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初代メガCDはメガドライブ本体より高価な拡張機器で、当時はゲーム機用としては異例のフロントローディング方式を採用。
セガによればCD-ROMドライブとしての精度を優先した結果で初代のみの採用。
メガCDのゲームディスクは、知られているようにCD-ROMと同じISO形式のため、パソコン用CD-RWドライブを使えばCD-Rにそのままデータをコピーする事が出来る。
発売当時は家庭で使えるCD-RWドライブが無い時代で、コピープロテクトを考える必要性が無かったものと思われる。
後年、試しにコピーしたCD-Rを起動させてみた所、トップローディングのワンダーメガ2では何回やり直しても最後の部分で読み取りが出来ずに止まったが、初代メガCDは何事もなかったように正常に動いて精度の高さを実証した形になった。
写真のメガドライブ本体は、購入から19年経っているが故障は一度もない。
可動メカ部品が無いことから故障しにくいと思われる。
写真は撮影のためにコントロールパッドを外している。
こうして見るとメガCDのデザインはメガドライブ本体に合わせてある事が分かる。
メガCDの四角い部分のステッカーは ”BEEP!MEGADRIVE”誌に添付されていたメガCD用特別付録を貼ったものでメガCD本体の付属品ではない。
写真はメガCDの取付金具(ジョイントスチール板)を取り付けたメガドライブの底面。
(※手前が本体の背面側)
メガCDとは取付金具のツメとコネクタに刺さる拡張端子部分で固定される状態でネジ等でガッチリ固定されてはいない。
[ミキシング端子]
メガドライブのヘッドホン端子からステレオミニプラグコードで接続する端子。
メガドライブからの音(効果音等)をミックスしてステレオ音声出力端子から出力。
1)メガCDのゲーム効果音など。
2)メガドライブカートリッジのゲーム音楽(ステレオ)と効果音。
※ミキシングの音量はメガドライブのヘッドホンボリュームで調整。
※メガCDのゲームの場合、効果音などはメガドライブ本体から出力されるのでヘッドホン端子とミキシング端子を接続していないとゲームの効果音が出ない。
このため、メガCDを使用しない場合はメガCDのACアダプタに通電する必要はない。
但し、この場合はメガドライブのディンプラグコード(モノラル)かヘッドホン端子(ステレオ)から音声をテレビ等に出力する必要がある。
※写真は撮影のためにコントロールパッドを外している。本体を開けてクリーニング後に撮影。
見た目に面白いのはスロットの右側(写真では)にスライド式パワースイッチと連動して動くカートリッジのロック部品がある事。
取扱説明書に ”パワースイッチがOFFになっていないとカートリッジを抜くことができません。”とあるのは、このロック部品のL字形先端部分が国内版カートリッジ左側のスリットに入り込んでいるため。
外から見えないためか取扱説明書には何のための物か説明は無い。
※取扱説明書は最初に買ったメガドライブの物。
国内版メガドライブカートリッジの例。
カートリッジ左の側面にスリットがある。
本体にロック部品が有ることは国内版メガドライブカートリッジをスロットに挿した状態では外から見ても分からない。
カートリッジを挿さずにスロットのフラップを開きパワースイッチをONすれば先端が見える形で出てくる。
■ MEGA DRIVE のCPU基板写真の下側にあるメインCPUは本家モトローラ社のMC68000P8。
※コネクタ下側の細長いパッケージの半導体
寸法的に大きな半導体でカートリッジ用のコネクタと比べるとその大きさが分かる。
中古メガドライブのCPUズームアップ。
モトローラ社製のMC68000P8。
セカンドCPUのZ80(ザイログ社製)。
”BEEP!MEGADRIVE” 誌のセガの広告写真を見ると、1993年1月号(1992年12月発売)からコントロールパッドが中古品と同じタイプに変わっており、この中古品のコントロールパッドが本体付属品であれば、この時期以降の製造と推測される。
GENESISソフトをプレイするには邪魔になるため取り外した電源スイッチに繋がるロック部品。
写真下側にあるメインCPUはシグネティックス社のSCN68000でセカンドソース品。
ジャンパ線の無い完成された基板で整然と部品が並んでいる。
中古品とは半導体部品の配置が異なる。
中央と左上のチップをワンチップ化して基板の中央に配置したのが中古品(後期製品)と思われる。
