■「献血中に唇や手先が痺れたんですが」


1、これは献血に伴う副作用です

この副作用はクエン酸反応または中毒といいます。

2、クエン酸とは?

血管の外にでると血液はかたまりやすくなります。(固まらなかったら、血がとまりません)その為、成分献血では、血液が固まらないようにする薬(クエン酸)を血液に混ぜさせて貰っています。なぜクエン酸によって血液が固まりにくくなるかというと、血液が固まるときには、カルシウムの働きが必要で、クエン酸はカルシウムの働きを邪魔するからです。成分献血の時は、血漿を頂いて、赤血球をお返ししますが、そのお返しの時、身体の中に、赤血球と共にクエン酸がはいります。クエン酸は、腎臓から排泄され、肝臓でもどんどん分解されますが、個人差によって身体に合わない方がいます。カルシウムは体の中で、神経の伝達や、筋肉の収縮にもかかわっているので、カルシウムの働きがおちると、唇や手先のしびれ、またこわばり気持ち悪さ等となってあらわれます。

3、血小板献血の時に多いのですが どうしてですか?

機械の種類や採血の種類で、血液に対してどのくらいクエン酸をまぜあわせるかという割合が違います。血小板献血の場合、その割合が高いので、クエン酸中毒がおこりやすくなります。

4、どうすれば治るのですか?

カルシウムをとることで治ります。 採血中や後の 不快な症状は ナースやドクターに教えて下さいね。軽いクエン酸中毒の場合は、採血前にカルシウムの補給をしていただくことで改善できることもあります。 次の献血では、先にカルシウムをとって頂いて様子をみせていただきます。稀に、クエン酸中毒の強い場合、カルチコールというカルシウムの静注薬を使わせて頂く場合があります。クエン酸中毒は個人差あるので、どうしてもあわなければ、成分献血はお願いできません。全部の血液を頂いて、返血のないタイプ 全血献血でお願いしますね。クエン酸に弱い方は、献血の後にも、カルシウムの補給に気を付けて下さい。カルシウムはそうでなくても現代人に不足しがちな栄養素ですので。

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