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PLEXTOR Premium (PX-W5232TU) 音楽CD品質検証  
「Q-Check C1/C2 Test」 グラフの見方
音楽CDの品質と音質(SHM-CD / Blu-Spec CD&CD2)
音楽CDの品質と音質/UHQCD
PLEXTOR Premium(PX-W5232TU) 音楽CD品質検証

発売当時はアナログのLPレコードより音が良いとして喧伝された音楽CDは、30年以上経過した今では音の悪さが知れ渡ったらしく、販売数の下落に焦ったレコード会社は高音質CDなる小手先の紛い物まで出す始末。
音が悪いのはレコード会社が音楽CD発売当初から製造不良品を素知らぬ顔で売ってきたためで、ごく当たり前な結果と云える。
これは、音楽CDの本質と云うべき根本的な問題のため、たぶん永久に解決されない。
再生側のCDプレーヤーに組み込まれたエラー訂正処理は、CDの製造不良を誤魔化す事に主眼があり、音のぼやけを助長するだけで音質的には何も解決していない。
この”製造不良”と”エラー訂正処理”の二つの問題の必然から音楽CDは音がぼやけてしまいオーディオ的には買うに値しない代物になった。

今の音楽CDは、メーカーが大嘘で作り上げたデジタルの虚構の上に成り立ってきただけで、音が悪いと感じる方が正しいことをエラーレート測定データが端的に示している。
CD製造に使われるスタンパーが製造不良の根本原因なのは明らかで、スタンパーを使用しない製造方法に改めない限り音楽CD本来の音が甦る事は無い。
残念ながら音楽CDを買う行為はお金をドブに捨てているのに等しいと云える。

  • (2007年11月 初版掲載)
  • (2008年7月 更新)
  • (2010年5月 NO.37 改訂掲載)
  • (2011年04月&05月 更新)
  • (2013年5月 更新)
  • (2014年8月 NO.65 2014版掲載)
  • (2016年2月 NO.76 新編集版掲載)

1.音楽CD品質検証「Q-Check C1/C2 Test」
音楽CDの規格は、
・標本化周波数:44.1KHz
・量子化ビット数:16bit

音楽CD発売当時、ソニーは音楽再生にはこれで十分と明言している。
実際に当時の音楽制作現場に於けるデジタル・レコーディングの仕様(注1)は下記の通りで、音楽CDより周波数帯域が計算上少し広いだけである。
・標本化周波数:48KHz
・量子化ビット数:16bit

では、なぜ音楽CDの音が悪く聴こえるかは、規格とは別の所にある。
 (※)以降、音楽CDをCDと略して書く。

(注1)当時のデジタルレコーディングを謳ったLPレコードのジャケットに記載された物。
数値で見ればLPレコードの方がCDより元の周波数帯域が広いことになる。

音が悪いと感じるのはそれなりの理由(原因)が有るはずだが、CDプレーヤーからの音を聴いているだけではハッキリしない。
CDの音の悪さとして感じ取れるのは、主に以下がある。
1)音像のぼやけ(音のぼやけ)
2)音のこもり
3)平面的な音場

CDの音が悪い理由を突き止めるには定量的な計測データが必要で、その鍵は ”エラーレート”と云う一般には余り馴染みのない測定データに有る。
馴染みがないのも当然で、CDのエラーレートを簡単に測定できる手段を消費者側が手に入れられたのはCD発売から20年位経った2000年代に入ってからで、CDリッピングができるパソコン用CD-RWドライブが普及した頃になる。

”エラーレート”が測定できる代表的な物に、プレクスターの「PLEXWRITER Premium」シリーズのCD-RWドライブやDVDドライブに添付されていた「PlexTools Professional」と云うソフトが有る。
この中にCDの ”C1/C2エラーレート”を測定する機能があった。
ただ、残念なことに、当時このソフトの本当の機能に気付いた人は殆どいなかったようで、Web検索してもCDのエラーレートを取り上げた物は無かった。

1-1.「CDの製造品質を現すエラーレート測定データ」

CDのエラーレートを測定する機能は、「Q-Check C1/C2 Test」という項目。
プレクスターの説明では、縦軸がC1/C2エラー訂正数で、ドライブがエラー訂正したカウント数を横軸の経過時間でグラフ化した物になる。
ここで、C1/C2エラー訂正数は ”C1/C2エラー発生数”と読み替えられるので、見方を変えれば、このグラフがそのままCDの製造品質を現すエラーレートの計測データになる。

