緑閃石(りょくせんせき) actinolite (三石)
採集日:2006/07/19, 2007/05/12
採集地:新日高町
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緑閃石です。僕が子供の頃は「陽起石」とも言われていました。英語ではアクチノライトというので、アクチノ閃石という場合も多い。
数cm〜10cmくらいの緑閃石の結晶が絡み合っている角閃岩です。新日高町には大きな結晶の角閃岩があり、角閃石の結晶を観察するには良い所ではないかと思いました。
風化が進んでいてボロボロな分、結晶が分離しやすくなっています。
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これは10cm以上ある単結晶です。崩れやすいので優しく扱わねばなりません。
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これは数cmくらいの波状結晶で、時々、こんなのを見かけます。ここまで緑色だと緑閃石らしく見えます。
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結晶の間は、板状の鉱物で充填されています。これは、その板状の鉱物が大きい結晶になっている部分です。雲母のようにペラペラ剥がれますが、弾力がなく、すぐ割れてしまいます。角閃石は板状になる場合もようで、これもそうではないかと思います。中には、変質して緑泥石になっているものもあるようです。
これに似た鉱物で「透閃石(tremolite)」というのがあります。透閃石と緑閃石は成分の違いで呼び名を変えています。鉄分の差でしかなく、鉄分が少ないと白っぽく透明に近づき、透閃石と呼ばれ、鉄分が多くなってくると、緑色〜青黒っぽくなってきて、緑閃石と呼ばれます。フィールドでは、色の違いで、こんな感じかなぁ〜、で良いと思います。正確に同定する場合は、成分分析するしかないような。。。
こんなに緑色っぽく長細くて大きな普通角閃石は見たことないので、また、三石は緑閃石を産するため、たぶん、緑閃石だろうと思っています。分析すると、実は、緑色の普通角閃石かもしれません。個人レベルでは分析は難しいので、夢を持って緑閃石としています