MEGA DRIVE(メガドライブ)は、SEGA(※セガ)がファミリーコンピュータ(任天堂)に対抗するために発売した家庭用初の16bitゲーム機。(1988年10月発売)
国内シェアが低迷していたマスターシステム(8bit機)から一年余りで投入された。
SEGAの家庭用ゲーム機としては5代目にあたる。
国内ではファミコン後継のスーパーファミコン(任天堂)を抜くことは出来なかったが、海外では北米向けのGENESIS(ジェネシス)が大成功を収め、シェアで任天堂を抜き去りトップに立った。
SEGAのゲーム機の中で最も成功したのがメガドライブだが、CPUに高速なモトローラ社の68000を採用していた事が要因の1つと思われる。
MEGA-CD(メガCD)は、1991年12月に発売されたCD-ROMドライブの拡張機器。
当時、PCエンジン(8bit機)で参入していたNECホームエレクトロニクスが、家庭用初のCD-ROM機(拡張機器)を展開してシェア拡大を図っており、任天堂もスーパーファミコン用CD-ROMドライブの発売アナウンスを行っていた時期で、
それらへの対抗策がメガCDと思われる。
メガCDは、CD-ROM機能の追加に留まらず、回転拡大縮小表示のハードウェア対応等で性能の底上げが図られている製品。
外観はメガドライブ本体に合わせたデザインで、フロントパネルデザイン等からおもちゃの印象は否めないが、8倍オーバーサンプリング採用など基本は押さえてある。
機能的には、”メガドライブ+メガCD”がメガドライブの基本システムと云え、ビクターからはメガCD一体型の”ワンダーメガ”が発売された。
一体型に限らず色々なタイプのハードウェアが発売されたのもメガドライブの特徴。
※セガは通称、正式名称(当時):(株)セガ・エンタープライゼス
※任天堂のスーパーファミコン用CD-ROMドライブはアナウンスのみで未発売。
家庭用ゲーム機の購入検討をしたのは1989年末。
当時はファミリーコンピュータ、PCエンジン、メガドライブで三つ巴のシェア競争を繰り広げていたが、市場シェアはファミリーコンピュータの独壇場と云える状態にあった。
ファミリーコンピュータ
PCエンジン
メガドライブ
この結果、メガドライブが価格・性能的に良いと思われたが、ソフトラインナップの問題からこの時点での購入は見送った。
翌年、偶然ビデオに録画されていた”スーパーモナコGP”のCFを切っ掛けとして購入。
テレビに映し出された疑似3Dゲーム画面が、新しい時代のレベルを示していた。
本体は定価の半額程度で買えたが肝心のゲームは売り切れで、再販は2ヶ月後と店員に告げられた。
再販?、2ヶ月後?、のっけから特殊なゲーム流通の洗礼を浴びた格好だが、同時期から購入を始めたメガドライブ専門誌”BEEP! MEGA DRIVE”の記事等がゲーム関係の情報源として大いに役立った。
写真は初代メガドライブと初代メガCD。
右側面の四角い物はメガCDから伸びる接続コネクタ部分でメガドライブ本体はここのコネクタでメガCDと繋がっている。 又、取っ手の役割もある。
初代メガドライブのAV出力端子の音声はモノラル、ヘッドホン端子がステレオでステレオ音声でプレイするにはヘッドホン端子を利用することになる。(※ソフトがステレオ対応の場合)
初代メガCDはメガドライブ本体より高価な拡張機器で、当時はゲーム機用として異例のフロントローディング方式を採用。
セガによればCD-ROMドライブとしての精度を優先した結果で初代のみの採用。
メガCDのゲームディスクは知られているようにCD-ROMと同じISO形式で、パソコン用CD-RWドライブを使えばCD-Rにそのままデータをコピーする事が出来る。
発売当時は家庭で使えるCD-RWドライブが無い時代で、コピープロテクトを考える必要性が無かったものと思われる。
後年、試しにコピーしたCD-Rを起動させてみたところ、トップローディングのワンダーメガ2では何回やり直しても最後の部分で読み取りが出来ずに止まったが、初代メガCDは何事もなかったように正常に動いて精度の高さを実証した形になった。
写真のメガドライブ本体は、購入から19年経っているが故障は一度もない。
可動メカ部品が無いことから故障しにくいと思われる。
写真は撮影のためにコントロールパッドを外している。
こうして見るとメガCDのデザインはメガドライブ本体に合わせてある事が分かる。
