戻る

nikko81的旅日記へ戻る

前へ

次へ

1日目:関西国際空港〜フランクフルト〜ミュンヘン〜ナポリ


関西国際空港の所定の場所に、
8時35分集合ということなので、
近くの駅から出ている、関空行きのリムジンバスを使うことにした。
運賃は、片道1600円だが、スーツケースのような
馬鹿でかい荷物を持って電車を乗り換えながら行くよりは
ずいぶんと楽に行くことができる。

父が朝早くから車で仕事場に行くので、
近くの駅まで送ってもらい、バスに乗った。
もちろん、観光バスのような大型バスなので、
30人は優に乗れるのだが、そんなに乗客はいない。
お節介な話だが、赤字にはならないのだろうか、
などという、どうでもいいことが頭に浮かぶ。

バスで80分後、関空に到着する。
もう8時近くになっているが、誰も所定のカウンターに
集まっている様子はない。

これは昔からの癖なのだが、
何か行き慣れていないところに集合するときは必ず、
かなり早めにその場所に行ってしまう。

今でも話のネタとして引き合いに出されるのが、
高校受験の試験当日のことだ。
試験は確か9時からだったと思うが、
7時15分に会場に着いてしまった。

試験のある日は早く起きることにしていたため、
この日も早く起きてしまった。
かといって、直前に勉強する気にもならず、
することがないために、早く家を出すぎたのだ。

守衛にも8時からしか開けないから、
しばらく外で待っといてくれと言われ、
朝、バケツの水が凍るほどの寒さのなか、
40分ほどの間、うろうろとする他なかった。

おっと、閑話休題。
そんなわけで、30分ほど関空で時間をつぶさねば、
と、しばらくベンチに座って、人を観察する。

ん?
スーツケースの外からかけるバンドが気になった。
どうも、自分のはバンドのかけ方がおかしい。
そうか、だからスーツケースの
コマのすべりが悪かったのだ。

つまり、スーツケースを持ち運ぶとき、
縦にバンドを締めてしまったのだ。
よくよく考えれば、そんなことをすれば、
バンドの長さが足りなくなるし、
スーツケースのコマが回らなくなって当然だ。
早速、付け替える。
友人に会う前でよかった。

しかし、まだ時間が余る。
ちょっと中をうろうろすることにした。
すると、他の銀行はまだやっていないのに、
住友銀行だけが開いていて、
日本円を外貨に両替しようとする人が並んでいた。

よし、時間のある間に両替しておこう。
早速、書類を書いて並ぶ。
米ドルはすぐに手渡されるのだが、
イタリア・リラなどは少し待たされる。
で、手渡されたのが、なんと16万リラ。

は?16万リラ??
1万円が?
とにかくビックリした。
ちょっと金銭感覚がおかしくなりそうな額だった。
おそらく誰しもそうだとは思うが、
慣れ親しんだ通貨の場合、数字の桁を見て
感覚的に物の価値というか、物価を読み取るものだが、
どうもその感覚がしっくりこず、変な感覚だった。

そうこうしているうちに、友人を見つける。

あまり乗り気ではなかったが、
旅行の打ち合わせなど連絡役をよくしてくれたA。

カナダにも行ったことがあり、
今回の旅行の手配もしてくれたしっかり者のT。

いつも行方不明で、連絡がつきにくいが、
なかなか冷静で味のあるキャラのO。

28日までタイに旅行に行っていて、
またすぐ今回の旅行にも参加してくれたボケキャラのK。
# 4人合わせて、「ATOK」ってか。

いい時間になり5人で、
先ほどの集合場所まで戻る。
海外旅行が好きそうなおばさん連中や、
定年退職を迎えて、夫婦で来られている方もいる。
また、イタリアはブランド品でも有名なので、
それを目的にしているのか、
20台半ばぐらいの女性二人組みもいる。

親しげに話し掛けてきた2人のおばさんと自己紹介をしあう。
どうやらどちらも一人でこのツアーに参加しているらしい。
片方のおばさんは、上品そうで
海外旅行も行き慣れていそうだった。
Hさんとおっしゃるらしい。

