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薬の副作用
The side effects of drugs

 

副作用とは

「疾病の予防、診断、治療、または生理機能を正常にする目的で医薬品を投与したとき、人体に通常使用される量によって発現する、有害かつ予期しない反応」と、WHOでは定義されています。要するに、医薬品を服用または使用したときに、その目的以外の作用が現れた場合、それを副作用といいます。どんな薬にも副作用が存在します。医師の言うまま服用するだけでは、いざ副作用が現れたとき患者さんの方はどうしたらよいかわからない場合が多いのではないでしょうか?

あなたは、病院で薬をもらうとき、医師や薬剤師から十分な副作用の説明を受けていますか?またもし、あなたが薬の副作用ではないかと疑ったとき、その病院の医師たちは親身になってあなたの話を聞いてくれますか?

当サイトでは、未だ日本の医療の盲点である副作用対策を少しでも補足しようと、日々取り組んでいきます。

 


症状から見る薬の重大な副作用

  

副作用名称

副作用の症状(初期のものを中心に)

原因となりうる医薬品群(高頻度)

血管浮腫

唇や舌の腫れ・灼熱感・しびれ、舌や顔面のかゆみ、顔面や胸部の紅潮、息苦しさ、声がかすれる、話づらい、食物・飲み物が飲みにくい、喉がぜーぜーする

ある種の血圧の薬(ACE阻害剤) 他

喘息発作

激しく乾いた咳、呼吸をするときヒューヒュー音がする、呼吸が苦しい

ある種の血圧の薬(β-遮断剤)

消炎鎮痛剤(NSAIDs)

ある種の抗生物質

副交感神経刺激剤 他

心不全

運動、動作時に息切れがする、倦怠感、疲れやすい

ある種の血圧の薬(β-遮断剤、Ca拮抗薬) 他

多型性心室性頻脈

(Torsades de Points)

不整脈、失神

※多くの薬剤で報告されている。

頭痛

頭痛

ある種の血圧の薬(Ca拮抗薬)、ニトログリセリン 他

痛風発作

足の親指の付け根の激痛

ある種の利尿薬 他

間質性腎炎

血尿、尿の量が減る、尿がにごる、発熱、発疹、関節の痛み、手足の痛み、食欲不振、吐き気、下痢、体重減少、倦怠感

消炎鎮痛剤(NSAIDs) 

ある種の利尿薬 

ある種の抗生物質 他

高カリウム血症

筋力低下、脱力感、脈が乱れる、吐き気、下痢、意識障害

消炎鎮痛剤(NSAIDs) 

ある種の利尿薬

ある種の血圧の薬(ACE阻害剤) 他

低カリウム血症

手足の脱力感、筋肉痛、喉の乾き、下痢、吐き気、脈の乱れ

多尿

ある種の利尿薬

ステロイド剤

ある種の下剤

ある種の抗生物質 他

ライ症候群

嘔吐、発熱、痙攣、呼吸障害、意識障害

解熱鎮痛剤(アスピリン他)

腸閉塞様症状

激しい腹痛、吐き気、嘔吐、腹部の張り

経口糖尿病薬(α-グルコシダーゼ阻害剤)

麻痺性イレウス

腸閉塞症状(腹部の張り、腹痛、吐き気)

抗精神病薬、抗うつ薬

皮疹

皮膚に発疹が現れる

※ほとんどの薬剤にこの副作用の可能性がある。

皮膚粘膜眼症候群

Stevens-Johnson症候群)

高熱、全身倦怠感、咽頭・胸痛、吐き気、筋肉関節痛、

水泡性の皮疹、皮膚の発赤、皮膚出血・びらん、膿汁、

口内・周囲炎、目の充血

※ほとんどの薬剤にこの副作用の可能性がある。

中毒性表皮壊死症

(ライエル症候群)

高熱、水泡性の皮疹(やけど様)、皮膚の発赤、皮膚出血・びらん、膿汁、口内・周囲炎、

※ほとんどの薬剤にこの副作用の可能性がある。

肝障害

腹痛、嘔吐、発熱、皮膚や白目が黄染、かゆみ、出血傾向(歯茎や鼻血等)、血が止まりにくい

※ほとんどの薬剤にこの副作用の可能性がある。

腎障害

尿量の減少、浮腫(むくみ)、食欲減退

ある種の抗菌剤(NQ剤)

ステロイド剤 他

ネフローゼ症候群

浮腫、倦怠感、易疲労感、尿量減少、尿が泡立つ

抗リウマチ薬

消炎鎮痛剤(NSAIDs) 

