Aru-Tareta-Hibi
 
Drug informational site

HOME

〜薬のことをもっと知ろう〜
お薬相談コーナー

お薬について詳しく聞きたい方は


お薬質問フォーム
病院の薬剤師がお答えします

過去の問合せ例(FAQ)

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 1.漢方薬は食前に飲まないとダメ?

 2.薬が飲みづらいときには?

 3.妊娠中は薬を飲んでいいの?

 4.むやみに解熱するとかぜを悪化させる?

 5.かぜには抗生物質が効かない?

 6.勝手に止めると逆に病気を悪化させる薬がある?

 7.病気の状態によっては、むやみに飲まないほうがいい薬もある?

 8.とりすぎてはいけないビタミンがある?

 9.かぜで抗生物質が処方されたら・・・・

10.熱さましの座薬の使い方

11.子供に薬をうまく飲ませる方法

12.授乳中に飲んではいけない薬

13.点耳薬を使う場合の注意点

14.アトピー性皮膚炎の方に好ましい制汗剤?

15.喘息の薬と肉料理は相性が悪い?

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

1.漢方薬は食前に飲まないとダメ?

病院で漢方薬を処方され、薬剤師から食前に飲んでくださいと説明されることがあります。
それは、食前の服用の方が一般に吸収がよいとされるため、そのような指導になっています。
しかし、患者さんによっては他の薬が食後だから食前の漢方薬はどうしても飲み忘れてしまうとか、漢方薬の独特な味が吐き気を催すなどの問題がある場合があります。
 最近の研究では、食後に飲んだ場合、食前に飲んだときより吸収速度は下がりますが最終的な効果の面では大差がないこともわかってきました。
このようなことから、ある一部の漢方薬を除いては食後服用でも差し支えないと思われます。
“ある一部”とは芳香性健胃薬とよばれる胃腸に効く生薬が含まれている漢方薬などで、その独特な味自体が胃酸の分泌を増加させるはたらきを持つものなどです。
従って、このような漢方薬を飲みづらいといってオブラートに包んで飲むことはしないでくださいね。

2.薬が飲みづらいときには?

薬の中には、噛んだり、すりつぶして飲んではいけないものがあります。
最近の薬は精巧につくられ、薬の内部が2層3層の構造につくられているものもあります。ですから、医師または薬剤師の指示なく勝手に元のかたちをくずして飲むことはやめましょう。
 そこで、薬をオブラートに包んで飲む方法が昔からありますが、最近ではいろいろな種類のオブラートが市販されています。
粉薬をこぼれないように飲む袋状のものや、小児用のゼリータイプのものなど様々です。詳しくは街の薬局で聞いてみてください。

3.妊娠中は薬を飲んでいいの?

 妊娠中の方が安心して飲んでいい薬というのは実は1つもありません。
これは、妊娠の周期に関わらずです。
なぜなら、妊婦が飲んで安全だという臨床データを製薬会社は持ち得ないからです。
従って、医師や薬剤師が個々の薬に関して催奇形性を判断する材料としては動物実験(ねずみやうさぎ)のレベルでしかないのです。
 しかし、たとえ妊婦であっても慢性の病気で薬を飲まなければならない方がいます。
その薬を飲まなければ母体ならず、逆に胎児にまで影響がでる場合があります。
そのような場合は、医師の判断により定期的に検査をして、薬の投与量などの投与計画を厳密にきめるので、専門の医師の管理の下、安心して薬を服用してください。また、疑問に思ったことは遠慮なく担当の医師または薬剤師に納得のいくまで説明を求めてください。
 
※尚、妊娠中の薬剤の服用については、当サイト「妊娠とくすり」にて説明してありますので、ご覧下さい。

4.むやみに解熱するとかぜを悪化させる?

 かぜをひいて熱のあるとき、熱さましの薬、いわゆる解熱鎮痛薬と呼ばれる薬をもちいます。
人の体温は36度台が平熱とされていますが、かぜをひいて37度台の微熱でも具合が悪いものです。
この場合、熱が38度以下でむやみに解熱鎮痛薬を使ってしまうと、逆にかぜの治りを遅らせてしまう場合があります。
 かぜはウイルス性疾患のため、この諸悪の根源たるウイルスを退治しないことにはかぜは完治しません。
そこで、人間の体はよくできたもので、発熱することによりこのウイルスをやっつける仕組みになっています。
ですから、ある程度は体温を高めにしてセットしておかないとかぜはいつまでたっても治らないことになってしまうのです。
熱さましを使う目安としては38度を超えたあたりからですよ。
 また、お子さんが熱を出したとき、特にこれがインフルエンザウイルスであった場合には通常の熱さましを飲んだり、座薬を使用すると逆にインフルエンザの症状が悪化してしまうことが知られています。
この場合、インフルエンザに使用してはいけない解熱鎮痛薬というものがあります。
したがって、「この間お母さんがかぜでもらった熱さましの座薬を、○○ちゃんが熱があるから使おう」というのは大変危険な行為ですよ、お母さん!
 それから意外と知られていないのは、解熱鎮痛薬の副作用に「血圧低下」があるということです。
ご高齢のおじーちゃん、おばーちゃんのかぜに、やはりむやみに成人量の解熱剤を使うと血圧が下がりすぎて、そのままぽっくり・・・なんてちょっと笑えない話も実際ありますから、どんなくすりでも勝手な判断で使うことは禁物ですからね。