メガCDの四角い部分のステッカーは ”BEEP!MEGADRIVE”誌に添付されていたメガCD用特別付録を貼ったものでメガCD本体の付属品ではない。
写真はメガCDの取付金具(ジョイントスチール板)を取り付けたメガドライブの底面。
※手前が本体の背面側。
右端のプリント基板の端子部分は拡張端子。
金具は皿ネジ一本で取り付けてある。
メガCDとは取付金具のツメとコネクタに刺さる拡張端子部分で固定される状態でネジ等でガッチリ固定されてはいない。
■ MEGA-CDの背面
メガCDはメガドライブ本体からコントロールする仕様のため、本体の端子類はメガドライブ接続用のコネクタを除けば背面の端子のみで電源スイッチも無い。
[ミキシング端子]
メガドライブのヘッドホン端子からステレオミニプラグコードで接続する端子。
メガドライブからの音(効果音等)をミックスしてステレオ音声出力端子から出力。
1)メガCDのゲーム効果音など。
2)メガドライブカートリッジのゲーム音楽(ステレオ)と効果音。
※ミキシングの音量はメガドライブのヘッドホンボリュームで調整。
※メガCDのゲームの場合、効果音などはメガドライブ本体から出力されるのでヘッドホン端子とミキシング端子を接続していないとゲームの効果音が出ない。
メガCDを接続していてもメガドライブカートリッジが優先されるため、スロットにカートリッジを挿しているとメガCDは起動しない。
※バックアップRAMカートリッジを除く。
このため、メガCDを使用しない場合はメガCDのACアダプタに通電する必要はない。
但し、この場合はメガドライブのディンプラグコード(モノラル)かヘッドホン端子(ステレオ)から音声をテレビ等に出力する必要がある。
ゲーム通販ショップから入手した初代メガドライブの中古品(箱、取説なし)。
受け取った物は外側の汚れが目立ち内部に埃が溜まっていたため動作確認の前にクリーニングをした。
ショップ側は買い取り後に外側を軽く拭いて済ましているようで気持ちよく扱うには購入後のクリーニングは必須。
起動すると最初にセガのライセンス表示をし、本体底面にはパテントのシール付。
最初に買ったメガドライブより後期の製品。
外観は同じでもコストダウン等のために内部基板のリビジョンが変わっている。
付属していたコントロールパッドはボタン周りの印刷が変わり、ボタンのA・B・Cの文字部分の赤い墨入れが無い。
本体を開けてクリーニング後に撮影。
見た目に面白いのはスロットの右側(写真では)にスライド式パワースイッチと連動して動くカートリッジのロック部品がある事。
取扱説明書に ”パワースイッチがOFFになっていないとカートリッジを抜くことができません。”とあるのは、このロック部品のL字形先端が国内版カートリッジ左側面のスリットに入り込んでいるため。
外から見えないためか取扱説明書には何のための物か説明は無い。
※取扱説明書は最初に買ったメガドライブの物。
国内版メガドライブカートリッジの例。
カートリッジの左側面にスリットがある。
本体にロック部品が有ることは国内版メガドライブカートリッジをスロットに挿した状態では外から見ても分からない。 カートリッジを挿さずにスロットのフラップを開きパワースイッチをONすれば先端が見える形で出てくる。
写真の下側にあるメインCPUは本家モトローラ社のMC68000P8。
※コネクタ下側の細長いパッケージの半導体。
寸法的に大きな半導体でカートリッジ用のコネクタと比べるとその大きさが分かる。
中古メガドライブのCPUズームアップ。
モトローラ社製のMC68000P8。
セカンドCPUのZ80(ザイログ社製)。
”BEEP!MEGADRIVE”誌のセガの広告写真を見ると、1993年1月号(1992年12月発売)からコントロールパッドが中古品と同じタイプに変わっており、この中古品のコントロールパッドが本体付属品であれば、この時期以降の製造と推測される。
最初に買ったメガドライブを比較のために開けて撮影。(1990年8月購入)
スロットの右側(写真では)にあったロック部品はGENESIS(ジェネシス)ソフトの販売店員の勧めで外したので無い。
ロック部品があるとスリットの無いGENESISソフトでは先端がカートリッジに当たって電源が入り難いための処置。
拡張端子部分のボディーが欠けている様に見えるのは、メガCD接続でカバーを外したため。