エラーはデジタル信号の欠落の事で、
・軽い物(処理が出来る物):C1
・重い物(処理が難しい物):C2
として区別され、エラー訂正部で処理される。
エラーレート測定グラフは表示の色でC1とC2を区別している。
・C1エラー発生数:緑色
・C2エラー発生数:青色
グラフを見れば分かるが、データ上はC1エラーが主で、C2エラーは読み取り面に傷がある場合を除けば滅多に発生しない。
このため、大抵のエラーレート測定ではC1エラーレートのグラフデータが得られる。
以前、CDの寿命で話題になった”アルミ膜の穴”は、C1エラーとしてデータに現れる。

(Fig.1)は音の悪いCDのエラーレート測定データの例で、市販CDではごく普通にある物。
デジタル信号の欠落が無ければエラーレートはゼロのまま推移するが、グラフの緑色が現す山はデジタル信号の欠落が盛大に発生していることを示している。
エラー発生量が少ないと思われるかも知れないが、CDはエラーレートが”1”でも音が劣化する非常にデリケートな物で、例に上げたCDは音がぼやけて音楽とはほど遠い物になっている。
見た目は同じでもエラーを元通りに復元できるパソコン用CD-ROMと混同してはいけない。
(※音楽CDとCD-ROMは全くの別物。)

  (Fig.1)CDのエラーレート測定データ(グラフ)例
(Fig.1)C1C2エラーレート測定グラフ

CDを買うとこの程度の製造品質の物ばかりで、残念ながらこれが普通の現実。
     
グラフは
縦軸:エラーレートの値
横軸:経過時間(数字は分)


CDにデジタル信号の欠落が一つも無ければ、(Fig.2)のようにC1エラーレートの値はゼロのままのデータになる。
CDの実測データと比較すれば、CDのC1エラー発生量が如何に多いか一目瞭然。

(Fig.2)製造良品CDのエラーレートデータ(グラフ)
(※デジタル信号の欠落が皆無の例)
(Fig.2)C1C2エラーレートグラフ

現実にはエラーレートがゼロのCDは無いため(Fig.2)の様なデータの物は無い。

グラフは説明用に作成した物。


次の(Fig.3)~(Fig.5)に、CDのC1エラー発生パターンの例を示す。
どれも再生の経過時間で音質が変わるが、音を聴いただけではその理由は分からない。
エラーレートと音質の関係を知らないと、勢いオーディオ機器等に原因を求めがちになるが、それこそレコード会社の思う壺。
また、夢にも演奏が悪い所為などと邪推しないこと。 尚、三つとも製造品質は不良品。

(Fig.3)「最初はエラーレートが高く、徐々に低くなるパターン」
(Fig.3)C1C2エラーレート測定グラフ

最初は音がぼやけて音質は悪いが、徐々に音が良くなる。
70分過ぎ当たりからは、音質が見違えるほど良くなる。

但し、実際には音の悪さに耐えきれず、音が良くなるまでこのクズCDを聴くことはまず無い。



(Fig.4)「一時的に急に音が悪くなるパターン」
(Fig.4)C1C2エラーレート測定グラフ

3分~7分過ぎの間は音のぼやけが大きくなり音質が非常に悪い。
それを過ぎると音質は比較的良くなる。
エラーレートデータを見れば理由は一目瞭然だが、データが無いとサッパリ分からない。



(Fig.5)「経過時間帯で音の良し悪しが変わるパターン」
(Fig.5)C1C2エラーレート測定グラフ

20分当たりからの数分間のエラーがゼロ相当部分ではCD本来の音が聴ける。
これがCD本来の音と云えるのも、エラーレート測定データのお陰。

市販CDではエラーレートが比較的低い方になるが、エラーが出る限り製造不良品に変わりない。


 
1-2.「音の劣化の大きさを現すエラーレート値」

エラーレートの重要な点は、C1エラーの発生数のみならずCDの音質劣化の大きさを現している事にある。
値が大きいほど音質の劣化が大きくなり、
・音像のぼやけ(音のぼやけ)
・音のこもり
・平面的な音場
と云った音の悪さが顕著になる。

何故そうなるかはCDプレーヤーのエラー訂正処理と関係するため後述する。
エラーレート測定データ(グラフ)の山の高さがCDの音質劣化の大きさを現すことから、横軸の経過時間を辿るとCD再生時における音の悪さが推測できる。