5.かぜには抗生物質が効かない?

かぜをひいて病院にかかると、お医者さんから抗生物質を処方されることがあります。
抗生物質とは、微生物(細菌)に効果を持つ薬のことをいいますが、実はかぜはほとんどがウイルス感染によるものです。
ということは、ウイルス≠細菌ですから抗生物質はほとんどのかぜに全く効果がないということになります。
それでは、なぜ医師が抗生物質を処方するかというと、かぜによる2次感染を予防することにその意義があります。
かぜをこじらせると、どんどんかぜのドツボにはまってしまいますよね。その原因はウイルス以外の細菌が悪さしだすからなのです。
そこで、抗生物質はかぜで抵抗力が落ちた人体の中で、その他の細菌が悪さをするのを防ぐために飲むのです。
ですから、抗生物質は‘直接は’かぜを治せないのですが、かぜ退治には1役も2役もかってくれる頼もしい薬なのです。

6.勝手に止めると逆に病気を悪化させる薬がある?

 症状がよくなれば薬は飲みたくなくなるというのが人情というもの。
でも、ちょっと待ってください。便秘薬や頭痛薬など頓用での薬ならいざ知らず。毎日服用するよう医師より指示された薬はそうはいきません。
医師は定期的に検査をして、その薬がちゃんと効いているかどうか血液中の薬の量を調べる場合があります。飲めといったものを飲まずに飲んだふりをすると、医師はその患者さんがてっきり薬を飲んでいるものと判断し、きっとその薬の量を増やすでしょう。これは、大きな問題です。1つには、増量された薬を患者さんが飲んでしまう可能性。もう1つは、不必要な薬を処方したことにより医療費を無駄にしてしまうということです。
 薬には大きく分けて2種類あります。1つは病気そのものを治療する薬。もう1つは、病気の症状がでないように抑える薬。
前者は抗ウイルス薬のように、病気の原因そのものを治療する薬。後者は高血圧の薬などのように、その薬を飲むことによってその症状がでるのを抑える薬です。
したがって、後者の場合、たとえば血圧の薬を飲まなければ血圧は上がってしまいますし、コレステロールの薬を飲まなければコレステロールが高くなるという具合です。
 つまり、勝手に止めてはいけない薬というのは後者の方になります。
ある種の胃薬の中には、服用を勝手に中止したことよって、それまで抑えられていた胃酸がドッと噴出され、逆に胃を荒らしてしまうという薬があるので要注意です。
また、貧血で鉄剤をお飲みの方も、数週間飲んで症状がよくなったからといって勝手に中止すると、体の中への鉄分の補給が不十分なため再び貧血が悪化してしまうということがありますので、こちらも注意が必要です。どちらも、比較的長く飲み続けなければならない薬ですので、医師の指示通り飲んでくださいね。

7.病気の状態によっては、むやみに飲まないほうがいい薬もある?

 ちょっと神経質な方に多いのが、具合が悪いとすぐ薬を飲みたがるということです。
これはちょっとした危険をはらんでいます。たとえば、下痢止めや咳止めの薬がそうです。
下痢にもいろいろタイプがありますが、その中でも細菌性の下痢の場合、下痢は原因となっている細菌を速く体の外へ出そうとする生体の防御反応なのです。
ですから、下痢止めで下痢を止めてしまうと、細菌が体の中にとどまってしまい、ますます病気の治りが悪くなってしまいます。従ってこのような場合、まず整腸薬を服用して様子を見て、それでも下痢が治まらないときに初めて下痢止めを飲むという風に段階を踏んだほうが無難です。
 また、咳止めの場合も同じようなことがいえます。痰を伴う咳の場合、人間の体は咳をすることによってその痰を気管支や肺から取り除くようにはたらきます。ですから、咳止めを飲むことで、痰が排出されなくなり、病気の治りを遅らせてしまうばかりか、小さなお子さんや高齢の方ではその痰を詰まらせて窒息してしまう場合もあるので要注意です。

8.とりすぎてはいけないビタミンがある?

