馬のある暮らし「馬の生活」プロジェクト:
小峰 博之 (北海道下川町)
🐎道北の暮らしをつなぐ馬(エッセー)はこちら
趣旨:北海道の持続可能な暮らしを考えたときに、
北海道の自然資源を生かした循環型の暮らしにシフトしていく必要がある。
その中で、北海道の森林に適応して
生き延びることができる日本在来の北海道和種「ドサンコ」を
さまざまな場面で活用し、馬のある暮らしを見直すことも必要と感じている。
一方で下川には経験豊かな馬生産者が健在しているが、
町内の馬飼育数はわずかであり、途絶える前に伝承が望まれる。
そこで維持経費が少なく、小柄で馬力があり、
ササを好んで食べ、乗馬しやすい歩行の「ドサンコ」を飼育しながら
馬文化を受け継ぎ継承していく。
経緯:
2015年5月に七飯町でドサンコを育てている牧場で8日間の研修を受けた後、
ドサンコ1頭(当時・3歳牝、名前はハナ)を購入した。
9月12日から下川町内三の橋で放牧しながら
調教のトレーニングを重ねている。
午前・午後の世話に加え、
毎日早朝1~2時間、調馬索という円運動と乗馬を繰り返している。
2016年3月からは定期的な路上(国道)での乗馬トレーニングも開始。
同年5月から月1、2回程度、自転車と乗馬で走る路上ポタリングも試験的に行っている。
同年9月には乗馬で三の橋→渓和方面→市街地を経由して美桑が丘へ移動し、
12日間、美桑が丘で林間放牧しながら乗馬体験桑園トレイルポタリングなどを実施した。
2017年…5月15日~6月12日 2度目の美桑が丘林間放牧を実施
そのうち5日間、市街地住宅前を乗馬で往復しながら移動放牧を実施し、
近所の幅広い世代、地元小学生へ馬との触れ合いの場を提供
町幼児センターの親子遠足に乗馬にて合流し触れ合いタイムを提供
市街地ポタリング、美桑が丘で乗馬体験を実施しました。
7月に一の橋市街地移動放牧、放牧地にて地区住民との野外食事交流会も実施
9月に再び美桑が丘移動放牧を実施。
ドサンコポタリングとヨックルガーデンの連携企画・馬糞ポタリングを実施
2018年・・・6月~7月下旬まで、美桑が丘移動放牧(森ジャム参加)
みくわの日乗馬体験・小学2年森林環境教育・幼児センター触れ合い
元町公区レクリエーション活動にて触れ合い&乗馬体験
9月に町内集落・一の橋市街地放牧と野外食事交流会実施
(地区住民の方々の要望で放牧期間も延長)
2019年・・・6月~7月末まで、美桑が丘林間放牧(ササを食べさせ植生改善)
その間、みくわの日やみくわキャンプでの乗馬体験、森ジャム参加、
小学校森林環境教育、認定こども園森遊び、森のようちえんで触れ合いの場提供
市街地、老人ホーム、元町公区レクレーション、高齢者サロン(共生型住まいの場)
老人クラブなどを乗馬で訪問し、馬放牧による触れ合いや乗馬体験を提供
乗馬による市街地商店での買い物を実験的に実施
《馬を通じた幅広い世代の住民の方々との触れ合いの場に》
乗馬で上名寄の農家訪問、上名寄頭首工往復のサクラマスポタリングに参加
郊外のレストラン(モレーナ)へ馬で往復して昼食会を楽しんだ。
9月~ 乗馬で移動し、一の橋市街地放牧と野外交流会実施
町障害者支援施設山びこ学園と馬触れ合いや乗馬体験
合宿ポタリングに参加し乗馬で天北峠越えし、
1泊2日の旅(西興部村上興部宿泊・地元と交流)
馬糞野菜栽培の拡大中(自給・物々交換へ活用)
他に随時、馬と自転車で走るポタリング活動、乗馬体験受け入れなど実施。
2020年・・・2月 昔の馬そりを地元木工作家の協力で小型化・修繕。
冬の楽しみ方として馬そりをスタートしました。
コロナ禍の中、乗馬で下川町内市街地を移動し、さまざまな商店で買い物しています。
4月~7月・・・美桑が丘放牧・地域への多様な触れ合いの場提供
2人乗り用鞍を導入し2人試乗実施
老人ホーム・生活支援ハウス・デイサービスへの移動放牧(触れ合い)
7月・・・全盲写心家・おーちゃんの乗馬で買い物チャレンジに協力
8月・・・小型馬でも可能な、小規模菜園の再耕を対象とした、
和製犂を使った馬耕の実践研究に、ドサンコのハナと取り組み始めました。
9月・・・下川町一の橋の移動放牧に合わせて、
森のキツネ主催:地域住民と協働開催の馬のいるカフェ「ハナカフェ」に参画。
障害者支援施設「山びこ学園」と触れ合い&乗馬体験(2年目)
『水曜どうでしょう』ディレクターが下川を走る愛馬ハナの
映像(しもかわ観光協会撮影)を眺めながらライブ生配信
愛馬ハナと下川小学校6年対象の環境教育
11月・・・下川小学校の自然体験クラブで乗馬体験を提供
今後の展開:
町内の乗馬による移動や森林整備(食べさせることでの下草刈り、搬送)の継続実施
児童や高齢者、障害者へのホースセラピーなどにも生かしていく。
日常生活の中で積極的に馬を生かしていく
町内外あらゆる場所での馬旅を模索中
・馬の可能性について・
高齢者にとっては身近で懐かしい存在、子どもや若者にも人気がある。
馬のいるところには自然に、世代交流が生まれてくる。
馬糞は土壌改良にとても優れている。
ハナの馬糞は下川町内の美桑が丘の自然農園、ヨックルガーデン、地域の家庭菜園でも活用
< 馬糞関連エッセイ >
馬と触れ合い、共に運動することで 心身を健康にする。
コミュニケーション能力など教育にも生かせる。
<ホースセラピー関連エッセイ >