(Fig.6)は聴感上を考慮して、(Fig.1)データに音の悪さを現すエラーレートの値をグラフにプロットした物。
グラフの時間を追いながら再生すると音の悪さの変化が聴き取れる。
グラフを見れば、CDの再生音質が時間経過と共に大きく変動している様子が分かる。

(Fig.6)聴感上のエラーレート値(最大)をプロットしたグラフ
(Fig.6)C1C2エラーレート測定グラフ

プロット(黒)は聴感上の音の悪さを示すエラーレートの値。
エラーレートの値が大きいほど再生音質が悪くなる。

プロットから、時間経過で再生音質が大きく変動している様子が分かる。


(Fig.7)は、C1エラーレート値とCDの音質劣化の概念。
C1エラーレートの値が大きくなるほど音質の劣化が大きくなる事を現す。

(Fig.7) 「C1エラーレートによる音質の劣化度合い」
C1エラーレートの値 音質の劣化の大きさ
音質劣化無し(メタルマスター相当と推測)
音質の劣化小↑








音質の劣化大↓



(Fig.8)「(Fig.6)の上下反転表示グラフ」
画像:Fig.6の反転表示グラフ

(Fig.7)表の意味が直感的に分かるように、(Fig.6)のグラフを反転表示した物。

プロット(黒)は音質劣化の無いCD本来の音からどれだけ劣化したかを示す。
※0(ゼロ)がCD本来の音。
縦軸の数値が大きいほど音が劣化する。
横軸:経過時間



1-3.「C1エラーレート値の音質評価」

測定グラフを見ればエラーの発生状況を客観的に捉えられるものの、残念ながら、これだけではCDの音の悪さと直接的に結び付かない。
何故ならプレクスターはエラーの発生状況をグラフデータとして示すソフトを提供しただけで、CDの音の判断基準までは示していない事による。
これは、「Q-Check C1/C2 Test」の本当の機能に気付いた人が殆どいなかったことにも通じている。

「PLEXTOR Premium(PX-W5232TU) 音楽CD品質検証」を作成するに当たり、判断基準が無いのなら作れば良いとの考えから、CDのエラーレート測定グラフの推移を追いながら、CD毎に各C1エラーレート値に於ける再生音質の評価を行った。
(Fig.9)は音質評価の結果をまとめた物で、これによりエラーレート測定データとCDの再生音質との紐付けが可能になった。
尚、C2エラーの発生は、読み取り面に傷がある場合を除きほとんど無いため評価から除外。

ただ、幾らエラーレート測定データが有るとは云え、そのままでは(Fig.9)に示す結果を得るのは難しい。 何故ならアンプ部分の音の曖昧さが邪魔をして微妙な音の違いを聴き取れない。
それを可能にしたのが 「音が良くなる!!直流安定化電源の使い方」で独自に見いだしたオーディオ機器の駆動方法にある。

 (Fig.9) C1エラーレート別の再生音質評価表
C1
エラーレート値
音質 備考
・音場が立体的で広い。
・音像は小さく音像定位明瞭。
・音の響きが豊かで音の伸びが良い。
・メタルマスター相当の音質と推測。
・音質:CDが持つ本来の音。
・現時点ではエラーレート:0(ゼロ)が
 大部分を占めるCDは無い。(※皆無)
・今のレコード会社の量産技術では
 作るのが難しい品質レベル。
・音場が少し狭くなる。
・奥行きをまだ感じられる。
・音像が少しぼやけて大きくなる。
・音の響きが減少。
・音質:可。
  (条件:散発的な発生で連続しない事)
・本来の音質からは劣化している。
・音像から音楽として楽しめる限界。
・現在、再生時間内でエラーレート1以下を
 満たす品質レベルのCDは無い。
・音像がぼやけ気味。
・奥行き感は減少。
・ボーカルのリアリティーが薄い。
・音の伸びは鈍る。
・音質:不可。
・本来の音質から大きく劣化。
・似たような音が出ているだけ。
・CDは元の音楽を再現しないゴミ。
3~6 ・音像のぼやけが大きい。
・音がこもり気味。
・音場は平面的で奥行きが無い。
・音質:評価に値しない。
・本来の音からかけ離れた音。
・エラー補間の影響大。
・燃やすゴミ。
7以上 ・音が不明瞭で音像の所在不明。
・音のこもりが大きい。
・ほとんどエラー補間した音。
・もはや音楽では無い。
・燃やすゴミ。

