蛇紋岩(じゃもんがん) serpentinite (日高)

採集日:2008/05/18
採集地:日高町

日高には蛇紋岩は普通に見られます。見た目は色々ですが、ここのものは、地下から上がってくる時に激しく変動したようで、ボロボロです。穂別の坊主山などもそうですが、そのような所にある蛇紋岩は、テカテカと光っているのが多いです。蛇の鱗のような質感がわかるでしょうか。蛇紋岩の多くは磁鉄鉱やクローム鉄鉱を多く含み、真っ黒なことが多いのですが、これは、鉄分が少ないのか、蛇紋石も色が薄くて透明感があるので、ヌメり感がある方です。
土木工事に嫌われる蛇紋岩ですが、この石は地下から様々な石を取り込んで地上にもたらし、蛇紋岩が露出している地域では、色々と面白い石があるのです。また、蛇紋岩ほどに様々な表情を見せる岩石はないのではと思います。

☆★ 沢での産状 ★☆

下側のしわしわの青緑色の部分が蛇紋岩です。ここはボロボロの蛇紋岩地盤です。その上に沢の堆積物がこのようにのっかっていて、非常に崩れ易いところです。

☆★ 色々な蛇紋岩 ★☆

ここで見られる色々な蛇紋岩を紹介します。

片状蛇紋岩
面白い蛇紋岩の一つです。暗緑色の蛇紋岩に無数の白ないし緑の脈が入っています。蛇紋岩内の脈は蛇紋石である場合が多いのですが、これは透輝石です。地殻変動でボロボロにされた蛇紋岩にカルシウムに富んだ熱水が流れ込み、近くにあったロジン岩と反応して、透輝石を沈殿させたのかもしれません。透輝石は肉眼で見える結晶にはなっていなくて、織物構造の微細結晶の集合体で緻密です。

透輝石脈を持つ蛇紋岩
面白い蛇紋岩の一つです。暗緑色の蛇紋岩に無数の白ないし緑の脈が入っています。蛇紋岩内の脈は蛇紋石である場合が多いのですが、これは透輝石です。地殻変動でボロボロにされた蛇紋岩にカルシウムに富んだ熱水が流れ込み、近くにあったロジン岩と反応して、透輝石を沈殿させたのかもしれません。透輝石は肉眼で見える結晶にはなっていなくて、織物構造の微細結晶の集合体で緻密です。