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モバイルにハマったある阿呆の叫び


プロフィールのところでもご紹介しているように、
わたしは、メインマシンをデスクトップマシンから
ノート型、それも小さなモバイルマシンに
12月より、変えています。

新たにまたパソコン1台買おうというのは、
かなりの、というより今まで
一番大きな買い物だったわけですが、
買おうかどうか思案しているときに、
ポンと後押ししたのが、
「どこにいても、このコラムを書きたい」
という気持ちだったわけで。

はぁ?
なにを一人前のライター気分になってんの?
という感じですが、自分が感じたことを含めて、
個人的なパソコン利用で、
モバイルの普及ということを考えると、
バーチャルとリアル、デジタルとアナログが、
今までにない形でつながったことで、
人が今まで踏み込みにくかったところへ、
簡単に踏み込んでいけるようにできるか、
という点がポイントであるような気がしています。

なに、それ?
という感じなので、ちょっとこれについて書きますと。

モバイルという言葉自体は、
かなり市民権を得た言葉のような気がしますが、
実際、モバイルライフをしている人は、
パワーユーザと呼ばれる、
パソコンそのものが楽しくて楽しく仕方がない
ごく少数の人であるというのが実情でしょう。

一方で、パソコン業界には、
時代はモバイルからユビキタスへ、とか、
ウェアラブルコンピューティングとか
もっと身近なところでは、ブロードバンドとか、
いろいろな新しい言葉が、次から次へと、
飛び交っています。

ユビキタスというのは、どこにいてもコンピュータがあり、
コンピュータを操作しているということを意識させない
コンピュータの使われ方を指すようです。
ま、おおざっぱにモバイルも含んで
考えられているようですけどね。

で、です。
基本的に、わたしにとって、
人が、リアル世界であれ、ネット世界であれ、
どれだけ関与できる領域が確保されているか、
という点が、重要と考えています。

というのは、人間が心底楽しいと思えるのは、
どんなときかと考えると、
自分が関心を持ったことに対して、
主体的に取り組めるときであると思います。

そう考えるに至ったのは、
「宝箱のなかみ」のコーナーで紹介している、
「フロー体験 喜びの現象学」の内容に
大きく影響を受けているんですけど。

そういうことをベースにして、
モバイルシーンの現状と業界の喧噪を
考えてみると、今いろいろ騒がれている
さまざまなキーワードが、世の中を楽しくおもしろい
ものにしてくれそうなものは、
少ないように思えてくるのです。

それは、今までの流れからわかるかと思いますが、
人が何もしなくてもいいように、
世の中が進んでいるように思えるからです。

例えば、ブロードバンド。
確かに、都市部ではADSL回線が普及し、
高速にソフトや音楽ファイルを
ダウンロードできる環境になりました。
でも、動画をストリーミング再生したりするには、
まだまだ速度が足りない、やっぱり本命は光ファイバー、
というのが大方の意見だと思います。

でも、新しくユーザができるようになったことは何か、
という視点で見てみれば、そんなに多くのことが
できるようになったわけではなく、
今までできたことが、違う形で可能になったにすぎません。

動画配信が可能になったといっても、
今までとは違う形で可能になったということであり、
ユーザの動画に対しての接し方という点に関しては、
あまり進化に関与できていないのではないかと思えます。

しかし、モバイルというキーワードは、
ひょっとすると、わたしが思う「いいなぁ」という
進化の姿に近づいてくれそうな気がしていまして、
結構、期待しています。

その期待のわけがモバイルすることで、
バーチャルとリアルをうまくつなげて、
新たなことができそう、ということなんですよね。
それは、リアル世界の「その場所にしかない」という利点と
ネット世界の「どの場所にいてもつながれる」利点を、
うまくインターネットをつかって、両立できるわけです。

ソニーがVAIO C1で提案しているような、
外出先で映像をとって、リアルタイムで見せたり、
というのも、バーチャルとリアルの効果的な融合でしょうし、
旅行先での楽しいことを、だれかにメールしたり、
撮った写真をネットを介して共有したり、
オフ会に参加できない人が、参加している人と
メーリングリストやチャットで盛り上がったり、
ということだけでも、
十分「モバイル」を活用していると思うんですよ。

こういう利用シーンが普及してくると、
「思わず外に出かけたくなる情報化社会」っていうのが、
実現するのではないでしょうか。

家にいながら○○ができるとか、
逆に外出先で、家の機器を遠隔操作したりという
省力化という観点で、パソコンを見てしまうと、
どこか家に閉じこもって、やるようなイメージが、
どうしてもつきまとってしまうんですよね。

それはそれで、わたしはひとつのパソコンとの
接し方ではあるような気がしますが、
新しい可能性の芽を育てるという意味では、
こちらの方にわたしは、目が向いてしまいます。

モバイルが、リアル世界とネット世界の関係を
デザインするだけでなく、インドア派とアウトドア派の
関係をデザインすることになったら、
ますますおもしろくなりそうです。

たとえば、いままでパソコンは好きだけど、
出不精な人でも、外に出ることで得られる
楽しさに気づくかもしれないし、
機械なんて全く興味がなかったり、
苦手で拒否していたような、
アウトドアを趣味とする人が、
パソコンに目覚めて、
さらに趣味の範囲を広げるかもしれません。

さてと。
一通り、大風呂敷を敷かせて頂いたところで(笑)、
わたしは今、とある温泉地におります。
こうして、温泉につかりながら、
ぼやぁ〜っと考えたことでも、
こうやって、Webのネタにできるわけですよ、
やぁ、すばらしい、すばらしい。
20万だして買った甲斐があるというものよ、
って、結局それがいいたいだけなのか…(笑)

2002-2-11



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