「郷土誌あさひかわ」に2007年6月から掲載しています。思いがままのテーマで書き綴っていますので気楽にお読みいただければ幸いです。
 11年10月号が発行されました。

 小さい頃の記憶
  (2011年10月号)


 小さな子どもの頃の記憶には人によって随分差があると思う。一番小さい頃の記憶が二歳の時だと言う人の話しを聞いたことがある。
 私の最も小さい頃の記憶は、小学校に入学した日だ。猛吹雪の日で、母は「角巻き」を頭から包みこみ、前屈みで吹雪に向かって進み、私はその母を盾にして、その後ろを歩いていったのを鮮明に覚えている。しかし、入学式については何も覚えていない。
 小学校に入学してからも、申し訳ないが教室での勉強の記憶はほとんど無い。学校での記憶は、運動会や学芸会、遠足と

いう非日常の行事が思い出として浮かんで

くる。また、小学校が円形で三階建という特色ある学校だったので、これには色々な記憶が蘇ってくる。一階と二階を繋ぐ中央にある螺旋階段の手すりに乗っかり滑り降りたこと。三階の体育館では、コンクリートの床で「降参相撲」をやって、よくコンクリートに頭をぶつけていたことなど。いま考えたらよく大きな怪我をしなかったものだと思う。
 怖かったという記憶には音楽室がある。音楽室の壁には「バッハ」や「ベートーベン」、「モーツアルト」などといった西洋人の顔の額が掲げてあり、見る者をいつも睨み付けているように見えたのだ。あなたはどうだっただろう。
 歳と共に昨日の事を忘れてしまう今日だが、小さな頃の記憶も徐々に消えていく日々である。

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白 鳥 秀 樹
旭川市議会議員
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