※エラーレートがゼロのクラシックCDの音質を確認できた事から本来の評価基準にした。
※補間とはCDプレーヤーが勝手に作り出した音で欠落している音を補うエラー訂正処理。

2.音楽CDの実態

(Fig.9)の表から音楽CDの実態と家電メーカーやレコード会社の大嘘が見えてくる。
これはCDの本質的な問題を提起するが、同時に家電メーカーとレコード会社が消費者を欺くために行った悪事が浮かび上がる。
悪事にはいわゆるデジタルだから音が良いと云った漠然とした情報操作等を含むが、音楽CDの実態から見れば”デジタルだから音が悪い”と云う方が合っている。

2-1.「エラーレート測定データで見えてくる音楽CDの問題点」

浮かび上がるCDの問題点。
1)C1エラーレートの値が”1”でも、再生音質がCD本来の音より劣化する。
2)エラーレートの値が大きくなるに従い、音のぼやけを伴う音質の劣化が顕著になる。
3)エラーレートの値がゼロのCD本来の音からすれば、エラーレート値の”1”が音質的な限界。
4)音の劣化の大きさから、CDプレーヤーはC1エラーの発生でも音の補間をしている。
5)エラーレート測定データから云えば市販CDは全てデジタル信号の欠落が多い製造不良品。

(1)「音楽CDの本質」
上記1)と5)はCDの本質を示している。
CDはC1エラーの発生がゼロ、つまり再生時間内でデジタル信号の欠落が皆無な事がマスター音源の音楽再現の前提に成っている。
この時にCD規格の音質
・標本化周波数:44.1KHz
・量子化ビット数:16bit
の音楽が再現される。
※ここでのマスターはCD製造用の物で音楽制作現場のマスター音源では無い。

実際、C1エラーレートがゼロの部分の音楽を聴けば、ソニーが音楽再生にはこれで十分と明言したことが実感できる。 しかし、現実には今でもC1エラーレートがゼロのCDを量産出来ていない事から、品質的にかなり無謀で矛盾した代物になっている。

「無謀で矛盾したCD製造」
現在のスタンパーでプレスする作り方では樹脂残渣等によりデジタル信号の欠落発生は避けられない。 プレス数が増えるに従ってデータの欠落も増大する事となり、元からC1エラーレートがゼロの物を量産出来ない仕組みと云える。 これは、CDをプレスした途端にデジタル信号の欠落(※C1エラーの発生)が大なり小なり生じて、最初から音質が劣化した不良品になることを意味しており、デジタル信号の欠落が無い良品が出来ることは根本的にまずあり得ない。
このため、製造不良の程度に差はあれど、どのCDも音のぼやけや音のこもりが発生して本来の音からかけ離れた音になると云う、ごく当たり前の結果になっている。
つまり、これまで発売されたCDは製造不良品ばかりで良品は一つも無いことを意味する。

所詮、アナログレコードの製造方法を微細加工に転用すること自体に無理があり、数十年経ってもまともなCDを量産出来ないレコード会社の体たらくがそれを証明している。
このような状況は、次の重大な問題を提起する。
それは、レコード会社はCD発売の1982年から現在に至るまで、製造不良品を売って儲けてきたことを示唆する。
消費者には分からないからと云って、製造不良品で儲ける業界など言語同断である。
言語道断の行いはCDプレーヤーのエラー訂正処理が深く関係している。

(2)「エラー訂正処理はレコード会社のための物」
上記問題点の1)~4)は、C1エラーの発生が再生音質を大きく左右していることを示す。
世間的には、
・C1エラー:エラー訂正処理
・C2エラー:音の補間処理(※動作上はエラー訂正処理の範疇)
となっており、C1エラーの発生はエラー訂正処理で音質的に問題ないとされている。
しかし、現実には(Fig.9)に示した通り音質が大きく劣化しており、メーカーの説明とは矛盾している。 音質の劣化の大きさと推移もエラーレート測定データ(グラフ)の山の高さと一致している。
以上から次の事が云える。
1)エラー訂正処理は欠落した元の音、元の音質を復元しない。
2)エラー訂正処理の結果は、音の補間(欠落した音の穴埋め)と云う形で再生される。
3)エラー訂正はデジタル信号の欠落で起きるノイズや音切れを誤魔化す処理。