ある種の血圧の薬(ACE阻害剤)

痛風治療剤 他

膀胱炎症状

頻尿、排尿痛、残尿感、尿色変化、下腹部痛

ある種の抗アレルギー剤、

ある種の漢方エキス製剤 他

低血糖

強い空腹感、冷や汗、手足の震え、脱力感、イライラ、動悸、目がかすむ、耳鳴り、頭痛、痙攣、意識障害

インスリン、経口血糖降下剤(SU剤他)

光線過敏症

発疹

ある種の抗菌剤(NQ剤、TC剤)

消炎鎮痛剤(NSAIDs)

抗ヒスタミン剤

ある種の利尿薬

経口血糖降下剤(SU剤) 他

白内障、緑内障

視力障害、水晶体の混濁

ステロイド

骨粗しょう症

骨折しやすくなる

ステロイド、甲状腺ホルモン、抗てんかん薬、抗凝固薬、免疫抑制剤 他

骨頭無菌性壊死

股関節痛、太もも〜膝にかけての痛み

ステロイド

痙攣発作

痙攣

※痙攣を引き起こす薬剤は比較的多く存在する。

偽膜性大腸炎

水様・粘液・血液が混ざる頻回の下痢、腹痛、発熱

※多数の抗生物質で報告されている。

出血性大腸炎

激しい腹痛、血が混じった水様便

ある種の抗生物質

消炎鎮痛剤(NSAIDs) 他

出血傾向

(血小板減少症)

出血しやすい(歯茎の出血、鼻血等)、出血が止まりにくい、青あざ、生理の量が増える

ある種の抗生物質

消炎鎮痛剤(NSAIDs)

血小板凝集抑制剤

アスピリン、ワルファリン 他

白血球減少症(顆粒球減少症、好中球減少症、無顆粒球症)

急な初熱、咽頭炎、扁桃炎症状を呈する

※多くの薬剤で報告されている。

溶血性貧血

全身倦怠感、頭重感、浮腫、動悸、息切れ、尿色の変化、眼球結膜の黄染

※多くの薬剤で報告されている。

再生不良性貧血

血小板減少症と白血球減少症(既出)の他、貧血症状

※多くの薬剤で報告されている。

溶血性尿毒症症候群

食欲不振、腹痛、悪心・嘔吐、下痢、血便、皮下出血、

黄疸、血尿、乏尿、急性腎不全

シクロスポリン、タクロリムス水和物

マイトマイシンC 他

汎血球減少症

感染症、出血傾向、貧血の諸症状

※多くの薬剤で報告されている。

血栓症

頭痛、手足の脱力感・麻痺、構音障害(呂律が回らない)、

意識障害、心胸部痛、息切れ、視力障害、腹痛しびれ 他

女性ホルモン製剤、各種ステロイド

偽アルドステロン症

低カリウム血症(既出)、血圧上昇、脱力感、痙攣、筋力低下、体重増加、浮腫(むくみ)

※多くの薬剤で報告されている。

横紋筋融解症

筋肉の痛み、脱力感、手足のしびれ・痛み・腫れ、血尿

高脂血症治療剤 

ある種の抗菌剤(NQ剤) 他

無菌性髄膜炎

発熱、頭痛、悪心・嘔吐、首筋の硬直

ある種の抗生物質

消炎鎮痛剤(NSAIDs)

抗てんかん薬 他

間質性肺炎

乾いた咳、息切れ、息苦しさ、発熱

ある種の漢方製剤

抗リウマチ薬

ある種の抗菌剤(NQ剤) 他

消化性潰瘍

胸焼け、胃やみぞおちが痛い、食欲不振、吐き気、下痢、軟便、血便(便が黒色)

消炎鎮痛剤(NSAIDs)

ステロイド剤 他

味覚障害

味覚の減退・消失、金属味、塩味、辛味

※多くの薬剤で報告されている。

アキレス腱炎・断裂

アキレス腱の痛みや腫れ、発赤やかゆみ、断裂

ある種の抗菌剤(NQ剤)

ステロイド 他

末梢神経障害

筋力低下、感覚低下、しびれ感、激痛、灼熱感、

起立性低血圧、排尿障害、下痢、インポテンツ

抗結核薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、

ある種の抗生物質 他

視神経炎

視力低下、目のかすみ、ちらつき感、視野の変化

抗結核薬

遅発性ショック

口中異常感、掻痒感、顔面の紅潮・熱感、しびれ感、

めまい・ふらつき感、眼前暗黒感、けいれん、悪心・嘔吐

CT用血管造影剤

SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)