ビタミンの種類は現在発見されているだけで、二十種類以上あります。ビタミンAにはじまり、B、C、D、E、H、K、L、P、U ・・・・。
このビタミンは、水に溶ける水溶性とあぶらに溶けやすい脂溶性とに分けられます。ほとんどが水溶性の中で、A、D、E、Kだけが脂溶性です。
この脂溶性ビタミンは必要量以上とりすぎると、逆に副作用(過敏症)をまねくことが知られています。たとえば、ビタミンAをとりすぎた場合、脳圧が高くなったり、手足の腫れや痛みなどが起こります。また、ビタミンDは本来、骨や歯の形成を促すはたらきがあるのですが、とりすぎると逆に骨がもろくなって折れやすくなります。
また、この脂溶性ビタミンは妊婦さんが服用する際には特に注意をしていただきたいのですが、とりすぎた場合、生まれてくる子供が奇形になりやすくなるということです。
 このように、何でもかんでもビタミンなどの健康食品を多量にとりすぎることは逆に体によくない場合もあるのでちゃんと覚えておいてくださいね。

9.かぜで抗生物質が処方されたら・・・・。

かぜの原因はウイルスが70〜80%を占めます。かぜの根本的な治療法はないため、薬で症状を抑えるといった方法が一般的です。また、のどの腫れや痰を伴う場合のように、細菌による2次感染が認められるときには抗生物質が処方されます。
この抗生物質はかぜの場合、5日から1週間処方されるのが普通ですが、症状がおさまったからといって服用を勝手に中止してしまうと、細菌が再び増殖してしまう可能性があるのでちゃんと指示通り飲んでくださいね。

10.熱さましの座薬の使い方

 かぜをひいて熱があるとき、熱さましの座薬を処方されるときがあります。
熱さましの座薬の成分は解熱鎮痛薬と呼ばれる部類のものです。
一般に、小児と大人に使用される解熱鎮痛薬の種類は異なり、小児には比較的作用が穏やかで、副作用も少ないアセトアミノフェンという薬剤が使われます。
 このアセトアミノフェンは、座薬を挿入してから約30分位から効果が現れ始め、約4時間効き目が持続します。
座薬の使い方としては、体温が38度を超えたあたりから使用してください。また、挿入後も熱が下がらず、再度使用する場合の間隔は6時間以上空けて使用してください。
ただし、38度以上あっても、子供が元気な場合にはしばらく様子をみてください。発熱というのは体が外敵から身を守る反応で、体の免疫力を高める作用もあります。ですから、むやみな解熱は逆に病気の治りを遅らせてしまう可能性がありますので注意してください。

11.子供に薬をうまく飲ませる方法

 大人が薬を飲むとき、普通は水やぬるま湯で飲みますが、小さな子供の場合、粉薬で処方されることが多く、そのまま水やぬるま湯で飲むと薬の味がして子供がむずかる場合がほとんどではないでしょうか。そんな時、小さなお子さんをお持ちの若いお母さん方は途方にくれることがあると思います。
 一般に、そんな時は子供が好きなものでごまかして(表現は悪いですが)飲ませてしまう方法があります。ただし、粉ミルクや牛乳に溶いて飲ませてしまうと、それ以降子供がミルク嫌いになってしまうことがあります。また、ジュースに溶いて飲ませるという方法がありますが、特に柑橘系のジュースで溶くと、薬の苦味が増してますます飲みづらくなってしまうので避けたほうが無難です。
 それ以外の方法としては、ジャムやヨーグルト、アイスクリーム、氷(かき氷)と一緒に与える方法があります。冷たいもので与えると、味覚が麻痺して薬の味を分からなくさせてしまう効果があります。ただし、この場合も、冷たいものはお腹をこわす原因にもなるため注意が必要です。また、アイスクリームのカルシウム分が、ある種の抗生物質の効果を弱めてしまう場合があります。
 その他、ゼリー状のオブラートというのが市販されていて、こちらは粉薬をゼリーで包み込んで薬の味を紛らわせる効果があります。
いずれにしても、1番いい方法はお子さんの好みを知っているお母さんだと思います。根気強く飲ませてあげてくださいね。

12.授乳中に飲んではいけない薬

 母乳を与えているお母さんの場合、授乳中に飲んではいけない薬がいくつかあります。
母乳は脂肪分を多く含むため、脂に溶けやすい薬が母乳中にも移行しやすくなります。
一般に、薬を飲んでいるお母さんが母乳を与える場合、子供が比較的長時間睡眠する前に薬を服用しておき、子供が起きたら母乳を与えるという方法も知られてはいますが、その場合、最低5時間以上は間隔をあける必要があります。ただし、この場合もいくら間隔を空けたとしても飲ませてはいけない薬もありますので、医師の指示を仰ぐ必要があります。