エラーレート測定データと照らし合わせて再生音を聴けば、エラー訂正処理が欠落した元の音の復元をしない事は明らかで、C1エラーの発生が多くなるほど音質が劣化する。
この状況が音の補間処理で誤魔化していることの何よりの証拠で、音の悪さの程度は再生中に補間した音が混じる割合の結果と云うことになる。
エラー訂正処理で音が元通りに復元される事などあり得ず、メーカーの大嘘に他ならない。
それ故、エラーレート測定データ(グラフ)はCDの音の悪さを現すことになる。

以上から明らかなのは、エラー訂正処理は不良品CDを大量生産するレコード会社のために有り、CD本来の音を取り戻すための物では無いと云うこと。
デジタル信号の欠落が多い不良品CDをそのまま再生すれば、ノイズや音切れが盛大に発生して直ぐに不良品と消費者に分かりクレームや返品が殺到する。
そこで、エラー訂正という名の音の補間、要は欠落した音を勝手に生成した音で穴埋めをしてノイズや音切れを誤魔化し、不良品の判断がし難い”音質劣化”という形にすり替えている。
レコード会社としては不良品CDとバレなければ良いので、音質がどれだけ劣化しようがお構いなしである。
要するに、CDはレコード会社と開発元のソニーの馴れ合いから出来た代物と見られ、消費者を欺いて体良くお金を巻き上げるための巧妙な仕組みと云っても過言では無い。
エラーレート測定データを基にCDプレーヤーのエラー訂正処理の結果としての音を聴けば、音楽の再現性という点でCDは最初から破綻していた事が分かる。

(3)悪行三昧のレコード会社
CDが消費者を欺く物であってもレコード会社にとってはこれが儲けを生む正に魔法のアイテム、仕組みである。 この魔法と正に等価交換されるのが音質で、再生時にC1エラーの発生量に見合った音質の劣化という現象が起こる。
何のことはない、CDの出来の悪さをレコード会社からつけ回されるのが消費者という事。
消費者は、音質というつかみ所のない不良ではクレームをつけ難く、レコード会社とってはこの点でも魔法のアイテム。
幾ら製造品質が悪くてもクレームが殆ど無いとなれば、CDが粗製濫造になるのは当然の成り行きで、現在の状況を良く現している。 誤魔化しのエラー訂正処理をレコード会社のために取り入れたソニーの悪行が今に至るまで災いしている。
製造品質を上げてエラーレートをゼロに抑えればCDの音は甦るが、目先の利益しか頭に無く誤魔化しのエラー訂正処理にあぐらをかくことに慣れた今のレコード会社では望むべきも無い。
かくしてCDが持つ本来の音は、登場した時から死んだまま現在に至る。
CDはメーカーの嘘つきで無責任な体質を良く現していると見ることができる。

CDのアルミ膜に穴が空いている事が発覚した時にレコード会社が取った処置は穴が見えないようレーベル全面にピクチャーレーベルの如く印刷して隠す事。
それまでは廉価版等はコスト削減のためか最小限の文字印刷のみでレーベル面はアルミの銀色も多かったが発覚以降はその様なCDは無くなりレーベル全面印刷になった。
根本的には製造不良ながら穴が空いてる物ばかりでは無かったため過剰とも取れるレコード会社の反応はCDがレコード会社も手に負えない代物なことを物語る実例と云える。


2-2.「音楽CDはLPレコードより音が悪い」

理論的には音が良いCDは、C1/C2エラーレートがゼロの物を量産できるレコード会社が何処にも無い以上、データエラーの所為で音がぼやけてアナログのLPレコードより音が悪い。

”製造不良品”と”誤魔化しのエラー訂正処理”が引き起こす必然であり、それはCD発売の1982年から変わらない。
発売当時からCDの音の悪さは指摘されてきたが、LPレコードへの郷愁などではなく、それが正しかった事をエラーレート測定データが明らかにしている。
デジタルがアナログより音が良いのは音楽制作現場のマスター制作段階に留まる。
CD製造段階では製造品質が引き算になるため、CD製造用マスターと同じどころか音の悪い物しかできない。 レコード会社が音が良いと主張するのは音楽制作現場のマスター音源の事であり、プレスしたCDでは無いことは明らか。

