バラの栽培の歴史は紀元前1200年にまで遡ることができるそうです。ローマ帝国やクレオパトラの話の中にもバラが出てきますね。
「バラ色の人生」のようにバラの色は、昔から、幸せ、華やか、輝きの代名詞としてよく使われます。でも、バラ色っていったいどんな色なんでしょう?きょうは、バラの花色のお話です。
バラの花色は、赤、白、黄の3色が基調になっていますが、これらの濃淡や混合で実にさまざまな花色のバラが交配によって作り出されています。
赤白黄色が重なるフリュイテの花
そして、現在バラの品種は7000種ともいわれていますが、実はその花色には黒と純粋な青はありません。それは、バラの花には「デルフィニジン」などの青い色素が含まれていないからだとされています。
三千年を超える長いバラの栽培の歴史の中でも、真に青いバラが出現したことはなく、「青いバラ」は栽培家の夢の色、探し求める幸福のバラの色として、たくさんのバラ栽培家によって目標にされています。
現在、自然交配によって作られた、青(に近い)バラといわれているのは、藤色や濃いラベンダー色の、ブルームーン、マダムヴィオレ、・・・などと名付けられたバラです。(ちなみに「黒バラ」といわれるのは、朱赤の濃いものがそう呼ばれています。)
当園の唯一の青色系バラ、シャルル・ド・ゴールの秋の花が、お彼岸に入ってやっと咲きました。
自然で無理なら科学でと、日本のサントリーのような企業では、バイオで青の遺伝子を組み込んで青バラを作ろうという試みを始め、すでにカーネーション(これも青色はない)では成功しているそうです。
しかし、多くのバラの栽培家の夢はやはり自然交配によって青いバラを創り出すことです。いまでも、たくさんの人が見果てぬ夢を追って頑張っているそうですので、21世紀には真っ青なバラを手にすることもできるかも知れません。