幻庵のプロフィール
<幻庵への橋本宇太郎九段の想い> 名人の座を手に入れそこなった幻庵はその口惜しさを、自ら大国手と名乗ることによって紛らそうとした。それを幻庵の稚気だといって笑う人がいる。しかし、大国手を自称する幻庵を決して笑わない人が1人いるはずである。それは幻庵を蹴落として名人位に就いた丈和その人である。 私も、大国手という称号を、美しい花束とともに、幻庵の霊前に捧げたい。 <「英傑幻庵因碩」の安部吉輝九段のまえがき抜粋> 幻庵因碩の碁は構想の規模がとにかく雄大である。地という次元では決して勝負していない鬼気迫る碁でしかも、羨ましいほどの読みの裏付けが深い。 趙治勲25世本因坊の手を見て、上村邦夫九段(2004年6月25日没、享年58歳、合掌)が「ああ、この手は幻庵因碩のような手だなあ」と思わずうなっていたことがあった。幻庵の精神は平成の世になっても脈々と生きていて、高段のプロ棋士を感動させているのである。 幻庵は秀和に対し、絶対黒を持とうとしなかった。名人・碁所への執念とはいったいどんなものだったのだろう。 丈和は、秀和と因碩の碁を並べながら「因碩の技、じつに名人の所作なり、ただ、惜しむらくは、その時を得ざるなり」と語ったという。 私は本書で、一手一手、一局一局の対局者の気持ちになって解説してみた。地下の因碩さんに笑われるのを承知で、私ならこう打つ、現代ならこう打ちたいと遠慮なく私見を述べさせてもらった。調子に乗りすぎて、因碩さんの着手を蛇だとか、ハエにしてしまった箇所もある。お許しを。 <smile_aceの鑑賞方針> 「遠慮なく私見を」という文章を見て、「玄妙道策」の酒井猛九段の解説を思い出した。安部九段が酒井九段に劣らず私見を述べているということの様で大変楽しみである。 また、安部九段は厳選の13局全局で「ハイライト場面」を示して解説している。smile_aceもこの13局の鑑賞に当っては、ハイライト場面を主体にした鑑賞をしようと考えている。 参考図書
年代順に表示、最右欄Aは日本囲碁大系11幻庵因碩のみに、ABは両書籍に、Bは英傑幻庵因碩のみに掲載されている碁であることを示しました。またXの表示は対局相手(丈和)の棋譜鑑賞に際し記録したsgfファィルに追加記録したものであることを示します。 対局日に当該鑑賞ページへのリンクを張っています。
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