もう片方のおばさんは、
一人でツアーに参加するのは初めてだという。
イニシャルで言うとKさんなのだが、
ややこしいので、ここではWさんとしておこう。

で、添乗員や旅行会社からの説明や、
スーツケースの確認がある。
が、いきなりボケキャラのKが、
ネタになることをしでかす。
スーツケースから物を取り出したいのに、
自分のスーツケースが開かない、というのだ。
タイに行ったときのスーツケースとは
別のものをもってきたのだろう。

が、nikko81が速攻開けて、何事もなく解決。
ボケキャラなだけに今後が心配になる。

さて、空港から飛行機で出発しようとするとき、
空港使用料なるものを徴収される。
このツアーでは、今すぐ日本円で集められる。

関空・フランクフルト・ミュンヘン・ナポリ
の空港使用料を合計して、約5500円ほど。
これを添乗員が集めるのだが…
何をどう間違ったのか、
添乗員が金勘定で混乱している。

えっ?えっ?
とか言いながら、お釣りを渡したり、
やっぱり違ったとかなんとか言っている。
おいおい、しっかりしてくれよ。
添乗員もボケキャラかよ。
いくら何でも、そこまで面倒は見きれないんだけど。

で、そのおかげで、スーツケースを預けるまでの時間が
ほとんどつぶれてしまった。
スーツケースを預けると、
もう勝手に添乗員が説明はじめちゃってるし。
ったく。

ま、とにもかくにもまずは出国審査だ。
所定の書類を書いて提出するのだが、
案の定、集団で来ているおばさん連中が分からない
と言い出し、説明するハメに。
とくに、Tには集中攻撃だ。
ま、しかたないか。

さて、お次はボディチェックだ。
ピー。
金属探知機に引っかかる。
どうやら、スーツケースのカギに反応。
それをとって再度。
ピー。
手帳の中の金属部分に反応。
って、なんでそんなどーでもいい部分に反応するんだ!?

友人の中には、携帯がポケットの中に入っているのに、
(↑携帯はワールドウォッチがついているので、時計代わりに)
全然引っかからないし。
金属剥き出しというのがよくないらしい。

さ、やっと飛行機に乗ることができる。
売店でお茶を買って、いざ搭乗。
今回乗る飛行機は、ドイツのルフトハンザ航空。
直行便なら、イタリアのアリタリア航空があるのだが、
安いツアーのためか、いったんドイツの
フランクフルトとミュンヘンを経由して、
イタリアに入る。

アリタリア航空でいったほうが、ラクだがしかたない。
ルフトハンザ航空は、父からよい評判を聞いていたので、
荒い操縦とかはないだろう。
何より、ドイツという国自体、堅実かつ誠実な印象があるし。

当然のごとく、エコノミークラスなので、
席はせまくるしいが、ガマンガマン。
しばらくすると、昼飯が出てきた。
日本人が多いと当然日本食はなくなってしまうので、
洋食ということに。

が、なぜか怪しいピンク色をした「しそそば」が出てくる。
どー考えても、これは洋食じゃないぞ?
まぁ、んなこと言っていてもしかたがないので、
もくもくと食べる。

長い航路を飛行する飛行機の場合、
ヘッドフォンが渡され、音楽や映画の音声を聞くことができる。
が、なかなか耳にフィットしない。

11チャンネルで日本の音楽をやっている。
そこで流れてきたのが、な〜んと
パパイヤ鈴木とオヤジダンサーズ「マイウェイ」、
これなんだな。
どーして、そんな濃い歌をはじめにもって来るんだよぅ。

もーいいや、もってきたCDプレイヤーで、
CD−Rに焼いた音楽を聴こう。
……と言っても長い空の旅、1時間やそこらのCD3枚では、
到底、時間はつぶしきれない。
しかたなく眠るも、2〜3時間するともう起きてしまう。

たまにスチュワーデスさんが、
(ほんとはフライトアテンダントと言った方がいいらしいが)
飲み物を持って回ってきてくれる。
自分で取りに行ってもよいのだが、
中ほどの席になると、やはり出て行くのが
億劫になるのでありがたい。

ちょうど、Aがコーラをたのんだので、

「me,too」

といってコーラをもらおうとした。
が、しかし。
コップにヒビが入っとるやんけ!
当然のごとく、コーラがこぼれ落ちる。
そこは、気の利くドイツ人スチュワーデス、
別のコップを用意してくれ、
割れたコップを受けようとしたが…