■ シグネティックス SCN680001990年製メガドライブのCPUズームアップ。
シグネティックス社製のSCN68000。
セカンドCPUのザイログ社製Z80
(8bit CPU)。
基板には
・BDM5 VA4
・MMK-22
の印刷がある。
M5は ”マーク5”でメガドライブの事と思われる。
※CPU情報はWikipediaを参考にした。
メガドライブのACアダプタ SA-160A。
メガCDも同じ物を使う。
[定格出力]
DC9V/1.2A
DCプラグは非極性統一形。
(外側がプラス極性の端子)
ACアダプタの型名表示を上から見た状態で、次の様にコンセントに差し込む。
対象 | 対応 | |
ACアダプタのACプラグ | 左 | 右 |
コンセントの差し込み口 | 接地側(0V) | 電圧側(100V) |
極性を確認するには検電器を使用する。(検電器はホームセンター等で買える)
尚、検電器には昔ながらのドライバー内蔵式(柄のネオン管が発光)と電子式がある。
電子式はケーブルの被覆に当てるだけで検電できる機能がある。
「写真上」
北米サードパーティ製の独自カートリッジの例
(ELECTRONIC ARTS製)
同じGENESISカートリッジでも独自カートリッジはセガの物より幅が狭く、ロック部品の影響を受けない形になっている。
■MEGA DRIVE & GENESIS「写真上」
国内版メガドライブカートリッジの例
小型化され価格も下がったメガドライブ2。
(1993年4月発売)
「写真」
複数のWeb通販ショップで見かける ”MD2 メガドライブ ステレオAVケーブル”
メガドライブ用と同じでコンセントの差し込み方向に極性がある。
音の良い差し込み方向はメガドライブ用と同じ。
メガドライブも発売時期やメモリ容量によっては定価8千円以上のソフトはざらにあったが割引販売のお陰で何とか買える値段になっていた。
ユーザーとしては割引販売によって予算内でより多くのソフトを買える事をも意味し、在庫になっているソフトはより安く買えたので多くの新品ソフトを集める事も出来た。
パッケージの一本当たりではそれ程重さは感じないが、本数が集まると運ぶのが大変な重量になる。
※メガCD専用ソフトは「MEGA-CD(メガCD)」のページを参照下さい。
基本的に黒いプラスチック製ケースで見開き形。
写真の様な形でカートリッジと取扱説明書が入っている。
例外として規格外の形状と大きさのロックオン・カートリッジだった「ソニック&ナックルズ」のパッケージは紙箱。
「バーチャレーシング」はケースの色がグレー。
「アドバンスド大戦略」の分厚い兵器マニュアルはケースの外に添付してあった。
サン電子製の例。 (写真の右側)
初期の物はセガ製より小さく開く方向も逆になっていた。
大きさはカートリッジが丁度収まるサイズ。
当然ながら取扱説明書も小さい。
このサン電子のケースも途中からセガ製と同じ物になった。 (例:パノラマコットン)
写真右側:セガサターン発売迄。
写真左側:セガサターン発売以降。
殆どの発売ソフトは右側のタイプ。
左側の”MEGA DRIVE”白抜き文字の青タスキが特徴的な吊り下げタブ付きの物は発売ソフトが少ない。
吊り下げタブ付きは94年12月以降と思われる。
GENESIS用には前からあったので流用したものかも知れない。
尚、青タスキでも吊り下げタブの無い物もある。
(例:ストーリー オブ トア~光を継ぐ者~)
「ジェームス ポンドⅡ」の何がレアかと云えば、ゲームではなくケースに付けられた紙帯。
帯には”ロイヤルウェディング記念”とある。
メガドライブソフトの中でも帯付きで発売されたのはこのソフトだけだろう。
発売元のエレクトロニック・アーツ・ビクターのケースはセガ製より厚みがある。
カートリッジはGENESIS同様に幅の狭い物で左側にスリットは無い。
メガアダプタ (型名:HAA-2600)
メガドライブでマークⅢ/マスターシステムのソフトを動作させるためのメガドライブ専用アダプタ。
初代メガドライブに合わせた本体形状のため初代専用の周辺機器になっている。
メガドライブに装着したメガアダプタとカートリッジ。
カートリッジスロットの蓋を開けて”マークⅢ/マスターシステム用”カートリッジを挿す。
通販で入手した中古品の例。
紙箱、カートリッジ共に汚れが目立つため入手後にクリーニングした。
カートリッジの色はマスターシステム発売以降が黒らしい。
