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悪魔の兵器「核兵器」である「原子爆弾=原爆」を以下に概説します:
広島平和記念資料館作成「平和記念資料館学習ハンドブック」および長崎原爆資料館作成「長崎原爆資料館学習ハンドブック」より抜粋、利用させていただきます:

原爆の原理
 物質を構成している原子の中心にある原子核を人工的に壊すと、大量のエネルギー(高い熱や人体に危険な放射線)が放出されます。原子核が壊れることを「核分裂」といい、この核分裂がごく短い時間に次々と広がると、瞬間的に非常に強大なエネルギーを生み出します。このエネルギーを兵器として利用したのが原子爆弾(原爆)です。
 
 原爆の研究はドイツで始められましたが、直ぐにアメリカでも行われ、1942年(昭和17年)には、実際に原爆をつくるための準備が始められました。これは「マンハッタン計画」という暗号名で呼ばれ、多くの費用を使って秘密のうちに進められました。そして、1945年(昭和20年)7月16日、アメリカ・ニューメキシコ州のアラモゴードの砂漠で、人類史上初めての原爆の爆発実験が行われました。
 なお生身の十数万の人間を対象に同年8月6日広島市、そして9日長崎市に投下した原爆の威力が画期的な兵器であることが実証されたことで、アメリカを始めいくつかの国々が更に強力なものとすべく研究がすすめられて行きました。このような原子力の活用による兵器を総称して「核兵器」といいます。
 この原爆の「核分裂」反応を制御棒を介して大幅にゆっくりとさせることにより、得られる強大なエネルギーで大量の高圧スチームを発生させ、そのスチームで大型のタービンを回し、それに直結する発電機を回転させることで多量の電力を発生させるのが原子力発電です。おおもととなる原理は基本的には原爆と同じと考えても差し支えありません。

広島型原爆と長崎型原爆
 原爆を爆発させるためには、ある一定量(臨界量)以上の核分裂物質が必要となります。
 広島の原爆は、細長い金属の筒の両端に核分裂物質・ウラン235を臨界量より少ない、2つのかたまりに分けて入れ、火薬を使い臨界量以上に合体させるガン・バレル(砲身)方式と呼ばれるものです。
 長崎の原爆は、核分裂物質・プルトニウム239を火薬で取り囲む形で密閉し、火薬の爆発力で中心部の核分裂物質を圧縮し、臨界量以上に合体させるインプロージョン(爆縮)方式と呼ばれるものです。



 一般にコストを抑えて二つの類似品を作る場合は、同じ設計図で同一のものを作るのが有利です。戦費が掛かる戦争さ中でなぜアメリカは2種異なる原爆を作り、広島市と長崎市に使い分けたのでしょうか。その答えは「人体実験」だからです。2種の異なる原爆を作りその破壊効果を比較する実験であったからです。国際法でも許すことができない生身の民間人を使った「人体実験」を行うがためのものでした。


爆心地から同心円で見る広島市


爆心地から同心円で見る長崎市