って、おい!
それも割れとるやんけぇ!!
飛行機の中でコントやらす気か?
コーラをスチュワーデスに戻し、一段落着く。
危うく、AのMDプレイヤーがずぶ濡れになるところだった。

今度はまともなコップでコーラをもらい、
新幹線にあるような席の後ろにつけられている
テーブルについているコップたてにコップを差し込んだ。

テーブルを直している状態でも、
コップが置けるように、テーブルの底の部分に、
コップたてがついているのだ。

しかし、それが仇になった。
テーブルを直しておくストッパーの
まわし具合が不完全であったらしく、
急に、
「ガタン!」
と倒れてきた。

当然コップからは、コーラが飛び出し
またこぼしてしまった。
# ま、今度は自分の不注意なんだけど。

隣の座っていた同じツアーに参加しているおばさんに、
「ついてないわねぇ」
なんて言われる始末。
ほんと、ついてない。

そのあとも、やはりヒマヒマ状態は続き、
持ってきた本も読みきってしまう。
しかたがないので、ルフトハンザ航空のパンフと
フライト表を眺める。

ドイツ語ばっかだとお手上げだが、
英語でも書いてくれているので、一応は読める。

パラパラとめくり、ベルリン、ハノーヴァー、
ブレーメン、ハンブルク、キール、ドルトムント、アウグスブルク、
フランクフルト…とドイツの都市の名前を確認する。

人にもよるだろうが、地図を見るのはすごく楽しい。
しかもすべて英語(またはドイツ語)で書かれているので、
ドイツ以外の国の都市も見て、
はー、こんなつづりなんかぁ、 とつぶやく。
# 我ながら、訳のわからない感心の仕方だ。

さてお次は、パンフ。
ドイツらしい、と言ってよいのかどうか分からないが、
いかに安全性や快適性と環境への配慮を両立しているか、
ということがかなりのページを割いて書かれてあった。
さすが環境大国ドイツ、ってとこか。

とかなんとか言ってると、
もう晩飯が出てくる。
現地時間に合わせて、食事が出てくるのがつらい。
関空からフランクフルトまで、約10時間のフライト。
んが、時差があるので、8時間さかのぼらなくてはならない。

朝の10時30分頃に関空を出発し、
10時間もの間、飛行機に乗っていたのに、
フランクフルトに着いたら、12時30分ほどでしかないわけだ。

このとき、到着まであと1時間ぐらいだったので、
一応は晩飯ということにはなっているものの、
実際は昼飯扱いということになる。

今でこそ、はっきりわかるが
飛行機の中では、時間をなんども計算しなおした。
計算結果と感覚がなんか一致しないんだな。

さて、無難に肉じゃがを食したあと、
すぐフランクフルト空港に降り立った。
空港そのものからは、あまり異国情緒ってものは感じられない。
違うのは、文字がアルファベットばかり、というぐらい。
でも、やはりドイツ人ばかりがいると、
やっぱり外国かぁ、なんて思う。

さて、ここでもハプニング。
われわれ男子大学生5人は、いつも最後尾近くを歩いていた。
次のミュンヘン行きの飛行機の搭乗手続きをしようか、
というときに、後ろから着いてきていたはずの
女性二人がいないではないか!

添乗員もよく確認しとけよって感じだけど、
TとOが、戻って二人を探しにゆく。
遅れて添乗員が最後尾まで戻ってきて、慌てる。
しょっぱなから、こんな調子とは。
ったく、先が思いやられる出来事である。

TとOが戻ってきたが、見当たらない。
「えー、どーすんの?」
なんて言って、添乗員が今度は探しに行く。

と、そのとき問題の女性二人がやってきた。
しかも、我々が来たところとは全く違うところから。
どうやら、背の低い方の女性が煙草を吸うらしく、
大量に煙草を持ってきていたみたいなのだ。

それを明らかに税関に分かる形でもっていたため、
そこで捕まったらしい。
煙草は、酒や香水、宝石等と同様、
持ち込みの規制があるので、
取り上げられたようだった。
ま、土産話になるとはいえ、
そのときはビックリですぜ。

ま、そんなこんなでやっとこさ、
ミュンヘン行きの飛行機に搭乗できた。
前のおっちゃんについて行くと、
思わず、ファーストクラスの方へ行きかけた。

飛行機が離陸し、飛行機が水平になると、
スチュワーデスが飲み物を持ってやってくる。
もう、水でいいやと思ったので、
「water,please」
と言い、水をもらう。いや、もらったはずだった。

