蛇紋岩に伴われる様々な岩石を探す

蛇紋岩は、元々マントルの近くにあったかんらん岩に水が作用し変質してできた岩石と言われています。蛇紋岩の生成は地下深くで行われるらしいのですが、現在地表にあるわけで、長い時間をかけて地上まで上がってきたらしい。蛇紋岩は巨大な岩体として地下深くから地上に移動してくるようです。その過程で、周囲にある岩石を巻き込んで、グチャグチャになって一緒に地上までくるので、蛇紋岩がある所には、色々な岩石や鉱物が出てきます。概ね地味なものばかりですが、私は、地味ではるが実に多様であるその石たちが、面白く感じられます。





日高 神居古潭帯の石:単斜輝岩(clinopyroxenite)

ほぼ単斜輝石の結晶からなる岩石。結晶は数ミリ大。結晶の劈開が明瞭で光を良く反射する。結晶は細長くない。単斜輝石は結晶系が単斜晶系である輝石がまざっている時の呼び名です。単斜晶系の輝石は、色々な割合で混ざって固溶体になっているので、こうした緑色の輝石は単斜輝石と呼ぶことが多いです。単斜輝石として一番目につく鉱物は「透輝石」です。神居古潭帯の単斜輝岩は蛇紋岩化・ロジン岩化の影響を強く受けていることが多く、生成当時の透明感を失っていることが多く残念。