卒業旅行−中編−

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by,石礫


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4.疑惑編

警察がやってきた、それは目暮と言う警部補と毛利と言う刑事であった。そして、鑑識が部屋を調べている。
「しかし、この部屋ひどく荒らされてるなぁ…」
「亡くなっていたのは木村樹里さん会社員です。…滅多刺しのうえ顔を湯に押しつけられみたいですね…」
「風呂に入ろうと着替えていた様だな…そこを何者かに襲われたって所か・・・」
「警部補!」
「なんですかトメさん」
「ここに残されていた凶器と思われるナイフは被害者の持ち物らしいです。どうやら、指紋を消したうえに水とかで洗った様ですな。」

こちらでは、梨果に樹里の持ち物を確認してもらっている
「根本さん、被害者の持ち物で何か無くなっている物は・・・」

「警部補!荒らされた被害者の持ち物から財布などの貴金属が無くなっているみたいです!!」

被害者の部屋の捜査は続いている。発見者達はそれを見ている
「なぁ、ワタル?」
「ん?」
「チャンスじゃねーか?警視庁の人と知り合えたら刑事になるの早くならねーか?」
「・・・・あのなぁ…オレは警察学校に行ってもいね−んだから、ちゃんと刑事になれるかはまだわかんね−っての。そりゃあ刑事志望だけど。」
「でもよォ」

リビングに集められたここに居た全員
「で、発見者はここにいる皆さんと言う事ですね」

そして、全員の紹介
「ええと、被害者の友達でここにはバードウオッチングに来た根本梨果さん。モトクロスの練習に来た柄原和弥さんと柊直広さんは米花薬科大学の学生さん。
そこの三人はここに卒業旅行に来た高校生板垣幸彦君、榎本修君、高木ワタル君。で、貴方が風景写真をとりに来たカメラマンの東雄介さん。そして、ここのオーナーの梅木拓海さんですね。」

「それより、部屋は密室か…」

「わかりましたよ警部補。ここの2階の部屋には全てベランダがある。しかも、隣の部屋からならベランダから飛び移れる、そんなの普通の女性には無理だが……男性なら」

「つまり!君等の中に犯人が!!」
・・・毛利刑事はワタル達を指差した
「はぁ?」

「その3人なら、ずっとリビングにいましたけど?」
とオーナーがツッコミをいれる、そして、幸彦が言う
「オレ達部屋を出る時鍵しめてったんですが…鍵はワタルが持ってるから誰かがあの部屋に行くのは無理」
「うん。持ってますよ」とワタルは鍵を見せた
「じゃ、君か!?」
「…みんなと一緒にいたオレにどうやって?」
とワタルもさすがにツッコミをいれる
「じゃ、オーナーはっ」
「…あのぉ…その前に私は、この子達と一緒に居たんですが…」と少々遠慮がちにオーナーも意見
「じゃ、死亡推定時間の頃に外で姿を見られた東さんが犯人だ!!」
「…はあ?なんで、夕日の写真とってたオレが犯人ですか?」
「2階から飛び降りたんだろ」
「冗談じゃない!飛び降りたんだったら音ぐらいするだろう!!しかも、ここの周りは玉砂利なんだから、派手な音するかもしれない」
「…あ、だったらロープか何かで降りたんだ…」
「どこにそんなロープが?」
「ロープ…?待てよ、そうか、モトクロスをやりに来た大学生の君等なら、ロープぐらい持って居るんじゃないのか?バイク用手袋なら、手にロープの跡もつかない」
と、今度は柄原と柊を犯人と指摘する
「なんでそうなるんだよ。それにさ、アリバイは互いに証明できるし」
「友達たから互いを庇いあっているんだろう」
「アホか!!あんた、大体、あんなに部屋荒らされてたんだ。誰かが侵入したかもしれないだろう。」
ことごとく、否定される毛利刑事の推理だった

