遭遇している。

まさか...。

「訊いてくれるな...。」おじいさんの表情の奥から
は、そんなビームが放たれていた。


何故に?....。


「わしゃ、○○○会(有名宗教団体)じゃ。」


「えっ?私が訊きたいのは竜の事であって...」


おじいさんが、どの宗派に信心しているかを
知りたかった訳では無い。


それ以上は「訊いてくれるな」ビームに邪魔
され尋ねる事は出来なかった。


おじいさんは、あそこにある竜の事を心良く
思っていないのではないか?ある理由で..。


それは一体どんな理由なのだろう?やっと
出会えたビルマ館の一部。また新たな疑問
が沸いてきた。


過去の訊いてくれるな その1
過去の訊いてくれるな その2

と言う事で、今回”訊いてくれるな”の3回目
となった。

 
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