GENESISソフトをプレイするには邪魔になるため外した電源スイッチに繋がるロック部品。
プラスチック製で強度が弱く強引にパワースイッチをスライドさせれば電源が入る。
何かの拍子に電源が切れるのを防ぐために外した方が良い。
メガドライブの取扱説明書には、この仕掛け(ロック部品)についての直接的な説明が無い事から、当時、秋葉原の店員から受けた説明等を勘案すると、セガの自社製GENESISカートリッジの国内流通を阻止するための機械的なリージョンプロテクト部品と思われる。
小型化されたメガドライブ2ではこの仕掛けはコストダウンを理由に削除されたが、この頃にはソフト的なリージョンプロテクトが導入されている。
表向きは電源が入ったままカートリッジを抜くのを防ぐためとされているが、では何故GENESISには無いのかという疑問があり、それ程大事な物ならメガドライブ2で削除したのは不自然。
写真下側にあるメインCPUはシグネティックス社のSCN68000でセカンドソース品。
ジャンパ線の無い完成された基板で整然と部品が並んでいる。
中古品とは半導体部品の配置が異なる。
中央と左上のチップをワンチップ化して基板の中央に配置したのが中古品(後期製品)と思われる。
1990年製メガドライブのCPUズームアップ。
シグネティックス社製のSCN68000。
セカンドCPUのザイログ社製Z80(8bit CPU)。
M5は”マーク5”でメガドライブの事と思われる。
※CPU情報はWikipediaを参考にした。
メガドライブのACアダプタ SA-160A。
メガCDも同じ物を使う。
メガドライブでメガCDを動作させるとメガドライブ側のACアダプタの発熱量が単独動作の場合より大きくなる。
ACアダプタの型名表示を上から見た状態で、次の様にコンセントに差し込む。
対象 | 対応 | |
ACアダプタのACプラグ | 左 | 右 |
コンセントの差し込み口 | アース側 | Hot側 |
アース側とは、一般的にコンセントの差し込み口の長い方の事。
Hot側は差し込み口の短い方。
※アース側と云っても接地アースの事では無い。
※一般的にコンセントの差し込み口は向かって左側がアース側なので、ACアダプタの写真そのままの形(上下関係)で差し込めばよい事になる。
※必ずしもコンセントの左側がアース側とは限らない場合もあるので注意。
極性を確認するには検電器を使用する。(検電器はホームセンター等で買える)
尚、検電器には昔ながらのドライバー内蔵式(柄のネオン管が発光)と電子式がある。
電子式はケーブルの被覆に当てるだけで検電できる機能がある。
写真上:北米サードパーティ製の独自カートリッジの例 (ELECTRONIC ARTS製)
写真下:セガのGENESISカートリッジの例
(Sega of America製)
同じGENESISカートリッジでも、独自カートリッジはセガの物より幅が狭く、ロック部品動作の影響を受けない形になっている。
写真上:国内版メガドライブカートリッジの例
写真下:セガのGENESISカートリッジの例
(Sega of America製)
国内版は外観が異なる物でも寸法的に大きな違いはなく、幅はセガのGENESISカートリッジとほぼ同じ。
小型化され価格も下がったメガドライブ2。
(1993年4月発売)
・型名:HAA-2502
付属コントロールパッドは6ボタンタイプ。
付属ディンプラグコードはモノラル仕様。
ステレオ音声にするには別売りのステレオディンプラグコード(型名:HAA-2811)が必要。
本体形状の違いからメガアダプタの装着は出来ない。
(バルク品)
写真は複数のWeb通販ショップで見かける ”MD2 メガドライブ ステレオAVケーブル”
ショップ毎に価格は異なるが掲載商品画像が同じため同じ物と思われる。
バルク品扱いでパッケージは無い。(中国製)
”MD2 メガドライブ ステレオAVケーブル”は本物のステレオAVケーブルだが、何を勘違いしたのか音声出力の左右が逆になっている。
このためピンプラグの左右を逆に接続すれば本来のステレオ音声出力になる。
メガドライブ2のACアダプタ SA-190。
SUPER 32Xも同じ物を使う。
メガドライブ用のSA-160Aより小型で定格が異なる。
[定格出力]
DC10V/850mA
DCプラグは極性統一形。
メガドライブ用と同じでコンセントの差し込み方向に極性がある。
音の良い差し込み方向はメガドライブ用と同じ。
