ロジン岩 rodingite (日高町)
採集日:2008/09/20
採集地:日高町
このタイプのロジン岩は、日高や平取の沢で時々見かけます。白い部分の割合は色々です。日高ヒスイ系の石かと時々間違えることがありますが、白い部分には、クロムスピネルの黒粒がたくさん含まれており、元々蛇紋岩だったものがロジン岩になったことが予想され、また、緑色の部分は柔らかくて輝石ではないので、日高ヒスイ系の石とは異なります。
このロジン岩が落ちていたのは岩内の沢ですが、岩内岳のかんらん岩とは関係ないです。岩内岳かんらん岩体はロジン岩を伴わないようです。もっともっと上流の蛇紋岩体から出てきたものでしょう。上流の蛇紋岩体は、他とちょっと違っていて、高温で蛇紋岩化した蛇紋岩が分布しています。
蛇紋岩化及びロジン岩化した際に、強い力がかかったようで、破砕され変形していますが、ロジン岩化の際に固まってしまって、現在はコチコチです。
通常の蛇紋岩より緑色が強いですが、これは、アンチゴライトと呼ばれる蛇紋石の一種で出来ている可能性が高いです。アンチゴライトは、蛇紋石の中でも高温域(300℃〜500℃)で生成されるものです。ちなみに、かんらん石から蛇紋石に変化する温度は、600℃より下です。これが出てきた蛇紋岩体が高温状態で出来たものなので、アンチゴライトの存在はおかしくないのです。
地下深く、まだ、かんらん岩が熱い時、水に触れて変質破砕されながら、蛇紋岩になりロジン岩になっていったようです。
参考:日高山脈館2010年第二回ネイチャーセミナー資料、講師の方のお話。