「郷土誌あさひかわ」に2007年6月から投稿しています。思いがままのテーマで書き綴っていますので気楽にお読みいただければ幸いです。
 12年7月号が発行されました。

      三角乗り
 三角乗りとは、大人用の自転車を子どもが乗る時に使われた言葉で、今は死語になってしまったと思う。
 我が家で自転車を購入したのは、私が小学校四年生の時だった。
 真新しい黒くて実用自転車を父から借りて乗る練習をした。自転車の三角フレームの中に片足を突っ込んでこぐのだが、最初はなかなか上手くいかず、転んでは重たい自転車を起こすのがやっとだったと記憶している。
 昭和三十年代に自転車がどんどん普及し始めたが、当時、私の田舎では子ども用の自転車は誰も持っていなかったと思う。旭川では、けっこう有っただろうが、子ども達はあえて大人用を乗ったという話しを聞 
いたことがある。そのほうがカッコ良かったとか。
 中学の三年間は、夏は自転車通学、冬は徒歩で、時々きれいに排雪されている鉄道線路も利用したものだ。
 娘に補助車付きの自転車を買い与えたのは四歳の時だった。始めは補助車が地面に付いて自転車が斜めになって走っていたが、程なくして、スイスイと走れるようになった。そうなると娘は「格好悪いから補助車を取って」と一人前の顔で言っていた。
 私が、今日自転車を趣味にして乗り続けているのは、子どもの頃の「三角乗り」の思い出と中学の自転車通学だったことが大きく影響していると、勝手に思っている。最近では、当時の重たい自転車からは想像もつかないような軽量で丈夫な自転車が、うん十万円で売られいる世の中になった。
 
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白 鳥 秀 樹
旭川市議会議員
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