写真はメガドライブ専用ソフトの例。
(※メガドライブカートリッジ)
手持ちのソフトを並べて撮影したもの。
当時の秋葉原では新発売のメガドライブソフトでも定価の3割引位で購入できた。
又、発売後数ヶ月から半年後には半額近くに価格が下がっている事もあった。
基本的にケースは黒いプラスチック製で見開き形。
写真の様な形でカートリッジと取扱説明書が入っている。
例外として、規格外の形状と大きさのロックオン・カートリッジだった「ソニック&ナックルズ」の物は紙箱。
「バーチャレーシング」はケースの色がグレー。
「アドバンスド大戦略」の分厚い兵器マニュアルはケースの外に添付してあった。
サン電子製の例。(写真右側)
初期の物はセガ製より小さく開く方向も逆になっていた。
大きさはカートリッジが丁度収まるサイズ。
当然ながら取扱説明書も小さい。
このサン電子のケースも途中からセガ製と同じ物になった。(例:パノラマコットン)
写真右側:セガサターン発売迄。
写真左側:セガサターン発売以降。
殆どの発売ソフトは右側のタイプ。
左側の”MEGA DRIVE”白抜きの青タスキが特徴的な吊り下げタブ付きは発売ソフト数が少ない。
吊り下げタブ付きは94年12月以降と思われる。
GENESIS用には前からあったので流用したものかも知れない。
尚、青タスキでも吊り下げタブの無い物もある。
(例:ストーリー オブ トア~光を継ぐ者~)
「ジェームス ポンドⅡ」の何がレアかと云うと、ゲームではなくケースに付けられた紙帯。
帯には”ロイヤルウェディング記念”とある。
メガドライブソフトの中でも帯付きで発売されたのはこのソフトだけだろう。
発売元のエレクトロニック・アーツ・ビクターのケースはセガ製より厚みがある。
カートリッジはGENESIS同様に幅の狭い物で左側にスリットは無い。
・型名:HAA-2600
メガドライブでマークⅢ・マスターシステムのソフトを動作させるためのメガドライブ専用アダプタ。
初代メガドライブに合わせた本体形状のため初代メガドライブ専用の周辺機器になっている。
(対応ゲームソフト)
・マイカードMARKⅢ
・ゴールドカートリッジ
・シルバーカートリッジ
取扱説明書には使用できない物や使用できても問題が出るソフト名が記載されている。
(使用できないソフト)
「F-16 ファイティング ファルコン」、「ロレッタの肖像」、「スポーツパッド サッカー」
(問題がでるソフト)
「SHINOBI 忍」、「イース」
メガドライブに装着したメガアダプタとカートリッジ。カートリッジスロットの蓋を開けて”マークⅢ・マスターシステム用”カートリッジを挿す。
メガアダプタの青いボタンはポーズボタン。
FM音源には対応していないため対応ソフトであってもマスターシステムと同じ音にはならない。
通販で入手した中古品の例。
紙箱、カートリッジ共に汚れが目立つため、入手後クリーニングした。
セガの二種類の「ファンタシースター」。
写真上:マスターシステム版(オリジナル/1987年)
写真下:メガドライブの復刻版(1994年)
復刻版の取扱説明書はメガドライブ仕様に編集されていてマスターシステム版とは異なる。
復刻版は当初販促用景品として公表された物で、後に通常の製品として一般販売された経緯があり、メガドライブの互換性を利用して移植された マスターシステム唯一のタイトル。
復刻版はメインチップにTCT-6801、TCT-6803を搭載した近年のメガドライブ互換機ではメモリのセーブとロードに不具合が発生して継続的なプレイが出来ない。
(※ゲームは起動するがセーブとロードが機能しない。)
このため事実上、本家セガのメガドライブでプレイすべき物と思った方が良い。
正常にプレイ出来るメガドライブ互換機としては十数年前に発売された”GAME JOY”がある。(2022/2 追記)
メガドライブ&ジェネシス互換機。
裏面のスイッチでメガドライブとジェネシスの両方に対応する。
カートリッジ差し込み口の両端を四角く成形してメガアダプタを装着すればマークⅢ/マスターシステムソフトのプレイが可能。
メガドライブソフトの発売日やハード及びソフトに関する情報等を得ていたのが、メガドライブ専門誌 ”BEEP! MEGA DRIVE”(略してBEメガ)
※ビープ メガドライブと読む。
