ロジン岩の色々
蛇紋岩地帯の沢には様々な岩石が転がっています。その中で特徴的なものの一つが、ここで紹介する「ロジン岩」と言われるものです。蛇紋岩は千差万別ですが、ロジン岩も千差万別で面白いものの一つです。
蛇紋岩地帯の沢へ行ってみると、灰乳白色の岩石が転がっていることがあります。一番多いパターンが以下の写真1のようなものです。
(写真1:沢にある状態)
写真1の状態のものは硬くはなくて、ハンマーで叩くとボロっと割れます。石膏ボードみたいな感じといえばわかるでしょうか。
(写真2:ロジン岩の露頭)
ロジン岩は、蛇紋岩の中にブロックで入っています。このようにロジン岩のブロックがゴロっと出ている状態が多いです。ロジン岩がある所の蛇紋岩体(日高・平取・穂別・夕張など)は、地殻変動でボロボロになっていることが多く、沢で見られるものは、周囲の蛇紋岩が先に風化等で崩れてしまって、ロジン岩が残ってしまった状態が多いです。蛇紋岩の中にしっかり入っている状態も見ることはできますが、数は少なかったです。
ロジン岩は、蛇紋岩の元岩がダナイト、単斜輝石を多く含むかんらん岩(ウェールライト、レルゾライト)、単斜輝岩がある所に多く見られ、そのような所には、だいたいクローム鉄鉱がたくさんあってクローム鉱山跡があるので、ロジン岩探しではクローム鉱山跡地へ行くことも多いです。
ロジン岩とは
ニュージーランドのDun山(かんらん岩の一種「ダナイト」原産地。Duniteの名前の由来となった山)で発見された岩石で、カルシウムとマグネシウムの珪酸塩鉱物の集合体です。ロジン岩の生成について、一つは以下のようにされています。
「地下深くにあった蛇紋岩が、地殻変動により地表へ向って上昇してくる過程上、その経路上にある岩石が蛇紋岩中に取り込まれていきます(捕獲岩という)。その後、その捕獲岩がロジン岩化作用を受けロジン岩になります。」
ロジン岩の生成について詳しくは知りませんが、一般的に言われているものは、かんらん岩から蛇紋岩に変質する際、カルシウムが余り(かんらん岩を構成するがんらん石や輝石はカルシウムを含むが、蛇紋石はカルシウムを含まないため)、蛇紋岩体内に取り込まれた岩石や周囲の岩体にカルシウム分が供給されてロジン岩になる。というものです。
以下に、私が採集した色々なロジン岩を紹介します。ロジン岩は千差万別なため、一般的なロジン岩(写真1)と比較して特徴的なものを採集してきています。ここで紹介するのは、フィールドにあるロジン岩のほんの一部に過ぎません。
色々なロジン岩のサンプル
徐々に更新していけたらよいな。