消費者は製造不良のCDしか流通していないため、悲しいかな発売から30年以上経った今でも、CD規格本来の音で再現される音楽が分からない。
演奏者が心血を注いで録音した音楽も、エラーを補間した音が盛大に混ざっては録音された音楽からほど遠いぼやけた音でしか聴くことが出来ない。
この様な現状は、レコード会社は消費者のみならず演奏者までも裏切っている事になる。
音の悪いCDでは演奏や録音が悪いと云う誤った判断を消費者がしても無理はなく、そうなれば、演奏者やアーティストのその後の評価にも影響が及ぶ。
レコード再生も色々な問題を抱えているが、少なくとも音が大きくぼやけるような事は無く、アナログのLPレコードの方がマスターが持つ音楽の再現性に勝ると云える。
皮肉な事に、音楽制作現場のデジタル化による音質向上の恩恵を最も受けたのがアナログのLPレコードと云える。
早い話、CDは登場した最初から消費者を馬鹿にしたクズ商品であり、それは今も変わらない。

「現実はオーディオ機器も音がぼやけている」
再生側のオーディオ機器もCDのぼやけた音をこの様な物と聴き流してしまう原因がある。
実際に音質を突き詰めるとオーディオ機器の音のぼやけの問題に突き当たる。
一般家庭向けのオーディオ機器は電源端子が三極でもアース線がカットされており大地アースを内部回路に利用できないため音がぼやける現象が起きている。
これは、国内の家庭用ACコンセントはアース端子の無い二極形でアースを使えないためだが、アースを使える環境に於いても対応できない作りの製品は問題と云える。
USB端子付のオーディオ機器に於いてUSBのシールド金属にアースを接続すると音のぼやけが改善して音像が鮮明になることからオーディオ機器で大地アースは必須事項。
(2021年5月 記 / 2022年7月 文章書き換え)

2-3.「音楽CDは放送でも音が悪い」

NHKのFM放送番組で、時折、CDラジオでもハッキリ分かるほど音がぼやけたCDが掛かる事がある。 音の悪さは、冒頭に並べた症状がそのまま聞き取れる。
・音像のぼやけ(音のぼやけ)
・音のこもり
・平面的な音場。

このような放送の状況から次のことが分かる。
1)放送局のCDプレーヤー(※放送用機材)でも欠落した元の音を復元しない。
2)放送局のCDも音の悪さがハッキリ分かるほどの粗悪な製造不良品が混じっている。
3)NHK(放送局)ではCDに粗悪な製造不良品が有るとの認識が全く無い。
そのため、選別をせず音の悪いCDを平気で放送用音源に使っている。
4)NHKはCDのエラーレートの重要性を知らない。
 
公共放送のFM番組で音がぼやけたCDが掛かるという現実は、
・CDは製造不良品。
・CDプレーヤーのエラー訂正処理は欠落した元の音、元の音質を復元しない。
と云う、ここで指摘した音楽CDの本質の裏付けとなる。
 
3.良品の音楽CDとは

CD規格において規格通りの音質を再現する前提は、C1/C2エラーレートの値がゼロである。
プレスされたCDのデジタル信号の欠落が皆無の場合に規格通りの音質と音楽が再現される。
C1エラーが発生するCDは、CD規格の音質を再現できないことから製造不良品になる。
ちゃんと元の音を復元するエラー訂正処理ならばこのような厳しい条件には成らず、消費者も出来の悪いCDのつけを回される事も無かった。

良品のCDは、”デジタル信号の欠落が皆無”が条件になるが、これをエラーレート測定データで示すと(Fig.2)になる。
これがCD規格が要求するプレスしたCDの製造品質で、これ以外はすべて不良品。
残念ながら今のレコード会社では逆立ちしても量産出来ない製造品質レベルになっている。
ただ、(Fig.2)は現実から遠いため、聴感補正的に譲歩した製造品質を(Fig.10)に示す。
これでもかなり厳しいが、誤魔化しのエラー訂正処理を前提にしたCDでは仕方ない。
特徴はC1エラーの発生が散発的で連続しないこと。

(Fig.10)「品質上良品と認められるCDのエラーレート例」
(Fig.10)C1C2エラーレートグラフ


(※説明用のデータグラフ)


「品質条件」
1)C1エラー発生が再生時間内の10%以下。
2)C1エラーレート値は最大”1”。
3)C1エラーが連続発生しないこと。(散発的な発生のみ)
4)C2エラー発生は無し。