当時は置いてある書店が少なく、部数も少なめで入手できない事もあったため予約注文していた。今でも購入した分をそのまま手元に残している。メガドライブ専門誌は、他に”メガドライブFAN”があった。
写真は「BEEP!メガドライブ」の付録小冊子の例
綴じ込み付録以外に個別の物が付くことがあった。誌面では載せられる記事に限りがあるため、それを適時補足するためと思われる。
内容は発売ソフトの紹介や発売済みソフトのリスト、ハードの広告等多彩。
ソフト紹介にはテンゲンやゲームアーツ等、メーカー特集の形で編集された物もある。
メガドライブ・MEGA-CDのソフトカタログ。
(1993年12月発売)
メガドライブ発売から93年11月末までのソフトを掲載している。
[内容]
・ソフトカタログ(リスト)
・裏技大辞典
・メガドライブ周辺機器
審査員が評点する「BEメガドッグレース」と読者が投票する「BE・メガ読者レース」の点数評価付き。
「オールソフトカタログのページ例」
ゲーム分野別に分けて紹介されている。
解説の他にROM容量やコンティニュー、裏技の有無や攻略本情報など盛り沢山な内容。
尚、全ての発売済ソフトまでは網羅されておらず抜けている物もある。
写真はサンタ製メガドライブ専用S端子ユニット
MEGA S-01。(発売:1993年6月頃)
メガドライブのAV出力端子に接続してS-Video映像を出力する。
尚、S端子ユニット裏面のシールはメガドライブ2用と共通の”MEGA S-01/02”になっている。
販売元:(有)サンタ / 製造元:広島交易(株)
標準価格:4,900円(税別)(MADE IN JAPAN)
BEEP!メガドライブ誌に掲載されたサンタS端子ユニットの広告の一部分。
(MEGA S-01/02共通)
S端子ユニットの基板にはアルミ電解コンデンサのような寿命のあるパーツは見あたらないがトリマーコンデンサが経年劣化の落とし穴になっている。
長い年月の間に電極の酸化などで接触不良を起こし映像が出ない現象が起きる。
この様な場合は、トリマーコンデンサに目印を付けてから数回回して元の位置に戻せば正常になる。(2022/4 追記)
エンコーダーIC(モトローラ MC13077P)等が載っている基板。
基板に”TRIMMER CAPACITOR”の印刷がある緑色のパーツがトリマーコンデンサ。
(S-02も基板構成は同じ。)
初代メガドライブとメガCDの場合。
[端子接続]
S-Video映像:S端子ユニットのS-Video出力端子。
ステレオ音声:メガCDのステレオ出力端子。
初代メガドライブ単体使用の場合。
[端子接続]
S-Video映像:S端子ユニットのS-Video出力端子
ステレオ音声:S端子ユニットのステレオ出力端子
写真はサンタ製メガドライブ2専用S端子ユニットMEGA S-02。
メガドライブ2のAV出力端子に接続して、S-Video映像を出力する。
S端子ユニットは筐体がS-01と02共用で各端子と端子の印刷名も同じ。
(標準価格はMEGA S-01と同じ。)
メガドライブ2単体使用の場合。
[端子接続]
S-Video映像:S端子ユニットのS-Video出力端子
ステレオ音声:S端子ユニットのステレオ出力端子
これで、S-Video映像とステレオ音声が得られる。
ステレオディンプラグコードが無い場合は、メガドライブ2専用S端子ユニットMEGA S-02を使えばメガドライブ2単体でS-Video映像とステレオ音声が得られる。
しかもヘッドホンを使うことが可能になるプラス要素付。
ステレオ音声はメガCD2との接続でも可能だが、S-Video映像はメガCD2で出力できないので、両方可能になるMEGA S-02を使うメリットは大きい。
問題は中古品の値付けが標準価格の約2倍という高値にある。
尚、MEGA S-02はSUPER 32XのS-Video映像にも使える。
当時のジェネシスソフトは基本的にメガドライブでも動作するが、英語マニュアルが購入のネックになっていた。
写真はジェネシスソフトの日本語マニュアルの例。
ジェネシスソフトを購入すると店側が添付してくれた物で、編集した物をコピー(白黒)して冊子にした作りでお世辞にも綺麗とは言い難い。
一見、ゲームメーカーが作った物をコピーしたように見えるが、実際には店側が独自に制作した日本語マニュアルで、今では珍しい資料と云えるかも知れない。
マニュアル最終ページのクレジットの例。