しかし、渡された水らしき液体は、ぶくぶくと泡を出していた。
えっ?渡し間違い?
ま、いっか、サイダーならそれで別にいいし。

あん?
口に含むと、味がない。
はぁぁぁ?単なるソーダ水?
そうなのだ。ヨーロッパ人は、
普通、水と言えば、炭酸入りの水のことを指す。
普通の水を頼むときは、
「non gus」
と言わなければならない。

そんなん先に行っといてくれー、
と言いたくなるが、機内で添乗員が配ってくれた
資料には書いていたらしい。
うぬぬぬ…
そう言われてはぐうの音も出ない。
# ぃや、ぐうの音は出ないが、
# げっぷの音は止まらなかった。

さてさて、ミュンヘン空港に到着。
いったん外に出て、空港内をバスで移動するのだが、
やはり、ドイツは寒い寒い。
地図で緯度を確認すると分かるが、
ドイツは、かなり北に位置している。

ドイツ時間では、まだ晩の6時くらいで、
これから晩飯を食おうかと言うところだが、
日本時間じゃ、深夜2時くらい。
腹は減るし、眠いし。

とにかく日本円が使える、
空港のバーでビールとソーセージを注文し、
腹をさしあたり満たす。
となりのドイツ人は、
ビールをガッバガッバ飲みながら、
仕事の打ち合わせをしているようだった。
酒を飲むと例外なく眠くなる者からすれば、
全く信じられない光景だった。

ここで次の飛行機に乗るまで
2時間近く待たなくてはならないのだが、
なーんもすることがない。

近くにコーヒーがタダで飲める
コーナーがあったので飲む。
が、眠いことにはなんに変わりがない。

やっとのことで2時間経ち、
これでやっとナポリに着くぞ、と思いきや。
行き先が「Neapel」だけじゃなく、
「Bologna」と交互に表示されている。

「Neapel」と言うのは、
ドイツ語でナポリのことらしいので
別にいいのだが…
「Bologna」というのは、ナニ?

そんな疑問をもつだろうと予測してか、
添乗員が説明してくれた。
どうやら、給油のために、一度ボローニャで降ろされて、
再度ボローニャから離陸してナポリに行くのだという。

おーい!
そんなこと聞いてないぞー!
何回離陸・着陸繰り返す気じゃぁー!

そう文句が言える連中はよかったが、
あまりに疲れている者は、声さえあげるのが面倒だった。
タイ旅行から続けて参加のKは、
もはや廃人状態。
あとから聞いた話では、
表情を変えることすらだるかったらしい。

不満をブーブー言いながら、
とにかく飛行機に搭乗。
しばらく寝るが、サンドイッチを
スチュワーデスが持ってきてくれたときに、
隣の人に起こされた。

ほぼ機械的に口に放り込み、再び就寝。
寝る直前、夜景がものすごくきれいだったが、
写真に撮ろうなんていう気力は、もはやなかった。

ボローニャで一度飛行機を降りたことは覚えているが、
詳しいことはあまりはっきりと覚えていない。
ナポリに着くとやっと飛行機から
降ろしてもらえるということで、
少しは気が楽になった。

バスに乗って、ホテルまで行く。
名前はホテル・カブール。
カブールと言えば、150年程前、イタリア統一を果たした、
国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の下で、
活躍した人物の名前だ。

チェックインを済ませて、部屋に上がろうとすると…
このクソしんどいときに、またまた驚かせてくれる。
エレベーターが手動なのだ!
オペレーターと言うのだろうか、
そんな人が手で紐を持って、
するするとエレベーターを操っている。

しかも一回に3人ずつしか乗れないので、
38人のツアー客全員が客室に
行かせてもらうには、相当な時間がかかった。

おいおい、イタリアはみんなこんなんなんか?
結論から言ってしまえば、
そういうわけではなかったのだが、
初日だけに、結構アセった。

ま、無事ホテルの部屋へ。
速攻シャワーを済ます。
湯の出が悪いと言われていたイタリアだが、
さすがに、シャワーぐらいで湯が切れることはなく安心。

こうして、イタリアの旅、波乱の初日は終わりを告げる。


戻る

nikko81的旅日記へ戻る

前へ

次へ