■ 「ファンタシースター」セガの二種類の「ファンタシースター」。
写真上:マスターシステム版
(オリジナル/1987年)
写真下:メガドライブの復刻版(1994年)
復刻版の取扱説明書はメガドライブ仕様に編集されていてマスターシステム版とは異なる。
復刻版は当初販促用景品として公表された物で、後に通常の製品として一般販売された経緯があり、メガドライブの互換性を利用して移植されたマスターシステム唯一のタイトル。
メガドライブ&ジェネシス互換機。
裏面のスイッチでメガドライブとジェネシスの両方に対応する。
カートリッジ差し込み口の両端を四角く成形してメガアダプタを装着すれば、マークⅢ/マスターシステムソフトのプレイが可能。
写真は発売年別に一冊選んで並べた物。
左列下から1990年~1992年、右列下から1993年~1995年最終号。
表紙デザインは最初に購入した1990年9月号以降一度だけ変わっている。
左列下の1990年9月号はメガドライブ購入を決めるきっかけになった ”スーパーモナコGP”の完全コースガイド(いわゆる攻略法)が載っている。
最終号は1995年1月号で1995年分は一冊のみでセガサターンマガジンに移行した。
国内では劣勢だったメガドライブを盛り上げるべく自ら拡販企画を載せるなど編集部の熱意が感じられる雑誌だった。
綴じ込み付録の他に個別の小冊子が付くことがあった。 誌面では載せられる記事に限りがあるため、それを適時補足するためと思われる。
内容は発売ソフトの紹介や発売済みソフトのリスト、ハードの広告等多彩。
メガドライブ・MEGA-CDのソフトカタログ。
(1993年12月発売)
メガドライブ発売時から93年11月末までの発売ソフトを掲載している。
審査員が評点する「BEメガドッグレース」と読者が投票する「BE・メガ読者レース」の点数評価付き。
「オールソフトカタログのページ例」
ゲーム分野別に分けて紹介されている。
解説の他にROM容量やコンティニュー、裏技の有無や攻略本情報など盛り沢山な内容。
尚、全ての発売済ソフトまでは網羅されておらず抜けている物もある。
メガドライブのAV出力端子に接続して
S-Video映像を出力する。
ユニット裏面のシールはメガドライブ2用と共通の”MEGA S-01/02”になっている。
■ MEGA S-01の出力端子
※メガドライブのヘッドホン端子からステレオ音声を入力するための端子。
■ サンタの雑誌広告(当時)
BEEP!メガドライブ誌に掲載されたサンタS端子ユニットの広告の一部分。
(MEGA S-01/02共通)
S端子ユニットの基板にはアルミ電解コンデンサのような寿命のあるパーツは見あたらないがトリマーコンデンサが経年劣化の落とし穴になっている。
長い年月の間に電極の酸化などで接触不良を起こし映像が出ない現象が起きる。
この様な場合はトリマーコンデンサに目印を付けてから数回回して元の位置に戻せば正常になる。
(2022/4 追記)
エンコーダーIC
(モトローラ MC13077P)等が載っている基板。
基板に ”TRIMMER CAPACITOR”の印刷がある緑色のパーツがトリマーコンデンサ。
(S-02も基板構成は同じ。)
[TV等の接続]
(映像):S端子ユニットのS-Video出力端子
(音声):メガCDのステレオ出力端子
初代メガドライブ単体使用の場合。
[TV等の接続]
(映像):S端子ユニットのS-Video出力端子
(音声):S端子ユニットのステレオ出力端子
[注意点]
・メガドライブのヘッドホン端子とS端子ユニットのSTEREO INをステレオミニプラグケーブルで接続。
・メガドライブのAV出力端子はモノラル音声のためステレオ音声はヘッドホン端子から取る。
写真はメガCDを接続したままでメガドライブ単体使用に接続変更した状態。
(※メガCDに繋いだステレオケーブルは使用しない)
メガCDを接続している場合は、メガCDの電源を入れればS端子ユニットからメガCDの音声も出力されるためケーブル接続を変えなくてもメガCDのゲームをプレイできる。
但し、メガドライブから出力される効果音の音量を調整することはできない。
(出力レベル一定)
ステレオ音声の取り方についてメガCD側とS端子ユニット側の違いは、音質を除けば効果音の音量を調整出来るか否かになる。
[写真]
サンタ製メガドライブ2専用S端子ユニット
MEGA S-02。
MEGA S-02 S端子ユニットの”STEREO IN”は、S-01と違いステレオミニプラグ対応のステレオ音声出力端子で機能的には”STEREO OUT”が正しい。
