トロニエム岩 trondhjemite (多度志町)
採集日:2003年くらい
採集地:多度志町
地理的には多度志町なのですが、幌加内地域内に入れておきます。
多度志町幌内にあるトロニエム岩の露頭で採集したものです。露頭は新鮮な部分が少なく、これはわりと新鮮だった部分のものですが、ボロボロです。
トロニエム岩は、花崗岩の仲間です。花崗岩と異なる所は、斜長石が非常に多くて石英が少なく、斜長石と石英の隙間に黒雲母がちょびっと入っている点です。色指数が0〜10なので、真っ白かそれに近い御影石のような石です。
真っ白の部分が斜長石、灰色の透明感のある部分が石英。隙間を黒雲母が埋めています。ここのトロニエム岩は、斜長石の多くが自形結晶(四角形に見える)のが多い印象です。
こちらは風化したものです。真っ白な斜長石の自形結晶粒が残って見やすいです。隙間を埋めていた黒雲母は風化してしまって、錆びたようにボロボロになってしまっています。
真っ白な斜長石の自形結晶粒が折り重なっている様子がわかります。所々に石英の粒があって、隙間を隈なく黒雲母が埋めています。ただ、埋めていた黒雲母は風化してしまって、核が黒く残っていますが、周囲は錆びたようにボロボロになってしまっています。
色指数:
火成岩分類の基準の一つで、有色鉱物がどのくらい含まれているを百分率で表わしたもの。例えば、ここのトロニエム岩の0〜10というのは、黒雲母や角閃石が0〜10%含まれるとなる。この割合は、石全体に対するモード測定で行われることが多い。
モード:
岩石内に、各鉱物がどのくらい含まれているを表わしたもの。
例えば、下の写真のようにグリッドを当てて、グリッドが交差している所の鉱物が何かを調べる。左側10列でみてみると、全ポイント数:180。長石:126ポイント、石英:40ポイント、黒雲母:14ポイント。この時の有色鉱物の割合は、14/180×100=約8%。色指数8 となる。
参考文献:空知の自然を歩く