古典棋譜鑑賞 道策

06寛文8年12月18日 1668 先 安井 知哲 本因坊 道策 白11目 部分的な競り合いに強い知哲を大局観で制した道策の碁
<対局の背景>
知哲は道策より1歳年長。御城碁には同時に出仕するようになった。
以下は日本囲碁大系3道策に記されたエピソード。
道策が名人碁所に就位した延宝6年、34歳の御城碁で、珍しく将軍家綱が姿を見せ、「いずれが道策か。」と声がかかったことがある。光栄の極で、道策は心も盤外に飛んで、ふと気がつくと容易なかざる局面になっていた。途中手洗いに中座した時、師の道悦が小声で、「相手は知哲ぞ。」とささやいた。これで気を取り直して、道策は冷静になり、見事勝って将軍お声がかりの面目をまっとうすることが出来た。
知哲との棋力の差を示すエピソードなのだろうが、smile_aceには疑問がある。つまり、御城碁は下打ちをしたそうで、下打ちの段階では将軍との出会いは無いからである。家綱のころはまだ下打ちはしなかったのだろうか。いや、とてもそんなことは考えられないと思う。

<本局の特徴>
呉九段の解説より引用
知哲はなかなかの棋力で、部分的な石のせりあいに鋭いものがあるが、そこを道策に巧妙に利用されている。道策は、常に大局的に打っているのである。
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そして、
  「日本囲碁大系 第3巻 道策 解説 呉清源九段」
を参考に変化図も加えて 鑑賞ファィル を作ってみました。

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古典棋譜鑑賞 道策


07寛文9年6月19日 1669 先 本因坊 道悦 本因坊 道策 黒3目 師道悦との絶品の師弟戦
<本局の特徴>
酒井九段の解説の引用
この対局は3日間を要し、恐ろしく内容の濃い碁である。結果は、道策の神技にもかかわらず、師匠道悦が黒ではあるが3目を残している。
白106が囲碁史に残る名手だそうで、smile_aceの目には、黒105が予定外の着手の為の方針変更に見えてしまった。 コミが無いので黒の3目勝ちになっているが、実質的には、弟子道策の勝ち碁なのだろう。
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そして、
  「囲碁古典名局選集 玄妙道策 解説 酒井猛九段」
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08対局日不明 先 本因坊 道悦 本因坊 道策 黒3目 師道悦との師弟戦 華やかな攻防
<対局の背景>
道策は強すぎて好敵手はいなかったが、あえてあげるとすれば、名人に就位する前の頃の師匠の道悦、晩年には小川道的らの愛弟子たちであった。道策の遺譜153局で黒番の負けは無いが、白では負けることもあり、本局はその少ない負け碁の一局である。
道悦、道策のの勝負は11局の遺譜があり、道策の黒番は5勝、白番は2勝3敗であった。

<本局の特徴>
白42とあえて黒45の急所の切りを打たせて戦った道策の作戦が面白い。しかも、師匠を相手の構想というところがなんともいえない。
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  「囲碁古典名局選集 玄妙道策 解説 酒井猛九段」
  「碁神道策              解説 福井正明九段」
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09寛文9年7月7日 1669 先 安井 知哲 本因坊 道策 白10目 薄い大模様を変幻自在に勝局に結びつけた碁
<酒井九段の道策の碁に対する評価>
道策は300年も前の人であり、布石が古風であるが、序盤については旧式ではあるが、それから先の碁の本質的なものは驚嘆すべきものがあり、水準は現代に勝ることはあっても劣るものではない。碁聖道策の碁を並べるのは、碁の真髄に触れる近道である。

<本局の特徴>
二間飛びで築いた薄い大模様を、変幻自在に打ち回し、黒の知哲も秘術を尽くして対処したにも拘わらず、白10目勝ちの結果に終わっている。
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  「囲碁古典名局選集 玄妙道策 解説 酒井猛九段」
  「碁神道策              解説 福井正明九段」
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古典棋譜鑑賞 道策

10寛文9年9月22日 1669 先 杉村 三郎左衛門 本因坊 道策 白6目 2世本因坊算悦との碁があるほどの大先輩三郎左衛門との対局 AB
<対局の背景>
道策は4世本因坊だが、先々代の2世本因坊算悦との碁があるほどの大先輩三郎左衛門との対局。道策との碁は本局を含めて2局の遺譜がある。

<本局の特徴>
道策の大模様作戦や、呉、酒井両九段の見解が異なる部分もあって面白い。
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  「日本囲碁大系 第3巻 道策 解説 呉清源九段」
  「囲碁古典名局選集 玄妙道策 解説 酒井猛九段」
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