表示の違いは、印刷があるケースの下部分をS-01と共用したためと思われる。
ヘッドホン(ボリューム付)やアンプ内蔵スピーカーが接続できる。
メガドライブ2単体使用の場合。
[TV等の接続]
(映像):S端子ユニットのS-Video出力端子
(音声):S端子ユニットのステレオ出力端子
これでS-Video映像とステレオ音声が得られる。
[写真]
ジェネシスソフトの日本語版マニュアルの例。
一見、ゲームメーカーが作った物をコピーしたように見えるが、実際には店側が独自に制作した日本語版マニュアルで、今では珍しい資料と云えるかも知れない。
マニュアル最終ページのクレジットの例。
店側で正式な認可を受けて制作した事が記されている。 クレジットや翻訳などから専門家ではなくアルバイト的な翻訳の感じを受けるが真相は不明。
メガドライブ用の各ACアダプタに使用上の問題は無いものの、既に26年以上経つ事から劣化しやすいアルミ電解コンデンサの予防取り替えを行ったので参考に紹介する。
対象モデルはSA-160AとSA-190。
(2020年4月 NO.98 掲載)
写真右:SA-160A
写真左:SA-190
SA-160AとSA-190は出力定格値及び出力端子の形状が異なるため互換性は無い。
(SA-160Aの適合機種)
初代メガドライブと初代メガCD及びゲームギア。
(SA-190の適合機種)
メガドライブ2及びスーパー32X。
No | 名称 | 用途 | 備考 |
1 | ニッパー | リード形コンデンサのリード線切断 | - |
2 | 汎用ピンセット | 基板付着物の除去など | HOZAN P-880 |
3 | 半田ゴテ | コンデンサの取り外しと半田付け | HAKKO FX-600-02 (ダイヤル式温度制御) |
4 | 半田線 | 半田付け | goot SD-36 (電子工作用) |
5 | 半田吸取線 | 半田の吸い取り除去 | HOZAN WICK H-37-1.3 (Size 1.5m×1.3mm) |
6 | コテ台 (コテ先クリーナー付) |
半田ゴテの置き台並びに コテ先の酸化膜除去 |
HAKKO 633-01 |
7 | ナットドライバー | SA-160AとSA-190の特殊ネジ用 | HOZAN D-840-4 |
8 | エアダスター | 埃の除去 | 一般的なスプレー用品 |
9 | 無水エタノール | 半田のヤニなどの除去 | - |
10 | 綿棒 | 基板清掃など | 一般的な物 |
写真はHOZAN製 D-840-4
分かりやすい様に製品タグを付けたままにしている。
柄の部分がやや細いため、固く締まっているACアダプタのネジを外すには少々力が要る。
(入手先:ヨドバシ・ドット・コム)
写真は日本ケミコンのKZHタイプ。
交換品は電源用の105℃品。
品種は通販の在庫品の中から選ぶしか無く、購入の都合で値段が高めながら日本ケミコンのKZHタイプにした。
・定格値:16V、3300μF
・カタログ寸法(㎜):φ12.5×30
高さがあるがスペースに余裕があるので使える。 (入手先:マルツオンライン)
入手出来る品種としては比較的安いルビコンのZLHタイプ(105℃品)
(寸法:φ12.5×30)で良いと思われる。
半田ゴテの設定温度(参考)
・半田を半田吸い取り線で除去する場合:370℃位
・半田付けの場合:半田線の融点温度+100℃位
■コンデンサ交換後
(SA-160A)(SA-190)アルミ電解コンデンサを交換したら元通りにケースにセットし、ネジ止めして交換作業は終了。
因みに、ACアダプタの発熱はトランスの鉄心からの熱が大部分でダイオードの発熱は早いものの体積が小さいため割合は小さい。
■SA-160A:メガドライブ
■SA-160A:メガCD
1991年製初代メガCDに付属のSA-160Aの整流回路部分。
メガドライブ用ほどでは無いがアルミ電解コンデンサの所からダイオード部分に掛けて黒い物質が付着していた。
無水エタノールと綿棒では擦り落とせず、ピンセットで擦り落とした。
■SA-190:スーパー32X
1994年発売のスーパー32Xに付属していたSA-190の整流回路部分。
アルミ電解コンデンサからダイオード部分に掛けて薄茶色の仮止め接着剤が付着していた。
ゴム系の物らしくピンセットでつまんで引っ張ると伸びた。
写真は仮止め接着剤を剥がした後の基板。
剥がすと極性表示印刷が出てきた。