■献血の種類について
献血の種類には大きく分けて2通りの方法があります。全血献血と成分献血です。全血献血は血液をまるごと200mlあるいは400mlあげる方法で、成分献血とは、血液を構成している一部分だけをあげる方法です。現在、患者さんに輸血する時は、必要な成分だけを輸血する方法がとられています。
では血液には、どんな成分があるのでしょうか?
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おみずのところ |
血漿 (漿というのは、さらさらした液体のことです) |
ほとんどが水分 血液凝固因子 アルブミン グロブリン |
細胞のところ |
血球成分 (ここの部分の割合をヘマトクリットとよびます) |
ほとんどが赤血球 あとは血小板、 白血球になります |
成分献血では、血漿や血小板という成分を集中して頂きます。
赤血球はほかの方にあげる余力はあまりありません。(献血できなかった方の約半数が赤血球の働きにあまりの分がないことによります)
しかし、血小板はあまりの部分が大きいので、ここだけ集めることで一人の献血者の方が、より多くあげられます。全血には、200ml献血と400ml献血がありますが、200mlの血液の中にある血小板の量を1とすると、血小板だけ集める成分献血なら10という量をあげられます。(20という量もその方のもっている血小板の量で可能です。20という量を欲しい患者さんがいるという連絡のあった時、20単位の血小板献血をお願いしています)。白血球は自分の身体を守るものなので、他の方の身体に入ると、かえって悪さをします。
血漿には、血液を固める力のある血液凝固因子があります。血友病の患者さんに欠けているものですね。アルブミンという蛋白や免疫を担うグロブリンという物質もあります。血漿献血では、これらの物質を特に取り出させて頂いて、血液製剤も作ります。血漿の部分は、身体の中を流れる血液の量の12%まで献血することができます。
赤血球を他の方にあげる全血献血の場合、200ml献血でヘモグロビンが12.0g/dl以上、400ml献血で12.5g/dl以上必要です。赤血球は寿命が長く、体内で120日くらい生きています。その為赤血球をあげると、回復もゆっくりです。成分献血では、赤血球はお返しする方法ですので、身体への負担は少なくなります。患者さんには、より安全な輸血ができて、献血者の方には、身体の負担が少ないという利点のある成分献血ですが、欠点もあります。
まず時間がかかります。採血には、400mL献血では10分位、成分献血では40分から90分位かかります。次に、副作用が多少増えます。ひとつは
クエン酸反応、ひとつは
皮下出血です。
患者さんの輸血の際の副作用を減らすことができる成分献血と400ml献血をよろしくお願いしますね。