透閃石ロジン岩 tremolite rodingite (平取)
採集日:2003/05/18, 2008/09/20
採集地:平取町
平取の沢で拾ったロジン岩です。透閃石と思われる角閃石がたくさん入っているので、透閃石ロジン岩と、勝手に命名です。
薄緑色の斑晶が入っており目を引きました。白いロジンの中にブツブツと緑色の鉱物が入っています。見た目に、輝石か角閃石のような感じを受けますが、これは角閃石だと言えます。
ロジン岩化作用の温度は、雑誌を見ると、400℃とか450℃とか書かれています。このくらいの温度で変質作用が起こると、輝石は蛇紋石や角閃石になってしまうように思えます。また、地表に上がってくるまでの間に水というか熱水が作用しているので、なおのこと輝石は存在しづらくなり、蛇紋石や角閃石になってしまっていると思われます。
ロジン岩はかんらん岩から蛇紋岩に変質する際に放出されるカルシウムの行き先の一つと言われており、カルシウム分に富んでいます。そのため、ロジン岩に含まれる角閃石は、カルシウム角閃石になるのが自然だと思え、色味から「透閃石」ということにしています。
これと似たような岩石を、以前に一度論文で見たことがあります。同じように白い岩石に緑色のツブツブが入った石でした。分析結果によれば角閃岩で、斜長石も少し入っているということでしたが、これとは違いそうです。
表面は水と空気に触れていたせいかボロボロです。でも、新鮮なロジン岩だった頃の痕跡を残しているようです。ロジン岩になる前の岩石は何だったのでしょう。角閃石だけが、こうしてハッキリ見て取れるロジン岩は初めて見るように思います。面白い石だなと思います。a