全身倦怠感、傾眠、昏睡、頭痛、悪心・嘔吐、めまい

抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬

全身性エリテマトーデス(SLE)

全身倦怠感、発熱、関節炎、顔面の紅斑、胸痛

D-ペニシラミン 他

昏睡、眠気

筋弛緩、尿・糞失禁、瞳孔・脈拍・呼吸異常

抗てんかん薬

うつ状態

不眠、不安、焦燥、悲哀感、精神運動抑制、自殺念慮

レセルピン、ステロイド、

インターフェロン

もうろう状態、

一過性健忘

ある一定期間の記憶障害

向精神病(ベンゾジアゼピン系)

幻覚妄想状態

幻覚(幻視、幻聴、幻臭)、妄想

ステロイド、インターフェロン、

ある種の胃薬(H2-ブロッカー)

せん妄

幻覚を伴い、現実にそぐわない出来事で興奮する

向精神薬(ベンゾジアゼピン系他)、

ステロイド、インターフェロン、

炭酸リチウム、抗パーキンソン薬、

ある種の胃薬(H2-ブロッカー) 他

パーキンソン症状

錐体外路症状:振戦、筋強剛、歩行障害、構音障害(呂律が回らない)、仮面様顔貌

抗精神病薬、抗うつ薬、

消化管運動改善薬(ベンザミド系) 他

アカシジア

下肢がむずむずしてじっとしていられず、落ち着き無く歩き回る状態

抗精神病薬、抗うつ薬

ジストニア

首や体の筋肉がねじれる、筋肉痛

抗精神病薬、抗うつ薬

遅発性ジスキネジア

上記の症状の他、舌、口の周囲がくねくね動く

同上(長期間の連用による)

悪性症候群

発熱、発汗、筋硬直、幻覚・妄想、興奮、自律神経症状、急性腎不全ほか多臓器不全

抗精神病薬、抗うつ薬


※上記副作用は薬品すべてを網羅しているものではありません。

詳細は、当サイトのお薬相談コーナーをご利用ください。

 

薬の副作用かな? と疑ったら・・・

 

まずは、お係りの医療機関の薬局または窓口までご相談下さい。そして、副作用が起きたときの状況、経過等できるだけ詳しく話してください。

最悪その副作用によって、後遺症が残るか、死亡した場合には、患者さんや患者さんの家族に対する救済制度があります。

 

医薬品被害救済制度とは

 

医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(略称:医薬品機構)が行っている、医薬品の副作用による病気、障害または死亡に対して、医療費、障害年金、遺族年金等の救済給付を行う制度です。尚、救済給付に要する費用は法律により、国と医薬品製造メーカー等から毎年納付される拠出金により賄われています。

 

 

給付の種類

医療費※1、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金、葬祭料

救済の対象

医薬品を適正に使用※2したにも関わらず発生した副作用による病気(入院治療を必要とする程度のもの)、障害※3(日常生活が著しく制限される程度のもの)および死亡の場合

請求に必要な書類

請求書、医師の診断書※4、投薬証明書、(薬局等で購入した大衆薬の場合は販売証明書)

救済給付の流れ

提出された書類に基づいて、機構から厚生労働大臣に判定の申し出を行い、厚生労働大臣の薬事・食品衛生審議会(副作用判定部会)で審議され、厚生労働大臣の判定結果をもとに機構において救済給付の可否を決定する。

救済対象外薬品

抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、血液製剤関係薬品、動物用医薬品、製造用医薬品、

輸出用医薬品、殺虫剤・殺鼠剤、殺菌消毒剤、体外診断薬、衛生材料、腑形剤 他

救済対象外の場合

・上記対象外薬品を使用したことによる健康被害の場合

・法定予防接種※5を受けた場合

・医薬品製造メーカー等に損害賠償の責任が明らかな場合

・救命のため止むを得ず通常の使用量を超えて医薬品を使用したことによる健康被害の場合

・医薬品の副作用のうち軽度な健康被害や請求期限が経過した場合

救済給付請求の詳細

 

<医薬品機構ホームページ>

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※1 保険外医療費は支給の対象になりません。

 

 

※2  医薬品の添付文書に記載されている用法・用量および使用上の注意に従って使用した場合。

 

 

※3   障害1級:他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のもの。

障害2級:日常生活が極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のもの。

 

 

※4  医師の診断書作成費用は給付の対象外であり、自己負担となります。また、医薬品との因果関係を証明しうる だけの証拠はもちろんのこと、診断書を作成してくれる医師との信頼関係も大切と思われます。

 

 

※5 法定予防接種の場合には、別の公的救済制度があります。

 

 


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