「(毛利(汗)…バカモンが…(苦笑))」と目暮は心の中で思った。

「ったく、あれが天下の警視庁の刑事か?なぁ、ワタル…おまわりになるのだけは、やめとけ。」
「ホント、悪い事はいわね−から、やめとけ。ワタル。あれじゃあ、ひどすぎる。」
ワタルは思わずひきつった笑いをするしかなかった
三人の会話を小耳に挟んだ目暮はワタルに尋ねる
「おまわり?なんだ。君、警官になるのか?」
「え、あ!あの、春から警察学校に通う事になってるんです」
「それも、こいつは刑事志望です!!警部補さんどーですこいつ!!こんな善人面ですけど!!」
幸彦と修は、ワタルを目暮警部補に訳のわからない売りこみをしようとする(笑)
「良い友達を持ったな(苦笑)…すまんなぁ。これから警官になる夢持ってた君に悪いもん見せたなぁ」

 

そして、沈黙
「そういや、昼に雨降った時にお前等あの女と言い争ってなかったか?」
と、東が柄原に言う
「そ、そういや、さっきブレーカー落ちた時にまた電気食うの使うから落ちたとか言ってましたよね」
と修が言う
「あ、あれは、昼にオレが髭剃りしてる時にあの女がちょうどドライヤー使ってやがって、ブレーカー落ちたんだ。しかも、昼飯の為にレンジ使ってたんだよなオーナー」
「やっぱり。お前等が犯人!」と毛利刑事。
「あのね。そんな事で、人、殺しますか?大体、医者になろって人間が!!」
また、沈黙。

「ところで、このペンションの扉の施錠はどうされているんですか?」
「はい、昼間はいつも開けてますけど、皆さんがいつでも出入りできる様に」
「つまり、誰かが部屋に侵入して出て行っても、もしかしたら、わからないかもしれないんですか?」
「はい…彼女が亡くなったらしい時間帯は忙しかったら…手伝ってもらわないと、予定していた時間に食事は出せなかったでしょう」
なるほどと、目暮と毛利刑事がうなづいていると
「あ!!」
と梨果が何かを思い出した。
「なんですか、根本さん?」
「…あの、樹里の事なんですけど…最近、別れた彼氏にしつこく付きまとわれて、困っているって、もらしていた事が…」
「なんですって…!?」
「…なんだか、その…彼に殺されるかもって…私、てっきり冗談だと…だって、彼女の別れた彼氏ってそんな人じゃなかったから」

「ま、まさか、その男がここに侵入して木村さんを!?」

「その人の所在も調べないといかないな…電話お借りできますか?」
「はい、電話は階段の方にあります」

毛利刑事が、電話でその男の事を調べる様に連絡しに、リビングを出ていった。

目暮は言う
「その被害者に付きまとっていたと言う男が部屋に侵入し殺害、その後鍵を閉め、ロープを使って部屋から降りたかもしれんな。それに何者かによる強盗殺人って可能性もまだある。とりあえず、トメさん達の調べが上がってからだ。」

「・・・・」
ワタルは考えこんでいた…。

 

付きまとっていたって男…確かに、怪しいよな…。でも、そんな簡単に侵入できるんだろうか…リビングからでも玄関の扉の開閉される音は聞こえたのに…?上手く侵入できても2階には何人も人がいたから…誰かに気が付かれるかもしれないんだぞ。…それに例え、誰かがベランダからロープで降りたとしても窓の下の地面に敷き詰められた玉砂利を踏まないはず無いんだ。

ん、そう言えばなんでこの人…あの時なんで…?それにあの時の…あれは…

 

その時ワタルはこの事件に対して、ある推理が思い浮かんだ。
「あーそっか!!」

「え!!?」

「あの…警部補さん良いですか?…ちょっと、思いついたんですけど、もしかしたら、オレ、この事件の謎が解けたかもしれない…。」
ワタルの言葉に一同驚く。

 

後編に続く!!>後編へ

後書き:「14番目の標的」で毛利さん所轄の刑事って…しまった!?…うーん、どうしよう…ま、良いか(苦笑)10年以上前か、ひどい事件って事でっ(滝汗)←石礫…なんて事を発言してるんだ(=□=;)…毛利さんがやたらヘボですよね(笑)さてと、…高木君はどんな推理を思いついたのでしょうか?次回はついに解決編です!