薬剤名

主な商品名

主な効能

乳児への影響

炭酸リチウム

リーマス

抗躁薬

チアノーゼ、体温下降

メシル酸ブロモクリプチン

パーロデル

パーキンソン症候群他

乳汁分泌抑制

アスピリン

バファリン

消炎、鎮痛作用        血小板凝集抑制作用

サリチル酸中毒

塩酸アミオダロン

アンカロン

不整脈

肺毒性

シメチジン

タガメット

胃炎、消化性潰瘍

胃酸分泌異常、
中枢神経刺激作用

チアマゾール

メルカゾール

抗甲状腺薬

甲状腺機能低下

酒石酸エルゴタミン

カフェルゴット

片頭痛

嘔吐、下痢、けいれん、
乳汁分泌抑制

シクロスポリン

サンディミュン

免疫抑制作用

免疫抑制、腎毒性

金チオリンゴ酸ナトリウム

シオゾール

慢性関節リューマチ

浮腫

メトロニダゾール

フラジール

トリコモナス症

下痢

チニダゾール

ファシジン

トリコモナス症

下痢

シクロホスファミド

エンドキサン

抗腫瘍作用

好中球減少、免疫抑制

塩酸ドキソルビシン

アドリアシン

抗腫瘍作用

心毒性、免疫抑制

メトトレキサート

メソトレキセート

殺細胞作用

免疫抑制

アルコール

 

 

アルコール中毒症状
低プロトロンビン血症

放射性医薬品

 

 

甲状腺機能低下症

麻薬

 

 

麻薬中毒

13.点耳薬を使う場合の注意点

一般に、点耳薬と呼ばれる耳の中につける薬の場合、よく冷えた状態でそのまま使用すると、めまいがおこる可能性があります。
したがって、冷蔵庫に保管するように指示された点耳薬の場合、使用する際には手の中で握って人肌程度まで温めてから使用するとめまいが起こりにくくなりますので試してみてください。

14.アトピー性皮膚炎の方に好ましい制汗剤?

 一般に、アトピー性皮膚炎の方は炎症がおきていない部分の皮膚の内部でも何らかの異常が起きているとされています。
最近、CMなどで「セラミド」という言葉をよく聞きます。このセラミドは皮膚の角質細胞をつなぎとめる役割を持っていますが、アトピーの方ではこのセラミドの量が正常よりも低下していると言われています。このことにより、アトピーの方の皮膚は正常の皮膚よりも外界の刺激に弱いことになります。従って、いくら制汗剤といえども中には使用するとアトピーの症状を悪化させてしまうものもあるので要注意です。
 アトピーの方でも比較的安全に使用できる制汗剤は、無香料でかつアルコール分を含まないものが適当と思われます。なぜなら、どちらも刺激性の物質だからです。
 種類別で選ぶと、噴霧式のミストタイプと液体を直接塗るロールタイプのものにはほとんどアルコールが含まれていますので避けたほうが無難です。また、スプレー式のものは吸い込むと喘息などの発作を悪化させる場合がありますが、アトピーの方は喘息を持っている場合が多いのでこれも避けたほうがよさそうです。すると、残るはスティックタイプのもの。これは、固形で直接体に塗りつけるもので、比較的刺激的な物質を含んでいないためアトピーの方にも安心して使っていただけると思います。でも、制汗剤1本買うにしても、念のため薬剤師のいる薬局で成分等を確かめてから購入したほうがよいと思います。

15.喘息の薬と肉料理は相性が悪い?

  喘息薬の中でも、テオフィリンという気管支拡張作用のある薬剤は、焼肉と相性がよくないことが知られています。焼肉のこげた部分に含まれる物質がテオフィリンを分解しやすくしてしまうのです。特に、こげ身の多くなる炭火焼き肉の場合、このテオフィリンの効果を約20%も弱めるというデータもあります。
 これに類似して、たばこの煙に含まれる成分にも同様な物質が含まれているため、喘息でテオフィリンを飲んでいる方にたばこはお勧めできません。といいますか、それ以前にたばこの煙自体が喘息発作を引き起こす原因にもなりますのでご注意を!
 また、焼肉だけではなく、肉類だけに片寄り、炭水化物をあまり食べない食事を長く続けた場合も同様にテオフィリンの効果が落ちてしまいます。つまり、バランスの取れた食事をこころがけることが大切なのです。
 ちなみに、逆にテオフィリンの分解を遅らせ、血中濃度を上昇させるものにはお酒(大量の飲酒)が知られています。

 


>TOP

Copyright (C) Aru_Tareta_Hibi, All Rights Reserved.