小田原建築探偵   
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別府湯煙旅情〜幻のビルマ館 万博遺跡蟻地獄14



男は恐る恐る妻に切り出した...。

「見つかったんだ...やっと...。」

時は深夜。妻は前日の朝刊をめくって
いた。あと数時間で次の朝刊が来る時
間である。


読んでいた新聞から顔をあげ、おもむろに

「やっと見つかったって 今度は何が見つか
った訳?どうせ、又くだらない物でしょ」


「ははは..良く解ってらっしゃる。その通り。
その、くだらない物を見に行きたいんだ。
九州に....飛行機乗って...直ぐにでも...」

「九州って あの九州?」
「そう あの九州。大分。別府。」

「そのくだらない物は貴方が、わざわざ九州迄
行かなければならない程くだらない物な訳?」

「そうなんだ。俺が行かなければならないんだ。」


数日後、男は大分行きの機中の人となって
いた。天気も上々。富士山クッキリ。念願の
ビルマ館の一部を確認する旅に出た。


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