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音楽につづく小道にて


音楽を聴くということを
趣味にしていらっしゃる方は多いと思いますが、
大抵は、学生時代から好みの変遷はあるにせよ、
継続したものなんじゃないでしょうか。

しかしわたしの場合、「途切れた」期間がかなりありました。
小学校の1年生のとき、当時の友人が確かチェッカーズの
「涙のリクエスト」(だったと思うが自信がない)を
歌っていたので、まねして歌ってみると、
「お前下手やなぁ」
と言われたんですね。それで、そのできごとがきっかけで、
しばらく音楽からは縁遠い世界で暮らしていました。

それまでは、親戚の家に言っても、演歌を披露するなど
よく歌を歌っていたらしんですが。
逆に、それだからこそ、ショックが大きかったのかもしれません。

とそんなことは、ともかく、
再び日常的に音楽を聴きだしたのが、
浪人生の頃だったと思います。
そして、友人と音楽の話になっても、
それまでテキトーに合わしてきたために、
小学校〜中学校〜高校生の間の
音楽に関する出来事がまるっきり分からない。

かといって、聴きはじめようというきっかけもないし、
自分がその場その場でいいと思ったものを聴いとくかという
至極当たり前の結論に達したのでした(笑)

小・中・高の蓄積がないので、、
必然的に人と音楽の趣味が違っていることが多く、
どうしてこの音楽に惹かれたんだろうか?
ということを考えることがあります。
わたしの場合は、音楽に惹かれたのは、
三つのパターンにか分けられるなと思っています。

まず一つ目。サウンドトラック。
これは音楽の鎖国状態にあったわたしにとって、
長崎の出島みたいな存在でして、
ほぼ唯一の音楽との接点だったように思います。

サウンドトラックといっても映画ではなくゲーム、
特にドラゴンクエストやファイナルファンタジーのサントラです。
ご存知な方はご存知でしょうけど、
ドラゴンクエストはすぎやまこういち氏、
ファイナルファンタジーは植松伸夫氏が作曲を担当していらっしゃいます。

RPGの音楽は、場面場面で違った音楽が当然必要になるのはもちろん、
同じような雰囲気の音楽では、だめです。
地下深く洞窟を探索しているときの音楽が、
どこかの村でのんびりしているような感じだと、
なんじゃ、そらと言いたくなりますよね。

違った雰囲気の音楽がストーリーを介して
有機的につながっているという感じです。
またドラゴンクエストとファイナルファンタジーでは、
作曲される方の音楽の傾向の違いから、
前者は、クラシック調で、
後者は、どこか土臭いというか、そんな感じが漂っています。
最近では、曲に土臭さはないですが、
FF9のエンディングテーマなど、
ゲーム全体のテーマ、特にビビとの関連で
感慨深いものがありましたねぇ。

っと、閑話休題。

ゲームの音楽は、プレイ中に何度も何度も聴くことになります。
この点が、映画の場合とおそらく違う点で、
何十時間にもわたって、プレイするわけですから、
脳みそに音楽が染みわたってくるのです(笑)
現に今でもプレイした作品の音楽は、
あぁ、あのときのヤツだなと分かると思います。
たとえ、ストーリーの一部を忘れていても。

次に二つ目。感覚的にフィットしたもの。
たとえば、Eric Crapton"Change The World"が、そうです。
別に洋楽を聴いているわけでもなんですが、
直感的に、つまり「なんだか分からんけどいい」
と思いました。

確か日産自動車のCMに使われてて、いいなぁと思っていて、
そのあとに、木村拓哉さんが主役の「織田信長」がTBSで放映されていて、
そのエンディングテーマが、"Change The World"だったんです。

時代劇なのに、どうして洋楽だったの?
と言われると困るんですが、
おそらく信長が「時代を変えた」という意味を
込めたのかもしれませんね。

まぁ、そんなことはさておき
どうしても、もう一度聴きたかったので、
TBSにわざわざ電話して、曲名とアーティスト名を訊いて、
やっとCDを手に入れました。

このようなかたちで、音楽に惹かれることを知ってから、
もともと持ち合わせていない「ジャンル名」を極力忘れるようにして、
そういうジャンルで「好きな音楽はこういう感じ」と
決めるのをやめることにしました。
いつ、どんな風にフィットする音楽と出会えるか分からないわけですから、
先入観を持つのはやめよう、というわけです。

最後は、人に興味を持った場合。
これは、宇多田ヒカルさんの場合です。

当初わたしは、彼女に全く興味がありませんでした。
だって、なんか売れてるけど、
確かに歌はうまいけど、
2番目の場合のように、ビビビビッという感じは、
そのときはしなかったんですね。
(あとから、ビビビとくる曲があったけどね)

それで、テレビに姿を表さない彼女が
テレビに出るというので、
ま、時間もあることだし、見てみるかというわけで、
「SMAP×SMAP」をみたんですが…

おもろいっ!もっと知りたいっ!
という感じがしましたね。
もっとも、おもしろいといったって、
"funny"ではなくて、"interesting"ですけど。
ま、要はなんて楽しい考え方のできる人なんだろうか、
と思ったわけです。

それで、彼女は自分で詞も書くそうだ、
というので、それじゃ彼女自身の話を聞くのもいいけど、
やっぱり彼女の考え方の真髄は、詩の出るだろう、
というわけで、彼女の歌を聞くようになったんですね。

今日は自分の話ばかりで申し訳ないですね。
皆さんはどうなんでしょう?
わたしもそうでしたが、意外とある音楽を
好きになった理由を突き詰めてみると、
へぇ〜、そうなんだぁと
発見があるかもしれませんよ。

2000-9-11


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