店側で正式な認可を受けて制作した事が記されている。 クレジットや翻訳などから専門家ではなくアルバイト的な翻訳の感じを受けるが真相は不明。
メガドライブ用の各ACアダプタに使用上の問題は無いものの、既に26年以上経つ事から劣化しやすいアルミ電解コンデンサの予防取り替えを行ったので参考に掲載する。
対象モデルはSA-160AとSA-190。
(2020年4月 NO.98 掲載)
写真右:SA-160A
写真左:SA-190
(SA-160Aの適合機種)
初代メガドライブと初代メガCD及びゲームギア。
(SA-190の適合機種)
メガドライブ2及びスーパー32X。
SA-160AとSA-190は出力定格値及び出力端子の形状が異なるため互換性は無い。
No | 名称 | 用途 | 備考 |
1 | ニッパー | リード形コンデンサのリード線切断 | - |
2 | 汎用ピンセット | 基板付着物の除去など | HOZAN P-880 |
3 | 半田ゴテ | コンデンサの取り外しと半田付け | HAKKO FX-600-02 (ダイヤル式温度制御) |
4 | 半田線 | 半田付け | goot SD-36 (電子工作用) |
5 | 半田吸取線 | 半田の吸い取り除去 | HOZAN WICK H-37-1.3 (Size 1.5m×1.3mm) |
6 | コテ台 (コテ先クリーナー付) |
半田ゴテの置き台並びに コテ先の酸化膜除去 |
HAKKO 633-01 |
7 | ナットドライバー | SA-160AとSA-190の特殊ネジ用 | HOZAN D-840-4 |
8 | エアダスター | 埃の除去 | 一般的なスプレー用品 |
9 | 無水エタノール | 半田のヤニなどの除去 | - |
10 | 綿棒 | 基板清掃など | 一般的な物 |
写真はHOZAN製 D-840-4
分かりやすい様に製品タグを付けたままにしている。
柄の部分がやや細いため、固く締まっているSA-160AとSA-190のネジを外すには少々力が要る。
(入手先:ヨドバシ・ドット・コム)
写真は日本ケミコンのKZHタイプ。
交換品は電源用の105℃品。
品種は通販の在庫品の中から選ぶしか無く、購入の都合で値段が高めながら日本ケミコンのKZHタイプにした。
定格値:16V、3300μF
カタログ寸法(㎜):φ12.5×30
入手出来る品種としては比較的安いルビコンのZLHタイプ(105℃品、寸法:φ12.5×30)で良いと思われる。
写真は初代メガCDに付属していたSA-160Aの内部。
(ACアダプタのケース上側を外した状態)
前がトランスで後に整流回路基板が付いている。
ダイオードブリッジ型整流回路でSA-190も構造や基板は同じ。 基板が裏返しなのはAC入力のプラグ端子を直付した構造のためと思われる。
ケースさえ開けられれば中のアルミ電解コンデンサ交換は比較的容易な作業。
半田ゴテの設定温度(参考)
※半田を半田吸い取り線で除去する場合:370℃位
半田付けの場合:半田線の融点温度+100℃位
■コンデンサ交換後
(SA-160A)(SA-190)アルミ電解コンデンサを交換したら元通りにケースにセットし、ネジ止めして交換作業は終了。
因みに、ACアダプタの発熱はトランスの鉄心からの熱が大部分でダイオードは発熱は早いものの体積が小さいため割合は小さい。
1990年製メガドライブに付属していたSA-160Aの整流回路部分。
トランスの鉄心に巻かれた紙や出力コードの絶縁処理が後の物とは異なる。
アルミ電解コンデンサの周りからダイオードの部分に掛けて液漏れの跡の様な黒い物質が付着していた。
無水エタノールと綿棒で擦ると黒い物質は落ちたが、その下に擦ってもきれいにならない層があった。 こびりついた部分はピンセットで擦り落とした。
1991年製初代メガCDに付属していたSA-160Aの整流回路部分。
メガドライブ用ほどでは無いがアルミ電解コンデンサの所からダイオード部分に掛けて黒い物質が付着していた。
無水エタノールと綿棒では擦り落とせず、ピンセットで擦り落とした。
1994年発売のスーパー32Xに付属していたSA-190の整流回路部分。
アルミ電解コンデンサからダイオード部分に掛けて薄茶色の仮止め接着剤が付着していた。
ゴム系の物らしくピンセットでつまんで引っ張ると伸びた。
写真は仮止め接着剤を剥がしてきれいにした後の基板。剥がすと極性表示印刷が出てきた。