(Fig.11)はC1エラー発生が10%以下でも製造不良品の例。
データ上のC1エラーは少ないが、(Fig.10)の品質条件を満たさない。

(Fig.11)「エラーが少なくとも不良品の例」
(Fig.11)C1C2エラーレートグラフ

矢印で示したC1エラーが有るCDは製造不良品。

(※説明用のデータグラフ)


(矢印)”1”を越えるC1エラーレートの発生。/最大”1”のC1エラーレート値が連続して発生。

 
4.測定用CD-RWドライブと音楽CDのエラーレート測定例(参考)
写真:PLEXWRITER Premium-U本体

[写真]
 PLEXWRITER Premium-U(PX-W5232TU)本体。

  • 4倍速書込対応。
  • オーディオ出力端子とヘッドホン端子装備
  • インターフェース:USB2.0
  • 電源:スイッチング式ACアダプタ(12V単一出力)
  • PlexTools Professional付属
(発売:2003年6月頃)

写真:PLEXWRITER Premium2-Uの本体

[写真]
 「PLEXWRITER Premium2-U」の本体。
内蔵型Premium2の外付け仕様モデル。

  • 2倍速書込対応
  • ヤマハの「オーディオマスター」搭載
  • インターフェース:USB2.0
  • 電源:スイッチング式ACアダプタ
     (5Vと12Vの二出力タイプ)

「PLEXWRITER Premium2-U」は「PlexTools Professional」を使える外付けCD-RWドライブとしてプレクスター最後の製品。 (発売:2009年6月頃)
プレクスターが提供していた「PlexTools Professional」ツールが使える数少ないモデル。

以下に、C1エラーレートの値と再生音質の関係を調べた際に使用したCDのエラーレート測定データの一部を示す。
各CDのC1エラーレートと音質の確認作業の結果が(Fig.9)表の元になっている。

C1/C2エラーデータグラフ:シベリウス交響曲全集Disc4



シベリウス交響曲全集 (Disc4)
30CD-439~42

(発売)1986年


C1/C2エラーデータグラフ:ハイスクール!奇面組



ハイスクール!奇面組オリジナル・テーマソング組
D32G0067

(発売)1987年


C1/C2エラーデータグラフ:三田明



三田明
VICL-41054

(発売)1999年


C1/C2エラーデータグラフ:ポップスの巨匠 宮川泰の世界



ポップスの巨匠 宮川 秦の世界
TECH-22652

(発売)2006年


C1/C2エラーデータグラフ:キャラヴァン「ライブ・アット・ザ・フェアフィールド・ホールズ1974」



キャラヴァン「ライブ・アット・ザ・フェアフィールド・ホールズ 1974」
UICU-3517

(発売)2002年


C1/C2エラーデータグラフ:ショスタコーヴィチ交響曲No.6&12



ショスタコーヴィチ 交響曲第6番&12番
POCL-3522

(発売)1994年






キャラヴァン「ロッキン・コンチェルト+3」
UICY-9067

(発売)2001年



「音の確認に使用したオーディオ製品等」
・コンポ型CDプレーヤー:KENWOOD DPF-7002
・イン・ザ・イヤースピーカー・システム:STAX SR-001
 ※SR-001はポータブルタイプのコンデンサー型ヘッドホン
・シリーズレギュレータ方式直流安定化電源:TEXIO PR18-3A
 ※STAX SR-001の電源に使用

更新履歴

2016年2月1日
ようやくクラシックCDのC1エラーレートがゼロの音質を確認できた事から内容の大幅な書き換えと取捨選択を行い、コンパクトな形に作り直した新編集版を作成。
 ・これまでは甘くしていたCDの品質判断を本来の物に変更。
 ・市販CDは概ね製造不良の類であり誤解を避けるため「音楽CD品質分類表」を削除。
 ・表題を「音質とエラーレートから見た音楽CDの本質」に変更。

  • 2018年11月30日 画像サイズ縮小と文章及びレイアウトの一部修正。表題を再度変更。
  • 2021年5月10日 2-2項に「オーディオ機器も音がぼやけている現実」を追加。文章修正・変更。
  • 2022年7月19日 表題を元に戻す。
  • 2-2項内の「現実はオーディオ機器も音がぼやけている」の文章書き換え。
  • 2023年6月25日 アルミ膜の穴に関する文章を追記。
[ by star-route13 ](2018/11 HTML-refine)

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